【6代目 後期型・最終型】スバル サンバートラック(TT1/TT2型)  | シン・軽自動車マニア

【6代目 後期型・最終型】スバル サンバートラック(TT1/TT2型) 

サンバートラック

サンバートラックはスバルの軽トラック型軽自動車。本稿では6代目の(スバル製)サンバーの2005年6月マイナーチェンジ~を後期型(最終型)として扱う。

出典:ホンダ認定中古車

出典:ホンダ認定中古車
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6代目 スバル・サンバートラックとは?

1999年2月にフルモデルチェンジし、6代目となったサンバートラック。

軽新規格で乗用バンのサンバーディアスと同じくボディサイズが先代より拡大するのはライバル各社と同じだったが、それまで続くフルキャブ形状を維持。他社ライバル(ハイゼットトラック、キャリィトラック、ミニキャブトラック、アクティトラック)とは一線を期するパッケージングだった。

6代目サンバートラックは新たにシャーシフレーム付き新環状力骨構造を採用しし高い安全性の確保。これと同時にフルキャブボディによるクラストップレベルのカーゴスペースを実現した。

また、新規格によるボディサイズの拡大で荷室幅は先代よりも80mm拡大。鳥居の形状も変更したことで箱物なんどの積載力も向上した。加えて荷台を始めとした随所に亜鉛めっき鋼板を採用。防錆効果を高めた。

メカニズムでは伝統の軽トラック唯一のエンジン後置き&後輪駆動のRRレイアウトを踏襲。これによりフラットな積載スペースと余裕の居住スペース、RRレイアウトのよるぬかるみなどや坂道でも良好なトラクション、優れたキャビン内の静粛性を実現した。

また、エンジンが運転席の下に無いことにより車内にエンジンの熱が上がってこない特徴も歴代同様だ。

AT仕様車では3ATの電子制御式を採用。さらにこれをコラムシフトとし、足元空間を拡大。フロントサイドウォークスルーとした。また、MT車では1速よりもさらに力強いエクストラローギア(EL)を採用。駆動力を必要とする場面で扱いやすさを向上。

エンジンはEN07型4気筒エンジンを改良し全域で出力性能を向上させるとともに燃費性能も向上。それまでのキャブレター式から全車にEGI(電子制御燃料噴射方式)を採用。信頼性や始動性、エンジン性能を向上させた。

さらにスーパーチャージャー仕様においては新設計のスーパーチャージャーにより低中速域での力強さをアップ。

この他に安全面ではABSをメーカーオプション設定車を拡大するなど大幅改良となった。

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6代目後期型サンバートラック グレード構成と違い

6代目後期サンバートラックのグレード構成は下から順番に、「TB」、「TC」、「TC ハイルーフ」、「TC スーパーチャージャー」、特装車「VB パネルバン」の5種類。

TBとTCの違いは廉価グレードかエントリーグレードかの違いで、快適装備が大きく異る。

ボディカラーはすべて「フロストホワイト」か「スターリングシルバー・メタタリック」の2種類のみ。

特別仕様車にはサンバーバンと合わせて1000台限定&即日完売した「WRブルーリミテッド」が設定されれいた(※専用ボディカラーにWRブルーマイカメタリックのみを設定)。

なお、農業者向けに「JAサンバー」が発売されていたが、こちらは農協を通しての専売モデルで、スバルディーラーからは購入が出来なかった。中古市場では極わずか流通する希少グレード。

さらに赤帽専売モデルの「赤帽サンバー」も同様に組合員が赤帽組合を通しての購入のみだっため、中古車で出回っているものの数が少なく希少である。

TB

6代目サンバートラックの廉価(エントリー)グレード。装備が簡略化され価格を抑えた低価格グレード。

TBグレードでは快適装備のパワーウィンドウ、キーレスエントリー、エアコンがオプション設定。パワステは非装備で重ステ仕様。オーディオはAMラジオのみでドアスピーカー(2スピーカー)は非装備。

外装も樹脂タイプ(非塗装)ドアミラー&アウタードアハンドルにスチールホイールで軽トラらしい質素な外観が特徴だ。

そのため中古で購入の場合は上記オプションの快適装備が付いていない(エアコンレス、キーレスなし、手動ウィンドウな)個体もあるのでよく確認すること。特にエアコンレスな個体は猛暑の夏季はかなり厳しい。

その分価格は6代目サンバートラックの中でも安い。

TC

サンバートラックのエントリーグレード。TBよりも快適装備がプラスされている。

快適装備ではパワーウィンドウ、キーレスエントリー、エアコンに加えパワーステアリングを標準装備。CDオーディオに両サイドドアには2スピーカーも標準装備し、TBよりも豪華な仕様。

外装はTBと同じで樹脂タイプのドアミラー&アウタードアハンドルにスチールホイールとなる。

TC ハイルーフ

サンバートラックの上級グレード。TCをベースに天井を高くし居住性を良くたハイルーフ仕様としたグレード。

装備類はTCグレードと同じ。

TC スーパーチャージャー

サンバートラックの上級過給器グレード。サンバーバンと同じく軽トラでは珍しい過給器(スーパーチャージャー)を搭載するモデルで、他社メーカーよりも高出力&高トルクなエンジンが特徴(※ただし64馬力でなく若干抑えた58馬力)。

装備面はTCと同じでスピードメーターもタコメーターは付かない単眼式。

軽トラでは珍しい過給器付きエンジンに5MTの組合せがあるため、高年式&低走行の個体は高値で取引されている。

VB パネルバン

TBグレードをベースとした特装車。後方の荷台を雨風をしのげるパネルで覆い積載スペースとした箱型の軽トラ。軽バンと軽トラの機能性を併せ持つ。

キャビンはハイルーフ仕様だが、保冷車などへ改造前提のためベースモデルにはエアコンやキーレスエントリー、パワーウィンドウがレス仕様となっていた。

特別仕様車 WRブルーリミテッド

2011年7月設定のサンバー生誕50週年を記念するモデル。サンバーバンと同時設定の特別仕様車。

サンバートラック・WRブルーリミテッドはTCグレードをベースに特別装備として、サンバーに本来設定のない特別色、「WRブルー・マイカ」をボディカラーに専用・特別設定。

この他エクステリアには2トーンフロントカラーどバンパー、クロムメッキのホイールナット、クリアタイプのフェンダーターンレンズを。

インテリアではイエロースティッチ入の専用ブラックシートを特別装備とし、バンとトラック合わせて1000台限定とした特別仕様車だった。

WRブルーリミテッドについてはこちらから。

JA(農協)サンバー

農協からしか買えない農家向けグレード。農業で使うことを前提に装備が強化されている。

外装ではボンネット部分にJAデカール、大型作業灯、リアゲートチェーン、歩み板対応リアあおり、ロープフック(可動式ストッパー付き)、オフロードラジアルタイヤを。

内装ではビニールレザーシート、インパネ4点ポケットを。快適装備にはマニュアル式エアコンとパワーウィンドウをメーカーオプション設定。

メカニズムではMT車はエクストラロー付き5MTを標準装備する。

なお、JAサンバーはTC プロフェッショナルグレードとしても販売されていた。

赤帽サンバー

赤帽専売グレード。赤帽に加入する組合員が赤帽組合からのみ購入できた赤帽仕様のサンバー。

赤帽の過酷な運搬や引っ越し業務に耐えられるよう、エンジンの強化や使い勝手の良い装備が専用装備となる。

エンジンは赤帽専用4気筒エンジンで、白金プラグやフリクションを軽減した赤ヘッド仕様。フロントベンチレーテッドディスクにはパッド摩耗警報付き。

エクステリアは赤帽塗装の赤白カラー。

快適装備には電源用ハーネス、高照度ルームランプ、専用レザーシート表皮(赤ライン入り)、デジタルツイントリップメーター、アームレスト一体型ドアポケットなどを専用装備する。

6代目後期型サンバートラックの改良点と前期、中期との違い

その6代目サンバートラックは2009年9月に3度目のマイナーチェンジを受け後期型(最終型)となった。

後期型(最終型)では新たにフロントデザインを変更。前期のグリル付きデザインからグリルレスでシンプルな顔つきに変化。

インテリアではインパネデザイン、ステアリングデザイン、メーターパネルまわりを変更。より使い勝手を向上。

シート表皮はトリコット素材のダークブルー色に変更するなど外観をスタイリッシュかつ機能性や実用性を向上させたマイナーチェンジとなった。

以下、詳細を解説する。

6代目・後期サンバートラックのエクステリア(外装)

フロントデザイン。6代目後期ではフロントグリルまわりのデザインを変更。それまでグリル付きからグリルレスのデザインとし、シンプルかつスタイリッシュな印象とした。加えてフロントバンパーも新設定とし、グリル周りと同じようなくぼみのデザインを与えて上下で統一させている。

サイド。このあたりは前期や中期と同じ。サンバーはボンネット部分が他社よりも出っ張っているのが特徴だ。。

見た目の賛否両論があるが、衝突安全性を保つために出っ張りを増やしたとされている。他社セミキャブ型と比べるとエンジンがキャビン内のお尻の下にない関係で足元は広め。

足元は軽トラでは鉄板の12インチスチールホイールを標準装備する。タイヤサイズは145/80R12。

リアも改良点はなく、前期や中期と同じ外観となる。このためサイドやリアからは後期型であることを見分けるのは難しい。サンバートラックの特徴としてリアにエンジンを置く関係上、コンビランプの間が特徴的な形をしている。これは6代目のサンバートラックかなのかを見分けるポイントだ。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは4気筒の自然吸気エンジンとスーパーチャージャー仕様の2種類。

E07A型直列4気筒SOHC自然吸気エンジンの最高出力は48ps(35kW)/6400rpm、最大トルクは5.8kg・m(58N・m)/3200rpm。

スーパーチャージャー仕様の最高出力はマイルド仕様の58ps(43kW)/6000rpm、最大トルクは7.5kg・m(74N・m)/4000rpm。

スーパーチャージャー仕様の出力が低いのは熱がこもりやすい&設置スペースの関係にある。このためインタークーラーレスとし、同年代の乗用モデルのスーパーチャージャー仕様車よりも出力が控えめとなっている。

トランスミッションはEL付き5MTまたは3AT。

駆動方式はRRまたは4WDで、マニュアルモデルはパートタイム4WD。オートマチックモデルではビスカスカップリング式4WDとなる。トランスミッションはEL付き5MTまたは5MTもしくは3AT。

前期の初期モデルではCVTが存在したが耐久性の問題で後に3ATに変更されいてる。

なお、上述の通り4WDモデルではエクストラロー付き5MTとなる。デフロックは一部グレード(JAグレードなど)に存在したが、需要の関係で廃止されている。

市場に出回っているサンバートラックの大部分はデフロック無しと考えたほうが良い。

6代目・後期サンバートラックのインテリア(内装)

インパネ。後期型ではインパネデザインが刷新された。

センターパネル下部のセンターアンダーポケットを大型化。財布や小物を入れやすいよう使い勝手を向上。

グローブボックス上部には助手席インパネトレイ(ユーティリティフック付き)を装備した。

ステアリングはウレタンステアリングホイール。後期型ではステアリングのスポーク部分とエアバッグの形状変更が行われ、特に親指を引っ掛けるところが握りやすくなった。

スピードメーター。後期型ではデザインを刷新。文字盤をより大きくし背景などを変更してより見やすくしたほか、エンジンスタートで針が右一杯に振れる「メータースイープ」機能を搭載した。

これ以外にはMT仕様車では従来どおりシフトチェンジ位置を示すマーク(①~③)がメーター内に刻まれる。

3AT車では一般的なシフトインジケータが付くタイプとなる。

後期型ではレベライザーが運転席右側のインパネに備わる。

シート。後期型ではスーパーチャージャー付きのTC系グレードでシート表皮を変更。トリコット素材のダークブルー色とした(TBグレードなどは従来どおり)。

5MTのシフトノブ。5MTではEL(エクストラロー)が付いて実質6速になっている。4WDモデルではシフトノブ上部に4WD切り替えスイッチが備わる(パートタイム4WD式)。

AT仕様では引き続きインパネシフトを採用。こちらは切替式のパートタイム4WDではなくビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDとなる。

6代目 後期型サンバートラックのまとめ

6代目サンバートラックの後期型は刷新されスタイリッシュになったフロントデザイン、利便性が向上したインパネ&スピードメーター、上級グレードでは新シート表皮が採用されるなど、6代目の中でももっとスタイリッシュかつ使い勝手の良いモデルとなっている。

また、他社軽トラックにはないスーパーチャージャーによる過給モデル&5MTの組み合わせが最後まで設定されたこともあり、独立懸架サスペンションなども相まって絶版となった今でも中古では人気を誇るモデルである。

この高値傾向は軽貨物バンのサンバーバンでも同様で、スーパーチャージャー付きの上級グレードで低走行な中古車となると、かなりの価格が付く。

特にこのあとの7代目以降ではダイハツ・ハイゼットのOEMに切り替わっているため、貴重なモデルと言える。

ゆえに中古価格は高値で推移しており、特にスーパーチャージャー仕様の5MT、4WDともなると製造から10年以上経過しても走行距離よっては未だに100万円以上の値段がつくことも珍しくない。

特にモデル終盤で追加された1000台限定の特別仕様車、「サンバートラックWRブルーリミテッド」はスーパーチャージャー仕様ではないものの、インプレッサWRXを連想させる限定色「WRブルー」による希少性などでそれ以上の値段が付くこともある。それほど6代目サンバーは生産終了してもなお人気をほこる名車となっている。

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