【6代目・最終型】 スバル サンバーバン ディアス(TV1/TV2型) | シン・軽自動車マニア

【6代目・最終型】 スバル サンバーバン ディアス(TV1/TV2型)

サンバーバン

サンバーバンはスバルの1BOX型軽自動車。本稿では6第目TV1よびTV2型の2009年9月マイナーチェンジ(最終型・後期型)モデル以降の最上級・乗用志向の「ディアス」グレードを扱う。

出典:スバル認定中古車

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スバル 6代目・サンバーバンとは?

1999年10月に登場したTW1およびTW2系サンバーバン。この6代目からそれまでスバルのワンボックス軽といえば商用モデルの「サンバーバン」のみの展開だったが、この代から他社同様に乗用モデルも新設定。ディアスワゴンとして販売されていた。

6代目サンバーバンは1998年の軽自動車新規格に対応しボディサイズがひとまわり大きくなった。その一方で他社の軽トラや箱バンがセミキャブ化されたのに対し、サンバーは5代目までのフルキャブ形状を維持。

最小回転半径も3.9mと驚くほど小回りが効き、独特のスタイリングを貫いていた。

また、シャシーフレーム付新環状力骨構造を採用することでフルキャブ型でありながら、安全性とカーゴスペースを両立させたパッケージングとなっていた。

エンジンは先代から引き続き採用の4気筒EN07型エンジンの改良型を採用。全域で出力性能を向上させるとともに、燃費性能も向上。自然吸気エンジン仕様とスーパーチャージャーによる加給仕様の2種類を設定。

トランスミッションは5MTまたは電子制御式3AT(コラムシフト)を設定。新設計の4輪独立サスペンションにスペース効率と走行安定性に優れるRRレイアウトを引き続き採用し、特に空荷の状態でも悪路や低ミュー路でのトラクションは他社よりも勝っていた。

また、積載能力もRRレイアウトによる低床フロアにより背の高い荷物を容易に載せられ、荷物の出し入れの利便性も向上させた。

安全装備としては全グレードに運転席SRSエアバッグ、ロードリミッター付フロントシートベルトを標準装備。4センサー4チャンネルABSはオプション設定とし、展開グレードを増やした。

デビュー当初はレンズカットタイプのヘッドライトなど古臭い部分もあったが2002年9月マイナーチェンジ(中期型)でこれをマルチリフレクター化。加えてターンランプもクリアー化され外観が一気に近代化された。

2005年11月には2度目のマイナーチェンジを実施(後期型)。フロントデザインが再度変更となり、スピードメーターも若干変更された。また、オドメーターが液晶化され、ハザードランプの位置がエアコンパネル下部へ移動。ステアリング中央に6連星エンブレムが組み込まれた。

2009年9月には3度目となるマイナーチェンジを実施(最終型)。軽トラのサンバートラック(TT1/TT2)よりも2ヶ月速いマイナーチェンジとなった。

最上級ではフロントパネルと新デザインのフロンバンパーを採用したグリルレスタイプの顔つきへ変化。ドアミラーもディアスグレードで大型のリモコンカラードミラーを採用し、ドアアウターハンドルプロテクターを採用した。

内装もインパネやステアリングホーンパッド、メーターパネルのデザインが変更され質感と使い勝手が向上。貨物バンの全グレードではハイマウントストップランプが標準装備となった。

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最終型・6代目サンバーバン「ディアス」の特徴と、「トランスポーター」や「VB」との違いなど

ディアスグレードの誕生の経緯と復活

サンバーバンの「ディアス」というグレードは、古くは5代目に初登場した上級グレード。

廉価なグレードよりも快適性や装備面を豪華にし、乗用タイプに少し近づけたグレードである(スズキ・エブリィではジョイン系、アトレーはクルーズ系グレードに相当する)。

6代目サンバーでもディアスを継続設定。ただし2002年9月に5ナンバー乗用モデルのディアスワゴンが登場すると2003年11月には統合で一旦消滅。

その後しばらくは4ナンバーのディアスは非設定だったが、2009年12月の自社製ディアスワゴン生産終了に伴い、サンバーバンに復活することとなる。この復活したディアスが本稿で扱うグレードだ。

ディアスグレードの特徴

ディアスグレードは6代目後期サンバーバンの中でも最も内外装や快適装備が豪華な最上級グレード。

クラス唯一のスーパーチャージャー仕様エンジンやタコメーター付き2眼式メーター(※スーパーチャージャーのみ)、ヘッドレスト分離式フロントシート&左右分割式リアシートなど乗用モデルに近い内外装が特徴だ。

エクステリアではカラードリモコンドアミラーにドアプロテクター、プライバシーガラス、ホイールキャップを標準装備。

快適装備にとしてはパワステ、フロントパワーウィンドウ、フルエアミックスエアコン(マニュアル式エアコン)、時計機能付AM/FMカセットステレオなどを標準装。運転席天井のオーバーヘッドシェルフはディアスにオプション設定。

このほか後部のスライドドア・リアクォーター・バックドアの各ガラスを濃色化+UVカットガラス仕様。集中ドアロック&電波式リモコンドアロックも標準装備する。

ボディカラーもトランスポーターより2色多い「オブシディアンブラック・パール」と「シャンパン・メタリック」を追加した全5色を設定し、乗用モデルのディアスワゴンに近い上級グレードとなっている。

VBやトランスポーターとの違い

廉価グレードのVB、ミドルグレードのトランスポーターとは内外装や装備が異なる。VBが一番簡素で、トランスポーターはディアスと真ん中ぐらいの装備となる。

VBグレードの特徴

2009年9月以降のVBグレードではフロントシートがサイドサポート付のハイバックタイプになり、エアコンが標準装備となるなど若干快適になった。

が、依然としてパワーステアリングがオプション設定、パワーウィンドウやキーレスエントリーやUVカットガラス、プライバシーガラスは非設定、ボディカラーも「フロストホワイト」と「スターリングシルバー・メタリック」の2色のみという硬派な設定であった。

(※VBより一つ上のVBクリーングレードではパワステを標準装備、パワーウィンドウは非設定だが、キーレスとUVカットガラス、プライバシーガラスはオプション設定)

トランスポーターの特徴

TV1/TV2サンバーバン トランスポーターのフロントシート

6代目最終型(2009年9月以降)のトランスポーターはフロントシートが同じサイドサポート付のハイバックタイプでもダークブルー&ベージュのトリコット素材を用いたツートンカラーとなり、質感がアップ。

快適装備でもUVカットガラス、プライバシーガラス、キーレスエントリー、パワーステアリングを標準装備とする(パワーウィンドウはオプション設定)。

ボディカラーも淡いブルー色の「アジュールブルー・パール」を加えた全3色となり、より乗用タイプに近い仕様が特徴である。

加えてVBには設定の無い過給器モデル(スーパーチャージャー仕様)も設定されていた。ただしタコメーターは全グレード非装備の単眼式のみ。

ディアス/ディアス スーパーチャージャーの特徴

TV1/TV2サンバーバン ディアスのフロントシート

なお、同じサンバーバンでも乗用タイプとした「ディアス」ではフロントシートがヘッドレスト分離型のセパレートタイプとなり、サイトサポートが弱くなる一方で、フルフラット化して後部座席と連結させたシートアレンジが可能となる。

TV1/TV2サンバーバン ディアスのリアシート

ディアスの後部座席は貨物バンのヘッドレストが無い座面の薄い簡易的なシートから、乗用を意識した座面が厚くヘッドレスト&アームレストが付いた上級シートとなる。

またディアスでは大型の電動格納式ドアミラーがボディ同色タイプとなり、快適装備もUVカットガラス、プライバシーガラス、キーレスエントリー、パワーステアリングに加えパワーウィンドウも標準装備。

スーパーチャージャー仕様ではタコメーター付き2眼式メーターを採用するなど質感も少し高くなる。

ボディカラーもディアスグレードではトランスポーターの3色に加え、ブラック系「オプシティアンブラック・パール」と淡いゴールド系「シャンパンメタリック」を加えた全5色となるなど、VBやディアス、トランスポーターでは内外装や装備面に違いがある。

エクステリア(外装)

フロント

画像参照元:ガリバー

フロントデザイン。6代目サンバーバン・ディアスの外観は、VBやディアスとはドアミラーが異なる。VBやトランスポーターが非塗装の樹脂タイプに対し、ディアスではボディカラー同色タイプとなる。

またディアスのみドアミラーが大型タイプでかつ電動格納式ドアミラーとなり、利便性も向上する。

サイド

サイド。ディアスではアウタードアハンドル付近にはプロテクターが標準装備となり、ドアハンドル付近のボディへの引っかき傷に強くなっている。

ほかにもディアスでは後部座席からラゲッジスペースにかけての窓ガラス(スライドドア・リアクォーター・バックドアの各ガラス)がプライバシーガラス+UVカットガラス仕様。

タイヤサイズ、純正ホイールキャップ

足元は12インチスチールホイール。タイヤサイズは軽貨物で一般的な145R12-6PRLT。ディアスではホイールキャップが標準装備となる。

リア

リア。6代目最終型ではハイマウントストップランプを標準装備。ディアスグレードではリアハッチ中央右側のグレードデカールが「Dias」となる。このあたりはディアスか、VBかトランスポーターを見分ける大きなポイント。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはスバル伝統の4気筒EN07型SOHC自然吸エンジンとスーパーチャージャー付きの2種類。EN07型直列4気筒DOHC自然吸気エンジンの最高出力は48ps(35kW)/6400rpm、最大トルクは5.9kg・m(58N・m)/3200rpm。

スーパーチャージャー付きエンジンは最高出力は58ps(43kW)/6000rpm、最大トルクは7.5kg・m(74N・m)/4000rpm。

過給器モデルでもエンジン配置の関係とスペースの関係でインタークーラーレスとし、熱がこもりやすいためマイルドな仕様となる。

そのためR2プレオヴィヴィオなどの過給器モデルとは異なり出力は控えめとなる。

トランスミッションは3ATまたは5MTの2種類。駆動方式はRRまたは4WDの2種類で、5MTに関してはパートタイム4WDとなり、シフトノブ上部に4WDorRRの切り替えスイッチが付く。3ATの場合はビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDとなる。

安全装備としては運転席&助手席エアバッグ、ABSを標準装備する。

6代目サンバーバン TV1とTV2との違い、TW1とTW2との違い

6代目サンバーバンのTV1とTV2との違いは駆動方式。TV1はRR方式を採用する2駆の6代目サンバーバン。TV2はRRレイアウトで4WD化した全輪駆動(AWD)の6代目サンバーバン。

ただし、3ATのTV2はビスカスカップリング式のフルタイム4WDで、5MTのTV2は切り替え式よるパートタイム4WDの違いがある。

また、型式が似ているがTW1は乗用モデル(ディアスワゴン)の2駆モデル。TW2は乗用モデル(ディアスワゴン)の4WD仕様である。ディアスワゴンの4WDモデルは、貨物バンのサンバーバンとは異なり、5MTにパートタイム4WDは採用されず、すべてビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDのみとなる。

インテリア(内装)

インパネ

インパネ。このあたりはVBとトランスポーター、ディアスでほぼ同じ。6代目最終モデルでは後期モデルに比べてセンターパネル下部のセンターアンダーポケットを大型化。財布や小物を入れやすいよう使い勝手を向上。

さらにグローブボックス上部には助手席インパネトレイ(ユーティリティフック付き)を追加装備している。

ステアリングはウレタンステアリング。VBでは重ステだが、トランスポーターでは電動パワーステアリングを標準装備(※VBはオプション)。

スピードメーター

ディアス系ATのスピードメーター。6代目最終型ではメータパネルをリフレッシュ。見やすい文字盤でタコメーターレスの1眼式メーターとなる。

スーパーチャージャー仕様では6代目後期サンバーバンで唯一、タコメーター付き2眼式メーターが付く。

自然吸気エンジン5MTのスピードメーター。スーパーチャージャーでないMT仕様車では従来どおりシフトチェンジ位置を示すマーク(①~③)がメーター内に刻まれる。

両方ともエンジンスタートで針が右一杯に振れる「メータースイープ」機能を搭載した。

エアコン

ディアスではAM・FMラジオを標準装備し、エアコンは全グレードにマニュアル式を標準装備。

シフトノブ

3ATはコラムシフト。足元が広くなり使いやすいメリットがあるが、いかせん3ATなので高速道路など高速域で巡航する際はエンジン回転数が高くなりがち(時速100kmで5000rpmぐらい)で、うるさくなる。

TV1サンバーバンの5MTシフトノブ

5MTは2種類。2駆のTV1型ではこのような5MT。

TV2サンバーバンの5MTシフトノブ

4WDのTV2の5MTはパートタイム式4WDとなり、シフトノブ先端に4WD切り替えスイッチが備わる。ちなみにサンバートラックの一部グレードには悪路脱出用のエクストラローが付いているが、このサンバーバンには無い。

ディアス専用フロントシート

フロントシートはセパレートタイプ。同じサンバーバンでも乗用モデルのディアスはヘッドレスト分離型のセパレートシートでホールド感の薄いシートとなる。

ただしシートアレンジはディアスの方が多彩で、フロントシートは後方に180度倒すことができ、ヘッドレストを取ると後部座席と連結したフラットシートにすることができる。

このほか集中ドアロックとキーレスエントリー、パワーウィンドウはディアスで標準装備なのでこの点は便利だ(VBはオプション、トランスポーターはパワーウィンドウがオプション)。

ディアス専用リアシート

6代目最終型サンバーバン・ディアスのリアシート。シート色はフロントシートと同じくツートンカラーだが貨物バンが乗用志向のためヘッドレスト付きの左右分割式シート。一体式シートのVBやトランスポーターよりはるかに快適なリアシートとなる。

なお、一般的な軽自動車のリアシートと異なりスライド機構は非搭載。前側に倒してフルフラットにはできるものの、リアシート使用時に足元の広さは調節できない。

ディアスのラゲッジスペース

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。貨物バンなのでさすがに広くなる。自転車はタイヤを外せずともママチャリやロードバイクをそのまま積載でき、オートバイも同様に積載可能だ。トランスポーターのようなラゲッジスペースとなる。

また、ラゲッジスペースの素材も汚れが落ちやすいラバータイプを標準装備し、バイクや自転車、その他の汚れやすい荷物にも対応する。

6代目後期サンバーバンディアスのまとめ

6代目最終型のサンバーバン ディアスは、専用シートや充実の快適装備、多彩なボディカラーやスーパーチャージャーエンジンなど充実した快適装備を与えた4ナンバーの上級サンバーバンである。

トランスポーターよりも装備が豪華で、スーパーチャージャー仕様であれば2眼式メーターも標準装備となるなど、軽バンであるがそこそこ質感が高くなる。加えて4気筒+スーパーチャージャーの走りも楽しめるモデルである。

特に税金面でも4ナンバーの自家用貨物として13年落ちであっても6000円と、13年落ち軽自動車の乗用の129,000円と比較しても倍近く安いのでその点もありがたい。

中古市場では独自の4輪独立サスペンションや4気筒エンジン、スーパーチャージャー、RRレイアウトなど唯一無二なメカニズムが今でも人気で、特に上級志向のディアス系スーパーチャージャー5MTで状態が良いとプレミアム価格となりやすい傾向がある。

それでも荷物が沢山のる趣味車としてみるとこれほど豪華な作りの軽バンはスズキにもダイハツにも他には無いので、中古車でしか買えなくなった現在、人気が落ちず逆に新車価格以上の高値になりやすいのも納得である。6代目サンバーバンには軽自動車の軽貨物である以上に魅力的な部分が多々ある。

なお、スバルブルーを纏った特別仕様車の「サンバーバン WRブルーリミテッド」は軽トラの「サンバートラック WRブルーリミテッド」よりも超レアで、中古市場で出てきたときにはびっくりするような値段となる場合もある。

ダイハツ・ハイゼットカーゴOEMとなった8代目にもディアスの設定があるが、スバル独自のメカニズムや4気筒エンジンなどを考慮すると6代目の魅力は色褪せること無く、マニアにはたまらないモデルとなっている。

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