【2代目・前期型】ダイハツ ムーヴカスタム(L900S/L910S/L902型) | シン・軽自動車マニア

【2代目・前期型】ダイハツ ムーヴカスタム(L900S/L910S/L902型)

ムーヴカスタム

ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。ムーヴカスタムはそのスポーティーモデルである。本稿では2代目・L900系のデビュー当初1998年10月~2000年9月までを前期型とし、これを扱う。

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出典:Goo-net

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2代目 ダイハツ・ムーブカスタムとは?

1998年10月にフルモデルチェンジし2代目となったダイハツ・ムーヴ。

2代目では1998年の軽自動車新規格に対応し、初代がベースながらもボディがひと回り拡大した。ノーマルムーヴのデザインは内外装ともにイタルデザイン(ジウジアーロ)が手掛けたことでも有名だ。

初代のムーヴではベースとなったミラの派生感の強い内外装だったが、2代目ではこれを払拭。

外観ではベーシックながらも飽きのこないスタイリッシュ感を併せ持ち、インテリアも専用設計で全体的に質感がアップしている。

初代のムーヴでは後にカスタムモデルが追加設定となったが、2代目からはカスタムモデルを同時設定。ただし、ノーマルモデルはイタルデザインのものだが、ムーヴカスタムではノーマルをベースにダイハツ社内によるアレンジとなっている。

本稿で扱う「ムーヴカスタム」は、ノーマルムーヴをベースに外観をスポーティーに仕立てたモデル。

  • 専用丸目ヘッドライトアルミホイール
  • フロントアンダースポイラー
  • サイドアンダースポイラー
  • リアアンダースポイラー
  • ルーフスポイラー

のフルエアロ仕様とし、サスペンションもカスタム用のローダウンサスペンション(※エアロダウンカスタムグレード)を標準装備。

内装もブラック系でスポーティーに仕立てたモデルである。特に2代目からは外観がきっちりと差別化され、「やんちゃな軽ワゴン」というイメージが強くなった。

エンジンは新型の3気筒エンジン(NA&ターボ)に加え、最上級グレードではダイハツの名機とされる「JB-DET型」直列4気筒のDOHCインタークーラー付きターボエンジンを設定。

安全技術としては衝突安全ボディ(TAF)の採用、デュアルSRSエアバッグ、ブレーキアシスト付きABS(オプション設定)、一部グレードではABSとTCS(トラクションコントロールシステム)、横滑り防止装置の3つを組み合わせたDVSをオプション設定するなど初代よりもかなりの安全性の向上を果たしている。

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2代目ムーヴカスタムL900S、L910S、L902、L912Sの違い

L900SとL910Sの違いは駆動方式。FFモデルがL900Sで、L910SはFFベースの4WDとなる。

ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。

そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。

一方、L902SはFFモデルで4気筒エンジンを搭載するモデル。2代目前期ムーブカスタムの4気筒エンジン搭載モデルは4WDが非設定で、FFモデルのみとなる。

※後期モデルでは4気筒ターボと4WDを組み合わせたL912S型が設定される

エクステリア

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出典:Goo-net

フロントデザイン。ベースモデルに対してヘッドライトまわりを新設計。ノーマルの角目ヘッドライトから丸目ヘッドライトに変更されどこかレトロな雰囲気をも漂わせる顔つきとなっている。

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出典:Goo-net

「ムーヴカスタムといえばこの顔」という人も少なくはない一昔前のムーヴカスタムのアイデンティとなっている。

なお、内側のヘッドライトはフォグランプで外側がハイロー切り替え式の2灯式ヘッドライトとなる。ウィンカー下部の空間はダミーである。

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出典:Goo-net

サイド。初代をベースとしているためボディフォルムは初代によく似ている。ムーヴおよびムーヴカスタムでは4代目で居住スペースを重視した「タマゴ型」のボディ形状を採用したが、この2代目ではデザイン的にもワゴン感の強いものだった。

カスタム仕様としては下部にサイドアンダースポイラー。メッキドアハンドルカバーにメッキドアミラーを標準装備。リアドアにはムーヴカスタムのデカールが付く。

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出典:Goo-net

足元はカスタムらしくアルミホイールとなる。自然吸気エンジンでは13インチアルミホイール。

ターボ仕様のエアロダウンカスタムでは14インチアルミホイールとなり、ローダウンサスペンションが標準装備となる。

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出典:Goo-net

リア。コンビランプは初代の位置を引き継ぎ、かつ大型化し迫力をアップさせた。バンパーはエアロタイプのカスタム専用品でスポーティーなデザイン。

右下には四角形のムーヴエンブレムと左側にはカスタムデカールが付く。

エンジン・機能装備・安全装備など

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出典:Goo-net

エンジンはデビュー当初、カスタムグレードではEF-VE型・3気筒DOHC自然吸気エンジンとEF-DET型・3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンの2種類。

3気筒エンジンは

EF-VE型自然吸気エンジンは最大出力58ps(43kW)/7600rpm、最大トルク6.5kg・m(63.7N・m)/4000rpm。

EF-DET型ターボエンジンは最大出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク10.9kg・m(106.9N・m)/3600rpm。

4気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンは

JB-DET型・最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.9kg・m(107N・m)/3200rpm)。

カスタムグレードの2WD(グレード名・エアロダウンカスタム、エアロダウンカスタムXX)に設定。

トランスミッションは4ATまたは5MTの2種類。ただし4気筒ターボとの組みあわせは4AT&FFのみとなる。駆動方式はFFまたは4WD。

安全装備としてはエアロダウンカスタムの2WDモデルにブレーキアシスト付きABSがオプション設定。プリテンショナー&フォースリミッター付フロントシートベルトも一部グレードでオプション設定。

衝撃感知安全システム(衝突時ドアロック解除、ハザードランプ点滅・ルームランプ点灯連動式)は全グレード標準装備となっていた。

インテリア

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出典:Goo-net

インパネ。5MTは従来通りのフロアシフトだが、ATモデルではコラムシフト化された。

インパネは初代ではミラと共通品だったが2代目からは専用設計となり差別化が明確になさえた。写真はオプション設定の「ウッド調パネル」を装着。

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ステアリング。

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スピードメーター。文字盤背景がホワイト化されスポーティーな印象。4気筒ターボモデルではタコメーターのレッドゾーンが8500rpmからとなる。

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フロントシートはベンチシートタイプ(AT仕様)。この代からオートマモデルではベンチシートが採用となった。

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リアシート。ラゲッジルームを広く取る設計のためこのときは足元が狭め。ただしリアシートはスライド機構が付くため足元の広さは調節可能だ。

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ラゲッジルーム。リアシートはスライド機構の他、前側に押し込むことが可能。

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リアシートを倒した状態。リアシートを前側に押し込むとフルフラットになる。

まとめ

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出典:Goo-net

2代目ムーヴカスタムの前期型は個性が強調された外観に専用設計で質感のアップしたインテリア、広くなった居住スペースなど内外装で初代よりもかなりレベルアップしたモデルである。

丸目ヘッドライトは好き嫌いが別れるデザインだが、当時の軽自動車では少なかった丸目を前面に押し出した外観と使い勝手のよいパッケージングでライバルのワゴンR同様に大ヒットとなった。

その後の3代目でもこの丸目デザインが継承されしばし「ムーヴカスタム=丸目」というイメージが付くこととなった。2代目後期型では丸目デザインが若干変更されより上級感のあるデザインに変更される。また、リアのコンビランプも一部を除いてインナーメッキが採用となるためより外観がよくなる。

中古市場ではかなりの年数が経つモデルのため激安に近い価格で取引されている個体が多い。タマ数も極端に減り、希少車の域にはいっている。経年劣化や過走行などで購入後の修理費用が高く付きそうなタマも多く見受けられ中古で購入する場合は要注意である。

ただ、モデル的には特に今では廃止となった4気筒ターボがラインナップされるなど軽ターボの華々しい時代の象徴するモデルで、軽自動車史に残るようなダイハツの名車なのである。

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