【10代目・後期型】ダイハツ ハイゼットトラック (S500P/S510P型)

ダイハツ

ハイゼットトラックはダイハツの軽トラック型軽自動車。本稿では10代目S500P・S510P型の2021年12月マイナーチェンジ以降を後期型とし、これを扱う。

画像参照元:ダイハツ

概要

2014年9月に約15年ぶりとなるフルモデルチェンジを行った10代目ハイゼットトラック。今回のフルモデルチェンジではライバルのスズキ・キャリトラック同様に大幅改良が行われた。

エクステリアは軽トラの枠を越えたスタイリッシュさを追求。ベーシックでありながら乗用車のような雰囲気を持たせた顔つきに変化した。

また、既存の軽トラには無かった個性的なボディカラーも含め全8色を設定。街乗りなど普段使いにも嬉しい仕様としている。

インテリアは使い勝手とシンプルさを両立。大型オープントレイなど合計20個の収納スペースを設けた。室内空間もフロントガラスを前だしにし、運転席とフロントガラスの距離を拡大。ステアリング角度見直しとシートスライド量も増加させたことで広くて快適な室内空間に。ドアの開閉角度が拡大されたことにより女性や高齢者でも乗り降りしやすくなった。

メカニズムではプラットフォームを刷新。ボディ骨格の見直しやパネル剛性のアップ、マフラー変更によりノイズ発生を抑制。

エンジンもイーステクノロジーを適用し、高圧縮エンジンや電子スロットルを採用。5MTは5速をハイギア化&低粘度オイルを採用。ATには当時の軽トラとしては珍しい4ATを採用した。

さらにフロントサスペンションは型式を変更し操縦安定性を向上。ショートホイールベースも踏襲し最小回転半径を3.6mに進化させた。

安全面ではボディ骨格やや高張力鋼板の採用で衝突時のエネルギーを効率よく分散&吸収する骨格構造を実現した。

さらに運転席SRSエアバッグとプリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルト(運転席と助手席)を全車に標準装備とした。もちろん56km/hオフセット衝突にも対応している。

防錆性能としてはキャビン、ドア、荷台などで構成されるアッパーボディの表面全てを防錆鋼板化。フレームの防錆鋼板化を拡大、カチオン電着塗装、中塗り、表面塗りの3層塗装を採用、フロントパネル樹脂化などおこない、「ボディ外板穴あき錆保証5年」、「ボディ外板表面錆保証3年」を全車につけた。

そして10代目では軽トラとしては珍しいパックオプションを豊富に設定。

「ビューティーパック」、「農業女子パック」、「スタイリッシュパック」など女性ユースをメインとしたセットパックオプションや、

「荷台パック」、「キャビンパック」、「スタイリッシュパック」、「ストロング防錆パック」など

実用性や快適性、カスタム性をアップさせるオプションなどを選択可能とした。

10代目・後期型ハイゼットトラック(S500P/S510P)の改良点と前期型との違い

その10代目ハイゼットトラックは2021年12月にビッグマイナーチェンジを受けて後期型となった。

後期型ではさらにフロントデザインが変更されよりスタイリッシュになったほか、インパネデザインも変更しアッパートレイが新設された。

そしてハイゼットカーゴ同様に新開発のFR用CVTを採用し低燃費と加速性能を向上。加えてCVT車に軽トラとしては初の電子制御式4WD&CVT用スーパーデフロックの新規採用でAT仕様でも悪路などのぬかるみなどに対応できるようにした。

安全装備としては自動ブレーキを強化。軽乗用車で搭載している最新のステレオカメラを用いた「スマートアシスト」を採用。衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上。

従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知の可能とした。

また、MT仕様でもブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)を搭載。このほか車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。

さらにメーカーオプションでスマートインナーミラーを設定。リアカメラの映像をバックミラーに映し出せるようにした。

後期型ではトラックの荷台の使い勝手も向上。新たにLED荷台作業灯を標準装備とし利便性を向上させた。

快適装備としては軽トラ初となるキーフリーシステムとプッシュスタートボタンを採用。電動格納式ドアミラーもグレード別に採用した。

また、メーカー純正のスマホ連携ナビ・オーディオをオプション設定とし、スマホによる使い勝手を向上。

ボディカラーもアイスグリーンを追加した全7色とし、フルモデルチェンジに近いマイナーチェンジとなっている。

エクステリア

フロントデザイン。10代目の後期型ハイゼットトラックは、ヘッドライト、フロントグリル、フロントバンパーのすべてのデザインを刷新。前期のイメージをもたせつつよりスタイリッシュ感がアップした顔つきとなった。

比較用に前期のフロントデザイン。ヘッドライトも微妙に形状を変更しているのがわかる。

後期型ではジャンボエクストラとエクストラにメッキグリルを標準装備。さらにジャンボエクストラではブラックアクセントが中央に入った専用グリルとなる。

LEDヘッドライトはジャンボエクストラに標準装備で、ジャンボスタンダード、エクストラ、ハイルーフ(スマートアシスト搭載モデル)にオプション設定となる。

メッキベゼル付きのLEDフォグランプはジャンボエクストラとエクストラに標準装備。それ以外ではオプション設定または非設定。

ボディカラーは4代目タントでも採用されているミントアイスクリームのような新色、「アイスグリーン」を追加した全7色を設定。その一方でミストブルーマイカメタリックは廃止されている。

サイドから。横からの見た目は前期とほぼ同じ。最小回転半径は3.6mとかなり小回りがきく。軽トラでは珍しい電動格納式ドアミラーをグレード別に装備する。

足元は12インチの鉄チンホイール。タイヤサイズは145/80R12。

リア。後期型ではコンビランプ付近にブラックのガーニッシュが追加された。これにより軽トラでありながらスタイリッシュ感が強くなった。

なお、エクストラジャンボのみコンビランプがクリアータイプとなる。テールランプは全グレードでLED仕様。

なお、比較用にこちらは前期型。

エンジン・機能

エンジンはKF型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は46ps/5700rpm。最大トルクは6.1kg/4000rpmを発生。

エンジン以外にミライーステクノロジーを適用し高圧縮&低速トルク重視のエンジンで、燃費に貢献。トランスミッションは5MTまたはCVT。駆動方式はFRまたはパートタイム4WD(4WDグレードにはデフロック付き)となる。

後期型から新規に採用されたCVTはFRのハイゼットトラック&カーゴ用に専用設計されたもの。軽トラとしてはスバルの5代目サンバー以来の採用となり、目新しくも懐かしいトランスミッションである。

CVTを採用したことにより自然吸気エンジンでも最大トルクが発生する美味しいところを常用できるようになり、発進や登坂加速において優れた加速性能を実現した。かつ低燃費化にも貢献し、CVTの2WD仕様のJOC08モードでは21.0km/L、WLTCモードでは16.5km/L。4WDの農用スペシャルではJOC08モードで20.3km/L、WLTCモードでは15.8km/Lを実現した。

これ以外に後期型ではCVTに電子制御式パートタイム4WD(一部グレードにはデフロック付き)を新採用。

かつて軽トラのデフロックといえば5MTにしか設定の無かった機構で、これによりAT限定免許の人でも10代目後期ハイゼットトラックなら農道などでぬかるみでスタックした際、デフロックを有効にすることで脱出が容易となった。

またパートタイム4WDも電子制御式とし、スイッチ操作で4WDオートモード、4WDデフロックモード、FRモードを切り替えるようにした。

これにより通常走行はFR。路面状況が悪化した時(雨や雪道、農道など)は4WDオート。万が一スタックした際は4WDロックモードなどを利用するなど誰でも乗りやすい仕様としている。

特に4WDオートでは電子制御により路面状況に応じて前後のトルクを適切に配分。、ジムニーやパジェロミニなどのパートタイム4WDのようなタイトコーナーブレーキング現象が起きづらくなっている。

※なお、ハイローの副変速機は従来どおり5MTのみに搭載

安全装備としては上述のステレオカメラ式スマートアシストを搭載。衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加。夜間の歩行者検知の可能とした。

また、MT仕様でもブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)を搭載。このほか車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。

さらにメーカーオプションでスマートインナーミラーを設定。リアカメラの映像をバックミラーに映し出せるようにした。

これ以外にVRCとTRCが全グレードに標準装備。ブレーキアシスト付きABSも標準装備となり、ヒルホールドシステムはCVTグレードに標準装備(5MTは非設定)となる。

インテリア

インパネ。後期型ではインパネデザインも小変更された。まず、アッパートレイが新設。さらにセンターのエアコン吹き出し口を中央2連とし、オーディオの位置を最上部に移動したことで2DINサイズのナビなどが利用しやすくなった。

シンプルながら乗用モデルの収納スペースなどのアイディアが適用されている。

参考までに前期型のインパネ。後期型ではさらに上級グレードでエンジンスタートがプッシュスタートボタン式(一部グレードにはオプション設定または非設定)となる。エアコンは従来どおりの全車マニュアル式エアコン。

このほかオプション設定でUSB端子ソケットやHDMI端子ソケット、GSPアンテナなどがパックオプションとして選択可能となる。

そして10代目後期型ハイゼットトラックではメーカー純正のディスプレイオーディオをオプションで選択可能となり、軽トラでありながらスマホアプリと連携したナビ・オーディオを楽しめるようになった。

スピードメーターは前期とほぼ同じ。

シート。プラットフォームを刷新し、ドアの開度が拡大し女性や高齢者にも乗り降りしやくなっている。ステアリング角度を起こしてその分運転席のスライド量を増やしたことで色んな体格の人に対応させている。後期型ではシート付近の変更は特になし。

シフトノブは従来どおりのフロアシフトで、CVT、5MT共に同じ位置。

5MTの4WDモデルのみ、ハイ・ロー切り替えが付いている。スズキのキャリイトラック同様にレバー式だ。

まとめ

10代目・ハイゼットトラックの後期型はデザインを全面刷新し、新型のFR専用CVTや電子制御式式パートタイム4WDの採用、自動ブレーキの強化など、フルモデルチェンジ近いマイナーチェンジとなった。

特にAT仕様でもデフロック付きを選択可能となった点が一番ホットで、かつCVTにより加速性能や燃費がかなりアップ。加えてATでも扱いやすい電子制御式のパートタイム4WDを搭載するなど、フロントデザイン変更以外に目に見えない部分で大きな変更が与えらたマイナーチェンジとなった。

それまでAT仕様の軽トラではデフロックが選択できず、農道など畑作業では5MT車に劣る点があったが、この10代目後期型ハイゼットトラックであればその心配もなく、AT限定の人でも安心して乗れるようになった。

これはスズキのキャリィをひとつ引き離すポイントだと思う。特に10代目ハイゼットトラックは女性ユースを意識したフルモデルチェンジだったが、今回の後期型マイナーチェンジではそれが強くなっている。

また新開発の電子制御式パートタイム4WDはデフロック機構を備え、軽トラや軽バン以外に軽SUVなどにも応用できそうなメカニズム。新型軽SUVの「ラガー」の噂もあるなか、非常に興味深い&面白いマイナーチェンジである。

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