【限定・特別・スバルブルー仕様】スバル サンバートラック WRブルーリミテッド(6代目 TT1/TT2型) | シン・軽自動車マニア

【限定・特別・スバルブルー仕様】スバル サンバートラック WRブルーリミテッド(6代目 TT1/TT2型)

サンバートラック

サンバートラックはスバルのトラック型軽自動車。「WRブルーリミテッド」はスバル製TT1/TT2系の末期に販売された特別仕様車である。

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出典:ホンダ認定中古車

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6代目 スバル・サンバートラックとは?

1999年に6代目となったサンバートラックは、軽新規格で乗用バンのサンバーディアスと同じくボディサイズが先代より拡大した。

それまで続くフルキャブ形状を維持し、他社ライバル(ハイゼットトラック、キャリィトラック、ミニキャブトラック、アクティトラック)とは一線を期するパッケージングだった。

フロントのデザインは非常にオーソドックスで、好く言えば万人受けするデザイン。悪く言えば目立った特徴がないといえるだろうか。ただ、もともと軽トラは仕事で使うのがメインなので、奇抜なデザインは不要と考えるのが普通なところ。

1999年2月にフルモデルチェンジし、6代目となったサンバートラック。

軽新規格で乗用バンのサンバーディアスと同じくボディサイズが先代より拡大するのはライバル各社と同じだったが、それまで続くフルキャブ形状を維持。他社ライバル(ハイゼットトラック、キャリィトラック、ミニキャブトラック、アクティトラック)とは一線を期するパッケージングだった。

6代目サンバートラックは新たにシャーシフレーム付き新環状力骨構造を採用しし高い安全性の確保。これと同時にフルキャブボディによるクラストップレベルのカーゴスペースを実現した。

また、新規格によるボディサイズの拡大で荷室幅は先代よりも80mm拡大。鳥居の形状も変更したことで箱物なんどの積載力も向上した。加えて荷台を始めとした随所に亜鉛めっき鋼板を採用。防錆効果を高めた。

メカニズムでは伝統の軽トラック唯一のエンジン後置き&後輪駆動のRRレイアウトを踏襲。これによりフラットな積載スペースと余裕の居住スペース、RRレイアウトのよるぬかるみなどや坂道でも良好なトラクション、優れたキャビン内の静粛性を実現した。

また、エンジンが運転席の下に無いことにより車内にエンジンの熱が上がってこない特徴も歴代同様だ。

AT仕様車では3ATの電子制御式を採用。さらにこれをコラムシフトとし、足元空間を拡大。フロントサイドウォークスルーとした。また、MT車では1速よりもさらに力強いエクストラローギア(EL)を採用。駆動力を必要とする場面で扱いやすさを向上。

出典:ホンダ認定中古車

エンジンはEN07型4気筒エンジンを改良し全域で出力性能を向上させるとともに燃費性能も向上。それまでのキャブレター式から全車にEGI(電子制御燃料噴射方式)を採用。信頼性や始動性、エンジン性能を向上させた。

さらにスーパーチャージャー仕様においては新設計のスーパーチャージャーにより低中速域での力強さをアップ。

この他に安全面ではABSをメーカーオプション設定車を拡大するなど大幅改良となった。

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スバル製サンバーとダイハツOEMサンバーとの違い

スバル製サンバーの特徴はそのメカニズム。4輪独立懸架式サスペンションに4気筒エンジンをリア最後部に配置。RR駆動とする独自のメカニズムは、他社の軽トラックでは見られない唯一無二の機構。

これにエクストラロー付き5MT(実質6MT)&スーパーチャージャー仕様のモデルも存在し、「農道のポルシェ」という異名まで付く個性あふれるモデルである。

スバルの軽自動車撤退後はサンバートラックもダイハツ製ハイゼットトラックのOEMに切り替わったが、これら唯一無二の機構が一切無くなってしまった(ハイゼットトラックはフロントがマクファーソン・ストラット式、リアがリジッドアクスル+リーフスプリングに3気筒エンジン、セミキャブオーバースタイルでFR駆動)。

スバル製サンバーはエンジンをキャビンから離れた最後部に配置することにより室内が静かになるメリットがある。加えてエンジンそのものも振動の少ない4気筒エンジンで、足回りは4輪独立懸架による優れた接地感としなやかな乗り心地を実現していた。

特にスバル製サンバーは空荷状態でもRRレイアウトによる重量配分と独立懸架で坂道でもトラクションが良く、特に滑りやすい登り坂で威力を発揮した。スズキやダイハツ、ホンダでも考えられない独自のメカニズムは軽トラの次元を越えた走りの良さと乗り心地、優れた実用性を生み、スバル製サンバー最大の魅力となっていた。

6代目サンバートラック・WRブルーリミテッドとは?特別装備とノーマルとの違いなど

そのサンバーに誕生から50週年を記念するモデルが2011年7月に設定された。それがこの「WRブルーリミテッド」というグレード。

ちょうど3回目のマイナーチェンジ後の6代目最終型サンバートラックへの設定であった。

サンバーのWRブルーリミテッドはトラックとバン(サンバーバン)で2種類が設定されたが、本稿で扱うのはトラックタイプとなる。

【6代目・最終型 特別仕様】スバル サンバーバン WRブルーリミテッド(TV1/TV2型 )

サンバートラック・WRブルーリミテッドは上級TCグレードをベースに特別装備として、エクステリアには本来設定のない特別色、「WRブルー・マイカ」1色のみをボディカラーに専用・特別設定

この他エクステリアには

  • 2トーンフロントカラードバンパー
  • クロムメッキのホイールナット
  • クリアタイプのフェンダーターンレンズ

インテリアでは「イエロースティッチ入の専用ブラックシート」を特別装備とし、バンとトラック合わせて1000台限定とした特別仕様車だった。

以下、詳細を解説する。

サンバートラックWRブルーリミテッドのエクステリア(外装)

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出典:スバル認定中古車

WRブルーリミテッドはスバルらしさをひと目で表現する、同社のイメージーカラーの「WRブルー」でペイントされたボディカラーが最大の特徴だ。

軽トラにしてはありえないくらいピカピカなブルーマイカ色は、WRC参戦時代にインプレッサWRX STIに塗られていたブルーで、今でもインプレッサ(現行ではWRX)に設定されるスポーティなカラー。

その他の車種でもスポーティなグレードにはこのWRブルーが設定されることがあったが、今回サンバーに純正色として設定されるのは初めてで、トラックとバンの合計1000台の限定とも重なって非常に希少な1台となっている。その他フロントには専用のツートンカラーバンパーが装備される。

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出典:スバル認定中古車

サイドから。鮮やかなWRブルーが目につく特別なサンバートラック。サイドのターンレンズはクリアタイプに変更されている。

出典:Goo-net

足元は12インチスチールホイール。タイヤサイズは145R12 6PR。WRブルーリミテッド仕様としてクロムメッキのホイールナットを特別装備とした。

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出典:スバル認定中古車

リア。この辺りは特に変更がないが、軽トラは各社リアの見た目がほとんど同じなためWRブルーに塗られているとかなり目立つ。

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出典:スバル認定中古車

6代目サンバーまでの特徴としてはリアエンジンのために設けられたエンジンの格納部分が他社とは異なる。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは4気筒SOHCの自然吸気エンジンのみ。バン同様にスーパーチャージャーは設定されていない。

自然吸気エンジンの最高出力は48ps(35kW)/6400rpm、最大トルクは5.8kg・m(58N・m)/3200rpm

トランスミッションは2駆のRRモデルに5MTか3AT。4WD仕様にはエクストラロー付き5MTまたは3ATの3種類で駆動方式はRRまたはパートタイム4WDの2種類となる。もちろん伝統の4輪独立サスペンションも備わる。

安全装備として運転席&助手席エアバッグ、前席シートベルトフォースリミッターを標準装備。ABSは非設定。

快適装備としてパーワーウィンドウ、キーレスエントリー、マニュアル式エアコンもベースグレード同様に標準装備する。

サンバートラックWRブルーリミテッドのインテリア(内装)

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インパネ。バンと共通で商用車らしく簡素なデザイン。3AT仕様ではインパネシフト。5MTではフロアシフトとなる。

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出典:Goo-net

スピードメーター。デザインは非常にシンプル。タコメーターは付かないが、ベースモデル同様に「メータースイープ」機能を搭載。エンジンスタートで針がMAXまで振れる。

ステアリングもノーマルモデルと同じウレタンステアリングとなる。

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出典:Goo-net

4WD仕様の5MT。パートタイムの切り替えスイッチがシフトノブ頂点の中央部にある。2駆モデルのTV1型やTV2型でもAT仕様ではコラムシフト&フルタイム4WDのため、このスイッチは備わらない。

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出典:Goo-net

シートはWRブルーリミテッド専用品で黄色の刺繍が施されたブラックシートとなる。表皮がノーマルモデルには無いブラックタイプで、かつ黄色の刺繍が特別感を演出する。

サンバートラック WRブルーリミテッドの総評

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出典:Goo-net

6代目最終型サンバートラックのWRブルーリミテッドは、軽トラではありえない鮮やかなブルーマイカ色に塗られた特別なサンバートラックである。

同時発売のディアスワゴンベースの「サンバーバンWRブルーリミテッド」と合わせて1000台の限定販売であったが即日完売という伝説を作ったモデルだ。レアなブルーマイカのボディ色に加えて追加装備を加えてもベースモデルに対して3万円ほどアップな価格設定も大きな魅力だった。

【6代目・最終型 特別仕様】スバル サンバーバン WRブルーリミテッド(TV1/TV2型 )

スーパーチャージャーこそ無いものの、レアなWRブルーが純正色として採用された点や、スバルの軽自動車撤退が発表された影響も大きかったのだろう。

特に次期モデルとしてはダイハツのハイゼットのOEM供給が予定されていたため、最後のスバル製サンバーの特別仕様車としてプレミアム感がかなりあったのだと思う。

ひとつ注意点としてAT車は3ATのためエンジン回転数が高くなりがちで、燃費も悪い。可能であれば5MTモデルの購入がオススメ。またサンバートラック特有のエンジントラブル(オイル漏れ)がある場合もあるので、状態をよく見て購入すること。

サンバートラックWRブルーリミテッドはプレミア 中古車は高値

中古市場ではそのレアな点から走行距離によっては新車の価格以上で取引され、軽トラの中でも異例のモデルとなっている。

サンバー自体が7代目以降のダイハツOEMとなったことで、独特のメカニズムからくる希少性から価格が高値になる傾向があったがその頂点に君臨する限定モデルというこで、よりレア度が高まっている。

【7代目 ダイハツOEM】スバル サンバートラック(S201H/S201J/S211H/S211J型)

今後もスバルのメカニズムを採用したサンバーが復活しないかぎりこの価格はかわらないと思われるため、中古車として買う場合はかなり気合を入れて入念に下調べしたうえで買うようにして欲しい。

分かる人にはわかる。マニアックな1台である。

サンバートラックWRブルーリミテッドに影響された?アクティトラックの特別仕様車

なお、往年のライバル「ホンダ・アクティトラック」も最終モデル(4代目)生産終了前に鮮やかなボディカラーの特別仕様車「スピリットカラースタイル」を販売した。現在では新車でRR駆動のサンバートラックも、MR駆動のアクティトラックも買えなくなり、今後は中古車が高値となることが予想される。

【4代目 限定・特別仕様】ホンダ アクティトラック スピリットカラースタイル (HA8・HA9型)
アクティトラックはホンダの軽トラック型軽自動車。本稿では4代目のHA8およびHA9型に設定された特別仕様車、「スピリットカラースタイル」を扱う。出典:ホンダ認定中古車4代目 ホンダ・アクティトラックとは? ...
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コメント

  1. とみい より:

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    普通は最終モデルは煮詰められて信頼性が高いはずですが、サンバーに関してはダメです。TT2でタイミングベルトが細いものに変更され、(軽量化かコストカットのため?)普通10万キロサイクルで交換なのに、オイル管理などされていても5万キロ越えでコマ飛びなどのトラブルが出てきてます。しかもバルブの逃げがピストンにも無いためコマ飛びしてバルブ曲がりなどの重症になってしまいます。スバルの整備士からも、最終モデルのサンバーは早い段階でベルト交換しないと危険とアドバイスありました。ひとつ前のサンバーは鉄の頑丈さだったのですが。

  2. さすらいのクラ吹き より:

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    とみいさん、貴重なコメントありがとうございます。

    確かに普通は最終モデルともなれば不具合などが消えて完成度が増すはずのなのですが、そんな現象があるんですね。
    「見えないところにコストをかける」のがかつてのスバルでしたが、トヨタやダイハツの考えが入ってきてコストカットの流れになったと考えるのがしっくり来る感じがします。