【初代・前期型 特別仕様】ダイハツ ミライース Xメモリアルエディション/Xfメモリアルエディション(LA300S/LA310S型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【初代・前期型 特別仕様】ダイハツ ミライース Xメモリアルエディション/Xfメモリアルエディション(LA300S/LA310S型) 概要解説

セダンタイプ

ミライースは、ダイハツのハッチバック型軽自動車。本稿では初代のデビュー当初(2011年9月)~2013年7月までを前期型に設定された特別仕様車、「メモリアルエディション」を扱う。

画像参照元:Goo-net

概要

2011年9月登場のダイハツ・ミライース。

それまでのエッセに代わるモデル(後継車)で、ハイブリッドや電気自動車に次ぐ第3のエコカーとしてデビューした。

ハイブリッドや電気自動車などの次世代技術は使わないものの、それまでのガソリンエンジンにおける技術を徹底的に追求し、価格を抑えつつも(それまでの安いガソリンエンジン車でありながら)低燃費車という軽自動車のあるべき姿を具現化したモデルでもある。

その低燃費技術は車体の軽量化にはじまり回生ブレーキ、アイドリングストップ、高圧縮化エンジンの採用、ボディ形状による空力抵抗の低減など持っていた技術を1台にそそぎこむことで当時の軽自動車としては驚異的な32.0km/lを実現。

それでいて一番安いグレードの新車価格はおよそ80万円からと低燃費でありながらハイブリッドや電気自動車よりもはるかに安い価格設定が魅力的であった。

エクステリアはミラ系のセダンスタイルを踏襲しつつもシンプルさや合理性を追求。さらにエコのイメージも連想できるようなデザインとした。サイドは空気抵抗を減らす低く流れるような流線型のボディスタイルにフロントバンパーなどは空気抵抗を減らしつつ立体的なデザインを実現した。

インテリアではシンプルな中にも質感の高さや新世代を感じるデザインを表現。特にインパネはベージュとブラックの2トーンカラーとし、独立したセンタークラスターなど質感を追求している。

また、スピードメーターはデジタル式の自発光式メーターを採用。プリウスのような先進性を感じさせるデザインとなっている。

パッケージングも立体駐車場に入る1,500mmの全高に、1,920mmの室内長。1,350mmの室内幅、前後乗車間距離は930mmとし、大人4人が乗れる十分な室内空間を確保した。

安全装備としては衝突安全ボディTAFの採用にSRSサイドエアバッグをグレード別に標準装備。運転席にはプリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルトを標準装備とし、衝撃吸収式ステアリングも採用。EBD付きABSは全グレードに標準装備。横滑り防止装置もグレード別で標準装備とした。

初代ミライース Xメモリアルエディション/Xfメモリアルエディションの特徴と違い

そのミライースに2012年10月。登場から1周年を記念する特別仕様車が設定された。それがこの「メモリアルエディション」である。

メモリアルエディションはLグレードとXグレードのFFおよび4WDの両方に設定され、本稿で扱うのはこのうちミドルグレードをベースとしたのXメモリアルエディションとXfメモリアルエディションである。

FF仕様のXメモリアルエディションでは外装にメッキグリルと14インチアルミホイールを。インテリアでは後席のリアヘッドレストを標準装備。

4WD仕様のXfメモリアルエディションではメッキグリル、スモークガラスを。インテリアでは後席のリアヘッドレストを標準装備とした。

そのほか特別仕様車専用ボディカラーとして「アーバンナイトブルークリスタルメタリック」と「ライトローズマイカメタリック」の2色を特別設定。

この追加装備でベースモデルよりもわずか5000円アップで、XベースのXメモリアルエディションはジャスト100万円。Xfメモリアルエディションではジャスト110万円という1周年にふさわしいお買い得な特別仕様車となっていた。

エクステリア

フロントデザイン。ミライースはインナーブラックのヘッドライトとベーシックなグリル、バンパーが特徴で、同年代のミラよりもより万人受けしやすいデザインが特徴だ。

X系メモリアルエディションではこれにメッキグリルを標準装備。本来は最上級のG系グレードに標準装備のメッキグリルだったが、メモリアルエディション仕様として特別装備。スタイリッシュな顔つきとした。

サイドから。同年代のミラに似た背の低いボディにボンネットから上部にかけてゆるやかな曲線を描いている。ボディは安全性を保ちながら徹底的な軽量化でノーマルのミラよりも60kg軽減。また空力抵抗を減らす工夫も行なっている。

Xfメモリアルエディションでは後部座席のスモークガラスを標準装備とした。

足元はXメモリアルエディションのみ14インチアルミホイールを標準装備。本来はG系グレードに標準装備のアルミホイールだが、これをメモリアルエディションとして特別装備する。一方Xfではスモークガラスの代わりにアルミホイールではなくノーマルと同じフルホイールキャップ仕様となる。

サイズはいずれも14インチで155/65R14。

リア。コンビランプは中央の両サイドに配置。ブレーキランプはLED化され、省電力化に貢献する。メモリアルエディションを示す専用エンブレムは特になく、リア周りはベースモデルとまったく同じ。

エンジン・機能

エンジンは KF型3気筒DOHC・NAエンジンのみの設定。最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。電子スロットルによるエンジン制御に加え、CVTを協調制御することで燃費と加速性能を両立させている。

トランスミッションは全グレードでCVTのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。イーステクノロジーとして回生ブレーキによるエコ発電制御や軽自動車としては初となる「停車前アイドリングストップ機能」を標準装備。これら技術等をあわせることで当時の軽自動車としては驚異的なカタログ燃費、(FFモデルで)32.0km/lを実現した。

その他安全装備として全グレードにEBD付きのABSを標準装備。

インテリア

インパネ。X系グレードがベースのためパネル上半分がブラック。下半分がベージュ系の2トーンとなる。

ステアリングはウレタンステアリングホイール。

スピードメーター。全グレードでデジタルメーターを採用し、プリウスのような近未来感を演出。X系ベースのためエコドライブアシストディスプレイによりエコドライブやエネルギーの回生状態、ガソリン節約量をメーター内に表示する。

フロントシートはセパレートタイプ。ムーヴ等とは異なり従来型のシート。ベースモデルと同じベージュ系のベーシックなシートとなる。

リアシート。スライド機構は非装備。メモリアルエディションではヘッドレストが標準装備となる。

ラゲッジルーム。リアシートは一体可倒式。

リアシートを倒した状態。

まとめ

初代ミライースに設定された特別仕様車、「Xメモリアルエディション」と「Xfメモリアルエディション」はミドルグレードのXおよびXfをベースにメッキグリルや14インチアルミホイールまたはスモークガラス、リアヘッドレストをプラスした特別仕様車である。

その価格設定は驚きのたった5000円アップとなるジャスト100万円または110万円で、1周年を記念するにふさわしいお買い得な価格設定であった。

特にメッキグリルだけでも5000円以上の値はあるので、そのメモリアルを祝うメーカーからの感謝的なモデルでもった。

中古市場では比較的年数が経過したモデルで、中古価格もかなり手頃になってきている。自動ブレーキはこの世代だと無いが、燃費性能が高く、取り回しや立体駐車場に入るなど昔ながらのセダンスタイルゆえのメリットもある。

そしてベースモデルにはないメッキグリルを標準装備するなどワンポイントでスタイリッシュな点も嬉しい。足車でとりあえずベーシックな軽自動車が欲しい場合は選択肢に入れてみてほしい。

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