コペンはダイハツのオープンカー型軽自動車。ローブは２代目・LA400K型の第１のモデルで、「ローブ S」はそのスポーティな上級モデルである。
ダイハツ ２代目・コペンとは？
初代コペンの生産終了から2年2ヶ月後の2014年6月にフルモデルチェンジし、２代目となったダイハツ・コペン。
２代目では「感動の走行性能」と「自分らしさを表現できるクルマ」をテーマに開発と生産、営業活動の３点から新たな取り組みを実施した。
外観上はそれまで(初代)のアイデンティティーだった丸みを帯びたボディに丸目ヘッドライト、丸目コンビランプなどを採用せず、新たに躍動感あふれるスタイリッシュなデザインを採用しそれまでのイメージを刷新。
中身においては先代で指摘されていたオープンカーゆえの剛性不足を解消すべく新骨格構造の「D-Frame」を新たに採用。骨格だけでスポーツカーに求められる高い剛性を確保した。
また、脱着構造「Dress-Formation」を採用することにより購入後、ユーザーが着せ替え感覚でボディパネルのカスタマイズや交換を可能とした。
これはかつてダイハツに存在した「ネイキッド」の発想に似ており、それをコペンに取り入れることで自分らしさを表現できるクルマに仕立てている。
エンジンは先代と異なり専用品(４気筒エンジン)とならず、同年代のタントやムーヴで採用されていたKF-DET型直列３気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンを採用。
これに5MTもしくは7速スーパーアクティブシフト付CVTを組み合わせ、専用サスペンションやパワートレインのチューニングによりスポーツカーに相応しい操縦安定性と乗り心地を実現した。
このほか先代同様に電動開閉式オープンルーフのアクティブトップを標準装備とし、燃費技術としてCVTモデルにはアイドリングストップシステムの「エコアイドル」を標準装備。
MTとCVT車の両方でVSCとTRC、ブレーキオーバーライドシステム、エマージェンシーストップシグナルを標準装備とした。
初代では愛嬌ある丸目ヘッドライトが特徴だったが、2代目ではばっさりと廃止。逆に斜め方向にエッジの効いたヘッドライトを採用し、ボディの空力デザインと合わせて流れるようなシャープなデザインへと変更された。
２代目コペン ローブSとは？ローブやセロ、エクスプレイとの違いなど
コペン ローブSとは？
その２代目コペンの上級グレードとして2014年12月に追加設定されたのが「ローブ S」。
「S」とはスポーツの意味で足回りは専用設計のビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用し、内装ではスエード調生地を使用した専用レカロシートと専用設計のMOMO製本革巻ステアリングホイールを標準装備としたグレード。
ちょうど初代にあった特別仕様車の「アルティメットエディション」に相当する上級グレードである。
コペン ローブSの追加装備・専用装備など
ローブSではローブの装備に追加で
- スェード調レカロシート（基本はベージュ色で、ブラックとレッドはオプション設定）
- ビルシュタイン製ショックアブソーバー
- MOMO製本革巻きステアリングホイール
- メッキパーキングレバーボタン
- メッキインナーハンドル
- メッキエアコンレジスターノブ
- 5MTモデルはフロントLSD、BBS製鍛造アルミホイールをオプション設定(２つセットにしたアルティメット・スポーツパックもあり)。
などが標準装備となり、走りや質感が良くなる。さらにローブSではBBS製アルミがオプション選択可。
２代目コペン ローブSの外装（エクステリア）
フロントデザイン。外装上の変更点は特になく見た目はノーマルのローブSとほぼ同じだ。凛々しいヘッドライトにフォグランプまで伸びた切り込みデザインが初代にはないイメージを強調させる。
なお、ヘッドライトやバンパーにはノーマルと同じくイルミネーションLEDが埋め込まれる。
サイド。ローブ Sでは専用設計のビルシュタイン製ショックアブソーバーを標準装備。
ホイールは標準ではノーマルと同じ。
初代のアルティメットエディションに標準装備となっていたBBS製アルミは、ローブSでメーカーオプション化された。
ただしこのオプションアルミはコペン専用デザインの特別製１６インチアルミでノーマルと比較すると格段にデザインが良い。また高い剛性と軽量化を両立させた鍛造アルミホイールで、見た目もさることながら、足回りの軽量化にも貢献する。
さらにローブ Sではメーカーオプションとしてブラックとレッドのツートンカラーが用意される（カラーフォメーション typeA）。
リア。ローブ Sではトランク部分左側にビルシュタインエンブレムが付き、さりげなくノーマルと差別化されている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは660CCの3気筒12バルブDOHC ICターボ付のみの設定。
最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/3200rpm。
先代では伝統の4気筒エンジンを搭載していたが2代目では廃止された。トランスミッションはCVTと5MTの2種類。駆動方式はFFのみ。
安全装備は運転席＆助手席エアバッグ、EBD付きABS、VSCとTRC、ブレーキオーバーライドシステム、エマージェンシーストップシグナルを標準装備する。
２代目コペン ローブSのインテリア（内装）
インパネ。ローブSではエアコンレンジシスターノブとパーキングブレーキボタン、インナードアハンドルがメッキ化された。
ローブ Sでは専用設計のMOMO本革巻ステアリングホイールを標準装備。
さらにCVT車ではステアリングにパドルシフトが加わった。ノーマルではシフトノブによる任意変速のみだったため、よりライトにスポーティな走りを楽しめるようになった。
ATのシフトノブ。パドルシフトの他、シフトノブでもマニュアルモードが付く。
５MTのシフトノブ。
スピードメーターはノーマルと同じ。
シートは専用設計のスエード調レカロシート。インテリアパックによりベージュ、
ブラック、レッドの計３種類のシート表皮が選択可能だ。
トランクルーム（ルーフ展開時）。
２代目コペン ローブSの総評
２代目コペンのローブ Sはスタイリッシュな外観のローブにスポーティなパーツを与えたスポーティーな上級グレードである。
初代のアルティメットエディションに相当するグレードで、最初からビルシュタイン製ショックアブソーバー、レカロシートなどが付く点は軽スポーツ好きには嬉しい部分。
その一方で新車価格が約２００万～と軽自動車にしてはかなり高額な部類で完全な趣味車な部分が強い。元が１８０万～なので２０万円でレカロとビルシュタインにモモステ（革巻き）がつくと思えば安いのだが「軽は足車」的な価値観の人には到底理解できないモデルだろう。
それでも軽自動車の維持費でオープンカーが楽しめると思えれば魅力的な部分も多いモデルである。
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