アトレーはダイハツのワンボックス型軽自動車。本稿では6代目のS700V型およびS710V型、約20年ぶりに復活した4ナンバー(軽バン・軽貨物)仕様の乗用グレードを扱う。
概要
2021年12月にフルモデルチェンジし、6代目となったダイハツ・アトレー。商用モデルのハイゼットカーゴ、大幅改良のハイゼットトラックとの同時デビューとなった。
約17年ぶりのフルモデルチェンジとなった6代目では先代(S320系)と先々代まで5ナンバー乗用モデルだったアトレーワゴンを廃止し、伝統の4ナンバー仕様に原点回帰。名称も「アトレーワゴン」から「アトレー」に変更となった。
さらに時代的にニーズを取り入れ、最新のDNGAプラットフォームの採用や、軽バン初のCVTの採用、自動ブレーキの全グレード標準装備化、電子制御式パートタイム4WDなど、最新鋭の技術を盛り込んだ。
一番大きな特徴はダイハツ初&軽バン初のFR用CVTの採用。これにより加速性や燃費性能が飛躍的向上し、自然吸気エンジンながら力強い加速を実現。また、段の無い無段変速機によりスムーズな加速も実現。
アトレーでは全グレードにターボエンジンを組み合わせることで、高速道路でも快適な移動を実現している。
アトレーで新採用の電子制御式パートタイム4WD
4WDシステムには軽バン初の電子制御式4WDを採用。それまでの原始的なパートタイム4WDに比べ、スイッチ操作で2WD/4WD AUTO/4WD LOCKの3モードを選択可能とし、悪路や雪道などでの低ミュー路走行時でも優れた安定走行を実現。
同時にパートタイム4WDの弱点であった「タイトコーナーブレーキング現象」も抑制し、扱いやすさを向上させた。
大きく変更されたスクエアなボディ形状&拡大した室内空間
ボディはアッパーとリアアンダーボディの骨格構造を最適化。サスペンションジオメトリーも見直したことにより重積載時でも優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現。
そしてボディ形状は先代よりもスクエア基調を強め、より箱型ボディに進化。
これにより荷室長1915mm、荷室幅1410mm(4名乗車時)×荷室高1250mmを実現。運転席も頭上スペースが拡大したことでより広々した車内空間となった。
また、ラゲッジスペースも水平格納式リヤシートを採用し、フラットなラゲッジスペースを実現。ユースフルナットも先代の約2倍に増加し利便性を向上。
6代目アトレーのエクステリア概要
エクステリアは商用車のハイゼットカーゴに対し、専用メッキグリルや全グレードにLEDヘッドライト&フォグランプ、クリアーテールランプなどを標準装備し、乗用モデルらしいスタイリッシュなデザインとした。
リアはハイゼットカーゴでダイハツマークが車名デカールと同じ位置に移動したことで、アトレーでも同様の変更が適用されている。
6代目アトレーのインテリア概要
インテリアでは上質感や視認性を高めた2眼式スピードメーター+TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイや、使い勝手を向上させたインパネ、メッキとシルバー加飾による上質感、耐久性をアップさせたシート表皮を採用。
ボディカラーにはオフビートカーキメタリック(アトレー専用色)、シャイニングホワイトパール、トニコオレンジメタリックを含めた全6色を設定。
6代目アトレーの収納スペース
収納スペースはユーザーから聞き込みを徹底的に実施し、先代よりも要望を反映したデザインに。インパネ形状を見直してアッパートレイを新設。頭上にはオーバーヘッドコンソールを進化させたオーバーヘッドシェルフを新設し、多彩な収納スペースを設置した。
6代目アトレーの快適装備・安全装備などの概要
快適装備としてはキーフリーシステム&プッシュスタートボタンをアトレーでは全グレードに標準採用。両側パワースライドドアや、両側スライドドアイージークローザーもクラス初採用となった。
アトレーのラゲッジスペースはレジャーでの使用を想定。4ナンバー化されたことにより、先代よりも拡大し広くなった軽貨物ならではの最大350kgの積載量にイージーケアマット、荷室ナットやマルチフック、ポップアップ機構付リヤガラス、デッキサイドポケット等の収納スペース、スリット付のデッキサイドトリムなどハイゼットカーゴとは異なるレジャー思考の機能装備を盛り込んだ。
自動ブレーキには乗用モデルでも採用しているステレオカメラ方式の「スマートアシストⅢ」を全グレードに標準装備。衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能とした。
これ以外に車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。
加えてアトレーでは全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKC(レーンキープコントロール)を採用し、レジャー等における長距離移動の疲労を軽減する。
6代目アトレー グレードの違い
6代目アトレーのグレードは2つ。エントリーグレードの「X」と、上級グレード「RS」の2種類。両方ともターボエンジンを搭載するが、Xグレードに対して、RSでは主にインテリアや快適装備が豪華となる。
アトレーXグレード
Xグレードはエントリーグレードで、RSに対し外装はLEDターンランプ付きドアミラーが非装備。内装ではスピードメーターがハイゼットカーゴと同じ単眼式メーター(タコメーター無し)となり、マルチインフォメーションディスプレイもTFTカラー液晶ではない通常タイプ。
このほかインパネセンターポケット、メーターパネルのシルバー加飾、メッキシフトリング、12Vの荷室アクセサリーソケットが非装備。
快適装備としてはエアコンがマニュアル式エアコンとなり、パワースライドドアが非装備(※オプション設置なし)。USBポートがオプション設定。
安全装備では標識認識機能の一部で最高速度の認識機能がオプション設定。アダプティブクルーズコントロール(ACC)とレーンキープコントロール(LKC)は非搭載となる。
アトレーRSグレード
RSは上級グレードで、Xで非装備だったものが標準装備となる。パワースライドドアやUSBポートが標準装備。スピードメーターも2眼式メーターとなり、ACCやLKCも標準装備となる。
なお、6代目アトレーではアルミホイールの設定がなく、ホイールキャップが標準装備となっている。
6代目アトレーと11代目ハイゼットカーゴとの違い
6代目アトレーと11代目ハイゼットカーゴとでは内外装と快適装備、トランスミッションの設定などが異なる。
なお、先代までのS321GやS331Gでは5ナンバーモデルだったが、6代目S700VとS710Vではハイゼットカーゴと同じく4ナンバー軽バン仕様となった。そのためこの代からは4ナンバーと5ナンバーの区別がなくなった。
外装ではハイゼットカーゴがシンプルな顔つきに対し、アトレーでは乗用モデルらしく専用メッキグリルやが与えられよりスタイリッシュな顔つきとなる。
またテールランプもクリアーテールを採用し、リアビューも乗用モデルらしいデザインに。さらにクルーズにオプション設定のパワースライドドアが標準装備(※RSのみでXグレードは非設定)となる。
内装でもヘッドレスト分離型セパレートシートにアトレー専用のシート表皮で質感を高めている。
インパネもデザインはほぼ共通だ(※デラックス&スペシャルとクルーズ系ではオーディオサイズが違う)がガーニッシュによる加飾、ハイゼットカーゴには無いオートエアコンとタコメーター付きの2眼式スピードメーターの採用で上質な雰囲気となっている。
ラゲッジスペースもアトレーではレジャーユースを想定し、汚れても拭き取りやすい「イージーケアマット」、「マルチフック」、「スリット付のデッキサイドトリム」など、ハイゼットカーゴには非設定の荷物を運ぶ以外の機能装備が標準装備となる。
このほかアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキープコントロール(LKC)の設定があるのがアトレーのみで、ハイゼットカーゴには未設定。
さらにアトレーは全グレードでターボ仕様となり、自然吸気エンジンの設定が無い。加えてアトレーではCVTのみの設定で、5MTは無し。
その分新車価格はかなり高く、一番安いXグレードで156.2万円から。ハイゼットカーゴの一番安いスペシャルと比較して50万円ほど高くなる。
エクステリア(外装)
フロントデザイン。6代目アトレーは先代同様にハイゼットカーゴをベースに乗用モデルに仕立てたモデル。アトレー仕様として専用メッキグリルとLEDヘッドライト&LEDフォグランプが備わりより乗用思考らしいスタイリッシュな顔つきとなる。
ハイゼットカーゴではバンパーの色塗りわけがスペシャル、デラックス、クルーズに違いがあったが、アトレーではバンパー上部がボディ同色。下部はブラック塗装で固定される。
なお、6代目ではバンパーが構造変更され、フロントバンパーを上下2分割構造とし、ロアバンパーのみでの交換が可能となっている。
サイド。6代目では先代よりもボディ上部の角を鋭角にしよりスクエアなボディスタイルとなった。これにより運転席は上部方向広くなりオーバーヘッドシェルフを新設。荷室も広くなった。
アトレーではアウタードアハンドルがボディ同色塗装。ドアミラーはブラック塗装となる。RSのみLEDターンランプ付きドアミラーとなる。
さらにRSグレードではタントやウェイクなど乗用モデルに採用されるパワースライドドア(自動オープン、ウェルカムオープン機能付き)+両側スライドドアイージークローザーや
ボタンプッシュでドアの施錠・解錠可能なキーフリーシステムを標準装備する(※Xには非設定)。
足元は14インチスチールホイールLホイールキャップ。先代アトレーワゴンではアルミホイールが標準装備だったが、コストダウンなのかホイールキャップに変更されている。
リア。アトレーではクリアーテールランプを標準装備し、ハイゼットカーゴよりもスタイリッシュなリアビューとなる。
6代目ではハイゼットカーゴでエアゲートのダイハツマークが中央から右寄りに変更されたことにより、アトレーでも同様の変更が適用されている。
エンジン・機能・自動ブレーキなど
エンジンはKF型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボのみ。
最高出力は64ps(47kW)/5700rpm、最大トルクは9.3kg・m(91N・m)/2800rpm。
駆動方式はFRまたは4WDで、トランスミッションはCVTのみ。4WDはCVTモデルでクラス初の電子制御式4WDを採用。先代までのパートタイム4WDとは異なり、スイッチ操作でFRか2種類の4WD(4WDオート/4WDロック)を選択できる仕様となった。
これによりパートタイム4WDに比べて4WDオートモードではタイトコーナーブレーキング現象が起きづらくなり、スタックした際も4WDロックモードで脱出を容易とした。
6代目アトレーの安全装備・ACCなど
自動ブレーキでは先代のスマートアシスト3がさらに進化。乗用モデルと同じステレオカメラを用いたタイプに変更し、これを廉価グレードを含めた全グレードに標準装備。
衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能とし、時代の変化に伴う女性やお年寄りなど軽バンユーザーの変化に対応させた。
これ以外に車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、
サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。
さらに6代目アトレーではハイゼットカーゴ同様にスマートインナーミラーを新設定。リアゲートに設置した後方バックカメラをルームミラーに表示することで、荷物満載時や視界不良時でも後ろの視界を見やすく、バック駐車などを容易とした。
このほか高速道路など長距離移動時に重宝するアダプティブクルーズコントロール(ACC)とレーンキープコントロール(LKC)はRSのみに標準装備となる。
6代目アトレー S700VとS710V型との違い
6代目アトレーS700VとS710V型の違いは駆動方式。S700Vは後輪を駆動するFR(2WD)のアトレー。S710はS700Vベースの全輪を駆動する4WDのアトレー。
S710Vの4WDシステムには電子制御式4WDが採用され、FRと4WDを任意に切り替えられるほか、4WDオートモードと、4WDロックモードで従来のパートタイム4WDの弱点だったタイトコーナーブレーキング現象を抑制している。
先代までの乗用モデルなアトレーワゴン(S321系)にはフルタイム4WDが採用されていた。扱いやすさには定評があったものの、燃費がすこぶる悪く欠点でもあった。これが扱いやすい電子制御式パートタイム4WDとなったことで、舗装路などでは完全な2WD走行を任意に選択できるようになり、4WDモデルでも燃費改善が期待できる。
ちなみにこの代ではアトレーとハイゼットカーゴの型式は同じで、区別が無い。ともにアトレーとハイゼットカーゴのFFモデルはS700V。4WDモデルがS710V型となる。
インテリア(内装)
6代目アトレーのインパネ。ハイゼットカーゴと共通デザインだが、メッキ加飾やシルバー加飾により上質感がプラスされる。また、オーディオサイズも標準で2DINとなり、ナビゲーションを入れるときにも重宝する。
ステアリングはすべてウレタンステアリングで、RSグレードにはメッキーオーナメントにシルバー加飾のガーニッシュが付く(ガーニッシュはXでオプション設定)。
収納スペースはハイゼットカーゴよりも多い14箇所。特に運転席ルーフ部分のオーバーヘッドシェルフは容量が拡大し、新設の後席ボトルホルダーやデッキサイドポケットなど、先代よりも使い勝手が向上した。
エンジンスタートはプッシュスタートボタン式。
スピードメーター。RSグレードのみタコメーター付きの2眼式タイプ。中央にはTFTカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイとなる。
Xグレードでは商用ハイゼットカーゴと同じ単眼式となる。
エアコンはRSがフルオートエアコン。Xがマニュアル式エアコン。
フロントシートはセパレートタイプ。クルーズ系グレードと同じヘッドレスト分離式シートだが、アームレスト付き&シート表皮はアトレー専用品。ブラックカラーと中央にはクロス柄のグレー表皮を組合せ質感が高くなる。
リアシート。4ナンバー化し水平格納式リヤシートを採用したことでリアシートは座面が薄めの若干簡素な作りとなった。ただしリアドアのドリンクホルダーが新設され使い勝手は良い。加えて4WDモデルはリアヒーターを標準装備する。
これには理由があり、リアの快適性よりもラゲッジスペースとしての利便性を向上させたことにある。6代目アトレーではリアシートが前側に倒れ完全フルフラットな荷室となった。これにより車中泊や作業スペースなど、より車内空間の使い勝手が良くなっている。
ラゲッジスペース。4ナンバーモデルたのめ、4名乗車時でもラゲッジスペースに長さが拡大している。
リアシートを倒した状態。
アトレーでは新設のデッキサイドトリムが標準装備となる。オプションのラゲッジボードと組み合わせると、上下2段に分けて荷室が使えるようになる。
ラゲッジスペースはハイゼットカーゴと同じ17箇所のユースフルナットに加え、ウェイクやタフトのようなイージーケアマットを標準装備。汚れても拭き取りやすく、レジャーユースでの利便性を高めている。
まとめ
6代目アトレーは、4ナンバー化されたパッケージングに最新鋭のFR用CVT、ターボエンジン、アダプティブクルーズコントロールや機能的なラゲッジスペースなど、先代のアトレーワゴンよりも荷室の利便性を高めたフルモデルチェンジとなった。
アトレーが4ナンバー化された背景にはタントの登場により後部座席に人を乗せる人はアトレーワゴンではなく、タントにシフトしていったためで6代目では人がメインか荷物がメインかで切り分けがなされた。
ハイゼットカーゴよりも新車価格は50万円以上も高い156万2000円からで、上級のRSの4WDモデルでは182万6000円と、かなりの開きがある。その分装備も豪華となり価格相応のモデルとなるが、これを安いと感じるか、高いと思うかは評価が分かれるところ。
税金面では4ナンバー自家用モデルゆえの年5000円という魅力もあり、スズキ・エブリイワゴンとくらべても半額程度。レジャーユースでより荷物を運びたいとか、車中泊やその他の多用途に使いたい場合は優れたモデルである。
ウェイクの生産終了に伴いアトレーやタントファンクロスが実質的な後継モデルとった。
なお、スズキは4ナンバー化したアトレーに対抗し、乗用モデルのスペーシアを4ナンバー化した軽バン仕様の「スペーシアベース」を登場させた。
アトレーのようにラゲッジスペースの使い勝手を重視し、アレンジ次第ではペット同伴旅行も可能で、ボンネットバンによるメンテナンス性の高さ、軽バンとしては珍しいオートクルーズコントロールも装備するなど、魅力的なモデルとなっている。
コメント
S331のデザインが良いと思っていたので、がっかりです。変わって旧モデルが安くなるのか?
期待していましたが、あまり効果がないみたいです。異常に高値が続いており、ソリオなどハイト系普通車にしようか悩んでいます。シートや内装のチープ化、外装全体のデザインの商用車感など最悪です。
ササキさん、コメントありがとうございます。
S700系の乗用モデルは先代とは異なり、あくまで4ナンバーのハイゼットの上位版なので5ナンバー時代のアトレーワゴンよりも内装がチープだったり、コストダウンされている点が多々あるものと思います。
値段も値段ですし税金のメリットがなければ素直にコンパクトなハイト系普通車のほうがいいかもしれませんね。まだまだ中古車の高騰は落ち着かないようですし。
仕事メインで時々遊びで使える車としては出来が良いと思います。メーカーからのアナウンスがあるように乗用タイプを求めるなら他車にすれば良いのです。全てのユーザーにうける車など存在しません。自分が使用するシーンでどこまでマッチするかだと考えます。
自分の場合は主に仕事使用ですので積載性と燃費が重要要素でした。軽バンを色々調べて試乗もしましたが自分に合っているのがアトレーでした。納車ひと月ですが今のところ満足度は高いです。残念なのは燃費くらいです。だいたいメーター計測で15キロ前後なのですが買い替える前の車は17~18キロでした。NAとターボの違いもありますので妥協しております。
月平均6000~8000キロを走るので耐久性がどうか検証してみたいです。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで、万人受けするモデルは大変難しくどこかで妥協が必要かと思います。アトレーの場合はどうしても車重が重たく、空力性能も悪い箱型ボディなので燃費は致し方ない部分があると感じます。
その分荷物はたくさん乗るのでトレードオフですかね。それでも先代やそれ以前のモデルよりは燃費が良くなっていると思います。