アルトラパン ショコラはスズキのハッチバック型軽自動車。2代目アルトラパンに追加された女性向けモデルである。
出典:ガリバーアウトレット
スズキ アルトラパンショコラとは?
2013年6月に2代目ラパンの派生モデルとして追加された「アルトラパンショコラ」。
ショコラとはイタリア語で「チョコレート」の意味を持つ言葉で、チョコレートのようなスイーツ感を演出。ショコラは初代にあった丸目のラパンを連想させるようなキュートなスタイリングと上質な内装が特徴の2代目ラパンである。
エクステリアには
- 愛嬌ある専用の丸目ディスチャージヘッドライト
- シルバー塗装とメッキ加飾を組み合わせた個性的かつクラシカルなグリル&バンパー
- クリアーコンビランプ
- ショコラ専用エンブレム
を専用装備。
出典:ガリバーアウトレット
インテリアでは
- アイボリーのインパネガーニッシュ
- アイボリー基調&ブラウンのキルティング、赤いパイピングを組み合わせスイーツを連想させるレザー調専用シート
- ブラウン&アイボリー&赤スティッチの本革巻ステアリングホイール
- 「Chocolat」ロゴ入り専用盤面発光メータ
- メッキ調メーターリング
など内外装ではノーマルラパンよりも拘りの上級感を与えている。
ボディカラーには新色「シャンパンピンクパールメタリック」のほか、ラパンショコラ専用に「カシスピンクパールメタリック」を含めたの鮮やか&ポップ系のモノトーン全8色を設定。
上級Xグレードではルーフ部分をホワイトで塗り分けた2トーンカラーの4色をオプション設定とした。
快適装備としてはフロントガラスにプレミアムUV&IRカットガラスを標準採用。エコドライブ支援機能にはウサギのアニメーションでエコドライブ度を表示するようにした。
さらに、スマートフォン連携ナビをメーカーオプション設定とし、利便性を向上させている。
ラパンショコラのボディカラー
2013年6月~2014年10月までのボディカラー
ラパンショコラのボディカラーはモノトーンが
- ブルーイッシュブラックパール3
- アーバンブラウンパールメタリック
- アロマティックアクアメタリック
- エアブルーメタリック
- シャンパンピンクパールメタリック
- カシスピンクパールメタリック
- ミルクティーベージュメタリック
- パールホワイト ※有料色
の全8色。
上級Xグレードではルーフ部分をホワイトで塗り分けた2トーンカラーの
- アロマティックアクアメタリック ホワイト2トーンルーフ
- エアブルーメタリック ホワイト2トーンルーフ
- シャンパンピンクパールメタリック ホワイト2トーンルーフ
- ミルクティーベージュメタリック ホワイト2トーンルーフ
4色をオプション設定されていた。
2014年11月一部仕様変更後のボディカラー
2014年11月の一部仕様変更では新色「フェニックスレッドパール」などが追加され、ブルーイッシュブラックパールやミルクティーベージュメタリックが廃止されるなど、ボディカラーの一部入れ替えられた。
2014年11月一部仕様変更以降のモノトーンカラーは
- アーバンブラウンパールメタリック
- フォレストアクアメタリック
- ファイズブルーメタリック
- エアブルーメタリック
- シャンパンピンクパールメタリック
- カシスピンクパールメタリック
- フェニックスレッドパール
- キャンドルオレンジメタリック
- パールホワイト ※有料色
の全9色。
上級Xグレードのみに設定のルーフ部分をホワイトで塗り分けた2トーンカラーも入れ替えが行われ、
- フォレストアクアメタリック ホワイト2トーンルーフ
- フィズブルーパールメタリック ホワイト2トーンルーフ
- シャンパンピンクパールメタリック ホワイト2トーンルーフ
- キャンドルオレンジメタリック ホワイト2トーンルーフ
4色をオプション設定していた。
ラパンショコラ(HE22S)と2代目ラパン(HE22S)との違い
2代目ラパンは初代よりもレトロ感が薄れ、よりベーシックな軽自動車のデザインが強いが、ショコラはその対極にある。
出典:スズキ認定中古車
出典:ガリバーアウトレット
2代目ラパンには設定の無かった丸目ヘッドライトにメッキバンパーを組み合わせて個性的かつキュートに仕立てている。
出典:スズキ認定中古車
また、内装にもかなり手が加えられ上質かつオシャレな雰囲気を高めている。
出典:ガリバーアウトレット
アクセントカラー用いたインパネにショコラロゴ入り専用メーターを採用するなど、テコ入れがかなりなされた。完全な2代目ラパンの上位・上級グレード的なモデルとなっている。
出典:ガリバーアウトレット
特にラパンロゴマーク入りレザー調専用シート表皮採用で、より上質感や特別感を高めノーマルにはない個性も特徴だ。
なお、3代目ラパンにはこのショコラが設定されることがなかった。それは3代目の通常モデルで丸目を採用し、ショコラを別に設定する必要がなかったためである。
そのためショコラと名前が付くのは2代目ラパンのみとなっている。
ラパンショコラのグレード構成 GとXとの違い
ラパンショコラのグレード構成は2種類。エントリーグレードの「G」グレードと、上級な「X」グレードの2種類。
ノーマルラパンの「G」グレードとは異なり、ショコラ「G」グレードは装備が豪華で、廉価グレード的な扱いではなかった。
Gグレード
ショコラのエントリーグレード。
Xグレードと比較するとエクステリアにLEDサイドターンランプが付かない電動格納ミラー、フロントドアプレミアムUV+IRカットガラス。インテリアでは6スピーカーが非装備。エアコンはマニュアル式。
ボディカラーもXグレードにはオプションで2トーンルーフ仕様の設定があるが、Gグレードはモノトーンカラーのみの設定。
ただし外観そのものはXグレードとの大きな違いはなく、ほぼ同じ。
このほかプロジェクター式ディスチャージヘッドランプやプッシュエンジンスタート&キーフリーシステムはGグレードでも標準装備する。
Xグレード
ショコラの上級グレード。
Gグレードには非装備で、当時の軽自動車としては初となるフロントドアプレミアムUV+IRカットガラスを標準装備。このほか6スピーカーシステムとフルオートエアコン、LEDサイドターンランプ付き電動格納ミラーも標準装備。
ボディカラーもGグレードに非設定の2トーンルーフ仕様(オプションカラー)が選択可能だった。
なお、ターボ仕様は非設定で両グレードとも自然吸気エンジンのみ。
2014年11月の一部改良ではXグレードにブラウン内装を追加。以下の5色のボディカラー選択時にブラウン内装を選択できるようにした。
- 「フェニックスレッドパール」
- 「シャンパンピンクパールメタリック」
- 「アーバンブラウンパールメタリック」
- 「カシスピンクパールメタリック」
- 「シャンパンピンクパールメタリック ホワイト2トーンルーフ」
そのためXグレードには(タマ数は少ないが)ブラウン内装のショコラとアイボリー内装のショコラの2種類が存在する。
エクステリア
出典:スズキ中兵庫
ノーマルとはガラリと違うヘッドライトまわり。専用の部品を取り付けたことにより、先代にもあった丸目へとチェンジした。
見方を変えればこちらが2代目ラパンといっていいぐらいのデザインで、先代のイメージが強くなっている。どこか新しく、なつかしいデザインといえよう。
その他バンパーにメッキ塗装やフロントにも筆記体の「Lapin」のエンブレムを付けることによりクラシック感を出している。ノーマルのアルトラパンとの大きな違いだ。
出典:ガリバーアウトレット
横からはほぼ同じだが、
出典:ガリバーアウトレット
足元はショコラ専用の14インチアルミホイールを標準装備する。かなり足元がレトロな雰囲気だ。
なお、快適装備としてはプレミアムUV&IRカットガラスをXグレードでフロントガラスに標準装備。これは当時としては軽自動車初の採用例で特に女性に嬉しい装備となっていた。
出典:スズキ中兵庫
リアのコンビランプもクリア化し、バンパーのメッキとの相性は抜群だ。デザインはアルテッツァなどのユーロテールを連想させる。
ヘッドライトの丸目と合わせてリアも丸目を意識したデザイン。リアゲート右下にはショコラエンブレムが付く。テールランプはLED仕様で、スカイラインGT-Rのように丸形点灯する。
テールゲート右下には遊び心いっぱいのショコラエンブレムが付く。このチョコレートをかじったようなエンブレムは「ラパンのうさぎがかじった」というエピソードがある。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:スズキ中兵庫
エンジンは3気筒のK6A型DOHC自然吸気エンジンのみで、ターボの設定はない。
最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。
これにCVTが組み合わされ、駆動方式はFFか4WDとなっている。ヘッドライトは標準でディスチャージ仕様だ。
自動ブレーキ等の装備は2013年デビューということもあり一切なし。運転席&助手席エアバッグとABSは標準装備。
快適装備としてはスマートフォン連携ナビをメーカーオプション設定する
インテリア
出典:ガリバーアウトレット
インパネ。インパネはアイボリー基調に赤を組み合わせ、かつ残りをブラウン色とすることで上質かつスイーツのような雰囲気も持たせている。全グレードでエンジンスタートはプッシュ式。
出典:ガリバーアウトレット
2014年11月一部改良ではブラウン内装が追加された(Xグレードのみ)。こちらではキャラメル色のパイピングをアクセントとし、アイボリーパネルで違った雰囲気を演出した。
出典:ガリバーアウトレット
ステアリングは本革巻ステアリングホイール。ショコラ専用のブラウン&アイボリーにセンターに赤を組み合わせてインパネやシートと合うようにコーディネートされたかなりオシャレなステアリングとなる。
スピードメーターの真ん中にはショコラ専用品となり、「Chocolat」の文字が入る。なおタコメーターは下部のデジタル部分の表示を切り替えると出現する。
エアコンはGグレードがマニュアル式エアコン。
Xグレードがオートエアコンとなる。
出典:ガリバーアウトレット
キーフリーシステムのキーにはうさぎマーク入り。
出典:ガリバーアウトレット
バニティミラーとランプは運転席&助手席両方に標準装備。100点だ。
出典:ガリバーアウトレット
フロントシートはセパレートタイプ。ベージュ&ブラウンに赤スティッチを組み合わせた専用シートでクラシック感もあるオシャレなシートとなる。もちろんシートにはLapinのロゴ入りとなる。
出典:ガリバーアウトレット
ドアトリムにもうさぎの加飾入り。
出典:ガリバーアウトレット
2014年11月の一部改良で追加のブラウンレザーシート。こちらは全体がブラウン色。中央がベージュ色で、キャラメル色のシートパイピングがアクセント。
出典:ガリバーアウトレット
リアシート。
出典:ガリバーアウトレット
ブラウン内装のリアシート。
出典:ガリバーアウトレット
ラゲッジルーム。
出典:ガリバーアウトレット
リアのシートを倒した状態。昨今のトールワゴン型に比べると大したことが無いように感じるが、それなりに荷物は乗る。
ラパンショコラの総評
アルトラパン ショコラは、2代目アルトラパンをベースに女性向けのカスタムを施したモデルである。
愛嬌のある丸目や明るい感じの内装はまさにそれを象徴。車全体のデザインも、ボンネットが長いことから普通車に近く軽への乗り換えユーザーにも受け入れやすいかもしれない。
ターボ仕様がないので、高速での追い越しは辛いと思うが、街乗り中心であれば非常にオシャレで女性ウケは良いモデル。
3代目と比べてもそのキュートさは見劣りしないし、なんといっても内装が豪華なので中古車としての魅力はかなりあるモデルである。
自動ブレーキや燃費の面で現行モデルに及ばない部分があるものの、デザイン優先であれば選択肢となりうる。
ラパンショコラは中古市場で高め 3代目ラパンよりも何故人気?
中古市場では2代目ラパンの中でもまだまだ高値傾向にある。
出典:ガリバー
それはショコラのエクステリアが歴代ラパンの中でも随一の可愛らしさを持っている点にある。
出典:ガリバーアウトレット
外観は3代目ラパンの特別仕様車にも負けない完成度。加えてうさぎマーク入りレザーシートは質感が高く、ドアトリムやカラーインパネ、ステアリングなどのトータルバランスも抜群だ。
全体的に3代目にも負けない完成度の内外装と装備も豪華なことから中古市場でのショコラ人気は続いている。
3代目ほど高値ではないが、年数経過の割りに値段が高いと感じる固体もあるのでその点が購入の際のネック。
2022年6月には3代目の派生モデルでラパンLCが登場しているが、少しレトロ感や個性が強すぎる部分もあってショコラの完全互換とはいい難い部分もある。
4代目ラパンが登場し、ショコラに匹敵するかそれ以上の内外装や機能装備のモデルが誕生すればこのショコラもの中古相場も下がりそうだが、それまでは底堅い価格がしばらく続くと推測する。
タマ数に関しては2代目ラパンの中でもモデル終盤追加な点と、2代目標準ラパンには無かった可愛らしい専用外装と質感の高い内装で結構売れたモデルなので中古車が豊富。比較的探しやすい。
ショコラの中古価格が高いと感じた人は、ショコラではない2代目ラパンにも上質な特別仕様車が安価な中古価格で存在するので、そちらがオススメ。
ラパンショコラ 生産終了の理由
2代目ラパンの中でも人気だったラパンショコラ。しかしながら登場から約3年後の2015年6月には販売終了となり、絶版車となった。
その主な理由としては3代目モデルの購買層(ターゲット層)にある。3代目モデルは計画段階で女性の中でも特に若い女性をメインターゲットととし、若い女性ウケする可愛らしいデザイン、内装、機能性などが盛り込まれた。これがラパンショコラのターゲット層と丸かぶりする形となった。
もうひとつの理由はベースモデルのフルモデルチェンジ。2代目ラパンは2008年に登場し、ショコラ追加時で4年。モデル終盤には7年ほど経過する古いモデルになっていた。
一般的にフルモデルチェンジは早くて4年。遅くても7~8年あたりで実施されるのが一般的。ショコラはモデル終盤で追加したテコ入れモデル的な要素もあったと思われ、3代目へフルモデルチェンジするまでの橋渡し役的な部分もあったと思う。
そのまま作り続けるという選択肢も無かったわけでないが、2代目ラパンのプラットフォームは2008年デビューの4代目ワゴンRがベースだったこともあり、モデル終盤の2015年ごろにはかなり旧式化していた。
新世代の軽量衝撃吸収ボディ「TECT(テクト)」を採用した最新モデルに比べると軽量化や燃費性能などで見劣りする部分があり、そこから継続生産し改良を重ねても伸びしろが少ない。このあたりもショコラ廃止の要因とみる。
まとめると
- ラパンショコラと3代目ラパンのターゲット層がまったく同じ
- 2代目モデルは設計(プラットフォーム)が古い
などの理由から3代目と入れ替わりでラパンショコラは廃止となった。
3代目モデルではラパンショコラで好評だった丸目ヘッドライトを最初から採用し、ボディスタイルもより箱型からスタイリッシュな形状に進化。8代目アルトをベースとした新世代軽量ボディ&シャーシをベースにショコラのコンセプトを一部引き継ぐような形でフルモデルチェンジがなされている。
コメント