ピクシスバンはトヨタのワンボックス型軽自動車。4ナンバー軽貨物(軽バン)で、ダイハツ・ハイゼットカーゴのOEM車種である。本稿では2021 年12月マイナーチェンジ~の2代目・S700MおよびS710M型をを扱う。
- トヨタ 2代目・ピクシスバンとは?
- 2代目ピクシスバン(S700M/S710M)と11代目ハイゼットカーゴ(S700V/S710V)との違い
- 2代目・ピクシスバン(S700M/S710M)と6代目・アトレー(S700V/S710V)との違い
- 2代目ピクシスバンS700M/S710Mのグレード スペシャル、スペシャルクリーン、デラックス、クルーズ、クルーズターボ違いなど
- エクステリア(外装)
- エンジン・機能・自動ブレーキなど
- ピクシスバン S700MとS710M型との違い、S700VとS710Vとの関係
- 2代目ピクシスバンの最大積載量 クルーズターボもAmazonフレックス使用可能に
- インテリア(内装)
- 2代目ピクシスバンのまとめ
- アトレーはOEM供給される?されない?非設定の理由とピクシスメガ後継モデルは?
- 兄弟モデル スバル 8代目・サンバーバン
トヨタ 2代目・ピクシスバンとは?
2代目の大きな特徴
2021年12月にフルモデルチェンジし、2代目となったピクシスバン。
ピクシスバンは先代よりダイハツ・ハイゼットカーゴのOEM供給を受けた販売されるが、2代目はOEM元の11代目ハイゼットカーゴのフルモデルチェンジと同時登場となった。
2代目ピクシスバンではハイゼットカーゴと同じく
- 最新のDNGAプラットフォームの採用
- 軽バン初のCVTの採用
- 自動ブレーキの全グレード標準装備化
- 電子制御式パートタイム4WD
など、最新鋭の技術を盛り込んだ。
軽バン初のFR用CVTと電子制御式4WDの採用
この中でも一番大きな特徴はトヨタ初&軽バン初のFR用CVTの採用。
これにより加速性や燃費性能が飛躍的向上し、自然吸気エンジンながら力強い加速を実現。また、段の無い無段変速機によりスムーズな加速も実現している。
さらに4WDシステムには軽バン初の電子制御式4WDを採用。
それまでの原始的なパートタイム4WDに比べ、スイッチ操作で2WD/4WD AUTO/4WD LOCKの3モードを選択可能とし、悪路や雪道などでの低ミュー路走行時でも優れた安定走行を実現。
同時にパートタイム4WDの弱点であった「タイトコーナーブレーキング現象」も抑制し、扱いやすさを向上させた。
ボディはアッパーとリアアンダーボディの骨格構造を最適化。サスペンションジオメトリーも見直したことにより重積載時でも優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現。
エクステリア・積載性の改良
また先代よりもボディをスクエア化したことでクラストップレベルの積載スペースを確保。
これにより荷室長1915mm、荷室幅1410mm(4名乗車時)×荷室高1250mmを実現。運転席も頭上スペースが拡大したことでより広々した車内空間となった。
また、ラゲッジスペースも水平格納式リヤシートを採用し、フラットなラゲッジスペースを実現。ユースフルナットも先代の約2倍に増加し利便性を向上。
さらにリアは中央部のブランドマークを廃止し、無地のエリアを確保したことで会社名のロゴや広告スペースを従来よりも入れやすくした。
インテリア・収納スペースの改良
出典:トヨタ認定中古車
インテリアでは視認性を高めた大型単眼式スピードメーターや、使い勝手を向上させたインパネ、耐久性をアップさせたシート表皮を採用。
ボディカラーにはシャイニングホワイトパール、トニコオレンジメタリックを含めた全6色を設定。
出典:ダイハツ認定中古車
収納スペースはユーザーから聞き込みを徹底的に実施し、先代よりも要望を反映したデザインに。インパネ形状を見直してアッパートレイを新設。
頭上にはオーバーヘッドコンソールを進化させたオーバーヘッドシェルフを新設し、多彩な収納スペースを設置した。
快適装備としてはキーフリーシステム&プッシュスタートボタンを採用。パワースライドドアやスライドドアイージークローザーも11代目から初採用した。
自動ブレーキには乗用モデルでも採用しているステレオカメラ方式の「スマートアシストⅢ」を全グレードに標準装備。
衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能とした。
これ以外に車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。さらに5MTモデルにもブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)を搭載した。
2代目ピクシスバン(S700M/S710M)と11代目ハイゼットカーゴ(S700V/S710V)との違い
先代と同じく、ピクシスバンとハイゼットカーゴの違いはエンブレム程度で基本的にはまったく同じ。
グレード名もハイゼットカーゴと同一名称で、装備内容も同じだ。
ただし、ボディカラーの設定が一部異なり上級クルーズにおいてハイゼットカーゴには設定の「アイスグリーン」がピクシスバンには非設定。
さらにハイゼットカーゴに設定の「スマホ連携ディスプレイオーディオ」が未設定だが、トヨタディーラー販売店オプションの「対応ナビゲーション」を装着することでトヨタのカーライフサポートサービス「T-Connect」の利用可能。
また、乗用モデル・アトレーワゴンの後継で4ナンバー仕様となった「アトレー」に相当する最上級グレードが非設定。デッキバンなども設定されない。
2代目・ピクシスバン(S700M/S710M)と6代目・アトレー(S700V/S710V)との違い
ピクシスバンとアトレーの違いはエンブレム、内外装の装備が一部異なる。ボディ形状はどちらも同じ。
ピクシスバンはハイゼットカーゴのOEMモデルであり、配送など商用利用を目的とした軽バン。
アトレーはハイゼットカーゴをベースに乗用思考の装備を与えたモデル。先代までは5ナンバーのアトレーワゴンだったが、この代から先祖帰りし4ナンバー化された。トヨタへはOEM供給されず非設定。
外装ではピクシスバンがシンプルな顔つきに対し、アトレーでは乗用モデルらしく専用メッキグリルやが与えられよりスタイリッシュな顔つきとなる。
またテールランプもアトレーではクリアーテールを標準採用し、リアビューも乗用モデルらしいデザインに。
さらにクルーズにオプション設定のパワースライドドアが標準装備(※RSのみでXグレードは非設定)となる。
内装でもヘッドレスト分離型セパレートシートにアトレー専用のシート表皮で質感を高めている。
インパネもデザインはほぼ共通だ(※デラックス&スペシャルとクルーズ系ではオーディオサイズが違う)がガーニッシュによる加飾、ハイゼットカーゴには無いオートエアコンとタコメーター付きの2眼式スピードメーターの採用で上質な雰囲気となっている。
ラゲッジスペースもアトレーではレジャーユースを想定し、汚れても拭き取りやすい「イージーケアマット」、「マルチフック」、「スリット付のデッキサイドトリム」など、ハイゼットカーゴには非設定の荷物を運ぶ以外の機能装備が標準装備となる。
このほかアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキープコントロール(LKC)の設定があるのがアトレーのみで、ピクシスバンには未設定。
さらにアトレーは全グレードでターボ仕様となり、自然吸気エンジンの設定が無い。加えてアトレーではCVTのみの設定で、5MTは無し。
その分新車価格はかなり高く、一番安いXグレードで156.2万円から。ピクシスバンの一番安いスペシャルと比較して50万円ほど高くなる。
なお、軽自動車税はアトレーもピクシスバンも同じ4ナンバーなので年間5,000円(※事業用貨物は3,800円)。一般的な5ナンバー軽自動車が年10,800円なので、年5,800円の節税になる。
2代目ピクシスバンS700M/S710Mのグレード スペシャル、スペシャルクリーン、デラックス、クルーズ、クルーズターボ違いなど
2代目ピクシスバンのグレード構成は下から順にスペシャル、スペシャルクリーン、デラックス、クルーズ、クルーズターボの5種類。ハイゼットカーゴとまったく同じ構成。
全てハイルーフ仕様となり、標準ルーフが廃止されている点と、全グレードで自動ブレーキが標準装備化。また、クルーズターボの5MTが廃止されている。
スペシャル
スペシャルは、ピクシスバンの廉価グレード。快適装備や機能装備が簡略化され価格も安くなる。
外観では
- 非塗装で樹脂タイプのフロントバンパー&リアバンパー
- 樹脂タイプのアウタードアハンドル
- 手動ミラー
- 鉄チンホイール
快適装備ではトップシェイドガラスとキーレスエントリーが非装備。
また、USBポートもつかず、オーディオも標準では1DINサイズしか使えない(オプションで選択可能)。
ただし、先代の10代目とは異なり、
- AM/FMラジオやパワーウィンドウ
- パワーステアリング
- エアコン
- パワードアロック(集中ドアロック)
- ABS
が標準装備となる。ボディカラーはホワイトとシルバー(ブライトシルバーメタリック)の2色のみ。
トランスミッションは5MTとCVTを設定。
スペシャルクリーン
スペシャルクリーンはスペシャルグレードをベースとした環境対応車で、クリーンエンジンを搭載し、自動車重量税が免税されるエコカー減税やグリーン税制に特化させたグレード。
装備はスペシャルと同じだが、CVTのみの設定となる。
デラックス(DXグレード)
デラックスはミドルグレード。スペシャルに対して外装や内装、快適装備が良くなる。
外観はフロントバンパーが樹脂タイプからボディ同色タイプとなり、オプションで下部のロアバンパーも着色タイプに変更可能となる。
リアバンパーも同様にカラードタイプで見た目が良くなる。
さらにアウタードアハンドルや電動格納式カラードドアミラーがオプション設定で選択可能となり(※5MTではカラードドアミラーは選択不可)、トップシェイドガラスもオプション設定。
ステアリングホイールもメッキオーナメント&シルバーガーニッシュタイプを選択可。
快適装備はスモークガラスとキーレスエントリーが標準装備。
オプションでLEDヘッドライト&LEDフォグランプ、USBソケットやオーディオ用のHDMI端子、スマホ連携ディスプレイオーディオ、バックカメラ、ステアリングスイッチ、などが選択可能となる(※スペシャルには非設定)。
ボディカラーも白とシルバー以外に
- トニコオレンジメタリック
- シャイニングホワイトパール
- ブラックマイカメタリック
を含めた計5色を設定。トランスミッションは5MTとCVTを設定。
クルーズ
クルーズは上級グレード。
デラックスよりもさらに豪華な装備となり、デラックスの装備に加えて外装では完全ボディ同色のフロントバンパー&リアバンパー、ホイールキャップ、電動格納式ドアミラーが標準装備。
内装はニードルパンチのヘッドレスト分離型シート(※助手席の前倒しは不可)にリアシートもヘッドレスト付きの左右分割式シートを採用。
インパネも乗用仕様のアトレーと同じ2DINサイズが格納可能な専用インパネを採用。トランスミッションは5MTとCVTを設定。
快適装備は
- 大型LED荷室灯
- バニティミラー
- キーレスエントリー&プッシュエンジンスタートボタン
を標準装備し、スーパーUV&IRカットガラスにLEDヘッドライト&LEDフォグランプ、ダイハツの軽バン初となる電動パワースライドドアなどをオプション設定する。
なお、ダイハツ・ハイゼットカーゴとは異なりピクシスバンではクルーズ系・専用色ボディカラーの「アイスグリーン」が非設定となる。
クルーズターボ
クルーズターボはクルーズのターボ仕様版。ハイゼットカーゴで唯一のターボエンジンを搭載するグレードだが、CVTのみの設定となる。
なお、先代と異なりスピードメーターがタコメーター付きでなく、他グレードと同じシンプルな単眼式に変更されている。
エクステリア(外装)
フロント
フロントデザイン。11代目ハイゼットカーゴは先代の後期モデルで少しキツイ顔つきに変更されたが、11代目では再び柔らかい顔つきに変更された。
ただし、スタイリッシュ感は失われておらず、先代中期モデルと後期を足しで2で割ったようなデザイン。軽バンらしいベーシックな部分も併せ持つバランスの取れた顔つきとなった。
さらに11代目ではバンパーも構造変更され、フロントバンパーを上下2分割構造とし、ロアバンパーのみでの交換が可能となっている。
出典:トヨタ認定中古車
なお、廉価グレードのスペシャルではバンパーすべてが樹脂タイプ(非塗装)。デラックスではバンパー上部がボディ同色。オプションで下部もボディ同色にできる。
クルーズはバンパーすべてがボディ同色塗装。
出典:ダイハツ認定中古車
先代後期モデルで初採用されたLEDヘッドライトはクルーズ、クルーズターボ、デラックスのCVTモデルにオプション設定。フォグランプも同様にオプション設定でLED仕様のメッキベゼル付きとなる。
サイド・スライドドアなど
出典:トヨタ認定中古車
サイド。2代目では先代よりもボディ上部の角を鋭角にしよりスクエアなボディスタイルとなった。これにより運転席は上部方向広くなりオーバーヘッドシェルフを新設。荷室も広くなった。
出典:ダイハツ認定中古車
クルーズ系グレードではドアミラーがカラードの電動格納式となり、アウタードアハンドルもボディ同同色。
さらにクルーズ系では軽バンでは珍しいパワースライドドア(自動オープン、ウェルカムオープン機能付き)+両側スライドドアイージークローザーや
ボタンプッシュでドアの施錠・解錠可能なキーフリーシステムをオプション設定する。
※写真のアイスグリーン色はダイハツ版のみ
タイヤサイズ・ホイールキャップなど
足元は伝統の12インチスチールホイール。タイヤサイズは145/80R12。
クルーズ系グレードではホイールキャップが標準装備となる。
リア
出典:トヨタ認定中古車
リア。2代目は引き続きリアバンパーにテールランプを埋め込みリアゲートの開口部を広くしたデザインを採用。
さらに2代目ではリアゲートの中央エンブレムを廃止。左側の車名デカールのみとし車名ロゴやスポンサーを入れやすいデザインに変更している。
荷室長は1,915mm、荷室幅は1,270mm、荷室高は1,250mmで先代よりもラゲッジスペースがひとまわり拡大している(※先代の荷室長は1,860mm、荷室幅は1,375、荷室高は1,235mm)。
特にスクエアボディの採用でリアゲート上部の開口部が広くなり、大きなルーフサイドとなった。
なお、スペシャルグレードではリアガラスとリアゲートガラスのプライバシーガラスが非装備。クルーズ系ではリアバンパーがボディ同色。デラックスではオプションでリアバンパーをボディ同色に変更可能。
エンジン・機能・自動ブレーキなど
エンジン
エンジンはKF型直列3気筒DOHC可変バルブタイミング機構(DVVT)付き自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボの2種類。
自然吸気エンジンのMTモデルが最高出力は46ps(34kW)/5700rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。
自然吸気エンジンのCVTモデルでは最高出力が53ps(39kW)/7200rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。
ターボエンジンはクルーズターボのみ設定で、最高出力が64ps(47kW)/5700rpm、最大トルクは9.3kg・m(91N・m)/2800rpm。
自然吸気エンジンの5MTとCVTとでは最大トルクは同じだが、最高出力が若干異なる。
駆動方式はFRまたは4WDで、トランスミッションはCVTまたは5MTの2種類。ただしクルーズターボはCVTのみの設定。
また、4WDはCVTモデルでクラス初の電子制御式4WDを採用。先代までのパートタイム4WDとは異なり、スイッチ操作でFRか2種類の4WD(4WDオート/4WDロック)を選択できる仕様となった。
これによりパートタイム4WDに比べて4WDオートモードではタイトコーナーブレーキング現象が起きづらくなり、スタックした際も4WDロックモードで脱出を容易とした(※5MTモデルは従来通りのパートタイム4WDとなる)。
安全装備・自動ブレーキなど
自動ブレーキでは先代のスマートアシスト3がさらに進化。乗用モデルと同じステレオカメラを用いたタイプに変更し、これを廉価グレードを含めた全グレードに標準装備。
衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能とし、時代の変化に伴う女性やお年寄りなど軽バンユーザーの変化に対応させた。
これ以外に車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、
サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。さらに5MTモデルにもブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)を搭載した。
新採用「スマートインナーミラー」
さらに11代目ハイゼットカーゴではスマートインナーミラーを新設定。リアゲートに設置した後方バックカメラをルームミラーに表示することで、荷物満載時や視界不良時でも後ろの視界を見やすく、バック駐車などを容易とした。
ピクシスバン S700MとS710M型との違い、S700VとS710Vとの関係
ピクシスバンS700MとS710M型の違いは駆動方式。S700Mは後輪を駆動するFR(2WD)のハイゼットカーゴ。S710MはS700Mベースの全輪を駆動する4WDのピクシスバン。
S710Mの4WDシステムには2種類あり、CVTモデルでは電子制御式4WDが採用され、FRと4WDを任意に切り替えられるほか、4WDオートモードと、4WDロックモードで従来のパートタイム4WDの弱点だったタイトコーナーブレーキング現象を抑制している。
なお、5MTのS710M型は従来通りのパートタイム4WDを採用。4WD切り替え時はタイトコーナーブレーキング現象に注意が必要だ。両方とも雪のない時期など普段はFRで走行すると、フルタイム4WDよりも燃費が良くなるメリットがある。
型式はハイゼットカーゴの末尾にVanを示すVが付くが、トヨタバージョンのピクシスバンではこれがMに置き換えられている。それゆえにS700MはS700Vのトヨタ版。S710MはS710Vのトヨタ版となる。
2代目ピクシスバンの最大積載量 クルーズターボもAmazonフレックス使用可能に
初代ピクシスバンはハイゼットカーゴと同じくクルーズターボのみ最大積載量が200kgとなっていた。
このためAmazonフレックスなど個人契約の配送業では条件に適合せず、使えなかったが2代目ではクルーズターボでも最大積載量が350kg化。ターボ仕様でもAmazonフレックスを含めた配送業務での利用が可能となった。
これ以外のスペシャル、デラックス、クルーズは同じく最大積載量が350kg。ただし4名乗車時は最大積載量が250kgになる。
インテリア(内装)
インパネ
インパネ。スペシャルとデラックスではオーディオ収納スペースのサイズが異なり、標準ではAM/FMラジオを標準装備した1DINサイズ。
クルーズとクルーズターボではナビゲーションが使える2DINサイズとなる。
ただしスペシャルとデラックスでも「6.8インチスマホ連携ディスプレイオーディオ」や「9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ」を選択すると、クルーズと同じ2DINサイズに変更される。
収納スペース
出典:ダイハツ認定中古車
11代目ハイゼットカーゴのインパネはユーザーの要望を取り入れデザインを刷新。
新たにインパネアッパートレイを設定し、かつ収納スペースもニーズにあわせて配置するなど使いやすさを向上。
出典:ダイハツ認定中古車
さらに2代目ではボディ形状変更により、運転席頭上に収納スペースとなるオーバーヘッドシェルフがハイゼットカーゴに新設された。
なお、ナビゲーションには本家ハイゼットカーゴの「スマホ連携ナビゲーション」は選択できないが、トヨタ純正ナビを選択すると、Bluetooth®スマートフォン連携機能が利用でき、加えて「T-Connect」も利用可能となる。
ステアリング
出典:トヨタ認定中古車
ステアリングは全グレードでウレタンステアリング。メッキオーナメントはクルーズ以上に。オプションでクルーズとデラックスではシルバー加飾のステアリングガーニッシュも付きも選択可(5MTは非設定)。
エアコン・シフトノブまわり
エアコンは全グレードでマニュアル式エアコン。ATはインパネシフト。
5MTも引き続きインパネシフトを採用(※クルーズターボとスペシャルクリーンでは非設定)。
エンジンスタート・スイッチ類
エンジンスタートはクルーズとクルーズターボがプッシュスタートボタンを採用する。4WDモデルにはリアヒーターが標準装備となり、インパネ部のスイッチから送風操作ができる。
スピードメーター
スピードメーター。全グレードでタコメーター無しのシンプルな単眼式となった。右側にはマルチインフォメーションディスプレイを備える。
先代まで、クルーズターボのみアトレーワゴンと同じタコメーター付き2眼式メータを採用していたが、11代目では廃止され、全グレードで統一された。
フロントシート(デラックス&スペシャル)
出典:ダイハツ認定中古車
デラックスとスペシャルのフロントシート。ヘッドレスト一体型シートで軽バンらしい簡易的なシートとなる。シート表皮もビニール製。
クルーズ系のフロントシート
出典:ダイハツ認定中古車
クルーズとクルーズターボのフロントシート。ヘッドレスト分離式のセパレートシートで、アトレーと同じ形状のシートとなる。シート表皮もニードルパンチを採用し、デラックスやスペシャルとは質感が異なる。
リアシート(デラックス&スペシャル)
出典:ダイハツ認定中古車
スペシャルとデラックスのリアシート。軽バンらしい左右一体可倒式の簡易的なシート。
リアシート(クルーズ)
出典:ダイハツ認定中古車
クルーズとクルーズターボでは左右分割式でヘッドレスト付きのシートとなる。後部座席の快適性はこちらが高く、荷物以外に人を乗せる場合はクルーズやクルーズターボがオススメ。
11代目ではリアシートが水平格納式となり、ラゲッジスペースがフルフラットになった。助手席を前側に倒すと2,650mmの長さとなり、長ものを積む時に重宝する。
ただし、クルーズとクルーズターボの助手席は前倒しが出来ないため、スペシャルとデラックスよりはラゲッジスペース長が短い。
ラゲッジスペース
出典:ダイハツ認定中古車
ラゲッジスペース。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートを倒した状態。
11代目ハイゼットカーゴではユースフルナットが荷室上部やデッキサイド部などにスペシャルとデラックスで31箇所。クルーズとクルーズターボで17箇所設置され、ラゲッジスペースの使い勝手を良くしている。
オプションパーツでユーティリティフックや荷室フック、オーバーヘッドネットやクォーターウィンドパイプなどが設定されている。さらに荷室灯も標準でLED仕様となり(※クルーズとクルーズターボに標準。デラックスのCVTにメーカーオプション)、利便性がアップしている。
2代目ピクシスバンのまとめ
2代目ピクシスバンは、ハイゼットカーゴと同じく進化したパワートレイン、使い勝手が向上したラゲッジスペースと快適性の高い運転席。
質感の高いエクステリアに乗用モデルと同じ自動ブレーキの採用、バックカメラ連動型ルームミラーのオプション設定など、多方面で様々なアップグレードが施されたフルモデルチェンジとなった。
ハイゼットカーゴと同じくここまで乗用モデルの装備を盛り込んだ背景には軽バンユーザーの変化にある。元々軽バンは個人商店や宅配業者、土木や建築業、電気工事などでの社用車利用などがメインでユーザーも男性がほどんどだった。
これが時代の変化により働き手の多様化、少子高齢化による労働力不足、ネット通販などの普及で個人委託宅配が増え、近年では男性以外の女性や年配ドラバーの軽バン利用も増えてきている。
これら時代的背景を盛り込み、乗用モデルのような静粛性の高い車体に快適な室内空間、自動ブレーキやバックカメラなど先進装備や便利装備が盛り込まれたフルモデルチェンジとなった。
先代同様にトヨタ仕様としてOEM供給することで、普通車を含めた既存のトヨタユーザー、これまであまり軽バンに興味の無かったユーザーや本家ダイハツとは異なる購買層へも購入しやすくするモデルでもある。
アトレーはOEM供給される?されない?非設定の理由とピクシスメガ後継モデルは?
2023年2月の時点で11代目ハイゼットカーゴをベースとした乗用思考の4ナンバー軽貨物「アトレー」はトヨタ純正にはOEM供給されていない。
ピクシスメガが生産終了したこともあり、後継モデルとして一部期待されていたがその実現には至っていない。また、ウェイク後継モデルの「タントファンクロス」もデビューしているがこれのOEMモデル未設定。
かつてはトヨタ自動車における軽自動車のラインナップが豊富な時期もあったが、近年では軽OEMモデルの販売は消極的で必要最低限となっている。
軽バンの需要はコロナ渦を経てアウトドアや車中泊などの人気を背景に高まっているが、内外装が豪華でターボ付きの高級志向な「アトレー」では他の売れ筋モデルのような販売台数も見込めない。
元々アトレーワゴンがトヨタにOEM供給されてなかったこともあり、現時点ではアトレーのトヨタ版は販売されず、買うことができない。
ライバルのスズキ・エブリイワゴンがフルモデルチェンジし販売好調となればOEM供給でトヨタ版の追加設定もありそうだが、現時点では本家ダイハツともうひとつのOEM、スバル・サンバーのディアスとしての設定のみとなっている。
兄弟モデル スバル 8代目・サンバーバン
11代目ハイゼットカーゴはスバルには8代目サンバーバンとしてもOEM供給され、2代目ピクシスバンとは兄弟モデルにあたる。
スバル版はグレード名がスバル仕様となり、VBやトランスポーター、VCなどで差別化される。ボディカラーもデラックスではオプションカラーが非設定。
さらに一部グレードLEDヘッドライトやパワースライドドアがCVT車で標準装備となる分、新車価格が少し高くなる。
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