【後期型】スズキ アルトラパンSS (HE21S型) | シン・軽自動車マニア

【後期型】スズキ アルトラパンSS (HE21S型)

アルトラパン

スズキ・アルトラパンは、スズキのハッチバック型軽自動車。「ラパンSS」は初代のHE21S型に設定された男性向けスポーツモデルである。本稿では2007年5月マイナーチェンジ~を後期型とし、これを扱う。

出典:スズキ中兵庫販売

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スズキ ラパンSSとは?

2003年9月登場のラパンSS。ラパンがデビューした2002年当初は女性をターゲットにした軽自動車だった。

その証拠にデビュー当初はターボの設定がなく、ミッションもATのみだった。

後に60馬力(Mターボ)のラパン・ターボが追加されるもスポーツモデルという位置づけではなく、あくまで女性向けラパンの動力性能を向上させたモデルであった。

だが、そこから1年後にそれまでのラパンにはなかった5MTを設定し、64馬力仕様のDOHCインタークーラーターボエンジン、ローダウンサスペンションを標準装備としたホットなモデルが追加されることとなる。

それがこの「ラパンSS」である。

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ラパンSSとは?特徴と他のラパンとの違い

ラパンSSでは外観に

  • 専用の丸型ヘッドランプ
  • メッシュタイプのグリル
  • 大型フォグランプ
  • 14インチアルミホイール
  • SSエンブレム(グリル内とリア)
  • チェッカーフラッグエンブレム

を。

エンジンは上述の通りそれまでのラパン・ターボよりもパワフルな64馬力仕様のインタークーラー付きターボエンジン。

足まわりは-10mmのローダウンサスペンションを標準装備。ミッションはそれまでの4ATに加え5MTを新規設定。

インテリアでは

  • モモ製本革巻ステアリングホイール
  • 専用インパネガーニッシュ
  • SSロゴ入り専用スピードメーター
  • タコメーター
  • 専用セミバケットシート
  • 専用フロアマット

を与え、内外装で走りの面を強化したスポーティーな男性向けモデルとなっている。

後期型・ラパンSSとは?改良点と前期との違い

そのラパンSSは2007年5月にマイナーチェンジを受け後期型に。

後期型のラパンSSでは外観はほぼ同じだが、主に内装面での変更がなされた。

専用バケットシートはシート表皮のデザイン変更。センター部分にチェック柄が際立つ2トーンカラーのセミバケットシートとした。さらにドアトリムクロスもこれに合わせて変更。

これ以外では2006年4月のマイナーチェンジ時にインパネカラーをシルバーからダークシルバーに変更。

一方でそれまで標準装備だったモモ社製本革巻ステアリングホイールを廃止。スズキ製の革巻ステアリングホイールに入れ替え、モモステはオプション設定とした。

以下、詳細を解説する。

エクステリア

出典:スズキ中兵庫販売

フロントデザイン。SS専用丸目ヘッドライトにメッシュタイプの専用グリルとフォグランプ付きバンパーが与えられノーマルとは違ったスポーティさを演出している。

ぱっと見、往年のアルトワークス+スポーツカスタムにも見えるデザインだ。

出典:スズキ中兵庫販売

大型フォグランプとメッシュタイプの開口部付きバンパーも標準で与えられそれまでの女性向けラパンとはまったく異なるスパルタンな顔つき。

それでいてラパンの面影も残る不思議なデザインは女性向けというよりは男性向けを狙った感じで、元々のラパンのキャラクターを考えると大転換なモデルである。

後期型では外観上の変更点はほぼなく、見た目上は同じだ。

出典:スズキ中兵庫販売

サイドからのシルエット。ワゴンタイプに比べると車高が低く、これはスポーツ走行において重要なポイント。チューニングすればサーキットでも楽しめるだろう。

出典:スズキ中兵庫販売

足元は14インチアルミホイール。タイヤサイズは前期と同じく165/55R14。

加えてラパンSSではノーマルよりも10mm落ちたローダウンサスペンションが標準装備される。

ただしこれはサーキット向けのガチガチなものではなく、あくまで街乗りをスポーティーに乗れる程よく固い部類のサスペンションで、SSの由来である「ストリート・スポーツ」を考慮すると納得の部分でもある。

フェンダー部にはSS専用チェッカーフラッグエンブレムを装着。フェンダーウィンカーはデビュー当初クリアータイプだったが、2006年4月マイナーチェンジでオレンジ色に変更された。

出典:スズキ中兵庫販売

リア。このあたりは他のラパンとほぼ同じだが、リアゲート左下に「SS」エンブレムを装着。羊の皮を被った狼のごとくさりげないワンポイントアピートした。

なお2006年4月マイナーチェンジではノーマルラパンと共通でコンビランプがクリアータイプに変更されている。

これは内装変更前の2007年5月の改良なので、本稿で扱う後期型直前の変更だった。そのためリアがクリアーテールでも内装は前期という個体も存在する。

エンジン・機能装備・安全装備など

出典:スズキ中兵庫販売

エンジンはK6A型直列3気筒DOHC12バルブICターボエンジン。

最高出力64ps(47kW)/6500rpm、10.8kg・m(106N・m)/3500rpmを発生(Keiワークスと同じ)。

トランスミッションは5MTか4ATの2種類で、駆動方式はFFまたは4WD。FF・5MTモデルであれば車重が800kgなので、そこそこ軽快に走る。

この時代の4ATは旧式のトルコンATで、最近のCVTでもなくマニュアルモードも存在しないタイプ。走りを楽しみたいならMTがおすすめ。

Keiワークスとは異なり、リアはディスクブレーキ化されず、フロントにヘリカルLSDの(※FFのみ)標準設定もない。

インテリア

出典:スズキ中兵庫販売

インパネ。前期ではシルバータイプのインパネだったが、2006年4月マイナーチェンジでダークシルバーに変更された。こちらもエクステリアのクリアーテールと同時期に変更され、シート表皮の変更前だった。そのため時間差でシート表皮が旧デザインでもインパネはダークシルバーという個体が存在する。

出典:スズキ中兵庫販売

スピードメーター。SS専用でロゴ入りのクラシカルなデザイン。

出典:スズキ中兵庫販売

タコメーターはその右側に付く。元々ここはアナログ時計が入る部分だったが、SSではタコメーターに置き換わる。後付感がなんとも言えない独特の雰囲気を演出し、ラパンSSにマッチングする。

出典:スズキ中兵庫販売

ステアリングは本革巻ステアリングホイール。

2006年4月マイナーチェンジ以降はそれまでモモステの本革巻ステアリングホイールから、スズキオリジナルの本革巻ステアリングホイールに変更となった。

ただしモモステそのものはオプション設定され、選択は可能だった。

5MTのシフトノブ。このあたりは特に変更なし。

出典:スズキ中兵庫販売

フロントシートはセミバケットシートタイプ。SS専用となるセミバケで、後期型ではシート表皮のデザインを変更。

センター柄をシルバーとしよりスポーティーな印象と強めた。加えて後期型ではドアトリムクロスも変更される。

なお、純正オプションでKeiワークスのようなレカロシートが用意されていた。

ただオプション扱いで一脚10万程度と高価なため導入した個体が少なく、中古で出回っているラパンSSでレカロシートを装着したものは極端に少ない。

Keiワークスの純正レカロシートと互換性があるのでヤフオク等で入手すると安価にカスタムできる。

出典:スズキ中兵庫販売

リアシート。こちらもフロント同様にシート表皮が変更される。

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

まとめ

ラパンSSの後期型は外観はほぼ同じものの、内装が一新されよりスポーティーかつスタイリッシュな雰囲気が与えられた。

その一方でモモステがオプション設定になるなど少し残念な部分もあった。

価格設定は据え置きで変らなかったがオプション設定まで選んでモモステを装着した個体は少なく、中古市場では後期型でモモステが付いたものは希少となっている。

ラパンSSは5代目アルトワークスが復活するまではKeiワークスと並んで5MTとターボが選択できる軽スポーツとして人気があり、2008年の生産終了後も5MT&ターボ&セダンタイプという構成から特にアルトワークスと同じ車高が低いモデルとしてより人気があった。

アルトワークス復活後は中古価格も少々落ち着いたが、5代目アルトワークス生産終了後は手頃な価格帯のセダンスタイルの5MTモデル自体が新車で1台も無い影響もあり、MTを求める需要が中古車に派生。それほど値段は下がっていない。

【5代目 MTターボ&純正レカロ】スズキ アルトワークス(HA36S) 概要解説

アルトワークスほど過激を求めず、見た目などが気に入れば面白い1台といえよう。

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