【5代目・直噴ターボ&7速CVT】スズキ セルボSR (HG21S型)

セルボ

セルボはスズキのハッチバック型軽自動車。セルボSRは5代目のHG21系に設定されたスポーツモデルである。

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画像参照元:Goo-net

概要

2006年11月にデビューした5代目セルボ。初代は550CCの旧規格時代に登場し、そのあとも順調に代を重ね、歴史ある車種となっていたが新規格に移行する1998年10月の4代目を最後に生産が終了していた。それから8年後に車名を復活する形で登場したのがこの5代目セルボである。

かつてのセルボは一時期スペシャリティ路線で販路を見出そうとしたが、今回の5代目セルボも概ねそれに近いパッケージングになっている。

ボディスタイルはワゴンRのような全高を持ちつつも、全体が流線型を描く独特のスタイリングとなっており、カテゴリー的には背の高いアルト系ともいうべきハッチバックタイプに分類される(全高はKeiと同程度の1545mm)。

モデルコンセプトは「Fit on My Style」。乗ることや、所有欲など心の充足感をキーコンセプトに軽自動車のようなコンパクトな車が欲しいけど、ワゴンRなど既存の軽自動車では満足しない層(特に男性)をターゲットとしていた。

メカニズムではフロントサスペンションにスタビライザーとウレタン製のバンプストッパーを採用。加えて前後サスペンションのバネ定数や減衰力特性を最適にチューニングすることで、直進安定性だけでなく優れた操縦安定性を実現。快適な乗り心地と両立させた。

他には全グレードでゲート式フロア4ATを標準採用。ターボ仕様ではこれに4速マニュアルモードがプラスされる。

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セルボSRの特徴とT/TXターボとの違い

そしてこのSRターボはデビューから1年後に追加されたプレミアムなグレードで、軽自動車史上初の直噴ターボエンジンに7速CVTを追加した特別モデルだった。

4代目セルボににも「SRターボ」という4気筒ターボの特別なグレードがあったが、これはその後継グレードともいうべきスペシャルな1台なのである。

セルボSRは「プレミアム スポーティーコンパクト」をコンセプトに高い走行性能と優れた環境性能を両立。ターボエンジンを採用したスポーツグレードでありながら、燃費性能は同モデルの自然吸気エンジンよりも上回るという優れた燃費性能を実現。

2WD車・4WD車ともに平成17年排出ガス基準75%低減レベル (☆☆☆☆) を達成し、当時としては軽ターボ車として唯一のものだった。

また、2007年10月マイナーチェンジでエンジンマウント (右側) の液封化や、ボンネットフード内の吸音材追加などにより、優れた静粛性も実現。よりプレミアム感の高いモデルとなっていた。

なお、同じようなターボ仕様のTおよびTXグレードがあるが、内外装のデザイン以外に大きく異なるのはエンジンとトランスミッション。

TおよびTXグレードでは非直噴ターボ使用のK6A型エンジンで、かつ60馬力仕様のMターボと、トランスミッションは4AT(マニュアルモード付き)のみの設定。

対してセルボSRは燃費や環境性能を高めた64馬力ターボにマニュアルモード付き7速CVTを組み合わせるなど、低燃費で排気ガスを抑えながらパワーもあってスポーティな走りが楽しめるモデル。かつてのセルボSRに引けを取らない魅力を与えたトップグレードとなる。

エクステリア

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フロントデザイン。セルボはもともと斜め方向に鋭く切り込まれたヘッドライトが欧州感を出して特徴的だったが、これにプロジェクター式のディスチャージヘッドライトが標準装備され、迫力がアップした。

スバルのプレミアムな軽自動車、「R1」のデザインにも通じる独創的なものだ。グリルとバンパーもSR専用のものとなり、よりスポーティな雰囲気を出している。

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左上がウィンカー。真ん中がハイロー共通式のプロジェクターヘッドランプ。下がスモールランプとなる。ノーマルモデルにあった「インナーブラックメッキ」は用いらず完全なメッキタイプとなる。

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サイドから。ワゴンRやムーヴ、しいてはタントのような箱型がメインの近年においてこのようにボンネットからリアまで流線型を描いたデザインは珍しくなった。どこか初代MRワゴンを彷彿とさせるワンモーションスタイルとなっている。

セルボSR専用のボディカラーとして黒系の「スパークブラックパール」。紫系の「ミステリアスバイオレットパール」の2色が追加された。

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足元はセルボSR専用デザインの14インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは165/55R14

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リア。ヘッドライトと同じく斜めの切込みを意識したコンビランプが付いている。左下にはSR専用のエンブレムが付き、他のグレードとはひと目で分かるよう差別化されている。

このほか、ノーマルのターボグレード(TおよびTX)と同じくリアスポイラー付き。

エンジン・機能

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エンジンは軽自動車史上初となるK6A型の直噴DIターボエンジンを搭載。最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3500rpm。

これに7速マニュアルモード付きCVTがそなわる(SR以外のグレードでは4AT)。駆動方式はFFまたは4WDとなる。この直噴ターボエンジンは高出力と環境性能を両立したエンジンで、ターボ車でありながら5代目セルボの中で排気ガスが最もクリーンになっている。

当時としては珍しい軽ターボでもグリーン税制に適合していた。また、燃費面でも当時としては優秀な方でCVTとの組み合わせとも相まってGグレードの自然吸気エンジンよりもカタログ燃費は良く、FFモデルで23.0km/l(10.5モード燃費)となっていた。

安全装備としては運転席&助手席エアバッグとABSを標準装備する。

セルボSR 直噴ターボエンジンの不調や不具合、トラブルなど

セルボSRに搭載される高性能かつ低燃費なK6A型直列3気筒DOHC直噴ターボエンジンは、走行距離が増えてくると直噴エンジンゆえのトラブルや不具合が報告されている。

直噴エンジンはその構造上、エンジン内にスラッジやカーボン(ガソリンの燃え残りカス)が溜まりやすく、特に市街地でのストップ・アンド・ゴーなど低回転しか使わない乗り方では堆積しやすい。

カーボンやスラッジが堆積するとアイドリングが不安定になったり、アイドリング中にエンストしたり、燃費や加速が悪化してしまう。新車時ではきれいなので問題ないが、数万キロ~この問題が発生しやすく、直噴エンジンでは顕著に症状が出やすい。

これを解決するにはエンジンをオーバーホールして物理的にカーボンやスラッジを乗り除くか、強力なガソリン添加剤を投入して走行中に汚れを削ぎ落とす方法の2パターンがある。

      

オーバーホールでは高額なため強力なガソリン添加剤、株式会社AZのFCR-062やワコーズのヒューエルワンやを連続投入すると改善する可能性がある。

中古のセルボSRを購入または購入検討中の人、あるいはセルボSRに現在乗っているいる人は直噴ターボエンジンのカーボンデポジットに関しても考慮いただきたい。

インテリア

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インパネ。ピアノブラック調インパネセンターガーニッシュの採用でプラスチックの質感は残るがプレミアムに相応しい落ち着いたデザイン。

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ベーシックなアルトやミラのインパネと比べると明らかに雰囲気が違う。ステアリングはシルバーステッチを施したSR専用の本皮巻きステアリングホイールとなる。

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セルボSRのATシフトはゲート式。7速マニュアルモード付きCVTのシフトレバーとなり、Dの部分から右にスライドさせると1速~7速までを任意に自在に変速可能なしくみ。MT車ではないが、MT車のような変速を楽しむことができる。

また、マニュアルモードは峠などワインディングで積極的に変速させてスポーツ走行を楽しんだり、雪国ではエンジンブレーキをかける際に重宝する。

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フロントシート。スポーツタイプということでセミバケシートタイプとなる。シートカラーはSR専用のブラックを基調としたもので、Keiワークスに付いていたレカロシートのようなセミバケットで、サイドの大きな張り出しで座席のサポート力に貢献している。

一般的な軽自動車ではベンチシートがほとんどになっていきているので、こういった普通車のスポーツカーのようなシートは貴重な存在だ。ただし、ベンチシートが好きな人には少し利便性が悪いのでこの点は注意。

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なお、SR専用のセットオプションを選択するとシートが「本革&人工革のハイブリッドシート」となり、ノーマルよりも大幅に質感が向上される。

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リアシート。ワゴンRなどと比べると狭め。スライド機構は非装備。

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セットオプション選択時のリアシート。

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ラゲッジルームはかなり広く取られている。実はこのセルボ、開発当初は「Kei」の後継モデルとして開発されていたがそれが流れてこのセルボになったとされている。リアのラゲッジルームが広いのはKeiの後継として設計されたなごりだろうか(Keiのラゲッジルームも同じく広い)。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

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セルボSRはダイハツ・ソニカ、スバル・R1と並ぶ高級路線、走り重視のスペシャリティ軽自動車である。

ワゴンRやムーヴとは明らかに違うフロントデザインやボディスタイルはとても個性的で、かつ街中でも被ることが少ない。他人とは違う個性ある軽自動車でかつスポーツモデルが欲しい人や初代MRワゴンからの乗り換えを検討している人にオススメな1台である。

ただ、ソニカやR2と同じく、実用性よりもデザインや性能に重点を置いたせいであまり売れず、現在では絶版車となっている。

当時の売れ筋はスペース重視で実用的なワゴンRやさらに広さを充実させたタントなどのハイト系に集中しており、デザインや走りメインのこの手の軽自動車はそこまで大ヒットとならなかった。現在では中古でしか手に入れないが、上質でリッターカーに匹敵する軽自動車であることは間違いない。

コメント

  1. 門野 より:

    門野製作所の門野です。
    以前お世話になりました。
    今後ともよろしくお願い致します。
    門野

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