アルトラパンはスズキのハッチバック型軽自動車。「モード」はその特別仕様車である。本稿では初代HE21S型の後期、最終マイナーチェンジ(2007年5月)に設定された最終型のモードを扱う。
出典:スズキ認定中古車
初代 スズキ・アルトラパンとは?
2002年1月登場のスズキ・アルトラパン。
ベーシックなアルトと同じ背の低いセダン型をベースに長方形に丸みを与えたシンプルかつスタイリッシュなボディフォルムと70~80年台を思わせるレトロな雰囲気で大ヒットとなった。
アルトラパンがデビューした頃はワゴンRやムーヴなどの背の高い軽自動車が売れ筋となっていた時代で、スタイリングよりも実用性に重点を置いたモデルが多かった。
そのような軽自動車市場で、シンプルかつ普通車ちっくなボディフォルムに愛嬌たっぷりのデザイン&質感の高い内装を併せ持った「アルトラパン」は特に若い女性に人気のモデルであった。
初代ラパン・後期型モードとは?特別装備や前期型モードとの違い
その初代ラパンは2代目のHE22S型にフルモデルチェンジする7年間の間に数多くの特別仕様車が設定された。
このうち早い時期から特別感と上級感をテーマとし、落ち着いた質感の高い内外装デザインを採用した特別仕様車があった。それが2002年9月登場の「モード」というモデルである。
「モード」はノーマルのアルトラパンに対し、メッキグリル、メッキドアハンドル、アルミホイールに丸型ドアミラーなどで外装をスタイリッシュにし、内装ではウッド調インパネやベージュのファブリックシートで高級感を演出。上級なアルトラパンとしたモデルである。
その後2003年9月マイナーチェンジでは特別仕様車からカタログモデルへ昇格。
以後はマイナーチェンジを伴い初代の最終期まで設定された。このうち本稿で扱うのは最終マイナーチェンジの2007年5月以降のアルトラパンモードだ。
出典:スズキ認定中古車
最終型のモードではそれまで搭載のなかったターボエンジンを初搭載。
出力もそれ以前の「アルトラパン ターボ」とは異なるSターボの搭載で64馬力仕様(ラパンSSと同じ)になった点がホット。それまでのモードはターボエンジンではなかったため、動力性能が大幅にアップデートされた。
これはちょうど「アルトラパン ターボ」との入れ替え(アルトラパン ターボはこのマイナーチェンジで廃止)に起因するもので、ラパンターボの後継グレードとなっている。
外装は「アルトラパンバージョンV」や「GセレクションⅢ」と同じメッキグリル(それまでのアルトラパンターボ用のグリルをメッキ化したもの)を装着。
フォグランプも付いてパット見はアルトラパンターボよりもワンランクアップした顔つきとなっている。
これ以外では従来通り
- 丸型ドアミラー
- メッキドアハンドル
- アルミホイール
- モード専用リアエンブレム
を装着。内装では新たに黒ウッドの本革巻ステアリングホイールと黒ウッド調インパネを採用。
シートと合わせてインテリア全体をダークブラウンとし、さらなる上級感を演出したマイナーチェンジとなっている。
エクステリア
出典:スズキ認定中古車
フロントデザイン。最終型のモードではそれまでのモードとは異なるメッキグリルが与えられた。
過去にはバージョンVやGセレクションⅢで採用されていたグリルで、アルトラパンターボ用のグリルをメッキ化したものが装着される。
イメージ的にはアルトラパンターボをワンランクアップさせたような感じだ。これ以外ではフォグランプが標準装備となり、スタイリッシュかつ上級な顔つきとなっている。
同じくターボエンジン搭載の「アルトラパンSS」と比べると個性は薄いが、逆に万人受けしやすいデザインで好き嫌いの少ないデザインとえいよう。

出典:スズキ認定中古車
サイド。モードでは丸型ドアミラー(メッキタイプ&電動リモコン機能付)とメッキドアハンドルを標準装備。
出典:スズキ認定中古車
特にこの丸型ドアミラーが非常におしゃれで上級なモードのイメージを引き立たせている。
出典:スズキ認定中古車
足元は13インチアルミホイールを標準装備(タイヤサイズは155/65R13)。
純正ながら初代ミラジーノのミニライトスペシャルに装着されていた「ミニライト製アルミ」のようなデザインで、こちらもモードのイメージによくマッチする。
出典:スズキ認定中古車
リア。2006年4月以降マイナーチェンジ以降のモデルなので、コンビランプはクリアータイプに変更されいる。バックドア左下にはモード専用のエンブレムが付く。
なお、コンビランプに関しては社外品がリリースされているため、交換も楽しめる。
標準ではコストカットのためインナーメッキを使わないシルバー塗装タイプでキラキラ感が薄いが、社外品であればこの点は改善可能だ。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはK6A型3気筒のDOHCターボエンジン。最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpmを発生。
それまでの「アルトラパン ターボ」ではMターボという60馬力仕様のエンジンだったが、最終型のモードではラパンSSと同じSターボで64馬力仕様となっている。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。
安全装備は運転者&助手席エアバッグとABSを標準装備する。
インテリア
インパネ。アルトラパンモードではインパネをウッド調にし、上級感にしていが、最終型のモードではこれを黒ウッドに変更。さらなる上級感を演出した。
出典:スズキ認定中古車
ステアリング&スピードメーター。こちらもインパネと同じく黒ウッドの本革巻ステアリングホイールに変更。スピードメーターは他のグレードと同じ。
ターボ仕様のため、自然吸気エンジンでは時計だった部分がラパンSSと同じくタコメーターへ変更されている。
出典:スズキ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。後期モデルではモード専用としてシート表皮とドアトリムクロスがインパネやステアリングのアクセントカラーと同じブラウン系に変更された。
出典:スズキ認定中古車
リアシート。残念ながらスライド機構は無い。
出典:スズキ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:スズキ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
初代アルトラパンの最終型モードは、64馬力ターボエンジンの搭載にメッキグリル。黒ウッドパネルの採用によるインテリアのブラウン化によってそれまでのモードよりも魅力的なモデルとなっている。
特に自然吸気エンジンでは力不足な初代アルトラパンのモードにターボエンジンが搭載された点が非常にホットで、外観と内装、走りと三拍子そろったアルトラパンだ。ラパンSSは走りのモデルだが、こちらは上品な街乗りラパンといったところ。
さすがに旧式の4ATなので高速道路の長時間走行は辛いものがあるがあり、最新モデルと比較すると燃費や自動ブレーキなど不利な点はあるものの、デザインは未だ色あせないため初代のデザインが好きに人には一番オススメしたい。
最終型のアルトラパンモードは街乗りからちょっとした遠出までこなせるオシャレなターボ付き初代ラパンである。
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