【7代目・前期 ハイゼットカーゴOEM】スバル サンバーバン(S321B/S331B型)

サンバーバン

サンバーバンはスバルのワンボックス型軽自動車。4ナンバーの軽商用車(軽バン)である。本稿では7代目S321BよびびS331V型の2012年4月~2017年11月までを前期型とし、これを扱う。

画像参照元:スバル認定中古車

概要

2012年4月に登場の7代目サンバーバン。6代目まではスバルによる自社生産の軽自動車だったが、7代目からは完全なダイハツ製OEMに変更。ハイゼットカーゴ(S321V/S331V)の兄弟モデルとなった。

7代目サンバーバンは使い勝手や快適性、経済性を追求した軽バンとして登場。エクステリアはオーソドックスな外観にシンプルながらもスタイリッシュなバンパーで機能美を追求。

室内空間は荷室フロア長や荷室幅、荷室高を広げて先代よりも荷室を拡大。テールランプもバンパー下部に移動させテールゲートの開口部を広げたことで荷物の積み下ろしを容易とした。

インパネにも大型グローブボックス、アンダートレイなど収納スペースを配置したインパネにすっきりとした足元空間で快適性を追求。インパネシフトをATとMTの両モデルで採用し足元空間を広くとり、ハイルーフ車にはオーバーヘッドコンソールの採用でより使い勝手を向上させた。

エンジンは4気筒エンジンを廃止し、可変バルブタイミング機構付きの3気筒KF型エンジンを採用。足回りは3リンク・リヤサスペンションを採用。ロングホイールベース化と相まって乗り心地の良さと走行時の直進安定性を向上させた。

安全装備としては全グレードに運転席&助手席エアバッグを標準装備。上級グレードではEBD付きABSも標準装備とした。

7代目サンバーバン(S321B/S331B)のグレードの違い

7代目サンバーバンのグレードは先代を踏襲し、ベーシックなVB(VBクリーン)、ミドルグレードのトランスポーター、上級グレードのVC&VCターボ、2シーター仕様のVB2シーターの4種類。

VBグレードはベーシックな廉価グレード。最も装備が簡略化されたグレードでキーレスエントリー、パワーステアリング、パワーウィンドウ、プライバシーガラス、ABSなどがレス仕様(非装備)となる。

また、ボディカラーもホワイト一色のみでドアミラーは樹脂タイプの手動ミラーとなる。

VBクリーンはVBをベースとした環境対応車で、クリーンエンジンを搭載し、自動車重量税が免税されるエコカー減税やグリーン税制に特化させたグレード。装備はスペシャルと同じ。

VB2シーターはVBをベースにリアシートを撤去&ラゲッジスペース化した完全2名乗車仕様。装備面はVBと同じ。

トランスポーターはミドルグレード。スペシャルに対してキーレスエントリー、パワーステアリング、パワーウィンドウ、運転席エアバッグ、プライバシーガラスが標準装備となる。ただし助手席エアバッグとEBD付きABSはオプション設定。ボディカラーも増えてホワイト、ファインシルバー、ブラックマイカメタリックの3色。

VCグレードはは上級グレード。トランスポーターの装備に対して助手席エアバッグやEBD付きABS、ボディカラー同色電動格納ミラーが標準装備となり、ボディカラーもブラックマイカが選択可で全4色(※ただし中期型以降はブルーマイカメタリックが消滅で全3色)。

フロントシートとリアシートがアトレーワゴンと同じヘッドレスト分離型の上級シートとなり、快適性が向上する。

さらにVCターボでは7代目サンバーバン唯一のターボ仕様となり、ATもVCの3ATでなく4ATが採用される。

なお、標準ルーフ仕様はVBのみの設定で、トランスポーターより上のグレードではハイルーフ仕様のみとなる。ハイルーフ車は全高が高く室内空間も高くなる他、運転席頭上にはオーバーヘッドコンソールを備え小物の収納スペースとしても有効。ただしその分全高が高いがゆえに悪天候時に風の影響を受けやすく車体が不安定になりやすい。

7代目サンバーバン(S321B/S331B)とハイゼットカーゴ(S321V/S331V)との違い

OEM元の10代目ハイゼットカーゴ(S321V/S331V)との違いはエンブレム程度で、基本的には同じ。グレード名はスバルとダイハツで異なるが、装備は大きくは変わらない。

ただし、VBクリーンとVB 2シーターの2WD車及び全グレードの4WD車で寒冷地仕様が標準装備となるほか、上級のVCとVCターボではオーディオレス仕様となるなど、細かな仕様の違いがある。

ハイゼットカーゴとサンバーバンとでのグレード対応は以下の通り。

VBはハイゼットカーゴのスペシャル。VBクリーンはスペシャルクリーン。トランスポーターはデラックス。VB2シーターは2シーター、VCはクルーズ。VCターボはクルーズターボに対応。

7代目サンバーバン(S321B/S331B)とピクシスバン(S321M/S331M)との違い

7代目サンバーバンのベースとなった10代目ハイゼットカーゴはスバルへOEM供給される少し前に「ピクシスバン」としてOEM供給されている。そのため7代目サンバーバン、10代目ハイゼットカーゴ、初代ピクシスバンは3兄弟モデルとなっている。

7代目サンバーバンとピクシスバンとの違いはエンブレム程度で基本的な内外装は同じ。ただしピクシスバンには2シーターやデッキバンの設定がなく、特別仕様車も設定されなかった。

エクステリア(外装)

フロントデザイン。7代目サンバーバンはハイゼットカーゴのOEMモデルとなったことで、ほぼハイゼットカーゴという外観に。ただしエンブレムはスバルの六連星なのでハイゼットカーゴやトヨタのピクシスバンよりは主張が強い顔つきとなった。

なお、フロントバンパーはハイゼットカーゴ(S321V/S331V)の2007年12月のマイナーチェンジ以降のモデルがOEM供給されているため、10代目ハイゼットカーゴ前期のバンパーとはデザインが異なる。

サイドから。この手のワンボックスはボンネットエリアを極端にまで切り詰め、室内空間を確保している。スライドドアは商用なため非電動で手動式。

廉価グレードのVBではリアのプライバシーガラスが非設定で、キーレスエントリーも非装備、ドアミラも樹脂タイプの手動ミラーで簡略化される。

逆にVCとVCターボではプライバシーガラス、キーレスエントリー、電動格納ミラー(ボディ同色で着色)を標準装備。乗用モデルのような快適装備がプラスされる。

足元は12インチスチールホイール。タイヤサイズは145R12-6PRLT。

クルーズとクルーズターボではホイールキャップが標準装備となる。

リア。このあたりもハイゼットカーゴとほぼ同じ。車名デカールはハイゼットカーゴと同じ位置。

六連星のエンブレムもハイゼットカーゴと同じ位置。

エンジン・機能

エンジンは新開発のKF型エンジンを搭載。可変バルブタイミング機構付きで直列3気筒DOHC自然吸気エンジンはKF-VE型、同インタークーラー付きターボエンジンはKF-DET型。これを運転席の真下に搭載する。

自然吸気エンジンの最高出力は最高出力は50ps(37kW)/5700rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。

自然吸気エンジンのVBとVBクリーンの53ps(39kW)/7000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。

ターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/5700rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/2800rpm。

2015年4月一部改良では自然吸気エンジンの圧縮比向上が図られ出力と燃費がアップ。自然吸気エンジンの最高出力は53ps(39kW)/7200rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。

自然吸気エンジンのMTモデルでは最高出力は46ps(34kW)/5700rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。

ターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/5700rpm、最大トルクは9.3kg・m(91N・m)/2800rpmとなった。

トランスミッションは5MTまたは4AT。2015年4月にはATが電子制御式4ATに。ワイヤー式スロットルから電子制御スロットルとなった。駆動方式はFRまたは4WDで、4WDは運転者が任意に切り替えて使うパートタイム4WDとなる。

安全装備は全グレードに運転席&助手席エアバッグを標準装備。EBD付きABSはVCグレードに標準装備。VBやトランスポーターではオプション設定。

サンバーバン S321BとS331Bとの違い

7代目サンバーバンのS321BとS331B型との違いは駆動方式。S321Bは後輪を駆動する2WD(FR)の7代目サンバーバン。

S331BはS321B型ベースで全輪を駆動する4WDの7代目サンバーバン。S331Bの4WDシステムにはパートタイム4WDが採用されており、運転者が任意に切り替えることで普段は燃費の良いFR。いざという時は4WDという使い方ができる。

ただしジムニーやパジェロミニ同様に舗装路などの急カーブや駐車場での駐車時にタイトコーナーブレーキ現象が起きやすく、扱いには注意が必要だ。

インテリア(内装)

インパネ。商用モデルとあってシンプルなデザイン。運転席まわりにスイッチを集中し、大型グローブボックスやアンダートレイ、アッパーボックスなど収納スペースも追加されて使い勝手が向上している。

ハイルーフ車では運転席上にオーバーヘッドコンソールが備わり、小物や軽い重量物を収納するスペースも設定される。

ステアリングはウレタンステアリング。VCとVCターボではセンターコンソールがシルバー塗装されステアリングオーナメントがメッキ仕様となる。本革巻きステアリングは非設定で、すべてウレタンステアリング。

スピードメーター。VB、トランスポーター、VCはタコメーター無しの単眼式。

S331M (7)

VCターボ(ターボモデル)では右下にコンパクトなタコメーターが追加される。

7代目サンバーバン5MTのシフトノブ。

ATともにインパネシフトを採用し、足元空間が広々としている。エアコンはマニュアル式エアコン。

4WDモデルではパートタイム式となり、インパネのスイッチで操作する。

VCとVCターボでは電動格納ミラー付き。エアコンはマニュアル式エアコン。

S331M (1)

VBとトランスポーターのフロントシート。ヘッドレスト一体型の軽バン的なシート。サポートが無い点と生地自体も薄いため長距離はかなり辛い。近場の配達や街乗りが中心のシートとなる。

VCとVCターボのフロントシート。こちらは上級グレードゆえにヘッドレスト分離型のセパレートシートとなる。こちらはサイトサポートが少し付いており、快適性がアップする。

VBとトランスポーターのリア。商用バンによくあるヘッドレストの無いその場しのぎ的なシート。たまに乗る分にはいいが、常に後部座席には乗りたくないシート。あくまで荷物を乗せるのがメインで補助的なシートとなる。

VCとVCターボのリアシート。ヘッドレストが付いており、こちらも乗用を考えたシートになっている。リアの足元自体はワンボックスだけあって広めとなっている。

なお、メーカーオプションの「ビジネスパック」を選択すると、クルーズとクルーズターボでもリアシートにデラックスやスペシャルと同じ一体可倒式シートが選択できた。

クルーズやクルーズターボでも2名乗車や荷物を乗せる人がメインの場合はこのオプションを選んだ人もおり、そのため中古車によってはクルーズやクルーズターボでもリアシートが軽バン仕様の個体がある

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。

スペシャルやデラックスのヘッドレスト一体型シートはこのように前側にも倒せてデスクのように使えたり、長物を積むときにも重宝する。

VB&トランスポーターとVC&VCターボではラゲッジスペースの素材が異なり、VB&トランスポーターでは汚れても大丈夫なラゲッジマット。VCとVCターボではアトレーワゴンと同じカーペット素材が用いられる。

まとめ

7代目サンバーバンは自社生産を終了し、ダイハツOEMモデルとなった軽バンである。先代の特徴的かつ独自の4気筒エンジンや4輪独立サスペンションは完全に廃止し、スズキやダイハツで一般的なワンボックスタイプの軽バンに生まれ変わった。

個性が無いといえばそこまでであるが、スバル時代のサンバーバンは個性や独自性ゆえの高コストが問題となり、採算性が悪い大問題があった。

そのコスト分を価格に転嫁し他社よりも高い価格で売れるのであれば十分通用したかもしれないが価格や経済性が重視される軽自動車、ましてや4ナンバーの軽バンともなれば価格を安くしないと売れない事が多々あり、そういう4ナンバー軽バンの世界はスバルの独自メカニズムは無理があったと思う。

中古車としては7代目サンバーバンは他社と同じ一般的なモデルとなり、6代目サンバーバンのような高値は付いておらず前期型は比較的買いやすい。クルーズターボに相当するVCターボには5MT&ターボの組合せもあるので、税金が安い趣味車としても面白い。

ただしタマ数は兄弟のピクシスバンと同じくハイゼットカーゴよりもかなり少なく、見つけるのに少し苦労する。ハイゼットカーゴともピクシスバンとも被りたくない人にはこの7代目サンバーバンがオススメである。

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