【後期型】ダイハツ テリオスキッド カスタム(J111G/J131G型) | シン・軽自動車マニア

【後期型】ダイハツ テリオスキッド カスタム(J111G/J131G型)

テリオスキッド カスタム

テリオスキッドはダイハツのSUV型軽自動車。「テリオスキッド カスタム」はそのカスタムモデルである。本稿では2006年9月マイナーチェンジ~2012年5月までを後期型とし、そのカスタムモデルを扱う。

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ダイハツ・テリオスキッドとは?

1998年10月の軽乗用車新規格と共にデビューしたダイハツ・テリオスキッド

テリオスキッドが登場するまでは軽SUVといえば硬派なクロカン系のスズキ・ジムニー、本格SUVのパジェロスタイルを与えつつ街乗りをメインとした三菱・パジェロミニの2台だった。

が、その2強に対し「オフロード4WDスタイルに乗用車トレンドを融合させた都会的かつ躍動感あふれるデザイン」をコンセプトに開発されたのがテリオスキッドである。

外観上で最も異なるのは、ジムニーやパジェロミニが3ドアモデルだったのに対し、テリオスキッドは独立した後部座席のドアを持つ5ドアとなっている点。

ターゲット的にはパジェロミニのシティユース路線に近いのだが、テリオスキッドではそれを発展させ、「4人が乗れるシティユースの軽SUV」というより実用性を高めたパッケージとなっていた。

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※画像は後期型の特別仕様車、「カスタム メモリアルエディション

メカニズムでは衝突安全ボディTAFの採用で当時の国内、欧州衝突安全基準をパスするほどの衝突安全性を確保。また、ABSをオプション設定するなど安全性能を向上させている。

エンジンはEF型直列3気筒ターボエンジンをノーマルとカスタムの両方で2種類設定し、ベーシックグレードでは出力を60馬力に抑えたインタークーラー無しのターボエンジン(※ノーマルは1998年10月2006年7月~。カスタムでは2000年5月~2006年7月まで。

以後は64馬力エンジンに統一)。上級グレードではインタークーラー付きの64馬力ターボとなる。加えてカスタムではノーマルに対しエアロパーツ+車高調で純正よりも20mmほどダウン。

このあたりはムーヴカスタムなどにみられるダイハツおなじみの手法で、ジムニーには無い特徴である(※2代目パジェロミニは似たようなグレード構成がある)。

さらに4WDモデルでは軽乗用モデルとしては珍しい「デフロック機構」を備え、万が一スタックした際にもデフロックにより脱出を容易にさせていた。

切り替えの必要がないフルタイム4WDは普段使いでは非常に楽なシステムで、まさに街乗り用軽SUVに便利な機能であった。

スズキでいうところの「Kei」に近いパッケージングで、センターデフによるオンロードの走行性能に加えてテリオスキッドでは万が一スタックした際にデフロックで脱出ができるなどKeiとパジェロミニの中間的な位置づけとなっていた。

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後期型テリオスキッド・カスタムの改良点と前期、中期との違い

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そのテリオスキッドは2006年9月に2度目のビッグマイナーチェンジを行い後期型となった。

後期型のカスタムでは新たにクリアスモーク塗装の4灯式マルチリフレクターヘッドライト、新デザインの大型エアロバンパー、角型フォグランプ&ウィンカー球、クリアーコンビランプ、新デザインのアルミホイールを採用。

内装では新シート表皮の採用にスピードメーターを2眼式の新デザインとし、センタークラスターをガンメタリック塗装。シフトレバーボタンとエアコンレジスターノブをメッキ化。

メカニズムでは全グレードでインタークーラー付きターボに統一するなどよりスポーティーで精悍なエクステリアや質の高い内装を与えたマイナーチェンジとなっている。

悪路(雪道)におけるテリオスキッド・カスタムLとテリオスキッドLとの違い、注意点

テリオスキッド・カスタムLは、テリオスキッドの標準モデルLグレードにプラスして専用バンパー、エアロパーツやローダウンサスペンション、アルミホイール、専用ヘッドライトなどを装着してよりスタイリッシュに仕立てたモデルである。

オーソドックスなLグレードに対してスポーティで見た目がかなり良いが、最低地上高が175mmとなっている点や、フロントやサイドのエアロパーツにより実際はさらに最低地上高が低い点に着目。

上のLグレードと比較するとバンパー下部やサイドアンダースポイラー付近でより低くなっている。

これが雪国で新雪や特に雪解けが進んだ市街地の”わだち道”では標準モデルよりも最低地上高が低いがゆえに障壁となり、テリオスキッド本来の悪路走破性を発揮できない場合がある

たかが20mmの違いだが4WDでも床下が雪の上に乗っかって亀状態になるとタイヤがグリップせずスタックするので、できるだけ車高はあったほうが心強い。

よってより悪路走破性に期待する場合はカスタムではなく、標準モデルのテリオスキッドをオススメする。

それ以外の雪国でもさほど雪が積もらない地域や、非雪国ではさほど最低地上高は必要ないので、そういった地域では問題ないと思う。

後期型テリオスキッドカスタム(J111G/J131G)のグレード カスタムL、カスタムX、メモリアルエディションとの違い

後期型テリオスキッドのグレード展開はエントリーグレード「カスタムL」と上級「カスタムX」の2種類(標準モデルはLグレードのみ)。

これ以外に特別仕様車として「カスタム メモリアルエディション」が設定されていた。

標準テリオスキッドについてはこちらから。

【唯一の5ドアSUV 前期・中期・後期】ダイハツ テリオスキッド(J111G/J131G型) 概要解説

カスタムL

後期型テリオスキッドカスタムのエントリーグレード。装備がXグレードよりも若干簡略化され、価格が少し安かった。

Xグレードと比較してLEDドアミラーターンランプ、キーフリーシステム、2DIN・AM/FM付きCDステレオが非装備(※オーディオは1DINタイプとなる)。

なお、カスタムLにはインパネセンターポケットが付く。安全装備ではABSがオプション設定となっていた。

後期モデルのテリオスキッドカスタム・5MTモデルはこの「カスタムL」のみ設定で、上級カスタムXには非設定。

カスタムX

後期型テリオスキッドカスタムの上級グレード。

Xグレードには非装備のLEDドアミラーターンランプ、キーフリーシステム、2DINタイプのオーディオ、ABSが標準装備となる。

これ以外はカスタムLと同じだが、インパネセンターポケットはカスタムXに非装備。ATのみの設定。

特別仕様車 カスタム メモリアルエディション

2007年9月に設定の特別仕様車。ダイハツの創立100周年を記念するモデルとして設定した特別モデル。

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メモリアルエディションでは「カスタムL」をベースグレードとし、エクステリアには専用グレイッシュフロントメッキグリル、LEDドアミラーターンランプを。

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インテリアではMOMO革巻きステアリング、専用ファブリックシート、専用シャンパンメタリック調メーター&センタークラスタを装備。

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特別感のある専用内外装と上級装備で質感をアップさせたモデル。

【後期型】ダイハツ テリオスキッドカスタム メモリアルエディション(J111G/J131G型)

後期型テリオスキッド・カスタムのエクステリア(外装)

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フロントデザイン。後期型では4灯式マルチリフレクターヘッドライトの周囲をクリアーブラック化。丸目を強調したカスタム感あふれるデザインとした。

中期型テリオスキッドでもキスマーク仕様で似たようなヘッドライトとなっていたが、こちらは薄めのブラックで差別化がなされている。

この他バンパーデザインを刷新。中期型まではノーマルと共通とし下部にアンダースポイラーが付けられていたが、後期型ではアンダースポイラーを一体化。エアロ感の高い大型バンパーとなっている。

他にもメッキグリルに新デザインを与えバンパーと一体化し、フォグランプとウィンカー球はスクエア型とたことでムーヴコンテカスタム初代タントカスタムのようなイメージも与えている。

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サイド。後期型の上級グレードではターンランプ付きドアミラーとキーフリーシステム(イモビライザー付き)を標準装備。4WD仕様では全グレードでヒーテッドドアミラーとなる。

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後期型では15インチアルミホイールのデザインを刷新。タイヤサイズはパジェロミニと同じ175/80R15。まったく同じサイズなためパジェロミニ純正アルミを流用したり、その逆といった活用法も可能だ。

このほか前期や中期と同じくカスタム仕様ではノーマルよりも20mmダウンした専用サスペンションが装着される。

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リア。後期型ではコンビランプをクリアー化。さらにバンパーデザインも刷新し、リフレクターとバックランプのデザインも変更したことでよりスタイリッシュ感をアップさせた。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンはEF型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみ。

中期型まではマイルドターボ仕様があったが、後期型ではこのインタークーラー付きターボに統一された。最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(107N・m)/3600rpm。

トランスミッションは5MTまたは4ATの2種類で駆動方式はFRまたはセンターデフ式(デフロック付き)のフルタイム4WDとなる。

安全装備として運転席&助手席エアバッグを標準装備し、EBD付きABSはカスタムLがオプション。カスタムXで標準装備となる。

テリオスキッドカスタム・J111GとJ131との違い

J111G型テリオスキッドカスタムとJ131型テリオスキッドカスタムの違いは駆動方式にある。

J131G型はエンジンをボンネット、後輪を駆動するFRのテリオスキッド。J111Gはエンジンをボンネット、全輪を駆動する4WDのテリオスキッドである。

ジムニーやパジェロミニのパートタイム4WDとは異なり、テリオスキッドはセンターデフを持ち、これにデフロック機能を搭載するフルタイム4WD。常時4WDで駆動し、ぬかるみにはまった際にデフロックを使うことで4輪を直結状態にし脱出を容易にするもの。

そのためジムニーやパジェロミニのように4WDはFRに切り替えることが出来ず、夏でも常時4WDのため燃費は少々悪い。その分、パートタイム4WDの特徴であるタイトブレーキング現象が発生せずより扱いやすい4WDとなっている。

なお、J131G型テリオスキッドはこれら4WD機能を排除した後輪駆動のFRなので、特に雪国で降雪時期には「ただの車高の高いFR車」となり、悪路走破性は期待できないため注意が必要だ。

テリオスキッドの持病 オイル漏れ…オイル管理が悪い個体は要注意

テリオスキッドに搭載されたEF型ターボエンジンは、オイル総量が一般的なエンジンに比べてかなり少なく特に高温にさらされるターボ車においてオイル管理が重要になってくる。

軽自動車の場合、メンテナンス意識の乏しい女性ユーザーや男性でも足車として使われてきたテリオスキッドカスタムではオイル管理が悪くオイル漏れやオイル食いに発展しているケースも考えられる。

中古で買う際は後々でオイル漏れやオイル食いの修理で追加費用がかならないよう購入前に確認することを強くおすすめする。

また、エンジン本体以外にタービンに損傷があるケースも高額修理となりえるので、きちんと問題なく加速するか試乗してほしい。

後期型テリオスキッド・カスタムのインテリア(内装)

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インパネ。デザインは変更されていないが、後期型ではセンタークラスターとメータークラスターをガンメタリック塗装とした。

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スピードメーターは後期型でデザインが刷新され、2眼のスポーティーかつ上品なタイプとなった。

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ステアリングデザインも変更されている。

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ATのシフトノブ。後期型のカスタムではシフトレバーボタンを標準でメッキ化。エアコンレジスターノブも同様にメッキ化される。

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5MTのシフトノブ。

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フロントシートはセパレートタイプ。後期型ではシート表皮が刷新され、ブルーステッチ付のブラックシートとなった。

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リアシート。スライド機構は引き続き非装備。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

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後期型テリオスキッド・カスタムの評価

後期型・テリオスキッドのカスタムグレードはよりスポーティーかつ精悍さがアップしたエクステリアに、質感の高いインテリアが魅力のモデルである。

シリーズの中でも最終版とあってシフトノブやインパネデザイン以外では全体的に近代化されており、モデルとしての魅力もかなり高いものとなっている。

特に後期型で設定された特別仕様車の「メモリアルエディション」ではカスタムLがベースながら専用グレイッシュフロントメッキグリルにMOMOステアリング、専用ファブリックシートに専用シャンパンメタリック調メーター&センタークラスターなどが与えられ特別感がアップする。

もし後期型のテリオスキッド・カスタムを探している場合は特別な「メモリアルエディション」もオススメである。

テリオスキッドはノーマル、カスタム共に2012年6月で生産を終了。一回もフルモデルチェンジを受けず14年ほど生産され続けたロングモデルであった。

その後に2015年には後継となる「キャストアクティバ」が登場しているが、キャストアクティバのメカニズムはムーヴをベースに作ったクロスオーバーSUV(スズキ・ハスラーと同じタイプ)となり、テリオスキッド時代にあったデフロックが省かれている。

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代わりとなるグリップサポート制御を持っているが、物理的なシステムと機械制御による擬似的なデフロック機能とでは差があり、そういった部分ではクロカンに近いテリオスキッドの価値も健在である。

※キャストアクティバも生産終了となり、後継のタフトでもグリップサポート制御を備えよりハスラーに近いパッケージングとなったが、デフロック機構は非装備

そういった部分も含め年式が比較的新しい部分とメカニカルな部分で後期型・テリオスキッドカスタムはシリーズの中でも中古価格が高めである。

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なお、ジャンルは少し異なるものの三菱自動車がスライドドア付きのスーパーハイトワゴン、eKクロススペースのマイナーチェンジ版で、デリカミニを発売。スライドドアによる使い勝手に加えグリップコントロールや専用チューニングによる4WDシステムなど、デリカ風の味付けがなされたモデルが異例のヒットとなるなど、クロスオーバーSUV型の軽自動車は一定のジャンルを確立しつつある。

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