【3代目・後期型】ホンダ アクティトラック(HA6/HA7型)

アクティトラック

アクティトラックはホンダのトラック型軽自動車。本稿では3代目HA6およびHA7の2000年12月マイナーチェンジ~2009年10月までを後期型とし、これを扱う。

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画像参照元:ホンダ認定中古車

概要

1999年5月にフルモデルチェンジし、3代目となったホンダのアクティトラック

ホンダの軽トラは歴代、MRレイアウトを採用するのが大きな特徴で、スバルのサンバー(※ダイハツ製を除く)に匹敵する独特のメカニズムを持つ軽トラックである。

初代は1977年に登場し、2代目は1988年にフルモデルチェンジ。それからおよそ11年ぶりのフルモデルチェンジとなった。

一般的にミラやムーヴ、タントといった乗用モデルとは異なり軽トラや軽ワンボックスなど商用車はフルモデルチェンジまでのスパンが長く、これはスズキ、ダイハツなどの競合車種(キャリィトラックハイゼットトラック)等でも同様である。

主に仕事で使う車なので地味に長期にわたって売れるのだが、爆発的な販売台数は乗用モデルほどのぞめず、フルモデルチェンジの際の開発コスト回収に時間がかかるためである。

なお、一部例外としてスズキのジムニーは乗用モデルであるがその高い趣味性のため商用モデルと同じようなモデルサイクルとなっている。

3代目のアクティトラックでは歴代のMRレイアウトを採用するとともに、ホイールベースを拡大。ボディを完全新設計し(衝突に対応させ)それまでの2代目とは異なるセミキャブオーバー型のボディとなった。

衝突安全性では前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/hという 世界最高水準の衝突安全性を実現。これと同時に歩行者傷害軽減ボディも同時に実現している。

また、軽トラックとしてはいちはやくマルチリフレクターヘッドライトを全グレード標準採用(当時の軽トラとしてはアクティトラックが初)。夜間の視認性向上だけでなく、昼間の見た目もアップさせ、新規格にふさわしい順当なレベルアップをみせた。

後期型・3代目アクティトラックの改良点と前期との違い

その3代目アクティトラックは2000年12月にフロントバンパーとフロントグリルの少変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。

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後期型では前述のとおりバンパーとグリルデザインが刷新されたほか、不評だった荷台長を70mm拡大(1870mm→1940mmに変更)し、鳥居形状の変更とロープフックの追加。

最上級グレードのTOWNではフロントグリルにメッキパーツが加えられフルホイールキャップのホワイト化とファブリックシート表皮が新しくなるなど前期型よりもアップグレードがなされている。

3代目後期・アクティトラック グレードの違い

3代目・後期アクティトラックのグレード構成は「ATTACK-N」、「ATTACK」、「STD」、「SDX-N」、「SDX」、「TOWN」の7種類。3代目アクティトラックのキーレスエントリーや電動格納ミラーは全グレード非設定。

STDグレード

3代目アクティトラックの最廉価、エントリーグレード。2WDの5MTのみという硬派な仕様で、装備も簡略化され最低限のグレード。

快適装備は電動パワーステアリングが非設定(重ステ仕様)。エアコンも非設定で、荷台の作業灯や、キーレス、AMラジオすら付いてないオーディオレス仕様。シート表皮はグレー色のポリ塩化ビニールシート生地。

安全装備は運転者エアバッグ、3点式ロードリミッタ-付プリテンショナーELRシートベルト、ミスト機構付間欠フロントワイパーを標準装備する。

ATTACK(アタック)グレード

3代目アクティトラックの農家向け農繁仕様車。農作業者を対象に悪路での走破性を高め、装備もSTDよりも若干豪華になる。

MT&4WD仕様のみの設定だが、アクティトラックの中で唯一、「ウルトラロー/ウルトラリバース・ギア付5速マニュアル」とリアデフロックを装備し、農道などの悪路でも走行性能を高めたグレード。

快適装備としてアタックでは電動パワーステアリングを標準装備。助手席エアバッグをオプション設定。エアコンもオプション設定。AMラジオ+1スピーカーは標準装備で、ABSは非設定。

シート表皮はグレー色のPVCレザー生地。ドアミラーも非塗装&樹脂タイプなど見た目も簡素。

ボディカラーはタフタホワイトとベイブルーの2色。荷台作業等、マッドガード、スタンダード鳥居は標準装備。

ATTACK-N(アタック-N)グレード

3代目アクティトラックの農繁仕様アタックの廉価版。

Nが付くグレードは電動パワーステアリングが非装備の重ステグレード。このほか快適装備もはエアコンがオプション設定。AMラジオのみ、ABSは非設定。手動ミラー(非塗装&樹脂タイプ)など重ステ以外はアタックと同じ仕様。

SDXグレード

3代目アクティトラックのスタンダードグレード。SDXではアタックで非設定の3ATが設定され、装備もさらに豪華になる。

快適装備は助手席エアバッグをオプション設定。EBD付きABSがSDXグレードからオプションで選択可能。これ以外はアタックと同じ。

SDX-Nグレード

3代目アクティトラックのスタンダードグレード(STD)の廉価版。SDXをベースに重ステ仕様とすることで新車価格を抑えた。AT仕様で安く買いたい場合の廉価グレードでもあった。

TOWNグレード

3代目アクティトラックの最上級グレード。内外装が一番豪華となるが、新車価格が一番高かかった。SDX同様にATを設定する。

外装ではタウングレードのみのフロントメッキグリルに2003年4月改良でタウングードのドアミラーとアウタードアハンドルをボディ同色化。ホイールキャップも標準装備となる。

内装ではセンタークラスターがメタリック塗装となり、AM/FMカセットステレオ(時計機能付)+2スピーカーも標準装備。エアコンはオプション設定。シート表皮もクォーツグレーのファブリックシートを採用し、上級感がある。

エクステリア(外装)

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フロントデザイン。後期型ではフロントグリルとバンパーのデザインが刷新された。前期ではフロントグリルのセンターラインは2本だったが後期ではこれをセンター1本のシンプルなものへ。バンパーも開口部はほぼ同じだが下部の形状が変更されスタイリッシュ感がアップした。

さらに最上級グレードのTOWNでは新たにメッキグリルが標準装備となり、最上級に相応しい外観となっている。

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それ以外のグレードではメッキグリル無しのシンプルな外観。アクティトラック伝統のベイブルー色も健在だ。2001年2月マイナーチェンジではTOWNグレード以外では無着色だったバンパーも全グレードカラー化された。

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サイドから。上述の通り後期型では荷台長が70mm拡大(1870mm→1940mmに変更)。その一方でバンパーやキャビン、フロントグリルを削ってこのサイズを確保したため、室内空間が前期型よりも狭くなった。

大柄な人は特に要注意である。サスペンションもセッティングが変更され、積載時でも前後バランスのよい荷重となった。

この他ドアミラーとドアハンドルはTOWNグレードにて2003年4月マイナーチェンジでボディ色にカラー化された。

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最上級グレードのTOWNグレードでは新たにホワイトカラーのフルホイールキャップが標準装備となった。

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それ以外のグレードでは従来通りのスチールホイール。タイヤサイズが145R12-8PR LTから145R12-6PR LTに少変更された(※従来品も使用可能)。

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リア。このあたりは同じで特に変更点は無い。

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エンジンはセンター付近に配置されるため、アクティトラックではこのように荷台の真ん中付近にアクセスパネルが設けられている。エンジンが運転席下に配置されるスズキのキャリィトラックやダイハツのハイゼットトラックよりもメンテナンス性は高い。

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ボンネット内には当然ながらエンジンは無く、変わってバッテリー等が格納される。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはE07Z型、直列3気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。

最大出力は46PS/5500rpm、最高トルクは6kg/5000rpmを発生。

先代と比較して全グレードでPGM-FIが搭載され出力向上と低燃費化がなされた。トランスミッションは5MTまたは3ATで、駆動方式はMRまたはリアルタイム4WDとなる。

ただし、4WD仕様車は後期型マイナーチェンジ時でも前期と同じく5MT仕様のみで、3AT車はMRのみの組み合わせとなっていた。

さらに農業用を目的としたグレード「ATTACK」ではエクストラローとエクストラリバース、デフロックが搭載され悪路での走破性が高められている。

なお、2001年マイナーチェンジではパワーステアリングを非装備とし価格を抑えた最廉価グレードの「SDX-N」とそのアタック仕様「アタック-N」が追加された。

安全装備として運転席エアバッグを全グレード標準装備。助手席エアバッグとEBD付きABSはSDXグレード以上にオプション設定。

アクティトラック HA6とHA7型との違い

HA6型とHA7型との違いは駆動方式。HA6は2WDでMRのみの3代目アクティトラック。HA7型はHA6型をベースに全輪を駆動する4WDのアクティトラック。

アクティトラックの4WDはスズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットトラックとは異なり普段はMRで駆動し、前輪が滑ると自動的に4WDに移行する「リアルタイム4WD(フルタイム4WD)」を採用している。

そのためパートタイム式のように運転者が任意に4WDを切り替える必要が無く、駐車場や交差点の曲がり角で発生しやすい「タイトコーナブレーキング現象」の心配もほとんどないため扱いやすい。

3代目アクティトラック(HA6/HA7)の持病 ヘッドガスケット抜け

アクティトラックはエンジンを車体中央部に横向き(傾斜)状態で設置されいている(※4WDの4ATを除く)。通常は地面に垂直に設置するのが一般常識だが、アクティバンと同じく床下配置でかつ低い荷台フロアを実現するためエンジンの全高が高くなる垂直置きではなく、横向きで設置したものと思われる。

このためガスケットが地面に対して横を向いているのだが、これがエンジンのオーバーヒートを招きやすくなっている。特に乗用モデルのE07AZ型エンジンでこの症状が起きやすい(※同じ形のアクティバンやトラックのE07Z型ではあまり不具合の例が少ない)。

理由はオイル管理が不十分だったり、構造的に熱がこもりやすかったり、高負荷運転(高回転多用)が多いなどが考えられる。

オーバーヒートだけで終われば良いのだが、高い確率でヘッドガスケット抜けを起こし、冷却水の水漏れの発生を招いてしまう。E07Z型エンジンを搭載するバモスはこれが持病と呼ばれ、この状態では修理必須で注意が必要だ。

アクティトラックの場合はバモスに比べて故障事例が少ないほうだが、少々整備性が悪く工賃が高くなる傾向にある(10万後半~20万円程度)。その発生走行距離は10万キロ前後が多いため、特に過走行車を買う場合は「交換済み」かなど充分注意されたい。

インテリア(内装)

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インパネ。このあたりは特に変更点は無い。TOWNグレードではセンターパネルがメタリック塗装でカラー化される。

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スピードメーターも同じ。

エアコンはマニュアル式エアコン。全グレードオプション扱いだったため、まれに中古車で付いていない場合もある。

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シート。最上級グレードのTOWNではファブリックシートとなり、このシート表皮が刷新された。

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それ以外ではアクティバンと同じ非ファブリックシート(ポリ塩化ビニールシート)となる。

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助手席側はこのように折りたたみ可能だ。

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ATのシフトノブ。

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5MTのシフトノブ。

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ATTACKグレードのウルトラローとウルトラリバース付き5MT。真ん中のリング上の突起物を持ち上げることでウルトラローまたはウルトラリバースに切り替えれる仕組みだ。

なお、このシフトノブは4代目アクティトラックでも引き続き採用されいている。デフロックのON-OFFはインパネのスイッチで操作する。

3代目後期アクティトラックのまとめ

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3代目アクティトラックの後期型はリフレッシュされたフロントデザインに拡大された荷台。最上級グレードのTOWNではメッキグリルやホワイトホイールキャップなど前期よりも魅力アップした点がポイントだ。

一方でもともと狭かった室内空間が荷台の拡大に伴いさらに狭くなってしまったため大柄なひとはもちろん、そうでない人でも窮屈さを感じる部分となってしまった。

軽トラで長距離は乗らないと思うが、狭い運転席は快適性を損ねる部分のため購入の際にはよく試乗して許容できるか否かを判断して欲しい。

それ以外ではMRレイアウトからくる独特のメカニズムなどスズキやダイハツにはない個性を持っているため普通じゃない軽トラが欲しい人にはオススメかもしれない。

なお、このあとの4代目アクティトラックではMRレイアウトを継承しつつもボディタイプは2代目のフルキャブオーバータイプに先祖返りし、前方に配置されたタイヤは旧来の運転席下へと変更。

最小半径も3.6mに縮小されるなどより個性が強くなっている。室内空間も改善し、快適性も向上したためMR方式の軽トラが欲しい人は4代目もチェックしてみてほしい。

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