スマートKはドイツ・スマート社のハッチバック型軽自動車。本稿では右ハンドル仕様車のデビュー当初、2001年10月~ヘッドライト形状変更前の2002年5月までを前期型とし、これを扱う。
概要
日本の軽自動車史上でも異色なのがこのスマートK。日本の軽規格という独自のカテゴリーに海外から参戦した稀な車である。
元々600CCという小排気量の「スマート・クーペ」をベースに、日本の軽自動車規格に合うようリアフェンダー、トレッド、タイヤサイズを変更。ボディの全幅(横幅)をベースの1515mmから1470mmに縮小したのがスマートKである。
さらに販売価格をベースの「スマート・クーペ」よりも安くするために標準装備だったフォグランプを撤去。ルーフをガラスからスチール製に変更し、内装ではカップホルダーやバニティミラー、ラゲッジカバーなどもメーカーオプション化。パネルカラーは4色としインテリアカラーもグレー系となる。
前期型スマートKのエクステリア(外装)
フロントデザイン。ヘッドライトは横長で愛嬌のある感じのデザインに口のようなグリルと開口部を持つバンパーが組み合わされる。ひと目でキュートな顔つきとわかる特徴的なデザインとなっている。
個性が強すぎるため万人受けは難しいが、逆に気にいれば長く愛せそうなデザインでもある。
サイド。スマートKの全長はたったの2560mm。参考までに8代目アルトが3395mm。スズキの2人軽自動車・ツインでも2735mmのためツインよりもさらに短い全長である。
乗車定員は2名で、後部座席は無し。かわりにちょっとしたラゲッジルームが付いている程度。スペースを優先とする日本の軽自動車とは真逆のコンセプトである。基本は1人乗車でたまにもう一人乗せるといった使い方だろうか。
足元はフルホイールキャップを標準装備。
リア。丸型のコンビランプが両サイドに左右対称に並び、ルーフスポイラーとハイマウントストップランプが付く。リアビューは意外とスポーティーな感じで、サイドやフロントの印象とは異なる。
なお、リアはリアガラスとバックドアがそれぞれ上下両方向に開く。
前期型スマートKのエンジン・機能装備
搭載されたエンジンは、598CCの3気筒SOHCインタークーラー付きターボエンジン。最大出力55ps(40kW)/5250rpm、最大トルク 8.2kg・m(80N・m)/2000~4500rpm(※オーバーブースト時にはトルクが9.0kgまでアップ)と、出力やトルクだけ見るとスズキのMターボに似ているが、最大トルクが2000回転から4500回転に至るまで最大トルクを出し続ける設定で、街乗りで乗りやすいセッティングとなっている。トランスミッションはシーケンシャル式の6AT(ソフトタッチ)。
一般的なトルコンATとはことなり、機械がクラッチを自動的につないでくれる2ペダルMT。当然ながらマニュアルモードを備え、比較的軽量な750kgの車重と相まって加速は悪くない。
駆動方式はRRである。なお、ガソリンは軽自動車では珍しくハイオク仕様となり、ガソリンタンクは22Lと少し少なめ。燃費は10.5モード燃費で19.0km/l。
安全装備としてデュアルエアバッグ、エレクトロニック・トラクション&スタビリティ・コントロール、ABS、フォースリミッター&テンショナー付きシートベルトを標準装備。
前期型スマートKのインテリア
インパネ。ベースは左ハンドル仕様だが、日本向けに右ハンドルに変更された。グレーを基調としたベーシックなカラーとなる。
右ハンドル仕様が出る前は直輸入の左ハンドル仕様も販売されていた。タマ数はかなり少ないが中古を買おうと持っている人はちょっと注意。
スピードメーター。
ソフトタッチ(シーケンシャル6AT)のシフトノブ。当時としては軽自動車にこれが付いていて画期的だった、が、まだまだ未熟な段階だったので、オートモードのシフトアップ、シフトダウンが少しギクシャクしている。またクリープが無いので、オートマのクリープに慣れている人は注意が必要。
エアコンはマニュアル式エアコン。
シートはセパレートタイプ。シートはさすが海外メーカーの車とあってかなり出来が良い。
ラゲッジスペースは見た目から想像できるようにかなり狭い。
ちょっとしたスーパーなどへの買物であれば問題ないが、ホームセンターなどで購入した長もの等を積むのは辛い。
前期型スマートKのまとめ
スマートKはその後排気量が698CCにアップされ、事実上軽自動車としては販売終了となった。
(唯一?)外国製の軽自動車としての希少性や、コンパクトさ、キュートさなどがこの車の魅力だろう。少し癖はあるものの、シーケンシャル6ATやターボエンジンも走り好きには満足の装備。
購入は中古のみとなるが、10年落ちということもあって走行距離の割にかなり安価で購入可能だ。手頃でおしゃれな軽自動車としてどうだろうか。
この後の後期型マイナーチェンジでは不評だった燃料タンク容量が33Lにアップし、ヘッドライト形状が変更されてよりスタイリッシュな外観となる。そのため前期よりも後期モデルや装備が充実の特別仕様車、スマートKリミテッドがオススメである。
コメント
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先日のミニカタウンビーに引き続きコメントさせていただきます。
smart fortwo k、乗ってました。
ひょうたんライトになった後期型で、フロントタイアは太くなるマエ、パワステもオプションだった頃です。
このロボタイズドMTはシフトアップの時に軽くアクセルを抜くとスムーズに変速できるので案外使える一品でした。
RRで高速道路なんかは静かに走れます。シートがなかなかよくできていて、長距離も難なくこなすあたりはさすがでした。
シートを一番後ろにしたら180cm以上の身長の私でもペダルに足がとどかないくらいの広さ。
また機会があったら乗りたいです。。。
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はっしぃさん こんばんは。 コメントありがとうございます。
そうなんですか。乗られてたんですね。愛嬌のあるデザインもさることながら、RRにターボでこのミッションなら楽しい車だと思います[絵文字:v-7] ワゴン系の軽自動車では味わえないでしょう。
こういう楽しい車が最近は少ないのが残念です。