【特別仕様】マツダオートザム AZ-1 マツダスピードバージョン (PG6SA型) | シン・軽自動車マニア

【特別仕様】マツダオートザム AZ-1 マツダスピードバージョン (PG6SA型)

AZ-1

AZ-1はマツダの2シーターのミッドシップ軽自動車。「マツダスピードバージョン」はその特別仕様車である。

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出典:Goo-net

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マツダ AZ-1とは?

1992年10月登場のマツダオートザム・AZ-1

軽自動車史上の中でも唯一なガルウィングを標準装備する小型スーパーカーのような外観とFRPを多用した軽量ボディ。ミッドシップレイアウトに2代目アルトワークス譲りのターボエンジンを搭載したMRの軽スポーツである。

いわゆる平成の軽自動車ABCトリオのAにあたるモデルで、3車種の中では最も個性的な1台だ。

特にガルウィングのためにボディ重量が増えてしまう欠点を補うため、ボディはFRP製でスケルトンモノコックという特殊フレームを採用し、ガルウィング装着車としては脅威の720kgとなっている。また、AZ-1はボディがない状態でも走行可能で最近でいうところの2代目コペンのようなフレームとなっていた。

そしてエンジンはアルトワークスと同じF6Aの3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンをボディ後方に搭載し後輪を駆動するMR方式を採用。

トランスミッションは5MTのみを設定する硬派な仕様で、その独特なスタイリングに軽量ボディ、地を這うような低い全高に本格的なターボエンジンとビートやカプチーノに負けない魅力のマイクロスポーツカーとして販売されていた。

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アメリカ25年ルール解禁でAZ-1の中古価格が高騰しプレミアムカーに

元々生産台数が少なく、国内市場でも中古価格は安くなかったAZ-1。

ここ最近は2016年から25年ルール適用でAZ-1の初期モデルのアメリカへの輸出が可能となったあたりから急激に価格が高騰し、現在では状態のいいものであれば300万円前後の値札が付くプレミアムカーとなっている。

これは日本でしか販売されなかった日本車(JDM:Japanese domestic market)が日本のアニメやゲーム、ワイルドスピードなどの映画の影響でアメリカで人気となっており、その筆頭としてGT-Rの高騰がある。

AZ-1も軽自動車という日本でしか販売されなかったモデルで、全世界で販売されたプレイステーションのゲームソフト、「グランツーリスモ」にも登場したモデル。

その小さくて可愛いボディにデロリアンのようなガルウィング、後輪駆動、5MTターボなど唯一無二点からも人気の理由となっている。それゆえに国内市場の中古価格もこれに押し上げられ、高値傾向となっている。

AZ-1・マツダスピードバージョンとは?特別装備とノーマルとの違い

そのAZ-1に1994年2月、マツダスピード製の専用パーツを装着した特別仕様車が追加された。それがこの「マツダスピードバージョン」である。

特別仕様車というのは販売促進も兼ねて設定されることが多い限定仕様であるが、AZ-1ではその傾向が強く販売開始から1年半で生産休止となった在庫のAZ-1に、エアロパーツを取り付け。加えてマツダスピードというブランドを用いて販売された特別仕様車であった。

マツダスピードバージョンではエクステリアに

  • 専用の大型エアインテーク付きボンネット
  • エアロバンパー
  • 大型リアスポイラー

を装着し外観に迫力を与えた特別仕様車となっている。

なお、マツダスピードバージョンには販売された時期によってバージョン1、バージョン2、バージョン3と若干の違いがある。外観はほぼ同じだが若干の違いがある。

AZ-1 マツダスピード バージョン1

バージョン1は1993年6月販売で限定50台。

ボディカラーは「クラシックレッド」、「サイベリアブルー」の2色。MAZDA SPEEDのサイドステッカーなし。

AZ-1 マツダスピード バージョン2

バージョン2は1993年10月販売で限定100台。

「クラシックレッド」、「サイベリアブルー」、「シルバーストーンメタリック」の3種類でサイドステッカーあり。

AZ-1 マツダスピード バージョン3

バージョン3は1994年2月販売で限定100台。

ボディカラーは「サイベリアブルー」を廃止し、入れ替えで「ブリリアントブラック」を設定。

その他「クラシックレッド」、「シルバーストーンメタリック」を含めた全3色。

サイドステッカーの文字が白地に中貫の「MAZDA SPEED」となり、アルミホイールがオプション設定されていた。

AZ-1 マツダスピードバージョンのエクステリア(外装)

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出典:Goo-net

フロントデザイン。マツダスピードバージョンではノーマルとは異なる大型エアインテーク付きエアロボンネットとエアロ形状のバンパーを装着。

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出典:Goo-net

ボンネットはエアインテーク開口部の拡大以外にヘッドライト部分に盛り上がりが付け加えられ、ノーマルよりも迫力のあるフロントとなっている。

なお、このパーツはノーマルのAZ-1に後付も可能で純正マツダスピードバージョン以外にユーザーが後付した個体も中古市場では見受けられる。

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出典:Goo-net

サイド。1993年10月登場のマツダスピードバージョンⅡ以降では「MAZDASPEED」のデカールがリアに入る。それ以前のマツダスピードバージョンⅠではデカール無し。これ以外はノーマルと同じだ。

ボディカラーはマツダスピードバージョンⅠがクラシックレッドとサイベリアブルー。1993年10月以降のマツダスピードバージョンⅡではこれにシルバーが追加。1994年2月登場のマツダスピードバージョンⅢではサイベリアブルーが廃止されブラックが設定された。

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出典:Goo-net

当然ながらドアはガルウィング。ただし窓ガラスはノーマル同様にほんの少ししか開かないため実用上はかなり不便だ。その点は走りに重点を置いている部分でトレードオフといったところだろか。

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出典:Goo-net

リア。マツダスピードバージョンでは大型のリアスポイラーを標準装備する。

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出典:Goo-net

小さなボディに迫力ある大型リアスポイラーでノーマルよりもリアビューがダイナミックになっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

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出典:Goo-net

エンジンはF6A型3気筒のDOHCインタークーラー付きターボエンジン。

最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは8.7kg・m(85.3N・m)/4000rpmを発生する。

トランスミッションは5MTのみで駆動方式はミッドシップとなる。

平成初期のモデルのため、安全装備の運転席エアバッグはもちろん、ABSも非設定。

AZ-1 マツダスピードバージョンのインテリア(内装)

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出典:Goo-net

インパネ。内装はベースと同じでマツダスピードバージョンの変更点は特に無い。

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出典:Goo-net

スピードメーター。これもノーマルと同じ。

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出典:Goo-net

フロントシート。バケットシートタイプで本格的。なお、1994年2月のバージョンⅢ以降ではシートカラーが赤から青に変更されている。

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出典:Goo-net

ラゲッジルーム…は残念ながらAZ-1には無く荷物がほとんど載らない。

ミッドシップ車はトランクルーム部にエンジンがありかわってボンネット内部にラゲッジルームがあることが多いが、AZ-1のマツダスピードバージョンでは大型化されたエアインテーク形状のボンネットにより衝突時ここにスペアタイヤがあるとこれが圧迫されて運転席に到達する危険性が出たため急きょ運転席後ろに移動されている。

よって助手席はシートが若干後ろにスライドするが運転はほとんど下がらない。

AZ-1 マツダスピードバージョンの評価

AZ-1のマツダスピードバージョンはAZ-1に魅力的な外装パーツを標準装備した迫力ある特別仕様車である。

AZ-1ノーマルでも十分個性的で可愛らしいボディながらスーパーカーにも見えるデザインが特徴だが、マツダスピードバージョンではそれをさらにバージョンアップし、より迫力ある外観が魅力的な1台だ。スズキへのOEM版、「キャラ」には特別仕様車が無いためその観点からも希少性が高い。

なお、マツダスピードバージョンはバージョンⅠが50台限定。バージョンⅡが100台限定。バージョンⅢが100台限定生産され、これだけ聞くと希少性が高いように感じるが実は売れ残った在庫をさばくための苦肉の特別仕様車という裏の顔を持つ。

AZ-1はデビュー当初こそはよかったものの、軽自動車で2人乗りかつ荷物もほとんど乗らずそれでいて新車価格は150万円からと当時としてはかなり趣味性の高いモデルであった。

そのためバブル期が過ぎると特に実用性が重視される軽自動車市場においてはほとんと売れずそれをなんとかするため特別仕様車が設定されていった。

ただし、生産終了後はその希少性から中古市場では人気が跳ね上がり現在では状態の良い個体なら100万円はおろか、200万以上もくだらないプレミアムモデルと化している。

ビートカプチーノでも状態が良いと高値が付くがAZ-1に至ってはそれ以上でなんとも皮肉なものである。

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