スズキ ワゴンR 150万台記念車(2代目・後期型 MC22S型) | シン・軽自動車マニア

スズキ ワゴンR 150万台記念車(2代目・後期型 MC22S型)

ワゴンR RR

ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。「ワゴンR 150万台記念車」は2代目・後期、MC22型に設定された特別仕様車である。

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画像参照元:Goo-net

概要

1998年10月の新規格と同時に登場した2代目ワゴンR。

初代の爆発的なヒットを受けてボディスタイルはほぼそのままに軽自動車新規格サイズに対応。全体的に丸みがプラスされて、ちょっとだけ上品になったのが外観上の特徴である。さらに2代目ワゴンRでは初代から続く「運転席側1枚+助手席2枚+ハッチバック」の変則4枚ドアをグレード別で継続設定。特徴的なサイドビューは踏襲されている。

エクステリアは張りと丸みを強調させより存在感を強くしたデザインに加え質感も向上。さらに丸みを与えたことで空力性能もアップさせた。

2代目は使い勝手も向上し最小回転半径が4.6mから4.2mに減少。可倒式リアヘッドレストの採用や助手席シートバックトレーの採用&前方にフルフラット化。運転席にはシートリフターを採用。インパネアンダートレー、カップホルダーなど収納スペースの大幅増加。

エンジンは一部のターボモデル以外でK6A型DOHCエンジンを採用し、それまでのEPI&プラグコードにかわるダイレクトイグニッションコイルの導入で初代よりも燃費がアップ。また、トランスミッションはワゴンR史上初となるCVTを設定するなど地道かつ順当な進化を果たした。

2代目では走りの基本性能もアップ。全車のブレーキに8インチマスターバックを採用し制動力を向上。エンジンマウントは3点支持方式に変更し、メインマフラーの容量アップ&制振材・遮音材の材質変更等で先代よりも振動・騒音を低減。

インテリアでは全車にフルトリムを採用。樹脂類もシボ変更を行うことでより質感の高い内装とした。

そのワゴンRは初代のデビューから1回目のフルモデルチェンジを経ておよそ9年後の2001年6月に累計150万台を達成。これを記念する特別仕様車として設定されたのが本稿で扱う「150万台記念車」である。

ワゴンR(MC22S)150万台記念車の特徴と違い

150万台記念車ではツインカムターボエンジンを搭載するスポーティーモデルの最上級、「RRリミテッド」をベースとし外装では専用カラーとして「マジョーラサファイア」を設定。見る角度等によって紫、青、緑系などに色合いが変化する特別なボディカラーとなっている。

また内装では専用ファブリックシート&ドアトリム表皮、専用本革&ウッドステアリングホイール、専用インパネガーニッシュなどの上質仕様としたほかDSP(デジタルサウンドプロセッサ)機能を装備したMC/CDステレオと専用スーパーウーハー&吊り下げ式リヤスピーカーによる上級オーディオシステムを標準採用。

ノーマルでも迫力ある重低音を楽しめ、内外装で150万台を記念する特別感のある豪華な装備がおごられている。

エクステリア

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フロントデザイン。ベースは後期のRRリミテッドとなり、グリル上部にワンポイントアクセントのメッキパーツが付く。プロジェクター式ヘットライトにHIDを標準装備。外装の専用パーツは特になく、RRリミテッドに準拠する。

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サイドから。このあたりもRRリミテッドと同じだが専用カラーとして写真色の「マジョーラサファイア」を設定。見る角度や光のあたり方によって紫を基調とした様々な色合いとなる多層構造の光輝顔料を使用しこの代のワゴンRとしては非常に鮮やかなカラーが特徴だ。

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リア。こちらもRRリミテッドとおなじ。テールランプはマルチリフレクター化される前の登場だったためレンズカットタイプとなっている。

エンジン・機能

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エンジンはK6A型3気筒DOHC12バルブインタークーラーターボのみの設定。トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。前期型ではRRにも5MTの設定があったが後期型では4ATのみに統一された。

インテリア

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インパネ。150万台仕様として褐色塗装を施した専用インパネガーニッシュに加えパワーウインドースイッチべゼルや、メッキ処理を施したインサイドドアハンドル、専用色のフロアカーペットを採用。

記念モデルにふさわしい特別感と上級感を演出した。さらにオーディオ機器は音楽の「音色」や「広がり感」を好みに変化させることができる5モードDSP(デジタルサウンドプロセッサ)機能を装備したMD/CDステレオを標準採用。この代の軽自動車にしてはかなりのこだわりようだ。

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ステアリングは本革&ウッドステアリングホイールを採用。なお、後期型に移行した際、シフトノブはフロアシフトからコラムシフトに変更されている。

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スピードメーターはベースと同じ。

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フロントシートはベンチシートタイプ。150万台仕様として褐色基調の専用ファブリックシートとドアトリム表皮を採用。さらに運転席下に専用スーパーウーハーを装備しノーマル状態でも重低音を楽しめるようになっている。

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リアシート。

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ラゲッジルーム。使い勝手はベースと同じくシートを倒すと広大な荷室が生まれる。ラゲッジルーム上部には吊り下げ式リヤスピーカーを採用し、4スピーカーシステムを実現。

まとめ

2代目ワゴンRの150万台記念モデルは専用のボディカラー(マジョーラサファイア)に豪華なオーディオ機器を標準する特別仕様車である。

特にこの紫色はこの代の軽自動車としては珍しいカラーでかなり目立ったことだろう。オーディオ機器も最初からウーハーを備えるなどコストカットの観点から省略されることの多い当時の軽自動車にしては(ただし、最近ではオプションで豪華なオーディオ機器を設定するものもあるが)かなり手が込んでいる。

中古市場では滅多に出てこない希少グレードではあるがプレミアム価格は付いていないので足車として2代目ワゴンRを探している人は頭の隅に入れておきたいモデルである。

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