【5代目・後期型 (特別仕様)】スズキ セルボ Gリミテッド(HG21S型) | シン・軽自動車マニア

【5代目・後期型 (特別仕様)】スズキ セルボ Gリミテッド(HG21S型)

スズキ

セルボはスズキのハッチバック型軽自動車。本稿では5代目・HG21S系の後期期(2009年5月~)の「Gリミテッド」を扱う。

画像参照元:Goo-net

概要

2006年11月にデビューした5代目セルボ。初代は550CCの旧規格時代に登場し、そのあとも順調に代を重ね、歴史ある車種となっていたが新規格に移行する1998年10月の4代目を最後に生産が終了していた。それから8年後に車名を復活する形で登場したのがこの5代目セルボである。

かつてのセルボは一時期スペシャリティ路線で販路を見出そうとしたが、今回の5代目セルボも概ねそれに近いパッケージングになっている。

ボディスタイルはワゴンRのような全高を持ちつつも、全体が流線型を描く独特のスタイリングとなっており、カテゴリー的には背の高いアルト系ともいうべきハッチバックタイプに分類される(全高はKeiと同程度の1545mm)。

モデルコンセプトは「Fit on My Style」。乗ることや、所有欲など心の充足感をキーコンセプトに軽自動車のようなコンパクトな車が欲しいけど、ワゴンRなど既存の軽自動車では満足しない層(特に男性)をターゲットとしていた。

メカニズムではフロントサスペンションにスタビライザーとウレタン製のバンプストッパーを採用。加えて前後サスペンションのバネ定数や減衰力特性を最適にチューニングすることで、直進安定性だけでなく優れた操縦安定性を実現。

さらに快適な乗り心地と両立させた。他には全グレードで当時の軽自動車には珍しいゲート式フロア4ATを標準採用。ターボ仕様ではこれに4速マニュアルモードがプラスされる。

後期型5代目セルボ(HG21S)の改良点と前期型との違い

その5代目セルボは2009年5月の一部変更でフロントデザインの変更などを行い後期型となった。

後期型ではフロントグリルとバンパーのデザインを変更した他、ボディカラーに「ブリーズブルーメタリック」(水色系)、「ブルームピンクメタリック」(淡いピンク系)、「ルナグレーパールメタリック」(濃い銀色系)の3色を追加。

内装ではシート表皮とステアリングホイールのデザインを変更したほか、オーディオガーニッシュをシルバー塗装とするなど内外装で上品な雰囲気を与えたマイナーチェンジとなっている。

なお、後期型ではグレード整理が行われ前期で特別仕様扱いだった「Gリミテッド(GリミテッドⅡ)」がカタロググレードに昇格。そのかわりターボ仕様の廉価版である「T」グレードが消滅。「TX」と最上級として「SR」グレードの2本構成となった。

5代目セルボ(HG21S)後期型Gリミテッドの特徴と前期Gリミ、リミテッドⅡとの違い

前期型でGリミテッドおよびGリミテッドⅡはGグレードベースの特別仕様車として登場。後期型マイナーチェンジ時にはこれがカタロググレードへ昇格した。ただし、リミテッドⅡではなく、一部装備を簡略化し「無印リミテッド」としている点がポイント。

後期のGリミテッドではベーシックな自然吸気エンジン仕様の「Gグレード」をベースに各種新デザインのスポイラーと14インチアルミホイール、新デザインのLEDサイドターンランプ付きドアミラーなどを標準装備としスポーティーかつおしゃれなエクステリアを与えたモデルとなっている。

具体的には外装にデザイン変更した新型のフロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、専用新型メッキフロントグリル、フォグランプ、14インチアルミホイール、新デザインのLEDサイドターンランプ付きドアミラーを標準装備とし、

内装では本革巻ステアリングホイールにオーディオスイッチを追加。一方でリミテッド専用シート表皮は省略される。また、ボディカラーは前期のGリミテッド専用だった「マルーンブラウンパール」は廃止。ベースモデルのGグレードと同じボディカラーのみを設定。一部簡略化されているが、自然吸気エンジン仕様としてはスポーティな外装が与えられたグレードとなっている。

なお、前期との違いは専用シート表皮の有無、ボディカラー、フロントグリル&スポイラーデザイン(※ルーフエンドスポイラーとサイドアンダースポイラーは同じ)、アルミホイールのデザインなどが異なる。

エクステリア

フロントデザイン。後期型セルボではフロントグリルのデザインを変更。一時期のマツダ車にみられた逆五角形のデザインとし、オーソドックス感を出している。さらにフロントバンパーも新デザインとしよりこれと組み合わせてスタイリッシュさをアップさせた。

Gリミテッドではこの新型グリルをベースに上部をメッキ加飾した専用フロントグリルとターボグレード用のフロントアンダースポイラー(新デザイン)、フォグランプを標準装備とした。

ノーマルではおとなしめの顔つきだったが、この追加装備によりスポーティー感がアップ。スタイリッシュなヘッドライトと合わせて個性を際立たせている。特に後期型では前期のような個性は薄れたが、万人受けしやすい顔つきへと変化し、前期とは違った魅力が与えられている。

なお、前期同様にキセノンランプがオプションとして設定されていた。これを選択するとセルボSRと同じ専用のプロジェクター式タイプとなり顔つきがまた異なる。

サイド。軽自動車でありながらかつてのヴィッツのようなコンパクトカーの美しい曲線が5代目セルボの特徴でもある。

Gリミテッド仕様ではサイドアンダースポイラーとLEDターンランプ付きドアミラー(リミテッドⅡと同じデザイン)を標準装備。

足元はリミテッドⅡと同じ専用デザインのアルミホイールを標準装備。

セキュリティーアラームはベースと同じく標準装備。

リア。Gリミテッド仕様としてルーフエンドスポイラーとリアアンダースポイラー(新デザイン)を標準装備。フルエアロ仕様とした。これ以外にGリミテッド仕様を示す専用エンブレムがCelvoエンブレムの下に付く。

特に後期型のリアアンダースポイラーはエアロ感がアップし、よりスポーティなイメージがアップしている。

エンジン・機能

エンジンはK6A型3気筒DOHC自然吸気エンジン。最高出力54ps(40kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。

安全装備としてはABSを標準装備。ブレーキアシストとEBDはオプション扱いとなっていた。このほか運転席&助手席SRSエアバッグを標準装備。自動ブレーキの類は特に設定がなかった。

インテリア

インパネ。このあたりはベースモデルと同じだが後期型ではセンターガーニッシュがシルバー塗装される。

ステアリングはGリミテッド仕様として本革巻ステアリングホイールとなる。後期型ではステアリングのデザインを変更し、かつステアリングにオーディオスイッチが追加された。エアコンはマニュアル式エアコン。

スピードメーターはノーマルと同じ。

HG21S5代目セルボのゲート式フロアシフト4AT

ATのシフトノブは前期と同じく最近の軽乗用車では珍しくなったフロアシフトかつゲート式。

HG21S5代目後期セルボのフロントセパレートシート(Gリミテッド)

フロントシートはセパレートタイプ。前期Gリミテッドでは専用シート表皮となっていたが、後期GリミテッドではGグレードと同じシート表皮となった。ただし後期Gグレードではシート表皮が刷新されセンターとサイドで異なるブラック&シックな上質なデザインに。

HG21S5代目後期セルボのリアシート(Gリミテッド)

リアシート。スライド機構は非装備。

HG21S5代目後期セルボのラゲッジスペース(Gリミテッド)

ラゲッジルーム。

リアシートを倒した状態。

まとめ

5代目セルボの後期型でカタロググレードとなったGリミテッドは、自然吸気エンジンのGグレードをベースに外装を専用メッキグリルやフォグランプ、アンダースポイラーでフルエアロ化。ルーフエンドスポイラーや14インチアルミホイールなどでスポーティな外観としたグレードである。

ノーマルのGは大人しいベーシックなデザインだったが、GリミテッドではセルボSRのようなスポーティな外観が与えられているのが特徴で、より個性的なモデルとなっていた。加速こそ自然吸気エンジンなのでターボのような走りは求められないが見た目に拘る人には嬉しい仕様といえよう。

中古市場では5代目セルボの中でも後期型においてカタロググレードに昇格しつつも生産がわずか半年で終了してしまい、以後2年ほどは在庫販売となったため、全体的に後期型モデルそのものが希少車となっている。

そのため中古市場でもこの後期型Gリミテッドはかなりタマ数が少ないのだが不人気車ということもあり価格はかなり安価。タントやN-BOX、ムーヴやワゴンRともベクトルが異なるセダン型の軽自動車であるが、その分デザインや内装はそれらにない魅力があり、それが激安価格で手に入るため個人的には面白い中古車だと思う。

なお、激安とはならないが予算に都合が付く場合は最上級グレードで走りと燃費を両立させた「セルボSR」もオススメである。

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