【3代目・前期型】ホンダ アクティトラック(HA6/HA7型) | シン・軽自動車マニア

【3代目・前期型】ホンダ アクティトラック(HA6/HA7型)

アクティトラック

アクティトラックはホンダのトラック型軽自動車。本稿では3代目HA6およびHA7のデビュー当初(1999年5月)~2000年11月までを前期型とし、これを扱う。

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3代目 ホンダ・アクティトラックとは?

1999年5月にフルモデルチェンジし、3代目となったホンダのアクティトラック

ホンダの軽トラは歴代、MRレイアウトを採用するのが大きな特徴で、スバルのサンバー(※ダイハツ製を除く)に匹敵する独特のメカニズムを持つ軽トラックである。

初代は1977年に登場し、2代目は1988年にフルモデルチェンジ。それからおよそ11年ぶりのフルモデルチェンジとなった。

一般的にミラやムーヴ、タントといった乗用モデルとは異なり軽トラや軽ワンボックスなど商用車はフルモデルチェンジまでのスパンが長く、これはスズキ、ダイハツなどの競合車種(キャリィトラックハイゼットトラック)等でも同様である。

主に仕事で使う車なので地味に長期にわたって売れるのだが、爆発的な販売台数は乗用モデルほどのぞめず、フルモデルチェンジの際の開発コスト回収に時間がかかるためである。

なお、一部例外としてスズキのジムニーは乗用モデルであるがその高い趣味性のため商用モデルと同じようなモデルサイクルとなっている。

3代目のアクティトラックでは歴代のMRレイアウトを採用するとともに、ホイールベースを拡大。ボディを完全新設計し(衝突に対応させ)それまでの2代目とは異なるセミキャブオーバー型のボディとなった。

衝突安全性では前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/hという 世界最高水準の衝突安全性を実現。これと同時に歩行者傷害軽減ボディも同時に実現している。

また、軽トラックとしてはいちはやくマルチリフレクターヘッドライトを全グレード標準採用(当時の軽トラとしてはアクティトラックが初)。夜間の視認性向上だけでなく、昼間の見た目もアップさせ、新規格にふさわしい順当なレベルアップをみせた。

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エクステリア(外装)

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フロントデザイン。先代では台形基調のヘッドライトだったが、3代目ではこれを縦方向に大きくしオーソドックス感を強めた。

加えて軽自動車では初となるマルチリフレクターヘッドライトの採用で見た目が抜群によくなった(3代目アクティトラックでは全グレードでマルチリフレクターヘッドライトを標準採用)。

一方でバンパーは従来通り無着色タイプ(※ただしタウングレードを除く)でこの点は先代の面影が残る部分だ。

なお、この無着色バンパーは2000年12月マイナーチェンジでドアミラーと共にボディと同色のカラータイプとなり外観が向上した。

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エンジンはボンネット内に無くボディ中央に配置される。変わってボンネット内にはバッテリー等が格納される。

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サイド。3代目アクティトラックではミッドシップレイアウトを採用するものの前輪を可能な限り前方に置いたセミキャブオーバー型となった。

スズキのキャリィトラックやダイハツのハイゼットトラックはフロントシート直下にエンジンを配置するため前方の荷重が重くなり、特に空荷に近い状態では後輪の空転が発生しやすいが、ホンダはこれをエンジンを前後のタイヤからほぼ中央に配置することで解決している。

また、ボディ自体も衝突安全性に対応するためボンネットが少し出たデザインとなっている。一方で居住空間は狭くなってしまい加えて荷台長も狭くなるなど、衝突安全性を高めた分(軽自動車という限られた全長の中で)利便性が失われてしまった。

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リア。あおり右側にホンダマークとアクティデカールが貼られている。

エンジン・機能装備など

エンジンはE07Z型、直列3気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。

最大出力は46PS/5500rpm、最高トルクは6kg/5000rpmを発生。

先代と比較して全グレードでPGM-FIが搭載され出力向上と低燃費化がなされた。トランスミッションは5MTまたは3ATで、駆動方式はMRまたはリアルタイム4WDとなる。

ただし、4WD仕様車はこの時点では5MT仕様のみとなり、3AT車はMRのみの組み合わせとなっていた。

さらに農業用を目的としたグレード「ATTACK」ではエクストラローとエクストラリバース、デフロックが搭載され悪路での走破性が高められている。

インテリア(内装)

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インパネ。タウングレードではセンタークラスターがメタリック塗装となり、上級感がアップする。

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スピードメーター。タコメーター無しのシンプルタイプ。

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ATTACKグレード以外の5MT。

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3ATのシフトノブ。

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ATTACKグレードのウルトラローとウルトラリバース付き5MT。真ん中のリング上の突起物を持ち上げることでウルトラローまたはウルトラリバースに切り替えれる仕組みだ。

なお、このシフトノブは4代目アクティトラックでも引き続き採用されいている。

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デフロックはインパネのスイッチで切り替える。

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シート。

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助手席側はこのように折りたたみ可能だ。

3代目・前期アクティトラックのまとめ

3代目アクティトラックの前期型はマルチリフレクターヘッドライトに衝突安全ボディ。MRの駆動方式など新世代に相応しいフルモデルチェンジとなっている。

その一方で室内が狭くなったり荷台も狭いなど犠牲になった部分も多く、当時の新車価格も他社より高かったことから当初の予定より販売台数が伸び悩んだモデルである。

後のマイナーチェンジ(2000年12)で荷台長を拡大する改良が行われるがさらに車内が狭くなり大柄な人には不評の要因となっていた。

中古市場では10年以上経過していることもありお手頃な価格となっている。上述の通り室内が狭いため大柄な人には不向きだがこの点が問題ないのであれば検討する価値はあるかも。見た目も無着色バンパーで露骨な感じがするが、2000年12月以降ではこれがカラー化されるため、好き好きに応じて選ぶと良いだろう。

なお、3代目で不評だった狭い室内空間は4代目アクティトラックで改善され、かつ前輪タイヤもキャビンしたに移動するなど2代目に原点回帰した。大柄な人には4代目アクティトラックがオススメである。

2025年ルール適用で2024年から3代目アクティトラック(HA6/HA7)がアメリカ輸出可能に

3代目アクティトラックは2024年に製造から25年が経過し、アメリカ25年ルールが適用され初期モデルが輸出可能となる。

近年アメリカでは日本の中古軽トラックが大人気で、農場や牧場の敷地内移動車として高い人気がある。

それまで農場や牧場を移動する車といえば、屋根が付いてない小型のバギーカーやゴルフカート、もしくは大型のピックアップトラックがメインで、前者は雨風をしのげず、後者は小回りが不得意で燃費も悪いなど決して敷地内移動車として優れたものではなかった。

そこに登場した日本の軽トラックは、小回りが聞いて雨風がしのげるのはもちろん、4WDモデルであればバギーカーのように悪路走破性も高く、荷台には十分な荷物の載せられてと使い勝手は抜群。燃費もピックアップよりは全然良いため、その可愛らしさも相まって人気が高まっている。

アクティトラックはスバルのサンバーと同じく独自のメカニズム(MRレイアウト)を採用する個性的なモデルで、それまで輸出された旧規格の軽トラックよりもサイズが若干拡大し、キャビンも少し広くなっている。

新規格の軽トラが輸出可能となれば今まで以上にアメリカで人気が出る可能性が高い。

そしてこれまで日本では25年経過した軽トラックは廃車か部品取りの価値しかなかったが、アメリカ需要により中古車として買い取られる可能性も十分あり、売る場合も二束三文とはならなくなる。

今までのように安値で買い叩く買取業者には十分注意したい。

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