【5代目 後期】スズキ セルボ TXターボ (HG21S型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【5代目 後期】スズキ セルボ TXターボ (HG21S型) 概要解説

スズキ

セルボはスズキのセダン型軽自動車。本稿では2009年5月マイナーチェンジ以降(後期型)のTXグレード(ターボ)を扱う。

画像参照元:Goo-net

概要

2006年11月にデビューした5代目セルボ。旧規格時代のかつてのセルボは一時期スペシャリティ路線で販路を見出そうとしたが、今回の5代目セルボも概ねそれに近いパッケージングになっている。

ボディスタイルはパット見はワゴンRのような全高を持ちつつも、全体が流線型を描く独特のスタイリングとなっており、カテゴリー的には背の高いアルト系ともいうべきハッチバックタイプに分類される。全高も立体駐車場に入る高さで、かつての名車Keiと同程度の1545mm。

モデルコンセプトは「Fit on My Style」。乗ることや、所有欲など心の充足感をキーコンセプトに軽自動車のようなコンパクトな車が欲しいけど、ワゴンRなど既存の軽自動車では満足しない層(特に男性)をターゲットとしていた。

メカニズムではフロントサスペンションにスタビライザーとウレタン製のバンプストッパーを採用。加えて前後サスペンションのバネ定数や減衰力特性を最適にチューニングすることで、直進安定性だけでなく優れた操縦安定性を実現。

さらに快適な乗り心地と両立させた。他には全グレードでゲート式フロア4ATを標準採用。ターボ仕様ではこれに4速マニュアルモードがプラスされる。

その5代目セルボは2009年5月の一部変更でフロントデザインの変更などを行い後期型となった。

後期型ではフロントグリルとバンパーのデザインを変更した他、ボディカラーに「ブリーズブルーメタリック」(水色系)、「ブルームピンクメタリック」(淡いピンク系)、「ルナグレーパールメタリック」(濃い銀色系)の3色を追加。内装ではシート表皮とステアリングホイールのデザインを変更したほか、オーディオガーニッシュをシルバー塗装とするなど内外装で上品な雰囲気を与えたマイナーチェンジとなっている。

なお、後期型ではグレード整理が行われ前期で特別仕様扱いだった「Gリミテッド(GリミテッドⅡ)」がカタロググレードに昇格。そのかわりターボ仕様の廉価版である「T」グレードが消滅。「TX」と最上級として「SR」グレードの2本構成となった。

5代目・後期型セルボ(HG21S) TXターボの特徴

後期型のSRでないターボ仕様車がTXというグレード。前期型にはもうひとつTグレードというターボ仕様が存在し、TXに対してエアロパーツレス、アルミホイールレス、フォグランプレス、マニュアルエアコンという簡素なグレードだったが後期型では廃止となった。

今回後期型でモデル集約された上級のTXではエクステリアにフロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リアアンダースポイラー、フロントアンダースポイラーでフルエアロ化。この他アルミホイールやフォグランプも標準装備とし、スポーティな外観とした。後期型ではエアロパーツの形状変更が行われ、前期よりもエアロ感がアップしている。

インテリアではフルオートエアコン、6スピーカーMD/CDプレーヤーを標準装備する。なお前期ではターボグレード用の専用シート表皮が採用されていたが、後期では標準モデルと統一され、専用設定がなくなった。

TXグレードはSRほどではないが、60馬力ターボエンジンとスポーティな内外装でライトなスポーツモデルとしたセルボとなっている。

エクステリア

フロントデザイン。セルボTXでは専用のメッキグリルとフォグランプを標準装備する。さらにバンパー下部には新デザインのフロントアンダースポイラーも標準装備とし、迫力ある顔つきとしている。

なお、ヘッドライトはSR用のディスチャージヘッドライトをオプション設定。選択時はプロジェクター式ヘッドライトとなり、SRと同じ専用デザインのヘッドライトに変更となる。

サイド。TXではサイドアンダースポイラーを標準装備する。

足元は14インチアルミホイールを標準装備。

リア。TXグレードではリアアンダースポイラーとルーフエンドスポイラーが標準装備となる。リアアンダースポイラーも後期型で形状が若干変更され、エアロ感がアップしている。

エンジン・機能

エンジンはK6A型直列3気筒DOHCターボエンジンのみの設定。SR用の直噴ターボエンジンとは異なり、出力を抑え燃費と走りを両立させたマイルドターボとなり、最高出力60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/3000rpm。

トランスミッションはマニュアルモード付きの4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WDとなる。

安全装備としてはABSとブレーキアシスト、EBDを標準装備。エアバッグも運転席と助手席の両方で標準装備となる。ただし自動ブレーキ類はこの世代の軽自動車のため一切設定がない。

インテリア

インパネ。この世代の軽自動車にしてはかなり上品で、高級車のようなデザインが5代目セルボのインパネの特徴でもある。後期型ではインパネセンターガーニッシュのカラーがシルバー塗装にGとGリミテッドで変更されたが、ターボのTXではブラックカラーのままとなる。

ステアリングは本革巻ステアリングホイール。

スピードメーター。前期と同じくタコメーターを備える2眼式。

エアコンはオートエアコンとなる。オーディオもTXでは6スピーカーシステムと専用のオーディオが標準装備され、デフォルトで心地よいサウンドを楽しめた。

ATのシフトはゲート式を採用。

かつマニュアルモードを備え、4段ではあるが任意のギアへ変更しやすくしている。

フロントシートはセパレートタイプ。前期ではTとTX専用のシート表皮となっていたが、後期型では標準グレート統一された。ただし前期の専用シート表皮よりもさらに上質感や高級感があり、よく出来たシートとなっている。

リアシート。スライド機構は非装備。足元は最近のスペース系と比べるとさすがに狭いが、十分乗れる広さは確保されている。ちなみにリクライニング機構を搭載する。

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。リアシートの足元が若干狭めの分、ラゲッジスペースは広めに取られている。これは元々Keiの後継モデルとして開発された経緯があり、Keiと同じようなラゲッジスペースの広さや使い勝手となっている。

まとめ

5代目セルボの後期型TXグレードは、刷新された外装のエアロパーツに新シート表皮など前期よりも若干スタイリッシュになっている点がポイントである。

特にシート表皮は前期のブルーのアクセントカラー入に対して、落ち着いた黒で統一された上質感あるシート表皮となっており、これだけでも十分後期型の価値がある部分である。これ以外ではほぼ前期と同じだが、標準モデルや特別仕様車にはないターボ付きという点でのアドバンテージはこのモデルの魅力的な部分となっている。

中古市場では標準のGグレードやGリミテッドと同じく安価な中古価格となっており、その中でも動力性能が高いターボ仕様として魅力的なモデルといえよう。特に高値となりやすいSRと比べるとかなり安価なので、足車などにも最適なモデルである。

スペースの広さでは他のモデルに敵わないが、それ以外のスタイリングや走りの良さ、内装の豪華さなどはセルボが優れている部分で、特に絶対数が少ないことから他人とも被りづらい。個性的な軽自動車を探している場合も面白いモデルである。

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