【2代目 アトレーワゴンOEM】スバル ディアスワゴン(S321N/S331N型) | シン・軽自動車マニア

【2代目 アトレーワゴンOEM】スバル ディアスワゴン(S321N/S331N型)

ディアスワゴン

ディアスワゴンはスバルの1BOX型軽自動車。ダイハツ・アトレーワゴンのOEMモデルである。

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2代目 スバル・ディアスワゴンとは?

2008年4月のトヨタ・ダイハツとの業務提携の強化に伴い自社軽自動車生産の撤退の発表後、2009年9月にダイハツから2代目アトレーワゴンをOEM供給された。それが2代目「ディアスワゴン」。

それまでスバルはサンバー(4ナンバー・軽バン)の乗用ワゴンモデルである「サンバーディアスワゴン」を生産していたが、これがその後継車となった。

スバルは普通車で既にBbのOEMモデルとしてデックスの供給を受けていたが、このディアスワゴンは軽自動車としては最初のOEMモデルとなった。

ただ、他メーカーのOEMモデルのように専用のデフォルメはされず、エンブレムが六連星に変更されるだけのモデルにとどまっている。

2代目ディアスワゴンはダイハツ製OEMとなったことにより圧倒的な室内空間を実現。室内長はクラストップレベルの2015mm(後に2020mmに拡大)を確保。室内幅は1310mm、室内高は1350mmとし、4人が快適に乗りつつ十分な広さのラゲッジルームも同時に確保した。

ユーティリティにおいては大型グローブボックスやアンダーボックス、充実の収納スペースに加え、鉄板の穴あけ加工なしでボルトが取り付けられるユースフルナットとユースフルホールを採用した。

エクステリアは存在感と重厚感のある大型エアロバンパーにメッキグリル、軽ワンボックスとしては初となる4灯式のディスチャージヘッドライトを設定し、商用モデルのハイゼットカーゴと大幅な差別化を図った。

インテリアではメタル調のセンタークラスター、専用ファブリックシートの採用で内装面においても乗用モデルらしい上級感を演出。

加えて液状制振材の採用により、エンジン透過音を大幅に低減すると共に、着力点の剛性も向上。遮音材の最適配置も行い、ハイレベルな静粛性を実現した。

エンジンは先代の4気筒エンジンを廃止し、全グレードで3気筒EF-DET型のターボエンジンを採用。

サスペンションもコストのかかる4輪独立懸架式サスペンションを廃止し、フロントがストラット式コイルスプリング。リアにはトレーリングリンク車軸式コイルスプリングを採用した一般的な仕様に。

ボディは衝突安全ボディーのTAFにデュアルSRSエアバック、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルトを標準装備。

さらにブレーキアシスト付きのABSも全グレードで標準装備とした。

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2代目ディアスワゴンS321N/S331Nの特徴とダイハツ・アトレーワゴンとの違い

2代目ディアスワゴンは軽バンのサンバーバン(S321B/S331B)を5ナンバー化し、内外装をスポーティな専用パーツでカスタムしたモデルである。

2代目では完全なOEMモデルとなっため、外観や内装が2代目アトレーワゴンとほぼ同じとなっている。

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2代目ディアスワゴンと2代目アトレーワゴンとの違いは基本的にエンブレムのみ。専用の外装パーツや専用内装による差別化は一切なく、エンブレム以外はまったく同じとなる。

グレード構成も名称こそ若干異なるが、基本的に同じ3グレードで、

  • エントリーグレードのLS(アトレーワゴンのカスタムターボR)
  • 上級のRS(カスタムターボRS)
  • 最上級のRSリミテッド(カスタムターボRSリミテッド)

の3種類。全グレードでターボ仕様となる。

ただしスバル仕様では全グレードで寒冷地仕様が標準装備となるほか、オーディオがレス仕様、RSのみユーティリティパックが標準装備となる。

さらにボディカラーも若干異なりアトレーワゴンに設定の「オフホワイト」と「ライトローズマイカ」がディアスワゴンには未設定となる。

2代目ディアスワゴンのグレード LS、RS、RSリミテッド違いなど

2代目ディアスワゴンのグレード展開はエントリー「LS」、上級「RS」、最上級「RSリミテッド」の3種類。

全てターボエンジン搭載で、特別仕様車の設定は無し。

LS

2代目のディアスワゴンのエントリー(ベーシック)グレード。アトレーワゴン「カスタムR」のOEMモデル。

RSよりも一部装備を簡素化して価格をさげたグレード。ただし軽バンのサンバーバンの廉価グレードとは異なりターボエンジンを標準装備。内外装もカスタム用の専用装備が与えられる。

エクステリアでは

  • カスタム用エアロバンパー(フロント/リア)
  • サイドストーンガード
  • カスタム用メッキグリル
  • カスタム用メッキガーニッシュ(リア)
  • カスタム用4灯式ヘッドライト
  • 13インチスチールホイール+ホイールキャップ

RSに対してルーフエンドスポイラーやアルミホイール、ディスチャージヘッドランプ、フォグランプが非装備となる。

インテリアではメッキなどによる加飾がなく、シンプルな雰囲気。

快適装備・機能装備は

  • フルオート式エアコン
  • 電動格納ミラー
  • パワステ
  • パワードアロック
  • 電波式キーレスエントリー
  • 1DINタイプのAM/FM月CDステレオ&16cmスピーカー
  • タコメーター付きスピードメーター
  • リアヒーター

などを標準装備するが、「助手席側スライドドアイージークローザー」や「リアヒーター」などがオプション設定となる。パワースライドドアは非設定。

安全装備は

  • デュアルSRSエアバッグ
  • EBD付きABS
  • プリテンショナー&フォースリミッター機構付きフロント3点ELRシートベルト
  • チャイルドシート固定機構付きリヤ3点ELRシートベルト
  • ISO FIX対応 チャイルドシート固定専用バー

などが標準装備となる。

RS

2代目ディアスワゴンの上級ターボ仕様。アトレーワゴン「カスタムターボRS」のOEMモデル。Rグレードよりも内外装が豪華になる。

エクステリアでは

  • 13インチアルミホイール
  • サイドストーンガード
  • ルーフエンドスポイラー
  • ディスチャージヘッドランプ(ロービーム)
  • フォグランプ

を標準装備。RSに対して「LEDターンランプ付きドアミラー」が非装備。

インテリアでは

  • メッキインナーハンドル
  • メッキシフトレバーボタン
  • メッキドアロックノブ

を標準装備。メッキによる加飾でワンポイントのアクセントが与えられる。

MOMOの革巻きステアリングはRと同じくオプション設定するが、2012年の一部改良で廃止。ウレタンステアリングのみとなった。

快適装備は「助手席後方スライドドアイージークローザー」を標準装備する。リアヒーターはオプション設定。パワースライドドアも非装備で、手動式タイプ。

2010年8月の一部改良では「荷室アクセサリーソケット」が追加で標準装備となった。

RSリミテッド

2代目ディアスワゴンの最上級グレード。アトレーワゴン「カスタムターボRSリミテッド」のOEMモデル。

RSに追加でエクステリアでは「LEDターンランプ付きドアミラー」に。

インテリアでは「自発光式メーター」や「フロントルームランプ」を。

快適装備ではモデル唯一の「助手席後方パワースライドドア」を標準装備。使い勝手が良くなる。

2010年8月の一部改良では「荷室アクセサリーソケット」と、「荷室蛍光灯」が追加で標準装備となった。

エクステリア(外装)

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出典:スバル認定中古車

フロントデザイン。先代のサンバーディアスワゴンでは一般的なハイ・ロー共通のヘッドライトだったがアトレーワゴンのOEM供給により、ムーヴ・カスタムでもみられるハイ・ロー独立タイプの4灯式となった。

デザイン的にもオーソドックスだったフロントは、大型で自己主張の強いメッキグリルとインナーブラック化されたヘッドライトによってスポーティなデザインとなった。

ただし、上述のとおりエンブレム以外はアトレーワゴンと同じなので、ベースと比較すると個性的とは言いがたいモデルでもある。

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出典:スバル認定中古車

サイドから。リアアンダースポイラーやアルミホイールを標準装備する部分は同じだが、後期型では最上級の「RSリミテッド」を新設定。RSリミテッドでは左側パワースライドドアが標準装備されるほか、

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出典:スバル認定中古車

上級グレードの「RSリミテッド」では左後方の後部座席に電動スライドドアを標準装備する。

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2代目ディアスワゴンではLEDターンランプ付ドアミラーも標準装備される。足元は13インチアルミホイールを標準装備。

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出典:スバル認定中古車

リア。エンブレム以外はベースと同じだ。アトレーワゴンを知らな人にとっては新鮮なデザインに見えるだろうか。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは前期(EF-DET型)とは異なりKF-DET型の3気筒ターボエンジンを搭載(これに伴い車両型式が変更)。

最高出力(64ps[47kw])や最大トルク(10.5kg・m[103N・m])自体は同じだが最高出力は5900rpmから5700rpmに。

トルクに至っては最大トルクの到達点が4000rpmから2800rpmに引き下げられ低回転からトルクが出るようになった。

エンジンは先代同様フロントシート真下に格納する。トランスミッションは全グレードで4ATのみ、駆動方式はFFまたはフルタイム4WD(回転差感応式カップリング式)だ。

2代目ディアスワゴン・S321NとS331Nとの違い

2代目ディアスワゴンS321NとS331Nとの違いは駆動方式。S321Nは後輪を駆動するFRの2代目ディアスワゴン。S331NはS321Nをベースに前輪を駆動するフルタイム4WDのディアスワゴン。

ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFRで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。

パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。

なお、商用モデルのサンバーバンの4WDとは4WDシステムが異なり、ハイゼットカーゴではスイッチで任意に切り替えて4WDとなるパートタイム4WDに対し(※ただし軽トラのようなデフロックは非装備)、乗用モデルのアトレーワゴンは自動で切り替わるフルタイム4WDとなる。

インテリア(内装)

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出典:スバル認定中古車

インパネ。2代目アトレーワゴンの中期モデルがOEMとなっため、かなり近代風のデザインとなる。スピードメーターはタコメータ付き。

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スピードメーターもタコメーターが独立した上級感のあるタイプに。

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さらに自発光式メーターとなっていて、夜間はとても見やすい。ステアリングはRSとRSリミテッドに本革巻きステアリングをオプション設定。エアコンは全グレードでオートエアコンとなる。

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出典:スバル認定中古車

フロントシートはセパレートタイプ。

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出典:スバル認定中古車

リアシート。

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出典:スバル認定中古車

ラゲッジルーム。この手の軽自動車の特徴である広大な荷室だ。なお、5ナンバー乗用モデルのため、4ナンバーのサンバーバンよりもリアシートを立てた状態のラゲッジスペースは若干狭い。

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出典:スバル認定中古車

リアシートを倒した状態。さらに荷室が拡大し、縦に長いものでも余裕で格納できる。

まとめ

ディアスワゴンはアトレーワゴンの完全なOEMモデルということで、先代までのスバル製ディアスワゴンを知っている人からすれば魅力のないモデルである。

完全なOEMとなったことでそれまでの特徴だった4気筒エンジン、スーパーチャージャー、四輪独立懸架式サスペンションは全て廃止され、これらの要求に答えることは出来ないモデルだ。正直、バッジだけスバルなアトレーワゴンを買う理由が見当たらないのが本音といったところ。

ただ、そこまでスバルのメカニズムに拘らないのなら、このディアスワゴンもアリで、特に元々アトレーワゴンを買おうと思っている人にとっては、主張が弱いダイハツエンジンよりもスバルの6連星エンブレムのほうが新鮮味があり、あえてこちらを選んでも良いだろう。

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