【スライドドア無しタント】後期型 ダイハツ タントエグゼ(L455S・L465S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【スライドドア無しタント】後期型 ダイハツ タントエグゼ(L455S・L465S型)概要解説

タントエグゼ

タントエグゼはダイハツのトールワゴン型軽自動車。ダイハツ・タントの派生車種である。ここでは2011年11月~2014年10月までを後期型と定義し、これを扱う。

画像参照元:ダイハツ認定中古車
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概要

2009年12月登場のダイハツ・タントエグゼ。当時の売れ筋となった「タント」の派生モデルとして大人がゆったり乗れる軽自動車として開発されたモデルである。

タントの広々とした室内空間はそのままに、スライドドアを廃止しフロントはもとよりリアも上質なシートとしたことで、特にリアシートの座り心地とスペースの広さからくる快適性がウリのモデルであった。

エクステリアはベーシックながらスタイリッシュ感を与え、フロントからルーフにかけての傾斜やサイドシルエットによりタントとは異なるシルエットで躍動感を演出。

インテリアでは圧倒的な広さの室内空間に上質なインテリアを採用。面構成としたインパネにワイド感を演出したアクセントラインで洗練された印象とした。

特にソファ感覚な座り心地を実現した「4席グラマスコンフォートシート」は光沢ベージュをシート表皮に採用。インテリアカラーをブラックとベージュのツートンカラーとすることで、スタイリッシュな室内空間を実現。

タントでは居住空間やシートアレンジを優先したため、シート生地が安っぽくなっていたが、タントエクゼではその反対にシート生地が上質なものとなっている。

後部座席は特にふくはぎ部分に含みをもたせ、センターアームレストも後席に標準装備することで、快適な後部座席空間とした。

パッケージングは2,490mmの超ロングホイールベースに、2,070mmの室内長、1,065mmの前後乗員間距離を確保。大人4人がゆったりとくつろげる室内空間とした。

また、スライドドアを廃止したためタントよりも60kg程度軽量になっているのがベースのタントとは違う大きな特徴でもあった。

エンジンは標準モデルでツインカム可変バルブタイミング機構搭載の3気筒エンジン「KF-VE型」を採用。トランスミッションにはCVTを採用し、優れた燃費と加速性能を実現。

安全装備は全グレードにデュアルSRSエアバッグ、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルト、衝撃吸収ステアリング、ブレーキペダル後退防止機構、EBD付きABSを標準装備した。

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後期型タントエグゼとは?改良点や特徴、前期の違いなど

2011年11月・マイナーチェンジ

そのタントエグゼは2011年11月29日にマイナーチェンジを実施し、後期型となった。

後期型タントエグゼではミライース用に開発された第2世代のKF型エンジンと改良型CVTを採用。新型のアイドリングストップ機構(エコアイドル)、エコ発電制御を組み合わせ燃費を向上。

エクステリアではルーフアンテナとLEDテールランプを新採用。上級グレードにはアルミホイールも標準装備とした。

グレード体系も見直し、標準タントエグゼは3グレードに集約。全グレードでマルチインフォメーションディスプレイを標準装備とした。

2012年9月・一部改良

自然吸気エンジン仕様でエンジン制御を最適化。これにより燃費を向上させた。

タントとタントエグゼの違い

タントとタントエグゼの最大の違いはスライドドアの有無。

タント(2代目以降)では助手席側がセンターピラーレスの両側スライドドアを備えるが、タントエクゼは通常のスイング式ドアとなる。

これはタントエグゼが「大人4人がくつろいで乗れる軽自動車」を目指して設計されたもので、スライドドアによる利便性よりも後部座席のシートや空間に重点を置いているため。

そのため同年代のタントよりも圧倒的に上級な後部座席シート表皮と、室内高が特徴となっている。

それ以外ではヘッドライトやバンパー、ドアはもちろん、インパネやドアトリムに至るまでほとんどが専用設計で差別化されており、名前こそタントが付くが全く違う車種となっている。

なお、タントエグゼはスライドドア機構を持たないかわりにタントよりも約60kg程度軽量化されており、ハイト系でありながら同年代のタントよりも加速や燃費性能などが若干良くなっている。

L455S/L465S タントエグゼのフロントシート

LA600S/LA610Sタントのフロントシート

また、フロントシートとリアシートがタントカスタムよりも上質なシートを採用。フロントシートはセパレートタイプを採用し、ホールド性が高くクッションも良くて長距離ドライブでも疲れづらい。

L455S/L465S タントエグゼのリアシート

L600S_last (6)

LA600S/LA610Sタント後期のリアシート

特に後部座席のシートは優秀で、リアシートにもサイトサポートが付き、アームレストを備え座面も厚みもかなりある軽自動車では異例のシートが採用されている。

これにより大人4人が快適に乗れる軽自動車となっている。

後期型・タントエグゼのグレード L、X、Xリミテッド、Xスペシャルの違い、おすすめグレード

後期タントエグゼのグレード構成は廉価グレード「Xスペシャル」、エントリーグレード「L」、上級「X」、最上級「Xリミテッド」の4種類。

ターボ車の設定はカスタムモデルのみで、標準タントエグゼは自然吸気エンジンのみ。

【後期型】ダイハツ タントエグゼカスタム(L455S/L465S型)概要解説

前期では4WD専用グレード(S,Lなど)が存在したが、後期モデルではそれぞれのグレードに4WD仕様が設定される。

Xスペシャル

タントエグゼの廉価グレード。Xグレードよりも装備を厳選し、価格を抑えた一番安いグレード。

Xグレードと比較してXスペシャルでは…

エクステリアではカラード電動格納ミラーが非装備(手動ドアミラーを採用)でトップシェイドガラスも非装備。後期モデルではサイドストーンガードとリアスポイラーが非装備となった。

タイヤは後期モデルで14インチ化され、スチールホイール+ホイールキャップを標準装備。

インテリアではフロントのみセンターアームレスト付きでリアアームレストが非装備。

インテリアではリアのセンターアームレストが無しで、フロントのみセンターアームレストを標準装備。ステアリングはウレタンステアリングだが、メッキオーナメント付き。

インナードアハンドル、シフトレバーボタン、レジスターベゼルリングのメッキ加飾も無し。

グローブボックスランプやフロアイルミネーション、オーバーヘッドコンソール、バニティミラーも非装備。

快適装備のエアコンはマニュアル式エアコンを採用し、電波式キーレスエントリーとなる。

L

後期タントエグゼのミドルグレード。Xスペシャルに対して快適装備が豪華になる。

エクステリアでは電動格納ミラーとトップシェイドガラスを標準装備。4WDではヒーテッドドアミラーとなる。

インテリアではメッキレジスターベゼルリングを標準装備。

快適装備ではフルオートエアコンにキーフリーシステム(イモビライザー付き)を標準装備する。

X

後期タントエグゼの上級グレード。後期モデルは標準エクゼのGグレードが廃止され、実質Xグレードが上級グレードとなった。

エクステリアではLグレードに対して14インチアルミホイールとLEDターンランプ付き電動格納ミラー、LEDハイマウントストップランプを標準装備。

インテリアでは「センターアームレスト」、「グローブボックスランプ」、「フロアイルミネーション」、

「照明付きバニティミラー(運転席&助手席)」、「アジャスタブルパック(チルトステアリング+運転席シートリフター+アジャスタブルショルダーベルトアンカー)」、「イルミネーテッドツインコンソール」、「助手席シートアンダートレイ」が標準装備となる。

Xリミテッド

2019年9月に追加設定されたグレード。

Xグレードに「バックモニター付カーナビを標準装備」とし、使い勝手を良くした最上級グレード。

エクステリア

フロントデザイン。タントエグゼはタントよりも大きく斜め方向のエッジを効かせたヘッドライトと、大型メッキグリルが特徴だ。

タントよりもスタイリッシュ感をアップさせており、カスタムモデルでなくとも少し勇ましい顔つきとなる。

後期モデルでは外装の変更はなく、前期と同じデザイン。

横からのシルエット。ほぼタントと同じ形だが、ボンネットからフロントガラスにかけては曲線を描いていており、4代目ムーブを連想させるデザイン。

足元は14インチスチールホイール+ホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。

後期モデルでは、上級Xグレードのみ14インチアルミホイールを標準装備する。

リアのコンビランプはベースの2代目タントとは真逆で縦型に配置されている。デザインも上級感を感じるコの字型を採用し、スタイリッシュなリアビューとしている。

ハイマウントストップランプはXグレードのみLED仕様。その他は電球タイプ。

後期モデルではストップランプがLED化された。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはKF-VE型自然吸気エンジンのみ。

自然吸気エンジンは最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。

駆動方式はFFか4WD、ミッションは発売当初はCVTと4ATの2種類。廉価4WDグレードの「S」と上級4WDの「S」のみ4ATで、FFモデルではCVTを採用する。

安全装備は運転席&助手席エアバッグ、EBD付きABSを標準装備する。

タントエグゼは燃費が悪い?

タントエグゼは軽自動車の中でも車重が870kg~960kgとかなりの重量級。

トランスミッションも前期には4ATを採用したグレードがあり、この時代のトルコン式ATは効率が悪く重量も重たい4WD&4ATモデルではさらに燃費が悪くなる傾向がある。

2011年7月以降の一部改良ではCVTを改良。エコアイドルやエコ発電、エンジンも改良型の第2世代エンジンを搭載する関係で燃費が良くなった。

そのためタントエグゼで燃費が気になる場合は、前期モデルでなく、2011年7月以降か、後期モデルの購入をオススメする。

価格の安い前期モデルを購入する場合で燃費が気になる場合は、4ATモデルでなくCVT搭載のグレードを選ぶように。

インテリア

インパネ。ブラック&ベージュを組みあせた2トーンインパネで、上級感や親しみやすさを演出。

スピードメーターは全グレードでタコメーター付き3眼式を採用。マルチインフォメーションディスプレイも全グレードに標準装備となった。

ステアリングはウレタンステアリング。後期モデルは全グレードメッキオーナメント付きとなった。

エアコンはXスペシャルのみマニュアル式エアコン。

LとXグレードではフルオートエアコンとなる。

ATのシフトチェンジはコラムシフトを採用。

L455S (2)

フロントシートはセパレートタイプ。タントエグゼの売りである4席グラマラスコンフォートシートはホールド性を持たせるためにサイドのサポートが付いていてかつ立体的なデザイン。

これなら一般的な軽自動車にありがちな「ただ座れれば良い」的なシートと違って長時間でも疲れづらく、かなりこだわりを感じるポイント。

L375S (1)

※ちなみにこれがタントのフロントシート。ベンチシートタイプだがサポートがほぼ無いに等しい。

L455S (3)

後部座席のシートもしっかりと作りこまれている。

タント譲りの広さは健在で、足元はかなり広い。普通車と同じかそれ以上か。

その分荷室は狭め。ただし後部座席を倒せばかなり広い空間が生まれる。

L455S (5)

シートアレンジによってはこのような使い方も。車中泊もできそうだ。

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。リアシートは快適性を重視しため座面が厚く、リアシート部分が盛り上がってフルフラットにはならない。このあたりは少し注意。

タントではセンターメーターだったが、このエグゼでは従来タイプに。全グレードでタコメーターを標準装備する。

まとめ

後期型タントエグゼの総評

タントエグゼはスライドドアをあえて排除し、前後に豪華な専用シートを採用。ラグジュアリーな室内空間を実現したスーパートールワゴンであった。

後期モデルではカスタムと比べると外観の変更が殆どなかったが全車CVT仕様となり、改良型エンジン&CVTの採用で燃費性能が向上する。自動ブレーキこそ無いが、順当なマイナーチェンジとなった。

一方で廉価グレードではエアロパーツが省かれたりと、若干のコストダウンもみられた。また後期モデルでも自動ブレーキの設定が一切なく、その点は競合モデルに劣る点でもあった。

前期と同じくノーマルモデルではターボモデルが無いのでパワー不足の関係から1人乗りや街乗りメインとなるが、ターボモデルであれば複数人での利用や郊外への遠出などに活用が期待できる。

【前期型 不人気】ダイハツ タントエグゼ・カスタム(L455S/L465S型) グレード一覧・概要解説

タントエグゼ 生産終了の理由 後期の中古車は少し割高

スライドドア全盛期にあえてスライドドアを辞めて室内空間にこだわったタントエグゼ。

しかしながらマーケット的にはこの手の軽自動車を買う層は、スライドドアが必須(主婦層が多く)でタントに流れてしまい、かつ同社のムーブと需要が重なり売れ行きが芳しくなかった。

その影響で2014年10月に生産を終了。次期モデルも発売されず1代限りとなった。

中古市場では不人気車ということで同年式&同走行距離で比較しても同年代のタントより割安で購入可能だ。

【スライドドア無しタント】前期型 ダイハツ タントエグゼ(L455S・L465S型)概要解説

ただし、後期モデルは若干高年式なため、前期モデルよりは割高感がある。

スライドドアが不要なことが条件だが、ゆったりのれる軽自動車としてお買い得な1台だと思う。

この広さや使い勝手でここまで上質なシート、等に後部座席の快適性は現行モデルでは味わえない魅力である。

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