【7代目 ハイゼットデッキバンOEM】スバル サンバーバン オープンデッキ(S321Q/S331Q型) | シン・軽自動車マニア

【7代目 ハイゼットデッキバンOEM】スバル サンバーバン オープンデッキ(S321Q/S331Q型)

サンバーバン

サンバーバンはスバルのワンボックス型軽自動車。オープンデッキはその派生モデルで、ダイハツ・ハイゼットデッキバンのOEMモデルである。本稿では7代目サンバーバンのオープンデッキについて扱う。

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出典:Goo-net

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7代目 サンバーバン・オープンデッキとは?

スバルのサンバーバンはサンバートラックと同じく2012年7月にダイハツのハイゼットカーゴのOEM供給を受けてフルモデルチェンジした。

乗用モデルのディアスワゴンは一足先にダイハツ・アトレーワゴンのOEM供給を受けて切り替わっていたが、貨物バンのサンバーバンの方は遅れてのOEM供給となった。

7代目サンバーバンはダイハツの10代目ハイゼットカーゴがベース。これにエンブレムやステアリングオーナメントを変更し、サンバーバンと仕立てたモデルである。

先代と大きく異なるのはボディ形状とエンジン、サスペンションなどのメカニズム。10代目ハイゼットカーゴがベースとなったことで室内空間、特に後部座席が拡大し、利便性が大きく向上した。

インパネもより利便性を高めたインパネセンターシフトの採用、多数の収納スペースの配置、レイアウトそのものもコンパクトにまとめたことでキャビンの空間にゆとりが発生し、居住性や使い勝手が向上した。

さらに3リンク・リヤサスペンションの採用とロングホイールベース化によって乗り心地の良さと走行時の直進安定性を向上。オートマチック車は従来の3速ATから4速ATに変更し静粛性も向上。

安全装備としてデュアルSRSエアバッグを全グレードに標準装備。ABSは電子制御制動力配分システム(EBD)を採用し、グレードにより標準装備またはオプション設定とした。

その一方でハイゼットカーゴOEMモデルとなったことでサンバー伝統の4輪独立サスペンションや4気筒エンジン、リアエンジン、フロントベンチレーテッドディスクブレーキが廃止となり、ほぼダイハツのハイゼットカーゴと同じモデルとなった。

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サンバーバン オープンデッキ(S321Q/S331Q)とハイゼット デッキバン(S321W/S331W)との違い

先代にはオープンデッキという車種は一部の消防用特装モデルにしかなかったのだが、ベースのハイゼットにデッキバンがあることからサンバーバンにも設定されることとなった。

それがこの「サンバーバン オープンデッキ」という車である。

サンバーバンオープンデッキでは、サンバーバンをベースにラゲッジスペースを切り取って軽トラのような荷台(オープンデッキ)をもたせたモデル。

軽トラほど大きな荷台は無いものの、内装が汚れると心配な荷物を荷台に載せ、逆に雨など濡れること困る荷物は室内に載せるなど臨機応変な使い方が出来る軽バンである。

また、軽トラのジャンボ版とは異なり、きちんとリアシートも搭載されているため、4人乗りという点もポイント。

OEM元のハイゼットデッキバンとの違いはエンブレム程度で、サンバーバンと同じく外装や内外装での専用パーツなどでの差別化はなされない。

なお、S321Qは2駆(FR)のサンバーバン オープンデッキで、S331Qは全輪駆動(4WDもしくはAWD)のサンバーバン オープンデッキである。それぞれダイハツのS321W、S331Wに相当する。

エクステリア

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出典:Goo-net

フロント。ノーマルのサンバーバンと同じでダイハツ版との違いはエンブレムのみとなっている。ぱっと見オーソドックスな顔つきだが、

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出典:Goo-net

サイドからみるとがらりと違う。サンバーバンオープンデッキはハイゼットデッキバンと同じく軽ワンボックスと軽トラを足して2で割ったような形状が最大の特徴だ。

軽トラのような汚れを気にしなくても良い荷台は、仕事や趣味で実用性が高くハイゼットデッキバンが20年以上も前に登場してから根強い人気を誇るモデルとなっている。

足元はサンバーバンと同じく12インチスチールホイール。タイヤサイズは145R12-6PRLT。

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出典:Goo-net

リア。軽トラと同じように荷台は開閉式となっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは3気筒の自然吸気のみ。KF-VE型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンの最高出力は5MTが50ps(37kW)/5700rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。

AT仕様では最高出力はS321Q型のFRモデルが53ps(39kW)/7000rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。トルクは同じだが、最高出力がATとMTで若干異なる。

2015年4月一部改良では自然吸気エンジンの圧縮比向上が図られ出力と燃費がアップ。

自然吸気エンジンのMTモデルでは最高出力は46ps(34kW)/5700rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。

自然吸気エンジンのATモデルの最高出力は53ps(39kW)/7200rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpmとなった。

トランスミッションは4ATまたは5MTで駆動方式はFRまたは4WDだ。

7代目サンバーバンオープンデッキ S321QとS331Qの違い

S321QとS331Qの違いは駆動方式。S321Qは後輪を駆動する2WD(FR)のオープンデッキ。

S331QはS321Q型ベースで全輪を駆動する4WDの7代目サンバーバンオープンデッキ。S331Qの4WDシステムにはパートタイム4WDが採用されており、運転者が任意に切り替えることで普段は燃費の良いFR。いざという時は4WDという使い方ができる。

ただしジムニーやパジェロミニ同様に舗装路などの急カーブや駐車場での駐車時にタイトコーナーブレーキ現象が起きやすく、扱いには注意が必要だ。

インテリア

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出典:Goo-net

インパネ。商用モデルなので質素でシンプルなつくり。ベースとほぼ同じだ。

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出典:Goo-net

スピードメーターもシンプルな1眼タイプ。タコメーターは無い。

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出典:Goo-net

フロントシートはセパレートタイプ。VCやVCターボ(クルーズやクルーズターボ)のヘッドレスト分離型シートを採用。軽トラと異なるのはリアシートもある点で、軽トラのような窮屈で我慢を強いられるフロントシートとは違う。

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出典:Goo-net

リア。荷室がオープンデッキ状になっているのでここで仕切りが来ている。

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出典:Goo-net

リアシート自体も倒すことが出来て、濡れては困る荷物をここに載せることが出来る。

まとめ

サンバーバンオープンデッキはダイハツのハイゼットデッキバンと同じく軽ワンボックスと軽トラのいいとこ取りな軽自動車である。

両者の違いはほとんどなく、あえてスバル版を選ぶ理由は見当たらないが、その点はブランドの好みといったとこだろうか。

歴代のサンバー好きには異色のモデルで興味がわかないかもしれないが、スバルにこだわりがないのなら実用性の高い商用モデルとして仕事に趣味に活躍しそうな軽自動車である。

中古市場ではベースのハイゼットデッキバンよりもさらに台数が少なく、超レアなモデル。希少で珍しいOEMモデルである。

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