スバル サンバートラック WRブルーリミテッド(6代目 TT1/TT2型)

サンバートラック

サンバートラックはスバルのトラック型軽自動車。「WRブルーリミテッド」はスバル製TT1/TT2系の末期に販売された特別仕様車である。

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概要

1999年に6代目となったサンバートラックは、軽新規格で乗用バンのサンバーディアスと同じくボディサイズが先代より拡大した。

それまで続くフルキャブ形状を維持し、他社ライバル(ハイゼットトラック、キャリィトラック、ミニキャブトラック、アクティトラック)とは一線を期するパッケージングだった。

フロントのデザインは非常にオーソドックスで、好く言えば万人受けするデザイン。悪く言えば目立った特徴がないといえるだろうか。ただ、もともと軽トラは仕事で使うのがメインなので、奇抜なデザインは不要と考えるのが普通なところ。

スバル製サンバーとダイハツOEMサンバーとの違い

スバル製サンバーの特徴はそのメカニズム。4輪独立懸架式サスペンションに4気筒エンジンをリア最後部に配置。RR駆動とする独自のメカニズムは、他社の軽トラックでは見られない唯一無二の機構。

これにエクストラロー付き5MT(実質6MT)&スーパーチャージャー仕様のモデルも存在し、「農道のポルシェ」という異名まで付く個性あふれるモデルである。

スバルの軽自動車撤退後はサンバートラックもダイハツ製ハイゼットトラックのOEMに切り替わったが、これら唯一無二の機構が一切無くなってしまった(ハイゼットトラックはフロントがマクファーソン・ストラット式、リアがリジッドアクスル+リーフスプリングに3気筒エンジン、セミキャブオーバースタイルでFR駆動)。

スバル製サンバーはエンジンをキャビンから離れた最後部に配置することにより室内が静かになるメリットがある。加えてエンジンそのものも振動の少ない4気筒エンジンで、足回りは4輪独立懸架による優れた接地感としなやかな乗り心地を実現していた。

特にスバル製サンバーは空荷状態でもRRレイアウトによる重量配分と独立懸架で坂道でもトラクションが良く、特に滑りやすい登り坂で威力を発揮した。スズキやダイハツ、ホンダでも考えられない独自のメカニズムは軽トラの次元を越えた走りの良さと乗り心地、優れた実用性を生み、スバル製サンバー最大の魅力となっていた。

6代目サンバートラック・WRブルーリミテッドの特別装備

そのサンバーに誕生から50週年を記念するモデルが2011年7月に設定された。それがこの「WRブルーリミテッド」というグレード。ちょうど3回目のマイナーチェンジ後の6代目最終型サンバートラックへの設定であった。

サンバーのWRブルーリミテッドはトラックとバン(サンバーバン)で2種類が設定されたが、本稿で扱うのはトラックタイプとなる。

サンバートラック・WRブルーリミテッドはTCグレードをベースに特別装備として、エクステリアには本来設定のない特別色、「WRブルー・マイカ」をボディカラーに専用・特別設定。

この他エクステリアには2トーンフロントカラーどバンパー、クロムメッキのホイールナット、クリアタイプのフェンダーターンレンズを。

インテリアではイエロースティッチ入の専用ブラックシートを特別装備とし、バンとトラック合わせて1000台限定とした特別仕様車だった。

以下、詳細を解説する。

エクステリア

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WRブルーリミテッドはスバルらしさをひと目で表現する、同社のイメージーカラーの「WRブルー」でペイントされたボディカラーが最大の特徴だ。軽トラにしてはありえないくらいピカピカなブルーマイカ色は、WRC参戦時代にインプレッサWRX STIに塗られていたブルーで、今でもインプレッサ(現行ではWRX)に設定されるスポーティなカラー。

その他の車種でもスポーティなグレードにはこのWRブルーが設定されることがあったが、今回サンバーに純正色として設定されるのは初めてで、トラックとバンの合計1000台の限定とも重なって非常に希少な1台となっている。その他フロントには専用のツートンカラーバンパーが装備される。

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サイドから。鮮やかなWRブルーが目につく特別なサンバートラック。サイドのターンレンズはクリアタイプに変更されている。

足元は12インチスチールホイール。タイヤサイズは145R12 6PR。WRブルーリミテッド仕様としてクロムメッキのホイールナットを特別装備とした。

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リア。この辺りは特に変更がないが、軽トラは各社リアの見た目がほとんど同じなためWRブルーに塗られているとかなり目立つ。

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6代目サンバーまでの特徴としてはリアエンジンのために設けられたエンジンの格納部分が他社とは異なる。

エンジン・機能

エンジンは4気筒SOHCの自然吸気エンジンのみ。バン同様にスーパーチャージャーは設定されていない。最高出力は48ps(35kW)/6400rpm、最大トルクは5.8kg・m(58N・m)/3200rpm

トランスミッションは2駆のRRモデルに5MTか3AT。4WD仕様にはエクストラロー付き5MTまたは3ATの3種類で駆動方式はRRまたはパートタイム4WDの2種類となる。もちろん伝統の4輪独立サスペンションも備わる。

安全装備として運転席&助手席エアバッグ、前席シートベルトフォースリミッターを標準装備。ABSは非設定。

快適装備としてパーワーウィンドウ、キーレスエントリー、マニュアル式エアコンもベースグレード同様に標準装備する。

インテリア

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インパネ。バンと共通で商用車らしく簡素なデザイン。3AT仕様ではインパネシフト。5MTではフロアシフトとなる。

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スピードメーター。デザインは非常にシンプル。タコメーターは付かないが、ベースモデル同様に「メータースイープ」機能を搭載。エンジンスタートで針がMAXまで振れる。

ステアリングもノーマルモデルと同じウレタンステアリングとなる。

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4WD仕様の5MT。パートタイムの切り替えスイッチがシフトノブ頂点の中央部にある。2駆モデルのTV1型やTV2型でもAT仕様ではコラムシフト&フルタイム4WDのため、このスイッチは備わらない。

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シートはWRブルーリミテッド専用品で黄色の刺繍が施されたブラックシートとなる。表皮がノーマルモデルには無いブラックタイプで、かつ黄色の刺繍が特別感を演出する。

まとめ

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6代目最終型サンバートラックのWRブルーリミテッドは、軽トラではありえない鮮やかなブルーマイカ色に塗られた特別なサンバートラックである。

同時発売のディアスワゴンベースの「サンバーバンWRブルーリミテッド」と合わせて1000台の限定販売であったが即日完売という伝説を作ったモデルだ。レアなブルーマイカのボディ色に加えて追加装備を加えてもベースモデルに対して3万円ほどアップな価格設定も大きな魅力だった。

スーパーチャージャーこそ無いものの、レアなWRブルーが純正色として採用された点や、スバルの軽自動車撤退が発表された影響も大きかったのだろう。

特に次期モデルとしてはダイハツのハイゼットのOEM供給が予定されていたため、最後のスバル製サンバーの特別仕様車としてプレミアム感がかなりあったのだと思う。

中古市場ではそのレアな点から走行距離によっては新車の価格以上で取引される異例のモデルとなっている。サンバー自体が7代目以降のダイハツOEMとなったことで、独特のメカニズムからくる希少性から価格が高値になる傾向があったがその頂点に君臨する限定モデルというこで、よりレア度が高まっている。

今後もスバルのメカニズムを採用したサンバーが復活しないかぎりこの価格はかわらないと思われるため、中古車として買う場合はかなり気合を入れて入念に下調べしたうえで買うようにして欲しい。

分かる人にはわかる。マニアックな1台である。

なお、往年のライバル「ホンダ・アクティトラック」も最終モデル(4代目)生産終了前に鮮やかなボディカラーの特別仕様車「スピリットカラースタイル」を販売した。現在では新車でRR駆動のサンバートラックも、MR駆動のアクティトラックも買えなくなり、今後は中古車が高値となることが予想される。

コメント

  1. とみい より:

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    普通は最終モデルは煮詰められて信頼性が高いはずですが、サンバーに関してはダメです。TT2でタイミングベルトが細いものに変更され、(軽量化かコストカットのため?)普通10万キロサイクルで交換なのに、オイル管理などされていても5万キロ越えでコマ飛びなどのトラブルが出てきてます。しかもバルブの逃げがピストンにも無いためコマ飛びしてバルブ曲がりなどの重症になってしまいます。スバルの整備士からも、最終モデルのサンバーは早い段階でベルト交換しないと危険とアドバイスありました。ひとつ前のサンバーは鉄の頑丈さだったのですが。

  2. さすらいのクラ吹き より:

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    とみいさん、貴重なコメントありがとうございます。

    確かに普通は最終モデルともなれば不具合などが消えて完成度が増すはずのなのですが、そんな現象があるんですね。
    「見えないところにコストをかける」のがかつてのスバルでしたが、トヨタやダイハツの考えが入ってきてコストカットの流れになったと考えるのがしっくり来る感じがします。

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