【4代目 限定・特別仕様】ホンダ アクティトラック スピリットカラースタイル (HA8・HA9型) | シン・軽自動車マニア

【4代目 限定・特別仕様】ホンダ アクティトラック スピリットカラースタイル (HA8・HA9型)

アクティトラック

アクティトラックはホンダの軽トラック型軽自動車。本稿では4代目のHA8およびHA9型に設定された特別仕様車、「スピリットカラースタイル」を扱う。

出典:ホンダ認定中古車

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4代目 ホンダ・アクティトラックとは?

2009年12月にフルモデルチェンジし4代目となったアクティトラック

見た目が旧規格時代の2代目っぽくなった以外におおきな特徴は2代先祖返りのフルキャブオーバータイプになったことだ。

先代の3代目では後輪タイヤの前にエンジンがある「アンダーフロア式MR」であったがホイールベースが長かったため旋回性が悪く、また運転席の足元も右寄りになっていて不評だった。

さらに軽トラで一番使う荷台も狭く短くなっていたのでこちらも不評の原因だった。4代目ではこれを改善しかつ居住空間の拡大、防錆性能の強化、衝突安全性能のアップなどがはかられている。

4代目のパッケージングはフロントピラーを前方に大きく移動し室内空間を大幅拡大。さらにホイールベースは先代より520mm短くし、かつホイールハウスをシート下に配置することで足元空間を拡大。ペダル操作をしやすいようにした。

また、キャビンが大型化され、ガラスエリアも広がったことから開放感と視認性の良い運転席を実現した。

インテリアではメーターの文字盤を大型化。各種スイッチを大きくすることで操作性を向上。さらにセンターコンソールリアトレイなどの収納スペースを増やして使いやさも向上している。

走破性では最低地上高を185mm確保。ホイールベースを短くすることで小回りもよくなった。これにより最小回転半径は3.6mとクラストップレベルを実現。

エンジンはE07Z型エンジンをミッドシップエンジン・リアドライブに配置するアクティトラックでお馴染みのMR方式を採用。スバル製サンバー(TT1およびTT2)のように空荷時でも優れたトラクション性能を実現した。

さらにATTACK仕様の4WD仕様にはウルトラローおよびウルトラリバースギアを設定。他社でいうところのスズキやダイハツの副変速機、6代目サンバーのエクストラローギアに相当するもので、ぬかるみや急勾配、大量の積載時に走破性を高くした。

出典:ホンダ認定中古車

防錆措置として4代目アクティトラックではフロント部位、ドアパネルなどへサビに強い亜鉛メッキ鋼板の適用範囲を拡大した。

さらに主要なつなぎ目に防錆ワックスを塗布するなど、防錆性能を格段に向上。防錆保証期間についても、全タイプを対象にボディ外板表面サビ保証を先代の1年に対し3年。

ボディ外板穴あきサビ保証を先代の3年に対し5年としており、軽トラックとしては当時最長の防錆保証期間を設定した。

安全面ではフロント部、サイドフレームの断面に衝突時の衝撃を効率的に吸収する多角形状を採用。さらにドアビームを通常の側面衝突に加え、正面からの衝突時に受ける衝撃も吸収する構造とするなど、衝突安全技術を進化。

運転席用i-SRSエアバッグシステムもアクティトラック用に「うず巻き状の縫製」と「排気制御弁」を設定し迅速かつ低衝撃な展開で乗員を保護するようにした。

使い勝手も向上させ、リア部には軽トラ唯一の牽引フックを標準装備。リアゲートには耕うん機などの積載時に使用するみち板をセットしやすい溝を設置。荷台作業灯はグレード別に標準装備とした。

さらに最上級のタウン仕様では

  • 電波式キーレスエントリーシステム
  • パワーウインドウ
  • パワードアロック
  • AM&FMチューナー付CDプレーヤー

を採用するなど、装備の充実化も図ったフルモデルチェンジであった。

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4代目アクティトラック・メカニズムの特徴と他の軽トラとの違い

4代目アクティトラックは外観以外にエンジンの搭載位置などメカニズム面で大きな違いがある。

スズキのキャリイトラック、ダイハツのハイゼットトラックはエンジンを運転席下に配置し後輪または全輪を駆動するFRに対し、ホンダのアクティトラックはエンジンをボディ後方に配置し、後輪または全輪を駆動するMR方式を採用。重量配分はフロント60:リア40。

キャリイトラックやハイゼットトラックはエンジンがボディ前方にあるせいで荷台が空の状態ではぬかるみや雪道などの悪路でタイヤにトラクションが悪くなる場合がある。

一方でエンジンをボディ後方に配置し、タイヤに適度に重しがかかるMR方式のアクティトラックではぬかるみや雪道でもトラクションのかかりが良く、走破性が高くなっている。

このためスバル製サンバーほどではないがアクティトラックを愛するアクティトラック愛好家もおり、そのMR方式から時には「農道のポルシェ」に対抗して「農道のNSX」と呼ばれることもあった。

なお、スバル製サンバーも(6代目のTT1やTT2)アクティトラックのMRよりもさらに後方にエンジンを配置するRR方式で、よりトラクションのかかりが良くなっている。

出典:ホンダ認定中古車

また、MT仕様でを選択時は他社にはないMTのリングを上に上げてウルトラローおよびウルトラリバースギアに入れるシステムを採用。

ちょうどインプレッサのSTI6速マニュアルに採用されるような機構で、他社にはないマニアックなトラクションとなる。

アクティトラック特別仕様「スピリットカラースタイル」とは?タウンとの違いなど

その4代目アクティトラックに2018年11月。アクティトラックの原点であるT360の誕生55周年を記念する特別仕様車を設定した。

それがこの「スピリットカラースタイル」である。

スピリットカラースタイルは上級グレードの「TOWN」をベースに、個性的なツートンカラー(全2種類)を施した特別仕様車となる。(内装はベースモデルと同じ)ひとつはT360をイメージした「ベイブルー×ホワイト」の組み合わせ。カラーリングによって特別装備が若干異なる。

両モデル共通の特別装備としては

  • Hondaロゴサイドステッカー
  • ホワイト塗装ドアミラー
  • ブラック塗装アウタードアハンドル
  • センターホイールキャップ

を。

「ベイブルー×ホワイト」仕様ではメッキモール付ホワイト塗装フロントグリル、シルバー塗装スチールホイールを。

もうひとつは耕運機や除雪機、発電機をイメージした「フレームレッド×ブラック」。

こちらでは足ものホイールがブラック塗装スチールホイール+ホイールナット(ブラック)となり、フロントグリルはボディ同色のメッキグリルとなる。

スピリットカラースタイルは外装に特別感を演出した専用ボディカラーを採用し、個性的かつスタイリッシュに仕立てた軽トラの特別仕様車となっている。

スピリットカラースタイルのエクステリア(外装)

出典:ホンダ認定中古車

フロントデザイン。スピリットカラースタイル仕様としてボディカラーはレッドもしくはベイブルーの2色となる。

特にレッドはノーマルには設定のない鮮やかな赤色で、サンバートラックWRブルーリミテッド並みにかなり派手なカラーリングとなっている。これはかなり目立つ。

出典:ホンダ認定中古車

ベイブルー選択時はスピリットカラースタイル仕様としてフロントグリルがホワイト塗装されたメッキグリルになる。レッドのときはノーマルと同じメッキグリル。

出典:ホンダ認定中古車

ヘッドライトはハロゲン&マルチリフレクター。

出典:ホンダ認定中古車

サイド。こちらかみると特別仕様車であることが一目瞭然の外観となる。ドアミラーはスピリットカラースタイル仕様としてホワイト塗装。ドアハンドルがブラック塗装。

レッド系では2トーンのブラック色がルーフと荷台のアオリ部分に塗り分けられかなり個性的かつスタイリッシュな仕様となる。

出典:ホンダ認定中古車

ベイブルーでも同様にホワイト色がルーフ部分と荷台のアオリで塗り分けとなる。

出典:ホンダ認定中古車

加えてスピリットカラースタイルではリアタイヤ真上のアオリ部分に「HONDA」ステッカーが付く。

出典:ホンダ認定中古車

足元は「フレームレッド×ブラック」のみスピリットカラースタイル仕様としてブラック塗装した12インチスチールホイールにブラック塗装のホイールナットが付く。

出典:ホンダ認定中古車

ベイブルーの方はノーマルと同じスチールホイールで両方ともセンターキャップ付き。

出典:ホンダ認定中古車

リア。こちらも後部アオリが塗り分けられ軽トラとしはかなり個性的な外観となっている。なお、特別仕様車を示すエンブレム類は非装備。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはE07Z型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。

最高出力45PS(33kW)/5,500rpm、最大トルクは6.0kgf·m(59N·m)/5,000rpm。トランスミッションは5MTもしくは3ATの2種類。駆動方式はMRまたは4WDの2種類だが、4WDは5MTのみの設定となる。

自動ブレーキ等の先進装備ベースが2009年登場でかつ改良が施されていため一切なし。EBD付ABSは標準装備となる。

スピリットカラースタイルのインテリア(内装)

出典:ホンダ認定中古車

インパネ。ベースは上級のTOWNグレード。スピリットカラースタイル仕様としては内装の使い装備はなく、ベースモデルとまったく同じ仕様となる。

ただし上級グレードベースのため軽トラであるものの装備は良い。

出典:ホンダ認定中古車

ステアリングはウレタンステアリングホイール。

出典:ホンダ認定中古車

エアコンはマニュアル式エアコン。

出典:ホンダ認定中古車

オーディオコンソールまわり。

出典:ホンダ認定中古車

スピードメーター。文字盤が大きくみやすいタイプ。先代からこの点は改良されている。

出典:ホンダ認定中古車

フロントシート。

出典:ホンダ認定中古車

TOWNがベースのためパワーウィンドウ&電動格納式リモコンドアミラーを標準装備。

出典:ホンダ認定中古車

5MTのシフトノブ。TOWNグレードのためATACKにあったウルトラリバースやウルトラローのギアはなし。

アクティトラック スピリットカラースタイルの評価

HA8_spirit (1)

出典:ホンダ認定中古車

4代目アクティトラックに設定された特別仕様車、スピリットカラースタイルはエクステリアに個性的なレッド&ブラックの2トーンもしくはベイブルー&ホワイトの2トーンでスタイリッシュに仕立てた特別仕様車である。

軽トラというとホワイトかシルバーが基本で、最近だとブラックや農業女子向けにピンクなども選択可能になっているが、基本は無難な商用車というイメージが強い。そこに鮮やかでド派手な赤黒もしくはスタイリッシュな青白のツートンカラーを設定しボディカラーを個性的にしたモデルである。特に赤黒ツートンはかなり目立つ外観で、軽トラではとてもめずらしいボディカラーであった。

過去にスバルがサンバー生誕を記念する「サンバーWRブルーリミテッド」を販売していたが、スピリットカラースタイルはそれに匹敵するぐらいの個性的なボディカラーとなっており、かなり希少な存在といえよう。

【限定・特別・スバルブルー仕様】スバル サンバートラック WRブルーリミテッド(6代目 TT1/TT2型)

スピリットカラースタイルは当時各色年間500台の限定生産となっており、実際はそれ以下の受注&生産台数であった。

アクティトラックが2021年6月に生産終了し、希少モデルとなる中さらに希少なスピリットカラースタイルは中古市場ではサンバーWRブルーリミテッドに相当するほどの高値で取引されるケースが多く、プレミアムが付いた超絶希少車となっている。

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