【前期・中期・後期】ダイハツ テリオスキッド(J111G/J131G型) 概要解説

テリオスキッド

テリオスキッドはダイハツのSUV型軽自動車である。本稿ではデビュー当初~最終モデルまでを概略的に扱う。

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画像参照元:ダイハツ認定中古車

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概要

1998年10月の軽乗用車新規格と共にデビューしたダイハツ・テリオスキッド

テリオスキッドが登場するまでは軽SUVといえば硬派なクロカン系のスズキ・ジムニー、本格SUVのパジェロスタイルを与えつつ街乗りをメインとした三菱・パジェロミニの2台だった。

が、その2強に対しダイハツが「オフロード4WDスタイルに乗用車トレンドを融合させた都会的かつ躍動感あふれるデザイン」をコンセプトに開発されたのがテリオスキッドである。

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外観上で最も異なるのは、ジムニーやパジェロミニが3ドアモデルだったのに対し、テリオスキッドは独立した後部座席のドアを持つ5ドアとなっている点。

ターゲット的にはパジェロミニのシティユース路線に近いのだが、テリオスキッドではそれを発展させ、「4人が乗れるシティユースの軽SUV」というより実用性を高めたパッケージとなっていた。

メカニズムでは衝突安全ボディTAFの採用で当時の国内、欧州衝突安全基準をパスするほどの衝突安全性を確保。また、ABSをオプション設定するなど安全性能を向上させている。

エンジンはEF型直列3気筒ターボエンジンをノーマルとカスタムの両方で2種類設定し、ベーシックグレードでは出力を60馬力に抑えたインタークーラー無しのターボエンジン(※ノーマルは1998年10月2006年7月~カスタムでは2000年5月~2006年7月まで。以後は64馬力エンジンに統一)。

上級グレードではインタークーラー付きの64馬力ターボとなる。加えてカスタムではノーマルに対しエアロパーツ+車高調で純正よりも20mmほどダウン。

このあたりはムーヴカスタムなどにみられるダイハツおなじみの手法で、ジムニーには無い特徴である(※2代目パジェロミニは似たようなグレード構成がある)。

さらに4WDモデルでは軽乗用モデルとしては珍しい「デフロック機構」を備え、万が一スタックした際にもデフロックにより脱出を容易にさせていた。

切り替えの必要がないフルタイム4WDは普段使いでは非常に楽なシステムで、まさに街乗り用軽SUVに便利な機能であった。

スズキでいうところの「Kei」に近いパッケージングで、センターデフによるオンロードの走行性能に加えてテリオスキッドでは万が一スタックした際にデフロックで脱出ができるなどKeiとパジェロミニの中間的な位置づけとなっていた。

テリオスキッドは軽乗用車としては珍しく、普通車であるテリオス(トヨタ版はキャミィ)と同時進行で開発されたのでよく似た部分が多い。

名前からしても「テリオスの子供」でテリオスキッドというわけである。フロント部分やリアはほとんど同じで、全長や全幅を軽規格に収めてある。

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テリオスキッド前期、中期、後期の特徴と違い

前期型テリオスキッド

テリオスキッドの前期型は~2000年10月までで、ヘッドライトがハイロー切替式のマルチリフレクター式。

リアのコンビランプが曇った旧タイプ、内装が1998年代のかなり古いデザインなど内外装で古臭さが強い。

中期型テリオスキッド

中期型は2000年11月~2006年7月まで。

ヘッドライトがハイロー独立式の2灯式に変更、リアのコンビランプもマルチリフレクター式となり見た目がスタイリッシュになっている。

また内装も変更され前期よりはかなり良くなった。

後期型テリオスキッド

後期型は2006年8月~2012年6月の生産終了まで。

ヘッドライトこそ同じようなデザインだが、カスタムではフロントグリル、フロントバンパー(フォグランプ含む)、リアバンパーが近代的に刷新されよりスタイリッシュに。

標準モデルでもターボモデルがインタークーラー付きの64馬力仕様に統一され、よりスタイリッシュなメッキグリルに統一。リアのコンビランプもクリアーテールランプ化。

カスタムと標準モデル共通で内装ではスピードメーターのデザインを変更し、燃料残量計をデジタル化するなど、手が加えられている。

テリオスキッドのグレード CL、CX、L、X、CLリミテッドの違いなど

テリオスキッドのグレード展開は前期が「CL」、「CX」の2種類。中期型の中盤以降は「L」、「X」にグレード名が変更となり、後期ではグレード集約がなされ「L」グレードのみとなった。

これ以外に特別仕様車で前期に「CLリミテッド」が設定されてた。なお、エントリーグレードはL系、上級グレードはX系グレードとなる。

テリオスキッドカスタムについてはこちらから。

【後期型】ダイハツ テリオスキッド カスタム(J111G/J131G型)

【中期型】ダイハツ テリオスキッド カスタム(J111G/J131G型)

CL

テリオスキッド前期~中期までのエントリーグレード。60馬力のインタークーラー無しターボにフォグランプやアルミホイールがオプション設定など、装備などを簡略化やオプション設定とし、価格を抑えたグレード。

デビュー当初はABSをオプション設定していたが、その後はABSが非設定となっていた。

2003年8月に廃止。Lグレードに移行。

CX

テリオスキッド前期~中期までの上級グレード。64馬力インタークーラー付きターボエンジンに、フォグランプやアルミホイールなどを標準装備し、内外装を豪華にしたテリオスキッド。

2003年8月に廃止。Lグレードに移行。

L

テリオスキッド中期型以降~のエントリーグレード。

60馬力のインタークーラー無しターボにフォグランプやアルミホイールがオプション設定など、装備などを簡略化やオプション設定とし、価格を抑えたグレード。ABSはオプション設定。

2006年8月以降の後期モデルでは64馬力インタークーラー付きターボエンジンに置換。メッキグリルもカスタム用のものを採用し統一。クリアーテールランプ採用でスタイリッシュな外観となった。

この時にXグレードが廃止され、標準テリオスキッドはLグレードのみとなった。

モデル終盤ではアルミホイールのオプション設定が廃止される。

X

テリオスキッド中期型以降~の上級グレード。

64馬力インタークーラー付きターボエンジンに、フォグランプやアルミホイール、ルーフスポイラーなどを標準装備し、内外装を豪華にしたテリオスキッド。

2006年8月にグレード集約によりLグレードに統合。Xグレードは完全廃止された。

CLリミテッド

テリオスキッド前期~中期にかけて設定された、CLとCXの中間に位置するグレード。

CLに非設定のアルミホイールを標準装備とし、本革巻きステアリングやABSがオプション設定で選択できるようにした中上級グレード。

テリオスキッドとテリオスキッドカスタムとの違い

テリオスキッド・カスタムは、テリオスキッドの標準モデルにプラスして専用バンパー、エアロパーツやローダウンサスペンション、アルミホイール、専用ヘッドライトなどを装着してよりスタイリッシュに仕立てたモデルである。

オーソドックスなLグレードに対してスポーティで見た目がかなり良いが、最低地上高が-20mmダウンの175mmとなっている点や、フロントやサイドのエアロパーツにより実際はさらに最低地上高が低い点に着目。

上のLグレードと比較するとバンパー下部やサイドアンダースポイラー付近でより低くなっている。

これが雪国で新雪や特に雪解けが進んだ市街地の”わだち道”では標準モデルよりも最低地上高が低いがゆえに障壁となり、テリオスキッド本来の悪路走破性を発揮できない場合がある

たかが20mmの違いだが4WDでも床下が雪の上に乗っかって亀状態になるとタイヤがグリップせずスタックするので、できるだけ車高はあったほうが心強い。

よってより悪路走破性に期待する場合はカスタムではなく、標準モデルのテリオスキッドをオススメする。

それ以外の雪国でもさほど雪が積もらない地域や、非雪国ではさほど最低地上高は必要ないので、そういった地域では問題ないと思う。

エクステリア(前期・中期・後期)

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フロントデザイン。テリオスキッドのデビュー当初(前期型:1998年10月~2000年10月まで)のフロントデザイン。

オーソドックスなマルチリフレクターヘッドライトにSUV風のフロントバンパーが組み合わされ、4WD車らしい力強いデザインとなっている。

なお、前期型のカスタムではこれに各種リアスポイラーとローダウンサスが加わる。

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なお、こちらは同時開発された普通車のテリオス。バンパーやグリルは異なるがフロントからでは少し違いは見分けづらい。

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中期型(2000年11月~2006年7月)のフロントデザイン。

ヘッドライトが全車4灯式に変更され、グリルとバンパーも新デザインとなる。

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中期型(2000年11月~2006年7月)、カスタムのフロントデザイン。

グリルもカスタム専用となりノーマルと差別化された。なお、特別仕様車の「キスマーク」では後期型で標準化されたインナーブラックタイプのヘッドライトを採用している。

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後期型(2006年8月~2012年6月の生産終了まで)のフロントデザイン。

Mターボの廃止により全車64馬力化。インタークーラーが付いたことによりノーマルモデルでもボンネット・エアダクトが備わった。他にはグリルがカスタムと統一される。

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後期型(2006年8月~2012年6月の生産終了まで)、カスタムのフロントデザイン。バンパーデザインが変更され、丸型フォグランプ&ウィンカー球からスクエア型に変更。スタイリッシュな外観になる。

テリオスキッドのサイド部分。軽規格するため後ろが短い。最低地上高はノーマルで195mm、カスタムで175mmを確保。

タイヤサイズはパジェロミニと同じ15インチで175/80R15。下のグレードではスチールホイール。上級グレードでアルミホイールとなる。

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こちらはテリオスのサイド部分。後部座席からトランクルームの部分が長いのがわかる。フェンダーやフロンドドア、リアドラ、サイドミラーなど部品は共通となっているが、ラゲッジルームから後ろ(リアバンパー、リアクォーターガラス、リアフレームなど)が異なる。

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リア。SUVらしくスペアタイヤをバックドアに背負うタイプ。この点から見てもSUVらしいデザインを感じる。コンビランプは上部に配置され後続車からの視認性が良くなっている。

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2000年10月マイナーチェンジ(中期型)ではコンビランプがマルチリフレクター化された(※写真は特別仕様車のキスマークバージョン)。

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さらに2006年10月マイナーチェンジ(後期型)ではコンビランプがマルチリフレクターのクリアータイプに変更された。

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こちらはテリオスのリア。ノーマルのコンビランプだが、全体のデザインは殆ど変わらない。

ちなみにスペアタイヤケース(ハードタイプ)やタイヤカバーにはいくらか種類がある。

エンジン・機能(前期・後期)

エンジンはEF-DET型、直列3気筒DOHCターボエンジンのみ。

中期型まではノーマルとカスタムグレードの両方で2種類のターボエンジンが存在し、ベーシックグレードには出力を60馬力に抑えたインタークーラー無しのマイルドターボエンジンで、

最高出力60ps(44kW)/6800rpm、最大トルクは8.6kg・m(84.3N・m)/4400rpm。

上級グレード(CXやカスタムX等)にはインタークーラー付きの64馬力仕様となり最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(106.9N・m)/3600rpm。

両者の違いはボンネットのエアダクトで、60馬力仕様はダクトなし。64馬力はダクト付きとなる。

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2006年10月以降の後期型では全グレードでインタークーラー付きの64馬力ターボに統一。地味ではあるがグレードアップがはかられた。

スペックは最高出力が64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.9kg・m(107N・m)/3600rpm。

ただし車重は960kgもあるためターボ付きでもスポーツタイプと異なり加速はもっさり。ミッションは5MTか4AT。駆動方式はFRまたはセンターデフを用いたフルタイム4WDとなっている。

ジムニーのスイッチ式4WD(パートタイム4WD)に比べると切り替える必要がないので街乗りに適しているといえる。

また万が一雪道でスタックしてしまった際には、前後のタイヤを直結できるのでスタックからの脱出も安心だ。

※その分、オフロードの走破性はラダーフレームを持つジムニーに劣るのであくまでオンロードメインで、たまに除雪が行き届いていない道では生活四駆の他の車より強力であるととらえると良い。

インテリア(前期・中期・後期)

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前期型のインパネ。

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中期型のインパネ。エアコンパネルのデザインとスピードメーター、ドアトリムの一部が変更されている。

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後期型のインパネ。スピードメーターが再度変更されステアリングのデザインも変更された。

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MTのシフトノブ。デビュー当初からシフトブーツが付いたタイプで周囲のプラスチックパーツによる安っぽさはあるものの、旧来のゴムブーツタイプに比べると雰囲気は良くなっている。

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シートはセパレートタイプ。軽自動車にしては珍しくサイドのサポートがしっかり付いており長時間の運転でも疲れづらい。ノーマル系とカスタム系ではシート表皮が異なり、

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カスタム系ではスポーティーな柄となる。

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中期型マイナーチェンジでシート表皮も刷新。ノーマル系では落ち着いたカラーに。

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中期型のカスタム系ではブラック系でスポーティーな印象に。

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後期型では再度シート表皮が変更され、撥水加工が施された。

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後期型、カスタムのフロントシート。

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かわって前期型リアシート。

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中期型リアシート。

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後期型リアシート。デビュー当初から足元の広さは改善されておらずムーヴ等と比べるとかなり狭い。またスライド機構も付いていないため後部座席の快適性はスペース系と比較するとかなり劣る。

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ラゲッジルームはそこそこ確保されている。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

テリオスキッドの総評

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テリオスキッドは本格的なSUVの機能をもたせつつ、5ドアハッチバックで実用性をも兼ね備えた本格的軽SUVである。

ジムニーやパジェロ・ミニと比べるとリアにも独立したドアがあるので実用性はかなり高かった。また切り替えの必要がないフルタイム4WDも普段使いでは非常に楽なシステムで、まさに街乗り用軽SUVに便利な機能であった。

スズキでいうところの「Kei」に近いパッケージングで、センターデフによるオンロードの走行性能に加えてテリオスキッドでは万が一スタックした際にデフロックで脱出ができるなどKeiとパジェロミニの中間的な位置づけとなっていた。

【後期型】スズキ Kei(CBA-HN22S/TA-HN22S型)

ただ、その分車重が重くなっているのでジムニーやパジェロ・ミニと同様に燃費は非常に悪いという欠点があった。実燃費はリッター10にも満たないことがしばしばで、「軽乗用車=燃費が良い」という一般常識が当てはまらない規格外的なモデルでもあった。

ちなみに、登場から10年ほど、マイナーのみでフルモデルチェンジがなく生産され続けたロングセーラーカーだったが、2012年にひっそりと生産終了している。

雪の降らない地域ではともかく、雪国ではこの手の軽自動車(SUVの走破性と乗用車の実用性を兼ね備えたモデル)は確実に需要があるモデルで、似たようにロングセラーで生産終了したスズキのKeiはその実用性を修会長がユーザーに懇願された経緯からKeiの後継モデル、「ハスラー」が登場。

【初代・後期型】スズキ ハスラー(MR31S/MR41S型)

ダイハツ自身もテリオスキッドからの乗り換え需要や雪国での実用性をターゲットにテリオスキッドの後継モデルとして「キャストアクティバ」を2015年に登場。その後キャストアクティバも生産終了し「タフト」へ移行させている。

【打倒ハスラー 対抗モデル】ダイハツ タフト(LA900S/LA910S型) 概要解説

テリオスキッドの中古が安い&お買い得な理由

かつてジムニーやパジェロミニの間に割って入り、人気を博したテリオスキッド。現在では生産終了から10年以上経過し、タフトなど後継モデルも登場している関係で中古車はかなり手頃な価格帯となっている。

安い理由はジムニーのようにコアなファンが多数いないことや、旧モデルに対しての根強い需要が無いため、10年落ちという部分もあって比較的安価な中古車となっている。

また、最新モデルに比べると燃費性能がかなり悪く、自動ブレーキなども非搭載な部分が要因かと。

一方で後継モデルにはない5MT&ターボの設定や、デフロックなど魅力的な部分もある。安価で5ドアなクロカン軽自動車として、中古車としての魅力はまだまだある。

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ビスカスカップリング用いたフルタイム4Wとありますが。
    テリオスキッドは軽自動車で唯一この車だけセンターデフを搭載したフルタイム4wdです。
    ビスカスカップリングではありません。

    NAはありません。ターボは全車搭載です。
    インタークーラー無し0.6kg仕様か
    インタークーラー有り0.9kg仕様の2種類だけです。

  2. さすらいのクラ吹き より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメント&ご指摘ありがとうございます。

    早速、訂正いたしますね。

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