【前期型 特別仕様】ホンダ ザッツ アイテム/アイテムターボ(JD1/JD2型) | シン・軽自動車マニア

【前期型 特別仕様】ホンダ ザッツ アイテム/アイテムターボ(JD1/JD2型)

ザッツ

ザッツはホンダのワゴン型軽自動車。本稿では前期型に設定された特別仕様車、「アイテム」と「アイテムターボ」を扱う。

画像参照元:Goo-net

概要

2002年2月にデビューしたホンダのザッツ。車名は英語の「That’s (That is)」に由来し、思わず「あれ」と言ってしまうような親しみの持てる車になるようにと命名された。

開発コンセプトは「さりげなく使える日常的な身の回りのモノ」。親しみやすくオーソドックスなスタイリングや顔つきに適度に広い室内空間、豊富な14色のボディカラーなどそれまでのトゥディに代わるモデルとなっていた。

それまでのホンダの軽自動車は、背の高いワゴン系の「ライフ」か、ワンボックスの「バモス(商用モデルはアクティバン)」、セダンタイプは「トゥデイ」があったが、トゥデイは既に生産が終了していたこともあり、ライフのような室内空間でありながらセダンタイプのような、トゥデイのようなポジションの軽自動車として誕生した。

安全性能は当時の新・衝突安全ボディを採用し、面フルラップ55km/h、前面オフセット64km/h、側面55km/h、後面50km/hの衝突に対応。高張力鋼板の採用やフロントピラーとセンターピラーの大型化など盛り込んだ。

エンジンは3代目ライフやバモスなどでお馴染みのE07Z型SOHC自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。トランスミッションは全グレードで3ATのみを設定し、低価格と扱いやすさを重視した構成だった。

前期型ザッツ(JD1/JD2)アイテム/アイテムターボの特徴と違い

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そのザッツに2002年10月。プライバシーガラスやボディカラー同色電動格納式リモコンドアミラーなどの快適装備を付けながらもベースモデルよりも安くした特別仕様車が設定された。それがこの「アイテム」およびターボ仕様の「アイテムターボ」である。

ザッツの「アイテム」および「アイテムターボ」では価格を抑えるため本来オプション設定となっていたリアドア/リアクォーター/テールゲートのプライバシーガラス、ボディ同色電動格納式リモコンドアミラーを標準装備。インテリアには運転席側バニティミラー付サンバイザーを標準装備とした。

加えてメーカーオプションの、「Sパッケージ」、「ポップカラー・Sパッケージ」を専用設定。専用ボディカラーとして赤系の「ミラノレッド」を追加設定。

※「Sパッケージ」はボディ同色サイドシルガーニッシュ、13インチアルミホイールのセットオプション
※「ポップカラー・Sパッケージ」は専用色フロント/リアバンパー、専用色サイドシルガーニッシュ、専用色ドアハンドル/テールゲートアウターハンドル、専用色ザッツデカール、13インチアルミホイールがセットオプション

この追加装備でベースモデルよりも6万円ほど安く設定したお買い得な特別仕様車となっていた。

エクステリア

フロントデザイン。ザッツのヘッドライトはグリルと水平基調のベーシックな顔が特徴だ。また、前期型では右側にエアインテークダクトが設けられ、ベーシックな外観にワンポイントのアクセントを与えている。

サイド。アイテム仕様としては本来オプション設定となっていたリアドアとリアクォーターガラスをプライバシーガラス仕様に変更。ドアミラーもボディ同色タイプとなる。

アイテムではセットオプション選択時のみ、ボディ下部に「サイドシルガーニッシュ」が標準装備となる。さらに「ポップカラー・Sパッケージ」ではこのサイドシルガーニッシュとドアハンドルが専用色となる。

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足元は12インチのフルホイールキャップ。

セットオプションの「Sパッケージ」や「ポップカラー・Sパッケージ」選択時のみ13インチアルミホイールが標準装備となる。

リア。アイテム仕様としてテールゲートがプライバシーガラスとなる。これ以外はベースと同じだが、「ポップカラー・Sパッケージ」選択時は専用色ザッツデカールがプラスされる。

エンジン・機能

エンジンはE07Z型3気筒SOHC自然吸気エンジンとターボ仕様の2種類。グレード名は自然吸気エンジンが「アイテム」、ターボ仕様が「アイテムターボ」となる。自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/7200rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4500rpm。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.5kg・m(93N・m)/4000rpm。

トランスミッションは3ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。前期ではターボモデルの設定があったが、後継モデルの「ゼスト」の登場によりグレード整理となった。

なお、ABSは自然吸気エンジンのアイテムがオプション設定。ターボ仕様では標準装備となり、これ以外に大型フットレスト、ベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント)、エキパイフィニッシャー、13インチタイヤにフルホイールキャップが標準装備となっていた。

ザッツJD1型とJD2型の違い

ザッツのJF1型とJD2型の違いは駆動方式にある。JD1型は前輪駆動のFFモデル、JD2型はFFベースの四輪駆動(4WD)となる。

ただし4WDは日常生活に便利なビスカスカップリングを用いたスタンバイ式のフルタイム4WD方式。普段はFFで駆動し、前輪と後輪の駆動差が生じたときのみビスカスカップリングが作用して4WDとなる。そのためジムニーなどの本価格クロカンとは構造が異なる。

なお、ビスカスカップリングは消耗品で特にスズキの初代アルトラパン、Kei、MC系ワゴンRなどの4WDでは過走行となると高確率で鳴きが発生し要交換となっている。ホンダのザッツではあまり事例を効かないが、念の為ザッツの4WDを購入する場合は必ず試走してカーブや旋回時に鳴きが無いかなど確認することをオススメする。

インテリア

インパネ。このあたりはベースモデルと同じ。ステアリングはウレタンステアリングホイールで、シフトレバーはコラムシフトタイプ、エアコンはマニュアルエアコン。アイテムの特別装備として、運転席バニティミラー付きサンバイザーが標準装備となる。

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スピードメーター。自然吸気エンジンでもタコメーター付き。水温計はコールドまたはホットのみを示す簡易タイプとなる。

インパネ部右端、電動格納式リモコンドアミラーのスイッチの隣にパワーウィンドウのスイッチが配置される。

後期型ではヘッドライトにマニュアルレベリング機構がプラスされた。

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フロントシートはセパレートタイプ。これはベースモデルと同じ。

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リアシートもベースモデルと同じ。

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ラゲッジルーム。最近の軽自動車と比べるとラゲッジスペースは広めに取られている。

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リアシートを倒した状態。かなり荷室は広い。

まとめ

ザッツの特別仕様車、アイテムおよびアイテムターボは本来オプション設定だったプライバシーガラスやボディ同色電動格納式リモコンドアミラー、バニティミラー付きサンバイザーなどを標準装備としつつ、6万円も値下げした特別仕様車となっていた。

当時価格を抑えるためザッツの快適装備はオプション設定で別売だったのだが、このうちプライバシーガラスだけでも2,5000円もしていたので、これが標準装備となりつつ6万円も値下げした「アイテム」と「アイテムターボ」かなりお買い得なモデルであった。

この値下げによりFFの新車価格はベースモデルの約103万円から約97万円にプライスダウン。なんと100万以下で買える特別仕様車となった。また、アイテム専用のボディカラー「ミラノレッド」もベースモデルにはない魅力的な部分で、よりカジュアルな軽自動車でもあった。

中古市場では20年落ち以上のかなり古いモデルなのでタマ数がかなり少ない。ただし値段はものすごく安く買えるため、とりあえず激安で室内の広い足車的な軽自動車としての需要は満たしてくれる1台。

特に中古だと最初に買ったオーナーのオプションの付け具合で快適装備が異なるが、最初からプライバシーガラスなどが付いているアイテムとアイテムターボは後から手を加える必要がないため、その点もポイントである。

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