【2代目・前期型】スズキ ワゴンR RR (ダブルアール MC11S/MC21S型) | シン・軽自動車マニア

【2代目・前期型】スズキ ワゴンR RR (ダブルアール MC11S/MC21S型)

ワゴンR RR

ワゴンRは、スズキのワゴン型軽自動車。本稿では2代目MC系のスポーツグレードである「RR」の前期型(1998年10月~2000年11月)について扱う。

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画像参照元:Goo-net

概要

1998年10月の新規格と同時に登場した2代目ワゴンR。

初代の爆発的なヒットを受けてボディスタイルはほぼそのままに軽自動車新規格サイズに対応。全体的に丸みがプラスされて、ちょっとだけ上品になったのが外観上の特徴である。さらに2代目ワゴンRでは初代から続く「運転席側1枚+助手席2枚+ハッチバック」の変則4枚ドアをグレード別で継続設定。特徴的なサイドビューは踏襲されている。

エクステリアは張りと丸みを強調させより存在感を強くしたデザインに加え質感も向上。さらに丸みを与えたことで空力性能もアップさせた。

2代目は使い勝手も向上し最小回転半径が4.6mから4.2mに減少。可倒式リアヘッドレストの採用や助手席シートバックトレーの採用&前方にフルフラット化。運転席にはシートリフターを採用。インパネアンダートレー、カップホルダーなど収納スペースの大幅増加。

エンジンは一部のターボモデル以外でK6A型DOHCエンジンを採用し、それまでのEPI&プラグコードにかわるダイレクトイグニッションコイルの導入で初代よりも燃費がアップ。また、トランスミッションはワゴンR史上初となるCVTを設定するなど地道かつ順当な進化を果たした。

2代目では走りの基本性能もアップ。全車のブレーキに8インチマスターバックを採用し制動力を向上。エンジンマウントは3点支持方式に変更し、メインマフラーの容量アップ&制振材・遮音材の材質変更等で先代よりも振動・騒音を低減した。

インテリアでは全車にフルトリムを採用。樹脂類もシボ変更を行うことでより質感の高い内装とした。

ワゴンR RR(MC21S)の特徴とノーマルとの違い

2代目ワゴンRのスポーティーモデルである「RR」はベースの2代目のフルモデルチェンジである1998年10月に同時デビューした。

先代の末期で追加されたワゴンRのスポーティーモデルであるRRは軽自動車では最高出力の64馬力ターボエンジン(※最上位グレード)に、エクステリアでは専用角型4灯ヘッドライトや大型バンパー、専用グリル、丸形フォグランプ、アルミホイール、フルエアロ、マフラカッターを標準装備。

インテリアでもブルー&ブラックの専用シート表皮やタコメーター付きシルバー仕様のスピードメーターを。

快適装備として電動格納ドアミラーにコラムシフト車ではオプションでサンルーフも設定。

RRのみの走りの装備としては4AT仕様にニュートラルスリップ制御付き4ATを採用。全車にフロントベンチレーテッドディスクブレーキを採用するなど走りも高め、ベーシックなノーマルモデルとは明らかに異なる内外装とメカニズムが特徴である。

ワゴンR RRのMC11SとMC21Sとの違い

MC11SとMC21Sとの違いはエンジン型式にある。MC11SはF6A型直列3気筒インタークーラー付きターボエンジンを搭載。MC21Sはオールアルミ製のK6A型直列3気筒インタークーラー付きターボエンジンを搭載。最高出力もF6Aではマイルドターボ仕様で60馬力、後者のK6A型では自主規制いっぱいの64馬力を発生する。

なお、世代的にはF6Aのほうが古く、タイミングベルトを採用するため走行距離や走行状態に応じてタイベル交換が必要となる。後世代のK6Aではタイミングチェーンが採用されたためその心配は基本的にはない。

F6Aエンジンを搭載するMC11型はモデルが少なく、特別仕様車の「RR-FSリミテッド」のみの設定。それ以外はすべてK6A搭載のMC21S型となる。

エクステリア

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フロントデザイン。先代のRRはスポーティーなバンパーとグリルのみの変更だったが2代目RRではインナーブラック仕様のプロジェクター&マルチリフレクターのハイロー独立ヘッドライトを標準装備。ノーマルとはかなり差別化された。これにブラック色の階段状グリル、専用バンパー、専用エアダクトを備えみるからにスポーティーな外観となっている。

これ以外にもRR専用のエアダクト付きボンネット、専用グリル、専用大型バンパー、丸形フォグランプ、フロントアンダースポイラーを標準装備とし、ノーマルよりもスポーティーかつ攻撃的な顔つきとなっている。

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サイドから。下部にはサイドアンダースポイラーを標準装備。

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先代から続く運転席側のリアドアが無い仕様も踏襲。

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リア。エアロチックな専用バンパーとハイマウントストップランプ付リアスポイラーを標準装備。左側にRR、右側にWagonRのデカールが貼られる。

エンジン・機能

エンジンは3気筒ターボが2種類。F6A型SOHCインタークーラー付きターボは最高出力60ps(44kW)/6000rpm、最大トルク8.5kg・m(83N・m)/3500rpm。

K6A型DOHCインタークーラー付きターボは最大トルク64ps(47kW)/6500rpm、最高出力10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。60馬力のSOHCターボはRR-FSリミテッドやRR-Sリミテッドなど価格を抑えた廉価グレードに搭載されていた。

ミッションは5MTと4AT。駆動方式はFFまたは4WD。さらにワゴンRのRRにマニュアル仕様があったのは2001年10月まで、2001年11月マイナーチェンジではマニュアルが廃止され、全グレードで4ATのみとなった。

インテリア

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インパネ。4ATにはコラムシフトとフロアシフトの2種類が設定されていた。

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スピードメーターはタコメーター付きのシルバータイプ。1996年6月マイナーチェンジで追加されたRRリミテッドでは本革巻ステアリングホイールが標準装備された。

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MTのシフトノブまわり

MC21型RRのコラムシフト。

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フロントシートはAT仕様のコラムシフトがベンチタイプ。MT仕様とATのフロアシフトではセパレートタイプとなる。シート表皮はRR専用のブルー&ブラックを組み合わせたスポーティーな柄となり、ノーマルと差別化がなされている。

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リアシート。2代目のリアは少し足元が狭い。後期型の2002年9月マイナーチェンジではリアシートにスライド機構が備わるがこの時点ではスライドはない。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

インテリア

MC系は登場から10年程になるが、ワゴンRということで今でもある程度の人気がある。デザイン的にも初代ほど古臭い感じがなく、まとまりがあるのが人気の理由なのだろうか。

中古市場では年式経過や人気がスティングレーにシフトした影響かかなり安価に買えるモデルとなっている。ただ、古いゆえのトラブルや故障のリスクなども増える年式の軽なので購入の際はメンテナンス記録など状態を確認してほしい。特に最後のターボ&5MTのワゴンRとして前期型の2代目RRは貴重な存在でもある。

その一方でMC21SのRRはMC22S(2代目後期型ワゴンR)やこの後の3代目ベース(MH22S)には無い最後のターボ&5MTのワゴンRとして、前期型の2代目RRは貴重な存在でもある。

コメント

  1. 匿名 より:

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    こんにちは。後期型でも2001年10月まではRR系で5MTは選べます。

    4ATはコラムとフロアの2タイプで、コラムがベンチ、フロアがセパレートです。

    余計なお世話かもしれませんが、参考になれば幸いです。

  2. さすらいのクラ吹き より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメント&ご指摘ありがとうございます。

    後ほど調べた後に反映させようと思います。僕自身も間違い等に気づいていない部分があるので気になった点はご指摘いただければありがたいです。