【後期型】マツダ ラピュタ S(HP22S型) | シン・軽自動車マニア

【後期型】マツダ ラピュタ S(HP22S型)

ラピュタはマツダのクロスオーバーSUV型軽自動車。スズキ・KeiのOEMモデルである。本稿では2001年4月改良以降のスポーツモデル、「ラピュタ S」を扱う。

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画像参照元:Goo-net


1999年3月にスズキ・KeiのOEMモデルとして登場したラピュタ。ラピュタの由来はガリバー旅行記にでてくる夢の浮島のことで、「楽しい」、「スポーティ」、「軽快」ななどをイメージとしたとのこと。元々OEM元の「Kei」とう軽自動車はベーシックなセダン型のアルトをベースに地上最低高を上げて腰高とし、日常生活での悪路走破性を少し高めたモデルである。雪国では地上最低高が低いアルトワゴンRスペーシアよりも少しだけ高いKeiの方が除雪が行き届いてない生活路でも比較的安定した走破性をもたらし、ジムニーよりも室内空間が広く後部座席も独立していることからライトな4WDモデルとして根強い人気のあったモデルである。

マツダに供給するにあたりデビュー当初は特に専用デザインは与えられずエンブレムのみの変更だった。また、グレード展開もまったく同じでデビュー当初は2種類のターボエンジンを用意しベーシックグレードとスポーツグレードの2タイプを設定。ドアも3ドアと5ドアの2種類でどちらかと言うとクロカン風のイメージが強かった。このほかトランスミッションは5MTと3ATまたは4ATを設定し、駆動方式はFFまたは4WDとすべて同じ。

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そのラピュタは2000年10月にベースモデルと同じく改良を受け後期型となった。後期型ではKeiと同じ新デザインのヘッドライトを採用した他、専用デザインのグリルとバンパーを装着。マツダブランドのトレードマークともいえる逆五角形(ファイブポイント)をグリルに与えマツダらしさを演出した。このほか内装でもベースモデルと同じ変更が行われシックなカラーの内装とスピードメーターの変更が行われた。

スポーツグレードの「S」もベーシックグレードと同じマイナーチェンジを実施。このマイナーチェンジでスズキ版ではSグレードの後継としてスポーツモデルの「Keiスポーツ」が新規追加されたが、マツダ版では名称変更はなく従来通りであった(ただし中身はKeiスポーツのOEM)。外装ではスポーティなマツダ専用フォグランプ付きバンパーに15インチアルミホイール、フロント&リア、サイドアンダースポイラーにハイマウントストップ付きルーフエンドスポイラー、専用ローダウンサスペンションを標準装備。内装では黒色貴重のシートに本革巻ステアリングホイール、タコメーター付きのシルバーメーターにより内外装でスポーティーな雰囲気を与えたモデルである。

2001年4月にはKeiスポーツ同様の小変更が行われ、インパネデザイン&スピードメーターのデザイン変更とシート形状の変更が行われ内装の魅力がアップした。本稿ではこの2001年4月以降でKeiワークスのOEMに切り替わる直前の「ラピュタ S」を扱う。

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フロントデザイン。2000年10月のマイナーチェンジでグリル&バンパーが一新され、ベーシックグレードと差別化された。さらにスズキ版とも若干ことなっており差別化が強化されている。中央のグリル形状は同年代のマツダ車に見られたマツダファイブポイントを取り入れ、開口部にはメッシュ状のパーツを取り入れることでマツダ車であると同時にスポーティーな雰囲気を与えた。さらにフォグランプとフロントスポイラーも標準装備とし、それを高めている。なお、2001年4月小変更では外装上の変更点はなく、内装のみのため違いはない。

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サイド。ラピュタSではサイドアンダースポイラーを標準装備。サスペンションも-15mmのローダウンサスペンションとなる。

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足元は15インチアルミホイール。デザインはKeiスポーツとまったく同じ。

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リア。ラピュタSではハイマウントストップ付きルーフエンドスポイラーとスポイラー付きのスポーツ用バンパーが付く。サイドやリアに関してはデザイン上の変更点はなく、ベースモデルと同じ。ただしリアゲートのエンブレムは中央にマツダマーク。右下にMAZDAエンブレム、左下にラピュタエンブレムが付く。一方でKeiスポーツには専用エンブレムがあったが、こちらにはそれがない。

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エンジンはK6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみの設定。2001年4月マイナーチェンジではSOHCのMターボ(KeiスポーツF)を廃止しハイプレッシャーターボに統一した。最高出力64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。同年代のワゴンRRラパンSS、このあと置き換わりで登場するKeiワークスなどと同じエンジン型式&特性となっている。トランスミッションは5MTまたは4ATの2種類。駆動方式はFFまたは4WDとなる。

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インパネ。デビュー当初はラピュタの前期と同じデザインだったが、2001年4月小変更でインパネデザインを変更。エアコン吹き出し口や温度調節パネル部分のデザインが変更されている。

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ステアリングは本革巻ステアリングホイール。

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タコメーター付きのスピードメーターも小変更された。

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エアコンパネル。

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ATのシフトノブ。

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5MTのシフトノブ。

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フロントシートはセパレートタイプ。2001年4月小変更でシートも形状変更され、セミバケットシート風のスポーツシートとなった(これ以前はベーシックグレードと同じ形状)。

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リアシート。Kei同様にスライド機構は非装備。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

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ラピュタのスポーツグレード、「ラピュタ S」はKeiスポーツのOEMモデルとして、外装に専用デフォルメが与えられたモデルである。好みの部分もあるが、ベースモデルよりかはフロントデザインがスッキリとしており、率直にラピュタのスポーツグレードという雰囲気が強いモデルで、Keiスポーツよりも無難なデザインかもしれない。その点がこのラピュタSのポイントだろうか。

中古市場ではOEMモデルとあってタマ数が極端に少ないモデルである。ただし、プレミアム価格は付いていないため5速&ターボの軽自動車を探している人には安くていいモデルかもしれない。なお、このラピュタ SはベースモデルのKeiスポーツがKeiワークスに切り替わったのを期にマツダ版も仕様変更。名前を「ラピュタ Sターボ」にあらためて再登場となる。

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