ミニカは三菱のハッチバック型軽自動車。ダンガンはそのスポーツモデルである。本稿ではH21AおよびH26A型の6代目ミニカダンガンの前期型(1988~1989年)について扱う。
概要
1989年1月にフルモデルチェンジし、6代目となったミニカ。
そのスポーツモデルである「ミニカ・ダンガン」は世界初となる1気筒あたり5バルブを採用した3気筒15バルブインタークーラー付きターボエンジンを採用したホットモデルである。
1990年前後の軽自動車はバブル期ということもあり、スズキとダイハツがターボを搭載し走りに重点を置いたスポーツモデル(アルトワークス&ミラターボ)でしのぎを削っていた時代だった。
そんな2強に対向する形で三菱が登場させたのがこの6代目ミニカに設定されたの本稿で扱うダンガンである。
ダンガンでは開口部を絞られたグリル形状の専用バンパー、エアダクト付きボンネット、サイドアンダースポイラー、リアアンダースポイラー、リアアンダースポイラー、3穴マフラー、アルミホイールでスポーティな雰囲気に。
インテリアでもブラックインテリアにセミバケットシート、タコメーター付きダンガン専用スピードメーターの採用で、ノーマルとは差別化。走りの質感も高めた。
エクステリア
フロントデザイン。左半分を覆い、右半分を開口部とするグリルが特徴的で当時のライバルだった2代目後期アルトワークス、最近ではアルト ターボRSのようなデザインで、ノーマルとは一味違うスポーティーなデザインとなっている。
また、バンパーとボディとで色が違うツートーンカラーも特徴的だ。
サイドから。旧規格ということもありボディ自体は小さいが車高は低いことがわかる。
足元は12インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは165/60R12。
リア。リアスポイラーを標準装備。リアバンパーもフロント同様にツートーンカラーとなっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは軽自動車史上初となる、5バルブの3気筒DOHCエンジン(ターボor自然吸気の2種類)を搭載。
デビュー当初は規格が550CCの時代だったので前期型では550CCエンジンとなる。
デビュー当初は550CCの3G81型エンジンを搭載し、自然吸気エンジンが最高出力46ps(34kW)/7500rpm、最大トルクは4.7kg・m(43.1N・m)/5500rpm。
ターボ仕様は最高出力64ps(47kW)/7500rpm、最大トルクは7.6kg・m(74.5N・m)/4500rpm。
その後軽自動車規格改正によりエンジンが660CC化。3G83型に置換され、自然吸気エンジンが最高出力52ps(38kW)/7500rpm、最大トルクは5.7kg・m(55.9N・m)/5700rpm。
ターボ仕様は最高出力64ps(47kW)/7500rpm、最大トルクは9.8kg・m(96.1N・m)/3500rpm。
この5バルブエンジンはアルトワークスやミラターボに対向するために用意されたエンジンで、5バルブ化によるパワーアップはわずかであったが、「軽自動車で5バルブのDOHC!」という他社とは違うメカニズムでライバルに競り勝つための装備だった。
特に660CC化された3G83型インタークーラー付きターボエンジンの最大トルクは当時としても驚異的な2ケタに迫るほどの高出力となり、ライバル・アルトワークスやミラアヴァンツァートよりも高性能を誇った。
トランスミッションは3ATまたは5MTで、ATは自然吸気、ターボモデルは5MTのみの設定となる。駆動方式はFFまたは4WDとなっていた。
インテリア
インパネ。時代を感じさせるデザインだが、インパネ上部はスッキリとしており、メーター付近は飛び出たようなデザインで特徴的。
スピードメーター。レッドゾーンは9000rpmで高回転型エンジンとなる。
フロントシートはセミバケットのようなセパレートタイプ。
3ドアということでリアは狭い。
ラゲッジルーム。
リアと倒せば多少は広くなるがベースが旧規格の軽自動車なのであまり大きな荷物は難しい。
ミニカのダンガンは当時としては珍しいエンジンで、スズキとダイハツに勝負を挑んだモデルだった。
その特記すべき部分はやはりエンジンで、今もなお軽自動車の歴史の中で語り継がれるハイメカニズムなエンジンである。
当時のアルトワークスやミラターボと並ぶかそれ以上に加速が素晴らしい軽自動車で、まさにバブルを表現していたような軽自動車だった。
現在では登場から30年以上も経過していることもあり、中古市場では極端にタマが少なく出てきてもすぐに売れてしまうことがある1台となっている。
メンテナンスやトラブルの点を考慮すると積極的に勧めれない1台であるが、直して乗れる人には面白い1台である。
コメント
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ターボモデルもATってありませんでしたか?
私が初めて買った車がこれだったのですが、ターボモデルでATでした。
それともダンガン以外でターボモデルがあったのかな?
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燃え太郎さん、こんにちは。
僕の調べた限りではこの記事の前期ダンガン(1989年8月~1991年4月まで)のターボは5MTのみで、後期のフロントデザイン変更&660CCのマイナーチェンジモデル(1991年5月から)で3ATがターボにも追加になっています。燃え太郎さんのはこの6代目後期ダンガンではないでしょうか?
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お返事ありがとうございます。
そういえば、前期か後期かは分からなかったので、恐らくそうだと思います。
では次の紹介は、是非後期型をお願いしますw
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回答ありがとうございます。
なるほど!確かに前期か後期かはわからないので、恐らくそうだと思います。
では次の車の紹介は、是非後期型をお願いしますw
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6代目ミニカ・ダンガンの後期は記事として書く予定はあるのですが、素材の写真が入手できないため現状では書けていません。
書くつもりではいるので、気長にお待ち下さい。
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懐かしいですね、僕が免許取って初めて新車買ったのが550の弾丸です。550は建て前上の商用車だった為、排ガス規制がゆるく触媒が入ってないため、660になって乗用扱いとなったのに比べて高回転までふけ上がり、かつリッター100馬力オーバーと暴れるトルクステアで飛ばすと扱いにくい車でした。整備解説書見るとオイルフィルター周りにラジエターから水が
回る配管がさり気なく引かれており、相当手間掛けて開発したんだろうと偲ばれます。ギャランの4G63Tととともにこのターボエンジン設計はHKSとの共同作業です。実際HKSより160馬力タービンキットが発売されてました。当時付けてたらどんな車になったのかと、想像しちゃいます。
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とみいさん、はじめましてこんばんは。コメントありがとうございます。
この6代目に設定されたダンガンはネット上でみてもこの後の7代目のダンガンよりも人気ということが伺えたんですが、手の込んだエンジンに軽い車重と旧規格の中でもかなりこだわりが感じられる1台だったんですね。それにHKSのタービンキットが組み合わさると…さらに面白いことになりそうですね(^^)
最近だとこういった車がほとんど無かったのですが、8代目アルトベースでのワークスの復活はとても話題になりましたね。実際のところ購入層は40代の男性が中心、かつ9割はMTだそうで、たぶんこの時代の軽自動車が好きだった人が多いんじゃないかなぁと思います。