【2代目・前期型】ダイハツ アトレーワゴン(S320G/S330G型) グレード一覧・概要解説 | シン・軽自動車マニア

【2代目・前期型】ダイハツ アトレーワゴン(S320G/S330G型) グレード一覧・概要解説

アトレー・アトレーワゴン

アトレーワゴンはダイハツのワンボックス型軽自動車。本稿では2代目の前期型(2005年5月~2007年8月まで)を扱う。

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出典:Goo-net
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2代目 ダイハツアトレーワゴンとは?

2005年5月にフルモデルチェンジし2代目となったダイハツのアトレーワゴン。

商用モデル(ハイゼットカーゴ)のフルモデルチェンジから10ヶ月遅れの登場となった2代目は、先代同様に基本構造をハイゼットカーゴと共有しつつ外装や内装を乗用モデルとして上級なパーツに変更した軽自動車である。

先代までは乗用モデルはノーマルタイプとカスタムモデルの2本だてだったが、2代目ではスポーティーな外観のカスタムのみの構成となっている。

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2代目アトレーワゴンでは優れた居住性と積載性を両立し、圧倒的な室内空間を実現。

室内長はクラストップレベルの2015mm(後に2020mmに拡大)を確保。室内幅は1310mm、室内高は1350mmとし、4人が快適に乗りつつ十分な広さのラゲッジルームも同時に確保した。

ユーティリティにおいては大型グローブボックスやアンダーボックス、充実の収納スペースに加え、鉄板の穴あけ加工なしでボルトが取り付けられるユースフルナットとユースフルホールを採用した。

エクステリアは存在感と重厚感のある大型エアロバンパーにメッキグリル、軽ワンボックスとしては初となる4灯式のディスチャージヘッドライトを設定し、商用モデルのハイゼットカーゴと大幅な差別化を図った。

インテリアではメタル調のセンタークラスター、専用ファブリックシートの採用で内装面においても乗用モデルらしい上級感を演出。加えて液状制振材の採用により、エンジン透過音を大幅に低減すると共に、着力点の剛性も向上。遮音材の最適配置も行い、ハイレベルな静粛性を実現した。

エンジンは先代に引き続き全グレードでEF-DET型のターボエンジンを採用。

ボディは衝突安全ボディーのTAFにデュアルSRSエアバック、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルトを標準装備。

さらにブレーキアシスト付きのABSも全グレードで標準装備とした。

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2代目前期アトレーワゴンのグレード カスタムターボR、カスタムターRS、HDDナビエディション、ブラックエディションの違いなど

2代目前期アトレーワゴンのグレード展開はベーシックなカスタムターボRと上級カスタムターボRSの2種類。

このほか特別仕様車では「HDDナビエディション」、「ブラックエディション」がRとRSのそれぞれに設定されていた。

カスタムターボR

2代目前期アトレーワゴンのベーシックグレード。

RSよりも一部装備を簡素化して価格をさげたグレード。ただし軽バンのハイゼットカーゴとは異なりターボエンジンを標準装備。内外装もカスタム用の専用装備が与えられる。

エクステリアでは

  • カスタム用エアロバンパー(前後)
  • サイドストーンガード
  • 大経エキゾーストパイプ
  • カスタム用メッキグリル
  • カスタム用メッキガーニッシュ(前後)
  • メッキリング
  • カスタム用4灯式ヘッドライト
  • 13インチスチールホイール+ホイールキャップ

RSに対してルーフエンドスポイラーやアルミホイール、ディスチャージヘッドランプ、フォグランプが非装備となる。

インテリアでは

  • メタル調センタークラスター
  • メタル調メータークラスター
  • メタル調フロントドアアームレスト

などで加飾される。ただし、Rではメッキインナーハンドルやメッキシフトレバーボタン、メッキドアロックノブなどが非装備

快適装備・機能装備は

  • マニュアル式エアコン
  • 電動格納ミラー
  • パワステ
  • パワードアロック
  • 電波式キーレスエントリー
  • 1DINタイプのAM/FM月CDステレオ&16cmスピーカー
  • タコメーター付きスピードメーター

などを標準装備するが、「リアヒータ」などがオプション設定となる。

また、RSに標準装備の「助手席側スライドドアイージークローザー」も非装備だが、2005年9月の一部改良でオプション設定となった。

安全装備は

  • デュアルSRSエアバッグ
  • EBD付きABS
  • プリテンショナー&フォースリミッター機構付きフロント3点ELRシートベルト
  • チャイルドシート固定機構付きリヤ3点ELRシートベルト
  • ISO FIX対応 チャイルドシート固定専用バー

などが標準装備となる。

カスタムターボRS

2代目前期アトレーワゴンの上級ターボ仕様。Rグレードよりも内外装が豪華になる。

エクステリアでは

  • 13インチアルミホイール
  • サイドストーンガード
  • ルーフエンドスポイラー
  • ディスチャージヘッドランプ(ロービーム)
  • フォグランプ

を標準装備。

インテリアでは

  • メッキインナーハンドル
  • メッキシフトレバーボタン
  • メッキドアロックノブ

を標準装備。MOMOステアリングはRと同じくオプション設定。

快適装備は「助手席後方スライドドアイージークローザー」を標準装備する。パワースライドドアは非装備で、手動式タイプ。

特別仕様車 カスタムターボR HDDナビエディション/カスタムターボRS HDDナビエディション

2005年9月設定の特別仕様車。7インチ大画面ワイドHDDナビゲーションシステムを標準装備したモデル。

カスタムターボRとカスタムターボRSのそれぞれに設定。

特別仕様車 カスタムターボR ブラックエディション/カスタムターボRS ブラックエディション

2006年4月設定の特別仕様車

インパネやシート表皮の内装色をブラック基調とし、加えて専用スポットメタル調クラスターや新意匠メーターの採用、後部左側スライドドアイージークローザーを標準装備とした特別モデル。

ブラックエディションでは「カスタムターボR」と「カスタムターボRS」がベース。

外装はノーマルと同じものの、内装が変更され、

  • ブラックインパネ
  • ブラックシート表皮(フルファブリック)
  • 専用スピードメーター
  • 専用スポットメタル調メータークラスター
  • 専用スポットメタル調センタークラスター
  • 専用スポットメタル調フロントドアアームレスト
  • メッキエアコンレジスターノブ

などを標準装備。また、カスタムターボRの方には本来オプション設定の「助手席スライドドアイージークローザー」も標準装備。

内装面でブラックカラーや追加専用装備によるシックな特別感を演出していた。

【2代目・前期型 特別仕様】ダイハツ アトレーワゴン ブラックエディション(S320G/S330G型) 概要解説
アトレーワゴンはダイハツのワンボックス型軽自動車。本稿では2代目の前期型(2005年5月~2007年8月まで)に設定された特別仕様車、「ブラックエディション」を扱う。出典:Goo-net 2代目 ダイハツ・アトレーワ...

2代目前期・アトレーワゴンのエクステリア(外装)

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出典:Goo-net

フロントデザイン。先代までのカスタムモデルとはうってかわり、インナーブラックタイプの丸目2灯ハイロー独立タイプを採用。

乗用モデル専用に設計されたヘッドライトで、軽ワンボックスカーでは初となるディスチャージヘッドライトをRSグレードで標準装備した。

これに大型のフロントメッキグリルと専用バンパーが組み合わされ、ひと目でカスタムとわかる外観に仕上がっている。先代のカスタムではヘッドライトがノーマルと大差なかったので、この点はかなりの変化だ。

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出典:Goo-net

サイドから。カスタムモデルとうことでサイドアンダースポイラーとアルミホイールを標準装備。

ボディフォルムは先代のフロントガラスからボンネットエアダクトにかけての流れるようなデザインから、ボンネットが少し出っ張ったデザインに変更。5代目後期ムーブのようにスタイリッシュとなった。

ホイールベースは先代の2420mmから2450mmへ拡大し、室内幅こそ同じだが室内長は1850mmから2015mm、室内高は1230mmから1350mmへとアップし、先代よりもワンランク広くなっている。

スライドドアは左側のみ設定で、RSグレードではリミテッドパック()のオプションとして。Rグレードでは2005年9月マイナーチェンジではイージードアクローザーとしてオプション設定された。

足元はRグレードが13インチフルホイールキャップ。RSが13インチアルミホイールとなる。サイズは両方とも同じで165/65R13。

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出典:Goo-net

リア。上部にはリアアンダースポイラー、下部はメッキモール付きの専用バンパーとなる。

コンビランプも乗用モデル専用品で、商用チックなハイゼットカーゴと比べるとカスタム感のあるデザインとなっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンはEF-EDT型直列3気筒DOHCインタークーラー付きのターボエンジンのみ。

最高出力は64ps(47kW)/5900rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/4000rpm。

これを先代同様フロントシート真下に格納する。トランスミッションは全グレードで4ATのみ、駆動方式はFFまたはフルタイム4WDだ。

安全装備としてはEBD付きABSをRとRSの両グレードに標準装備。SRSエアバッグも全グレードで標準装備する。

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ボンネットはご覧のとおり。

2代目アトレーワゴンS320G/S330Gと2代目アトレーワゴンS321GとS331との違い

2代目アトレーワゴンのS320/S330G型とS321G/S331G型との違いはエンジン型式。

下一桁に0が付く型式のものはデビュー当初2005年5月~中期マイナーチェンジ前の2007年8月までのモデルで、EF-DET型エンジンを搭載する。

下一桁に1が付く型式のものは2007年9月のマイナーチェンジ後で新型のKE-DET型エンジンを搭載するアトレーワゴン。

S321GはFFのKE-DET型エンジンを搭載するアトレーワゴン。S331Gは4WDでKF-DET型を搭載するアトレーワゴンとなる。

新型のKE-DET型エンジンの方が燃費性能が少し良くなっているので、燃費を気にする人は本稿の前期型ではなく、中期型以降のS321GまたはS331Gを選ぶようにしてほしい。

2代目アトレーワゴン S320GとS330Gとの違い、ハイゼットカーゴの4WD(S330V)との違い

2代目アトレーワゴンS320GとS330Gとの違いは駆動方式。

S320Gは後輪を駆動するFRの2代目アトレーワゴン。S330GはS320Gをベースに前輪を駆動するフルタイム4WDのアトレーワゴン。

ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFRで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。

パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。

なお、商用モデルのハイゼットカーゴの4WDとは4WDシステムが異なり、ハイゼットカーゴではスイッチで任意に切り替えて4WDとなるパートタイム4WDに対し(※ただし軽トラのようなデフロックは非装備)、乗用モデルのアトレーワゴンは自動で切り替わるフルタイム4WDとなる。

2代目前期・アトレーワゴンのインテリア(内装)

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出典:Goo-net

インパネ。ハイゼットカーゴをベースにインストルメントパネルをホワイト化したもの。変更点が加えられているがベースが商用モデルとあって質素やチープな感じがする。

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出典:Goo-net

スピードメーター。こちらもハイゼットカーゴ用のものをベースに背景をホワイト化したもの。右下には小さくタコメーターが付く。

インパネ同様に商用モデル感が強いデザイン。ただし、中期型以降ではインパネが乗用モデル専用となり、スピードメーターもタコメーター独立タイプになるなどテコ入れが行われる。

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出典:Goo-net

フロントシートはセパレートタイプ。ただし、座面が横広くベンチシート近い形状となっている。先代同様に乗用モデル用のシートとなっている。

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出典:Goo-net

リアシート。

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出典:Goo-net

ラゲッジルーム。さすがワンボックスタイプということで荷室はトップクラスの広さ。

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出典:Goo-net

リアシートを倒した状態。

2代目前期・アトレーワゴンの評価

2代目アトレーワゴンの前期型は、それまでのアトレーワゴンのイメージを大胆に変更し、スポーティーな外観が特徴のワンボックス軽自動車である。

ライバルで丸目2灯を採用するワンボックスは無く、リアのデザインもカスタムらしく洗練されているのでこの点がアトレーワゴンの外観での優位点といえよう。ただし、前期型ではインパネがハイゼットカーゴに近いデザインで商用モデル感が否めない。

この点は中期型や後期モデルで改善されるのでインパネデザインが気に入らない人は最低でも中期モデル、外装もよりスタイリッシュなのがいい人は後期モデルがオススメだ。

【2代目・中期型】ダイハツ アトレーワゴン(S321G/S331G型)

【2代目・後期型】ダイハツ アトレーワゴン(S321G/S331G型)

一方で中古市場では年数経過により安価なタマが多く買いやすいモデル。燃費こそ良くないが価格面でのアドバンテージはある。

また、中期型以降のKFエンジンに由来する持病や不具合の心配も無いため、価格と安定性からあえて2代目の前期を選ぶ選択肢もアリである。

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