【8代目】スバル サンバートラック 概要解説(S500J/S510J型)  | シン・軽自動車マニア

【8代目】スバル サンバートラック 概要解説(S500J/S510J型) 

サンバートラック

サンバートラックはスバルのトラック型軽自動車。本稿では7代目のS500JおよびS510J型を扱う。

画像参照元:スバル認定中古車

概要

2014年9月にフルモデルチェンジし、8代目となったスバル・サンバートラック。先代からダイハツからのOEM供給を受けて販売される。

8代目ではプラットフォームの一新により居住性の向上や運転のしやすさ、乗り降りのしやすさなど快適性能が向上。

加えて収納スペースの拡大、荷台の機能充実、操縦安定性のアップ、4ATの初採用、改良型エンジンによる燃費アップ、新開発ボディによる衝突安全性のアップなどフルモデルチェンジに相応しいアップデートとなっている。

エクステリアはそれまでのイメージを持たせながら、よりスタイリッシュかつタフさを持つ顔とした。さらにグリルとバンパーを大型化して迫力を与えている。ボディカラーにはそれまで設定のなかった鮮やかなブルー系の「ミストブルー・マイカメタリック」、ピンク系の「ライトローズ・マイカメタリック」など全7色を設定。乗用車に乗るようなファッショナブルなカラーリングとした。

パッケージングはフルキャブオーバー型を引き続き採用。室内幅やフロントウィンドウの奥行きを広めて居住性を向上。さらに運転席のシートスライド量を拡大。低フロア化&ドア開度を核出してスムーズな乗り降りとした。

機能面では収納スペースを多数設け、利便性を向上。ドアトリムやシート表皮も質感を高くした。

荷台スペースでは居住空間を拡大しながらも、荷台フロア長を延長。積載性を向上しつつ荷物フックを充実化。荷台ステップ開口部の拡大、歩み板対応リヤアオリを全車標準装備化した。

走行面ではフロントサスペンションの構造を見直して操縦安定性をアップ。最小回転半径は3.6mとし、狭い道でも取り回しやすいボディサイズとした。

さらにボディ構造を見直したことで最新衝突法規(56Km/h オフセット)に対応した優れた衝突安全性を実現。運転席SRSエアバッグや運転席/助手席プリテンショナー&ロードリミッター機構付きシートベルトを標準装備するなど先代よりも安全性をアップさせた。

エンジンは先代と同じKF-VE型を採用。これに燃焼効率を向上させ電子制御スロットルを採用。これに4ATを新たに採用することで燃費性能を向上させた。

防錆対策など耐久面ではアッパーボディ全面に防錆鋼板を採用。フレームや足回りの防錆対策も強化して耐久性を大幅向上しつつ、5年の防錆保証期間を設定した。さらにフロントパネルは樹脂製に変更することで飛び石等の塗装剥がれを考慮した耐久性の高いものへと変更しつつ、軽量化も両立させた。

2018年5月の一部改良では自動ブレーキのスマートアシストⅢを軽トラ用に改良した「スマートアシストⅢt」を採用。スマートアシストがMT仕様も含めて選択できるようになり(※誤発進抑制制御機能(前方誤発進))が非装備)、軽トラックであっても軽の乗用モデルと同じような自動ブレーキシステムを選択できるようになった。

7代目サンバートラック(S500J/S510J型)と10代目ハイゼットトラック(S500/S510型)との違い

8代目でも先代と同じくエンブレムの変更程度で基本的な見た目は同じ。ただしグレード構成は若干異なり、ダイハツのハイゼットトラックにある最廉価版の「エアコン・パワステレス」の設定がない。

また、ハイゼットトラックには自動ブレーキが非設定グレードが存在するが、サンバートラックでは一番安い「TB」の1グレード以外はすべてスマートアシストが標準装備となる。

さらにサンバートラックには「TB」、「TC」、「グランドキャブ」、「ダンブ」すべてのグレードでハイロー切り替え式の副変速機が付くのに対し、ハイゼットトラックでは「農用スペシャル」と「ジャンボグレード」のみの違いがある。

これ以外は両車同じで、ハイゼットジャンボに相当する「グランドキャブ」の設定や、冷凍車の「パネルバン」、ダンプの「三開放ダンプ」などが設定される。

また、ハイルーフと標準ルーフはTBとTCの両方に設定。グランドキャブとパネルバンはハイルーフのみの設定。ダンプは標準ルーフのみとなる。

エクステリア

フロントデザイン。8代目のサンバートラックではヘッドライトを細く横長にし、細くなった分逆にバンパーも厚みをもたせつつ下部の開口部を大きくしたことでスタイリッシュさとタフさを強調したデザインとなった。

さらにこの代から6代目(TT1/TT2)以来のマルチリフレクターヘッドライトととなり、見た目もかなり良い。

ダイハツとの違いはDマークか六連星かの違いでこれ以外はハイゼットトラックとまったく同じ。

TCとジャンボではフロントメッキグリルとメッキガーニッシュ付きフォグランプを標準装備する。

ヘッドライトも従来のマルチリフレクター&ハロゲンヘッドライトに加えて2017年11月一部改良ではLEDヘッドライトをグランドキャブグレードで新採用。軽トラックでも夜間の運転での視界確保を容易とした。

2019年10月の一部改良ではTBスマートアシストとTCスマートアシストグレードにもこのLEDヘッドライトが標準装備となった。また、スマートアシスト搭載グレードではフォグランプがLED化された。

サイド。横からの見た目は先代に近い。

足元は12インチスチールホイール。

大型作業灯はTCスマートアシストとグランドキャブスマートアシスト、ダンプのスマートアシストに標準装備。これ以外はメーカーオプションとした。

荷台長は1945mm、荷台フロア長は2030mm、荷台幅1410mmと広大なスペースを確保。これによりりんごコンテナでは48個、みかんコンテナでは54個。20Lポリタンクなら40個の大積載量をほこる。

さらに8代目では荷台のフックの数をクラストップレベルで設定。鳥居付近にはT字フックを。リアのあおり付近にはロープフック。あおりの開閉にはワンタッチ式ゲートロックで開閉をラクラクに行えるようにした。

リア。このあたりのデザインも先代と同じ。スバル仕様として車名デカールがサンバートラックに変更される。

エンジン・機能

エンジンはKF型直列3気筒DOHC12バルブ自然吸気エンジンのみ。最高出力は5MTが46ps(34kW)/5700rpm、4ATが53ps(39kW)/7200rpm。最大トルクは共通で6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。

トランスミッションは5MTまたは4ATで、駆動時間はFRまたは4WD(パートタイム式)。

5MTの4WDモデルではハイロー切り替え式の副変速機が付く。これにより田畑などのぬかるみでスタックした際に、脱出を容易とした。

自動ブレーキはデビュー当初設定がなかったが、2018年5月の一部改良で軽トラ用に改良した「スマートアシストⅢt」を採用。MTでもスマートアシストが選択できるようになった(※誤発進抑制制御機能(前方誤発進))が非装備)。

スマートアシストⅢtでは衝突警報機能(対車両・対歩行者)/衝突回避支援ブレーキ機能、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能、AT誤発進抑制制御機能(※MTはなし)を備える。

2019年10月の一部改良ではVDC、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステム(AT車のみ)、フロントウィンドウにUV&IRカット機能付ガラス、フロントウインドゥトップシェード、運転席バニティミラーを標準装備とした。

インテリア

8代目では収納スペースを強化。より利便性を強化している。ステアリングはウレタンステアリングホイール。

スピードメーター。シンプルかつ大きな文字盤で見やすくなっている。右側はマルチインフォメーションディスプレイ。

5MTのシフトノブ。

4ATのシフトノブ。

エアコンはマニュアル式エアコン。4WDの切り替えスイッチはエアコン操作パネルの下に付く。

シート。8代目ではスライド両が増加し、運転者にあわせてポジションを取りやすくかつ、居住性もアップした。

まとめ

8代目サンバートラックは刷新されスタイリッシュになったエクステリア、より利便性がアップした荷台、居住性や機能性がよくなった室内空間にスマートアシストの採用などフルモデルチェンジに相応しいアップデートとなった。

ライバルはスズキのキャリイトラックが相当するが、ひとつ気になるのは燃費や加速性能。ライバルは軽量強剛性ボディに低燃費エンジン、5AGSの組み合わせでハイゼットトラックよりも若干良く、サンバートラックは劣り気味。

特にエンジンは同じKF型でも旧世代のエンジンで、燃費性能が悪い。室内空間や使い勝手、自動ブレーキは似たりよったりだが、この点のアドバンテージは十分考慮したいところ。

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