【後期型】ダイハツ キャストアクティバ(LA250S/LA260S型) | シン・軽自動車マニア

【後期型】ダイハツ キャストアクティバ(LA250S/LA260S型)

キャストアクティバ

キャストはダイハツのトールワゴンおよびクロスオーバーSUV型軽自動車。「キャスト アクティバ」はクロスオーバーSUV型のモデルである。本稿では2017年10月マイナーチェンジ以降を後期型とし、これを扱う。

画像参照元:マツダ認定中古車

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概要

2015年9月に登場したダイハツのキャスト。軽自動車史上、しいては自動車史上でも異例となる同時3モデル展開でネット上を賑わせた。

キャストはまったく異なる3コンセプトのモデルを外装やセッティング、内装で変化させ、ベースが同じでもそれぞれのキャラクターを強くしたモデルを展開。3つの異なるキャラクター、SUV系(アクティバ)、ストリート系(スタイル)、スポーツ系(スポーツ)のうちこの記事で扱うのはアクティバというモデルである。

キャストアクティバはそれまでダイハツに存在した軽SUVのテリオスキッドの後継モデルとして登場した。

外装にスポーツやスタイルと異なる専用のSUVパーツが付けられヘッドライトやボディスタイルはほぼおなじものの2モデルとは異なるSUV風の外観が与えられている。

また、アクティバではハスラーと同じ15インチの大径タイヤを標準装備し、最低地上高を上げディパーチャーアングルを大きくることでライトな悪路にも対応できるようにした。

さらにSUV性能を高めるためにグリップサポート制御やダウンヒルアシストコントロールなどを4WDモデルで標準装備とし、ベースのムーヴとは異なる専用メカニズムで特に雪道での安全性を高めている。

エクステリアはSUVとすぐにわかるバンパー下部の樹脂製バンパーガーニッシュ、大径タイヤにガンメタ塗装のロアボディ&サイドモールに加えスタイリッシュなフロントグリルで上質感もプラス。

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インテリアは黒を基調とし、アクティブな形状のインパネ加飾で上質感も演出。オープントレイのインパネデザインはスポーティーさを与え、光沢感のあるシルバー生地とスエード調の生地を組み合わせたフルファブリックシートを採用した。

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パッケージングはデザイン性をもたせつつも室内長を2005mm、室内幅は1320mm、室内高は1245mmを確保。大人4人がゆったりと座れるボディサイズを実現した。

また、軽量高剛性ボディ「Dモノコック」や「Dサスペンション」「Dアシスト」を採用することで、高い基本性能を実現。しっかりとしたハンドリングで、ロールや走行時のふらつきが少なく高い操縦安定性を確保している。

静粛性も追求し、ステアリングのパッド取付部にゴム材を使用することで、ダンパーとしての機能を加え、振動を吸収する構造とした。さらにボディパネルの隙や穴を減らし、音の侵入経路を低減している。

低燃費技術としては「ミライース」で培ったイーステクノロジーから「クールドi-EGR」や「CVTサーモコントローラー」、「樹脂化ボディ」を採用。2WDのFFモデルで30km/Lの低燃費を実現した。

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後期型・キャストアクティバの改良点と前期との違い

そのキャストアクティバは2017年10月の一部改良でフロントグリルのデザイン変更などを行い後期型となった。

後期型では新デザインのメッキグリルの採用でより力強いSUVの雰囲気が与えられたほか、衝突回避支援システムを「スマートアシストⅢ」にバージョンアップ。さらに2色の新ボディカラーの追加やデザインフィルムトップの接詠を拡大。

ボディカラーも新色が追加。鮮やかな黄色のレモンスカッシュクリスタルと

茶系のオフビートカーキの2色を追加。全7色となった。ルーフに適用される「デザインフィルムトップ」の設定を拡大。

ディープブルークリスタルマイカ×ブラック、ブラックマイカ×ホワイト、レモンスカッシュクリスタル×ブラック、レモンスカッシュクリスタル×ホワイト、オフビートカーキ×ブラック、オフビートカーキ×ホワイトを新たに設定して19パターンとした。

内装でもインテリアカラーの設定色を追加してより個性を強化。ユーザーの好みに柔軟に対応できるようにした。このほかメーターの意匠変更を実施するなど内外装で魅力を底上げしたマイナーチェンジとなっている。

後期型・キャストアクティバのグレード X,X SAⅢ、G SAⅢ、Gターボ SAⅢ、プライムコレクションの違い

後期型キャストアクティバのグレード構成は自然吸気エンジンでエントリーグレード「X」、エントリー自動ブレーキ搭載モデル「X SAⅢ」。

上級グレードは自然吸気エンジンの「G」グレード、上級自動ブレーキ搭載「G SAⅢ」。

ターボ仕様は上級ターボ仕様で自動ブレーキ搭載の「GターボSAⅢ」。

前期の特別仕様車からカタロググレードへ昇格した、レザー調シートなどを標準装備の「Gプライムコレクション SAⅢ」と「G ターボプライムコレクションSAⅢ」の8種類。

これ以外に特別仕様車が2種類設定されていた。

X

キャストアクティバのエントリーグレード。装備が簡略化され買いやすい価格帯のグレード。

エクステリアではハロゲンヘッドライトにフォグランプが非装備。スチールホイールでベーシックな外観に。

インテリアではウレタンステアリングにドアトリムは加飾無しのシルバー。

快適装備はパワステ、パワーウィンドウ、集中ドアロック、キーフリーシステムなどを標準装備。Xグレードでもオーバーヘッドコンソールを標準装備するが、ルームランプは電球タイプ。

安全装備は全グレードにABS、横滑り防止装置のVSC+TRC、ヒルホールドシステムなどを標準装備する。

X SAⅢ

Xグレードに自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」を標準装備したグレード。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

G

キャストアクティバの上級グレード。

エクステリアでは15インチアルミホイールにLEDヘッドライト&LEDフォグランプ、リアロアランプにメッキバンパーガーニッシュが付く。

インテリアでは本革巻きステアリングにインパネカラーガーニッシュにシルバー加飾をプラス。オーディオパネルがファインブラック、センタークラスターはプレミアムシャインシルバーとなる。

このほかルームランプがLED仕様、ドアトリムアームレストがプレミアムシャインシルバーに変更となる。

快適装備では運転席&助手席シートヒーター、安全装備ではSRSサイドエアバッグも標準装備となる。

G SAⅢ

上記Gグレードに自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」を標準装備した上級自然吸気エンジングレード。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

Gターボ SAⅢ

Gグレードにターボエンジンを搭載し、自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」も標準装備した上級ターボ&自動ブレーキ搭載グレード。

Gグレードに追加でインパネセンターシフトが本革巻きタイプとなり、メッキシフトレバー付きとなる。

さらにカメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

Gプライムコレクション SAⅢ

G “SAⅢ”グレードをベースにレザー調シートを採用し、インパネも豪華にした最上級グレード。前期では特別仕様車だったが、後期でカタロググレードに昇格した。

G “SAⅢ”グレードに追加でインテリアがレザー調シート表皮、インパネガーニッシュはブラック、オーディオパネルがファインブラック、センタークラスターがプレミアムシャインブラックに変更。

ただしシフトレバーはウレタンタイプ+メッキシフトレバーボタン付き。

Gプライムコレクションターボ SAⅢ

上記Gプライムコレクション”SAⅢ”にターボエンジンを搭載したグレード。

シフトノブは本革巻きタイプでメッキシフトレバーボタン付き。ドアトリム表皮もブラックで、アームレストはプレミアムシャインブラックとなる。

特別仕様車 VS SAIII

2019年7月に設定された特別仕様車。上級グレードのG SAⅢグレードとそのターボ仕様であるGターボSAⅢをベースとし、快適装備を与えつつお買い得としたモデル。

VS仕様のエクステリアでは特別装備がないが、インテリアでは運転席&助手席シートヒーター、ウレタンステアリングホイールにメッキオーナメントとアクセントカラー(ボディ同色)をプラス。

パノラマモニター対応純正ナビアップグレードパック(G”VSSAⅢ”のみ)も標準装備としつつ、ベースモデルよりも安くなったお買い得な特別仕様車。

VS SAⅢについてはこちらから。

特別仕様車 Xリミテッド SAⅢ

2019年10月設定の特別仕様車。

エントリーグレードのXグレードをベースに「純正ナビ装着用アップグレードパック」や「シートヒーター(運転席&助手席)」を標準装備しつつ、お買い得としたモデル。

エクステリア

フロントデザイン。後期型キャストアクティバの大きな変更ポイントはここ。それまでのフロントグリルのデザインを刷新し、中央に3本の大きなラインが入ったものへと変更された。

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画像参照元:価格.com中古車

それまでは少し控えめというか他のモデル(スタイルスポーツ)に似たデザインのグリルだったが、これを大きく変更しSUVのイメージに合う大型で力強いデザインのものとした。

外装ではこのグリルのみの変更となるがクルマの主要部分である顔つきに関連するパーツのため印象に変化が与えられ見た目的にもSUV感が強くなっている。

ハスラーでいうところの「JスタイルⅡ」などのメッキグリルのイメージだろうか。これ以外はベースモデルと同じでアクティバ専用のバンパーガーニッシュにフォグランプ、X系グレード以外でLEDヘッドランプとなる。

サイド。最低地上高はFFで180mm(4WDは175mm)を確保しムーヴベースでありながら悪路(特に雪国での積雪路面)での走破性を高めている。同じカテゴリーのハスラーもFFが180mmで4WDが175mmとまったく同じ。デザインそのものは前期型と同じだが、

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後期型では新ボディカラーとしてて鮮やかな黄色のレモンスカッシュクリスタルと

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茶系のオフビートカーキの2色を追加。全7色となった。ルーフに適用される「デザインフィルムトップ」の設定を拡大。

ディープブルークリスタルマイカ×ブラック、ブラックマイカ×ホワイト、

レモンスカッシュクリスタル×ブラック、レモンスカッシュクリスタル×ホワイト、

オフビートカーキ×ブラック、オフビートカーキ×ホワイト

を新たに設定して19パターンとした。

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足元はG系グレードが15インチアルミホイール。X系グレードが15インチフルホイールキャップとなる。デザインは前期と同じ。

リア。このあたりは特に変更なし。コンビランプはクリアータイプ。前記同様にバンバー下部のウィンカー&バックランプが専用パーツ。

さらにナンバープレート付近の囲いもアクセント専用品で、もちろんフロントと同じくバンパーガードがリヤにも付いている。

リアにかけてはフロントと同じバンパー下部のリアバンパーガードによりゴツイ感じがしており、軽自動車にしては迫力のあるスタイリングとなっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンは前期と同じKF型3気筒の自然吸気とターボの2種類。

自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kg・m(92N・m)/3200rpmを発生する。

トランスミッションは全グレードでCVTのみとなり駆動方式はFFまたは4WDだ。6代目ムーヴで採用されたD アシスト機能がキャストにも備わり、スイッチ・オンで力強い走りを。オフ時はエコモードで燃費に貢献する。

同じくDサスペンションも採用しフロントにマクファーソン・ストラット式コイルスプリングを。リアには2WDでトーションビーム式式コイルスプリング、4WDでは3リンク式コイルスプリングを採用。

ボディにはDモノコックの採用で安定したハンドリング、ロール減少を実現している。

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ダイハツおなじみとなった自動ブレーキアシスト機能は前期で「スマートアシストⅡ」だったが後期型では「スマートアシストⅢ」にバージョンアップ。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせて衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載した。

この他ヒルホールドシステムをアクティバの全グレードで標準装備とした。これ以外は全グレードでVSCとTRCが付き、横滑り防止機能、ABS、ヒルホールドシステムも備わる。

さらにクロスオーバーSUVということでアクティバにはスタイルやスポーツとは異なり専用のメカニズムが備わる。ひとつ目はDAC(ダウンヒルアシストコントロール)制御。

雪道など滑りやすい路面下でスイッチをONにするとドライバーがブレーキ操作をせずとも低速を維持してくれる機能だ。もうほとうはグリップサポート制御。

これはぬかるみや凹凸の多い路面で片輪のタイヤがスリップした際に、自動でスリップ輪に制動力を。もう片方に駆動力を与えタイヤのスリップを制御しグリップ状態をキープするものだ。

前身のテリオスキッドに比べるとデフロック機能が無くなったため見劣りする感じがするが、ブレーキLSDのような機能でライトな悪路走破性を持っている。

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なお、ハスラーにもダウンヒルアシストコントロール制御とグリップサポート制御機能(さらにもうひとつヒルスタートアシスト)がある。この点はかなり意識しているようだ。

LA250SとLA260Sとの違い

キャストアクティバのL250SとLA260Sとの違いは駆動方式。

LA250はボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのキャストアクティバ。LA260SはLA250をベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのキャストアクティバ。

それぞれにターボ仕様と自然吸気エンジンの2種類があり、駆動方式以外は同じ構成となる。

ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。

パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。

あくまでハスラーのようなクロスオーバーSUVといったところ。

インテリア

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インパネ。後期型ではデザインそのものに変更はないが、追加された新ボディカラーにあわせて内装のインテリアアクセントカラーも2色追加された。こちらはレモンスカッシュクリスタル選択時のインパネ。

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続いてオフビートカーキ。これ以外に後期型ではスピードメーターのデザインを変更。文字盤背景を黒色化。奇数数字の表記をなくし、数字のサイズを拡大したことで、視認性を向上させている。

このほかチルトステアリングが全グレードで標準装備。

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フロントシートはベンチシートタイプ。シートは前期型と同じでブラック系にシルバーのアクセントが入ったフルファブリックシートとなる。運転席シートリフターは全グレードで標準装備。

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後期型で特別仕様車からカタロググレードに昇格した「プライムコレクション」グレードではレザー調専用シートとなっており、ノーマルとは明らかに異なる質感や雰囲気で上級感を演出。

加えてボディカラーにあわせてたインテリアアクセントカラーかブラックを選択可能とした。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

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キャストアクティバの後期型は外装では力強さが増したフロントメッキグリルに魅力的なボディカラーの追加とルーフデザインフィルムの設定拡大。

内装ではインテリアカラーの追加とメーターパネルの刷新など小さな変更だが内外装で魅力をアップさせたマイナーチェンジとなった。

特にフロントグリルに関しては他のスタイルスポーツに似たり寄ったりな部分もあったが今回の変更で専用品が与えられ、かつSUVらしい雰囲気がプラスされているためこの部分だけでもかなり魅力的になっている。

また鮮やかなイエローと落ち着いたオフビートカーキもそれぞれ派手&落ち着いたの両極端なカラーであるが選択肢が増えた点ではこれもポイントが高い。前期型のアクティバで少し躊躇していた雪国ユーザーは素直に買いと考えていいかもしれない。

キャストアクティバの生産終了の理由とタフト移行

そんなキャストアクティバだったが、2020年3月31日にシティモデルの「キャスト・スタイル」だけを残し、キャスト・スポーツと共に生産終了となった。

デビュー当初は良かったものの、モデル後半で販売台数が失速。スズキ・ハスラーほど売れなかった点などが考えられる。

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イメージ的にもキャストアクティバはハスラーほどSUV感が強くなく、テリオスキッドのような無骨なイメージが薄かった。特に同時3モデル展開したことで、個性が薄かったと管理人は思う。

その後はよりSUV感や個性を強くした後継の「ダイハツ・タフト」が登場し、バトンタッチとなった。

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