ウェイクはダイハツのスーパートールワゴン型軽自動車。本稿では初代L700SおよびL710Sの2016年5月マイナーチェンジ~を後期型とし、これを扱う。
出典:ダイハツ認定中古車
ダイハツ・ウェイクとは?
2014年11月に登場したダイハツのウェイク。
それまでのタントよりもさらに全高を取り、荷室を縦方向へ拡大。日常以外にレジャー用途を重視し、アウトドアスポーツを楽しむ人をターゲットに作られたモデルである。タントを凌ぐ高さからくる箱のような大きなスタイリングと「ウェイクだよ!」の言葉が耳に残るドラマ仕立てのCMが印象的でもある。
ウェイクは
- その高さくる見晴らしの良さ(ファインビジョン)
- ボンネット内にエンジンを収める軽乗用車としては最大級の室内空間(ウルトラスペース)
- 高さを感じない安心・安全の基本性能(ファン&リラックスドライブコンセプト)
- 圧倒的な荷室の使い勝手の良さ(ミラクルラゲージ)
- 存在感と多用途性を感じるかたまり感のあるスタイリング(WAKUWAKU BOX)
の5つが特徴の軽乗用車となっている。
特にその高い全高でも車両を安定させるため、「ファン&リラックスドライブコンセプト」としてフロントアブソーバーロッドやリヤアブソーバーのサイズアップによる高剛性化で安定性を向上。
さらにウレタンバンプスプリングやスタビライザーの標準採用でコーナリングのロールを低減している。
また、少しでも重心を低くするためにルーフパネルを薄くし、外板を樹脂化することで重心より上のパーツを軽量化。同年代の3代目タントより85mm全高がアップしたにも関わらず、重心高は10mmアップに抑えた。
また実用性の面では「ミラクルラゲージ」として、後部座席後ろのラゲッジルームに約90Lの「大容量ラゲージアンダートランク」を設定。
ゴルフバッグやスノーボードなど立てて積めばリアシートを倒すこと無く長物を積載可能とした。
また、シートは撥水加工が施されたフルファブリックシートとし、背面は塩化ビニール加工で汚れや水濡れも簡単に拭き取り可能に。これ以外では車内の隅々に収納スペース(ポケッテリア)を設け使い勝手を向上させた。
エンジンはKF型エンジンにミライーステクノロジーからクールドi-EGR(※自然吸気エンジンのみ)、CVTサーモコントローラー、エコ発電制御などを適用。1トン近い車重ながら自然吸気エンジンのFFで25.4km/L(JC08)、一番悪いターボの4WDでも23.2km/L(JC08)の低燃費を実現。
さらにエコドライブアシストを全グレードで備えドライブ面でも低燃費をサポートする。自動ブレーキとしてはスマートアシストをグレード別に設定。
横滑り防止装置のVSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、SRSサイドエアバッグは全グレードで標準装備とした。
後期型ウェイクの改良点と前期型ウェイクとの違い
そのウェイクは2016年5月のマイナーチェンジでフロントデザインの変更を伴い後期型となった。
出典:ダイハツ認定中古車
後期型ではDとLグレードで新デザインのフロントフードガードフィッシュを採用したほか、フロントとリアバンパーガーニッシュをボディ同色化。
ヘッドライトもDとLグレードではハロゲンヘッドライトに変更しフォグランプは全グレードで標準装備とした。
内装ではLグレード以上でオーディオパネル、カップホルダー、センタークラスターに加飾を与えた。
ボディカラーもミストブルーマイカメタリックとフレッシュグリーンメタリックの新色を追加し、ホワイトルーフの2トーンカラーのバリエーションも増やした。
また、自動ブレーキのスマートアシストは、カメラ、レーザーレーダー、ソナーセンサーの3つのデバイスからなる「スマートアシストⅡ」にバージョンアップ。
従来のスマートアシストの機能に加え、 衝突回避支援ブレーキ機能の作動範囲拡大や衝突警報機能の歩行者検知、車線逸脱警報機能を追加し安心・安全性能を向上させた。
2017年11月には自動ブレーキが「スマートアシストⅢ」へバージョンアップ。スマートアシストⅢ搭載モデルにはリアコーナーセンサーも追加され、バック駐車時に障害物を検知してブザー音で警告するようにした。
スマートアシストⅢではそれまで未対応だった対歩行者の自動ブレーキを可能とし、それ以外でも動作速度域を上げるなどステレオカメラによるパワーアップがなされた。
このほか、ステレオカメラを用いたハイビームアシストも搭載し、順当なバージョンアップとなっている。
出典:ダイハツ認定中古車
2020年2月の仕様変更ではボディカラーの入れ替えを実施。それまでの「フレッシュグリーンメタリック」、「ミストブルーマイカメタリック」、「ブルーマイカメタリック」の3色を廃止。
入れ替えで「レイクブルーメタリック」を追加。2トーンカラーも上記3色の組み合わせを廃止し、入れ替えで「レーザーブルークリスタルシャイン」の組み合わせを追加した。
出典:ダイハツ認定中古車
2020年6月の一部改良では新規ボディカラーとしてタフトでも採用された「レイクブルーメタリック」を追加。
2020年9月の一部改良ではさらにボディカラーの設定変更が行われ、「パールホワイトIII」が「シャイニングホワイトパール」へ差し替え。2トーンカラー選択時のルーフ色である「パールホワイトⅢ」も「シャイニングホワイトパール」へ変更となった。
2021年5月の一部改良では最廉価のDグレードを含めてオートライトが全グレードに標準装備&運転中は常時作用する仕様へ変更した。
後期型・ウェイクのグレード D、D SAⅢ、L、L SAⅢ、Gターボ SAⅢ、レジャーエディション、スペシャルリミテッド、VSの違いなど
後期ウェイクのグレード構成はエントリー「D」、エントリー+自動ブレーキ搭載の「D SAⅢ」、
ミドルグレード「L」、ミドル+自動ブレーキ搭載の「L SAⅢ」、「L SAⅢ」にアウトドアで便利な装備を追加した「L SAⅢ レジャーエディション」、
上級ターボ仕様の「Gターボ」、上級ターボ+自動ブレーキ搭載の「Gターボ SAⅢ」。
「Gターボ SAⅢ」にアウトドアで便利な装備を追加した「Gターボ SAⅢ レジャーエディション」の合計8種類。
これ以外に特別仕様車として、「スペシャルリミテッド」と「VS」が設定されていた。
D
後期ウェイクのエントリーグレード。ウェイクの「D」に相当する。装備を簡略化し価格を抑えた低価格グレード。
エクステリアでは
- ブラックカラーのフードガーニッシュ
- ハロゲンヘッドライト
- フォグランプ
- ホイールキャップ
で簡素な外観に。パワースライドドアは非装備で、両側とも手動スライドドアとなる。
快適装備はマニュアルエアコンとなり、キーレスエントリーは標準装備する。
D SAⅢ
上記Dグレードに自動ブレーキのスマートアシストⅢを搭載したグレード。
L
後期ウェイクのミドルグレード。Dグレードよりも装備を拡充させた充実グレード。
Lグレードでは14インチアルミホイールに両側パワースライドドア(ワンタッチオープン+予約ロック機能付き)を標準装備。
見た目と実用性が高くなる。
L SAⅢ
上記「L」グレードに自動ブレーキのスマートアシストⅢを搭載したグレード。これ以外に追加でキーフリーシステムとプッシュエンジンスタートも標準装備。
さらにスーパーUVカット・IRカット機能付きフロントガラスも標準装備。
「チルトステアリング」、「オートライト」、「運転席シート上下アジャスター」、「Dアシストモード」も標準装備し、「ドライビングサポートパック」をオプション設定。
インテリアでは
- オーディオパネルが「プレミアムシャインシルバー」
- センタークラスターは「プレミアムシャインブラック」
による加飾が追加され上級感が演出される。
L SAⅢ レジャーエディション
上記「L SAⅢ」にレジャーで便利な装備を標準装備したグレード。レジャーエディションでは下記装備を追加で標準装備する。
- 「イージーケアフロア」
- 「上下2段調節式デッキボード」
- 「ユーティリティフック」
- 「荷室床面フック」
- 「固定ベルト」
- 「LEDフロントパーソナルランプ」
- 「LEDリアパーソナルランプ」
- 「LEDラゲージルーム」
- 「LEDバックドアランプ」
- 「マット付大型インパネトレイ(助手席)/マット付インパネセンタートレイ」
- 「15インチ専用アルミホイール」
Gターボ SAⅢ
後期ウェイクの上級ターボ仕様+自動ブレーキ搭載グレード。ターボエンジンを搭載し、スマートアシストⅢも標準装備する。
このほかL SAⅢの装備に加えて
- メッキグリル
- LEDヘッドライト+LEDフォグランプ
- 15インチアルミホイール
- 本革巻きステアリング
- 本革巻きシフトノブ
- 3眼式スピードメーター(タコメーター付き)
- リアロールサンシェード
も追加で標準装備。
Gターボ SAⅢ レジャーエディション
上記GターボSAⅢに「L SAⅢ レジャーエディション」と同じレジャーに最適な追加装備(イージーケアフロアーやユーティリティフック等)を標準装備したグレード。
特別仕様車 LスペシャルリミテッドSAⅢ
2018年9月設定の特別仕様車。装備を厳選してお買い得としたグレード。
L SAⅢグレードに
- パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックを特別装備
- 両側パワースライドドアを左側パワースライドドア(ワンタッチオープン機能・予約ロック機能付)に変更
- 両側スライドドアイージークローザーを左側スライドドアイージークローザーに変更
- 14インチアルミホイールを14インチフルホイールキャップに変更
などとし、装備を厳選して価格を抑えたモデル。
特別仕様車 L リミテッドSAⅢ
2018年9月設定の特別仕様車。
L SAⅢをベースに
- パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック
- LEDスタイルパック
・LEDヘッドランプ(ロービーム・オートレベリング機能・LEDクリアランスランプ付)
・LEDフォグランプ(メッキ加飾付)
を特別装備とし、機能性を高めた特別仕様車。
特別仕様車 GターボリミテッドSAⅢ
2018年9月設定の特別仕様車。
GターボSAⅢをベースに
- パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック
- 15インチアルミホイール
- LEDフロントパーソナルランプ
- LEDリヤパーソナルランプ
- LEDラゲージルームランプ
- LEDバックドアランプ
を特別装備とし、機能性を高めた特別仕様車。
特別仕様車 L VS SAⅢ
2021年5月設定の特別仕様車。「L SAⅢ レジャーエディション」のリネームモデル。
L SAⅢをベースにエクステリアではLEDヘッドランプを特別装備。
インテリアでは
- LEDフロントパーソナルランプ
- LEDリヤパーソナルランプ
- LEDラゲージルームランプ
- LEDバックドアランプ
- イージーケアフロア
- ユーティリティフック
- 荷室床面フック
- 固定ベルト
- 上下2段階調節式デッキボード
- ドライビングサポートパック (D assist切り替えスイッチ、運転側シートリフター、チルトステアリング)
を特別装備。
快適装備にはパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックを標準装備し、内外装でレジャーやアクティブに特化させた特別仕様車。
※パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック
- ステアリングスイッチ
- 16cm リヤスピーカー
- ツィーター
- GPS アンテナ
- フルセグ TV フィルムアンテナ用ハーネス
- フロントカメラ&サイドカメラ&バックカメラ
- 後席モニター用ハーネス>
特別仕様者 Gターボ VS SAⅢ
2021年5月設定の特別仕様車。レジャーやアクティブなどに特化させたオプションを標準装備とし、より魅力を高めた特別仕様車。
それまで存在した上級グレード「GターボSAⅢ レジャーエディション」のリネームバージョンでもある。
GターボVS SAⅢではGターボSAⅢをベースにエクステリア15インチアルミホイールを。
インテリアでは
- LEDフロントパーソナルランプ
- LEDリヤパーソナルランプ
- LEDラゲージルームランプ
- LEDバックドアランプ
- イージーケアフロア
- ユーティリティフック
- 荷室床面フック
- 固定ベルト
- ドライビングサポートパック(D assist切り替えスイッチ、運転側シートリフター、チルトステアリング)
を特別装備。
快適装備にはパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックを標準装備としつつ、内外装でレジャーやアクティブに特化させた特別仕様車となっている。
ダイハツ・ウェイク(LA700S/LA710S)の生産終了
2014年11月に登場し、約8年間一度もフルモデルチェンジせずに販売され続けたウェイク。そのウェイクはOEMモデルのトヨタ・ピクシスメガと同じ2022年8月11日に生産終了となった。
当初はトヨタへOEM供給されている姉妹モデル、「ピクシスメガ」の生産終了の噂が出たものの、ウェイクはもう少しあとの生産終了とされていた。
だが、実際はピクシスメガと同時期に終了し、意表を突く形でタントに後継モデル(タントファンクロス)が発表された。
ウェイクよりもオフロード感を強くし、最低地上高も4WDモデルでは165mmを確保。内装もゼブラ柄シートに防汚ラゲッジスペース、後部座席USB電源ソケットにラゲージルームランプなどアウトドアでの使い勝手を良くした第3のタントとなっている。
ウェイク生産終了の背景や理由・後継モデル
一般的に車のフルモデルチェンジサイクルは(ジムニーや軽バンなど趣味性の高いモデルや商用モデルを除いて)4年が妥当なところ。
最近の軽自動車はこれ以上のモデルサイクルとなる場合も発生してきているが、ウェイクの8年というスパンはかなり長い。
また、販売台数もデビュー当初は良かったが直近の2022年4月新車販売台数を見るとウェイクは1328台、2022年3月は1432台。同じダイハツのタントの2022年4月販売台数が7270台、ムーヴが7116台なので6倍ぐらいの開きがあり、かなり売れていないのがわかる。
2021年の販売台数を見てもウェイクは6082台に対し、タントが52207台、ムーヴが41350台なのでその差は1/8や1/7程度もある。
ウェイクが売れなくなった要因は新車価格設定が高いことにある。自然吸気エンジングレードでもタントより割高で、しかもタントよりも車重が約70kgも重たいため必然的に最低でもターボ仕様を選ぶこととなる。それゆえにより新車価格が高くなるという側面がある。
さらにデビュー当初はスズキ・ハスラーのようなアウトドアユースを全面に打ち出していたものの、その後完全対抗馬として「タフト」をデビュー。ウェイクで拾えるはずのニーズはタフトに遷移。
また、直近でも似たような全高のアトレーワゴン(新名称:アトレー)がフルモデルチェンジしている。
新型アトレーは燃費や加速性能が自然吸気エンジンでも良く、税金が安い4ナンバー仕様でかなりデキが良い。
似たような立ち位置ゆえにウェイクと同じ車中泊やキャンプなどアウトドアやレジャー用途などの車として役割を担えるようになるとの見方もある。
結果的にウェイクはフルモデルチェンジされることなく、タントを改良しSUV風に仕立てた派生グレード、「ファンクロス」を登場させ生産終了となった。
後期がウェイクのエクステリア(外装)
出典:ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。後期型では自然吸気エンジンとターボエンジンでフロントフェイスが差別化された。
自然吸気エンジン(LとDグレード)ではそれまでのプロジェクターヘッドライトを辞めてオーソドックスなマルチリフレクターヘッドライトに変更(※ウェイクをベースとした商用モデルのハイゼットキャディーと同じタイプ)。
グリル(フロントフードガーニッシュ)もブラックを基調としたものに変更しベーシック感を強めた。
出典:ダイハツ認定中古車
Gターボグレードは前期と同じヘッドライト。内部にLEDヘッドライト(ロービーム)を採用している。加えてグリルもブラックからメッキグリルに変更となる。
このヘッドライトはハイロー独立式に外縁はポジションランプとしてLEDクリアランス付きとなり、新規に後期型ではフォグランプもLED化された。
これに自然吸気エンジンと同じ新デザインのフロントフードガーニッシュをメッキ化したものを装着。
それまでのイメージとは一新し、シンプルかつスタイリッシュな顔つきとしている。
これ以外では全グレード共通でバンパー部のフロントバンパーガーニッシュをそれまでのホワイトからボディと同色化。さらに全グレードでフォグランプを標準装備とし質感を向上させた。
出典:ダイハツ認定中古車
サイド。このあたりは特に変更点はなし。
新ボディカラーとして「ミストブルーマイカメタリック」「フレッシュグリーンメタリック」の2色とオプション設定で5色のツートンカラーが設定された。セキュリティーアラームは全グレードで標準装備。
スライドドアは両側に設けられるが、タントのようなセンターピラーレスとはならず、従来通り。また、電動パワースライドドアはLグレードとGターボに標準装備され、ワンタッチオープン機能と予約ロック機能を備える。
出典:ダイハツ認定中古車
足元は最廉価のDグレードでフルホイールキャップ。
出典:ダイハツ認定中古車
ベーシックなLグレードでは14インチアルミホイール。
出典:ダイハツ認定中古車
GターボグレードではLグレードよりもスタイリッシュな14インチアルミホイールとなる。なお、前期デザインの15チンチアルミホイールは新設の「レジャーエディション」に標準装備となった。
出典:ダイハツ認定中古車
リア。後期型ではリアバンパーガーニッシュがフロント同様にボディと同色化された。これ以外は特に変更はなく前期型と同じ。エマージェンシーストップシグナルを全グレードで標準装備する。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:ダイハツ認定中古車
エンジンはKF型3気筒DOHC自然吸気エンジンとKF型3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。エンジンまわりは特に改良点はなく、前期型と同じとなる。
自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。
ターボエンジンでは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kg・m(92N・m)/3200rpmを発生する。
このほか、ミライーステクノロジーからクールドi-EGR(※自然吸気エンジンのみ)、CVTサーモコントローラー、エコ発電制御などを適用。1トン近い車重ながら自然吸気エンジンのFFで25.4km/L(JC08)、一番悪いターボの4WDでも23.2km/L(JC08)の低燃費を実現。
また、エコドライブアシストを全グレードで備えドライブ面でも低燃費をサポートする。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。
自動ブレーキとしては前期型からバージョンアップし、 衝突回避支援ブレーキ機能の作動範囲拡大、衝突警報機能の歩行者検知機能、車線逸脱警報機がプラスされた「スマートアシストⅡ」をグレード別に設定。
横滑り防止装置のVSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、SRSサイドエアバッグは全グレードで標準装備とした。
ウェイク LA700SとLA710Sとの違い
ウェイクLA700SとLA710Sの違いは主に駆動方式。LA700Sはボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのウェイク。LA710SはLA700Sをベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのウェイク。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの切り替え式パートタイム4WDとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。
パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
さらにLA710S型ウェイクは4WDであっても最低地上高が140mmとかなり低め。そのため除雪されていない雪道では4WDといえど、お腹が支えて亀状態でスタックする可能性があり、その点は注意が必要である。
また、FFと4WDとではラゲッジスペース下のアンダートランクボックスのサイズが異なり、4WDの方がかなり小さくなる。
ウェイクは燃費が悪い?良くない?
ウェイクの実燃費
ウェイクの実燃費は比較的新しいモデルながらそんなに良くなく、しばしネット上では悪いとか、良くないなどのレビューや報告がある。実際のところ実燃費を調べてみると…
- 2WD・自然吸気エンジンで14km/L~17km/L
- 4WD・自然吸気エンジンで14km/L~17km/L
- 2WD・ターボエンジンでは10km/L~18km/L
- 4WD・ターボエンジンでは9km/L~17kmL
などの報告例があった。傾向としてターボや4WDモデルの方が燃費が悪くなりやすい。
低燃費なミライースの実燃費が18km/L~34km/Lであることを考えると、燃費が良いとはいえないモデルである。
ウェイクの燃費が悪い理由
ウェイクはN-BOXやタントなどと同じく室内空間を広く取ったスーパーハイトワゴンに分類されるモデルで、開放的な広さやたくさん荷物を載せられるなどのメリットがあるがその分車重が増え、同じ660CCのエンジンしか載せられない軽自動車では他の背の低いモデルよりも燃費が悪くなる。
ウェイクの車重は990kg~1060kg程度あり、エコカーのミライースと比較しても300kg程度の差がある。常時100kgのガタイの良い大人が3人乗っているイメージをしてもらうとわかりやすいが、車重が重たいせいで加速も悪く、ターボ無しの自然吸気エンジン仕様では街乗りでもアクセルを踏みがちで燃費も悪くなる。
また上方向に高いことで空気抵抗も悪く、長方形のような箱型ボディで空力的に不利。特に横風などではハンドルを取られることも多く、高速道路などでスピードを出して巡航している時は背の低い軽自動車よりも不安定になってしまう。
軽自動車で燃費が気になる人はウェイクよりも背が低いムーヴや、派生のムーヴキャンバス、より燃費を求めるならミライースあたりがオススメ。少しでもガソリン代を抑えたい人は買う前によく検討したほうが良い。
後期型ウェイクのインテリア(内装)
インパネ。後期型ではDグレードを除いてオーディオパネルとカップホルダーをプレミアムシャインシルバー、センタークラスターをプレミアムシャインブラックで加飾。質感を向上させた。
なお、6代目ムーヴなどで採用された「D assist切替ステアリングスイッチ」や「チルトステアリング」、「運転席シートリフター」は「ドライビングサポートパック」としてDグレードを除いてオプション設定される。
Dグレードではマニュアル式エアコン。LとGターボグレードではオート式エアコンとなる。
出典:ダイハツ認定中古車
スピードメーターもDグレードではタコメーター無しの単眼シンプルタイプ。
出典:ダイハツ認定中古車
LとGターボではタコメーター付き3眼式となる。共に自発光式メーターを採用。
全グレードでスピードメーター内にエコドライブアシストを表示。通常はブルーで燃費がいいときはグリーンで視覚的に表示する。さらに右上のマルチンフォメーションディスプレイではアイドリングストップ時間、平均燃費、航続可能距離、外気温なども表示。
さらに「ハイパーインパネ」と名付けられた収納スペースは合計で17ヶ所のフックやポケット、ボックス、ホルダー等を備え普通車顔負けのポケッテリアを備える。
出典:ダイハツ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。前期と同じくレジャー利用を想定してシート表皮はフルファブリックシートとなっている。
出典:ダイハツ認定中古車
リア。リアシートのスライド機構は240mm確保。
出典:ダイハツ認定中古車
ラゲッジルーム。リアシートのラゲッジルーム側は塩化ビニール加工が施され、汚れた物を乗せてもすぐに拭き取りやすい仕様になっている。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートを倒した状態。ここからがウェイクの真骨頂で、前期型と同じくシートアレンジにより多彩な荷物を積載可能としている。
「変幻自在ミラクルラゲージ」を謳い文句にするウェイクでは、シートアレンジやオプションパーツを使うことにより、多彩なアウトドアユースに対応させている。
たとえばサイクリング用途として助手席シートを倒して自転車2台を前タイヤを外さずにそのまま収納できかつ2名乗車を可能としたり、
同様にサーフボード2枚と2名乗車。
アンダーラゲッジスペースを用いてスノーボード4枚を縦に積載&4名乗車。などそれまでの軽の実用性を最大限に特化させた積載能力がウリのひとつとなっている。
この手のスポーツやアウトドアをやらない人には興味がないかもしれないが、大好きな人にとっては魅力的な部分である。
なお、前期型ではコラボレーションモデルとして、サーフィン仕様を特化させた「波伝説バージョン」、キャンプやアウトドアなどを特化させた「モンベルバージョン」などの特別仕様車も設定されるほどだった。
まとめ
後期型ウェイクの総評
出典:ダイハツ認定中古車
ウェイクの後期型は、刷新された外観と上級グレードでのLEDヘッドライト&フォグランプの標準採用。インパネの加飾など前期型よりみ魅力をアップさせたマイナーチェンジとなっている。
特に自然吸気エンジンではフロントデザインがベーシックな雰囲気となり、それまでコテコテ感のあったデザインから大幅変更されている。
この点は好き好きが別れるが前期型のほぼ1択のような外観からみれば選択肢が増えたわけで、人によっては魅力的とみえるかもしれない。
兄弟モデル トヨタ・ピクシスメガ
ウェイクはトヨタ自動車には「ピクシスメガ」として販売されていた。
グレード構成や名称がまったく同じで、エンブレム違いの兄弟モデルだが、トヨタブランドにより少し雰囲気が異なって見えるモデル。ウェイクで被りたくない場合は、ピクシスメガもオススメである。
派生モデル・4ナンバー貨物仕様 ハイゼットキャディー
なお、ウェイクの後期型マイナーチェンジの翌月にはウェイクをベースに2シーターとした商用モデル「ハイゼットキャディー」が発売された。
こちらはリアシートを撤去し完全2シーターとした新しい感じの商用モデルで、ウェイクゆずりの乗り心地の良さやエンジンの静粛性にワンボックスほどではないがそこそこの積載性を併せ持つモデルとなっている。
不人気故に早々と生産終了となったが、フードデリバリーなど仕事で使う場合は合わせてこちらもチェックしてみてほしい。
後継モデル・タントファンクロス
ウェイクの生産終了後は、4代目タントに追加された派生グレード、「タントファンクロス」が後継モデルとして登場している。
タントファンクロスは流行りのクロスオーバーテイストを取り入れたもうひとつカスタムモデルで、SUV風のエクステリアにゼブラ柄のシート表皮、汚れても拭き取りやすい防汚仕様のラゲッジスペースなど、ウェイク的な使い方も可能なモデル。
ウェイクと同じくキャンプやレジャー、車中泊などアウトドア用途に便利な仕様となっている。
ウェイク生産終了後も中古車は顕著な価格で推移
ウェイクは2022年8月に生産終了し絶版モデルとなったが、中古市場ではまだまだ高年式である点や、人気ジャンルのスライドドア付きのスーパーハイトワゴンとあって、価格はそこまで落ちていない。
ウェイクデビュー初期の前期モデルであれば10年経過モデルあたりで以前よりも価格が少し落ちたが、同じ10年落ちのワゴンRやムーヴ、N-WGNといったハイトワゴンに比べると価格は高め。
全高がタントよりも高く、燃費もあまり良くないためレジャーユースやとにかく広い軽自動車がほしいという明確な理由がない限りは手頃な上記車種の中古車を買ったほうが幸せになれるかも。
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