ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。本稿ではカジュアル系ムーヴの3代目・L150およびL160S系の後期に設定された特別仕様車、「VS」を扱う。
出典:ダイハツ認定中古車
3代目 ダイハツ・ムーヴとは?
2002年10月にフルモデルチェンジし、3代目となったダイハツ・ムーヴおよびムーヴカスタム。
ノーマルムーヴ(カジュアルムーヴ)ではそれまでのイタルデザインによるエレガントなエクステリアから一転。カジュアルな印象を強めより上質感あふれる外観に変化した。ボディも先代までの初代ベースとは異なり完全新設計。
プラットフォームも一新し居住空間においては室内長が1730mmから1920mmに大幅拡大。室内幅も1220mmから1305mmに拡大したことで乗り込んだときの広さは格段にアップした。また、DVDナビゲーションシステムやクルーズコントロールなど快適&豪華装備もオプションで設定するなどより高級路線をも強めるモデルへと変化していった。
先代と同じくスポーティーなカスタムと同時設定のノーマル(カジュアル)ムーヴは、カスタムに対してオーソドックスやベーシック感を強くし万人受けしやすいデザインとした外観が特徴で、スズキでいうところの「ワゴンR」に相当するモデル。
先代(2代目)ではイタルデザインによるスタイリッシュな外観となっていたが、3代目ではそのイメージを一新。よりカジュアル路線を追求したデザインとなっている。
出典:Goo-net
また、内装においては2代目より専用設計となりベースとなったミラとは差別化されたが、3代目ではそれを発展。インテリアのデザインが2代目よりも洗練され軽自動車とは思えないような上質なものへと変化した。
この点は広くなった室内空間とあわせて3代目ムーヴで評価が高いポイント。このあたりからそれまでの「我慢グルマ」という軽自動車のイメージを一新し、快適性や実用性を兼ね備えた付加価値の高いモデルへとシフトしていくことになる。
3代目・後期型ムーヴとは?改良点や前期との違いなど
その3代目ムーヴはムーヴカスタムと同じく2004年12月のマイナーチェンジで内外装の変更を伴い後期型となった。
外装ではフロントバンパーとリアバンパー。フロントグリルとリアコンビネーションランプのデザインを一新したほか、内装ではメッキ付きの新スピードメーターを採用。
インパネをツートンカラーとし、紺色のボリューム感のある新シート表皮を採用し内外装でリフレッシュをはかったマイナーチェンジとなっている。なお、前期ではカスタムモデルのみターボ仕様車が設定されていたが、このマイナーチェンジでノーマルムーヴにもターボ仕様車が設定された。
3代目・後期型ムーヴ(L150S/L160S)VSとは?特徴と違い
その後期マイナーチェンジからおよそ10ヶ月後の2005年9月。Lグレードをベースとしフロントに専用メッキガーニッシュを採用。エアロパーツやブラック内装でスポーティーな外観に仕立てた特別仕様車が追加された。
それがこの「ムーヴ VS」である。
ムーヴVSではエクステリアに
- フロントメッキガーニッシュ
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- ハイマウントストップランプ付きルーフスポイラー
- アルミホイール
- LEDターンランプ付きドアミラー
を標準装備としノーマルムーヴよりもスポーティーな外観に。
内装では
- ムーヴカスタム用のブラックインテリア
- タコメーター付きの2眼スピードメーター
を採用したことでそれまでの3代目ノーマルムーヴにはなかったスポーティーな個性を与え若者向けとしたモデルとなっている。
ムーヴVSのエクステリア(外装)
出典:Goo-net
フロントデザイン。後期の「Lグレード」をベースにVS仕様として専用メッキガーニッシュを既存のグリル上部に装着。ノーマルムーヴではグリルはヘッドライトよりも下の位置にあり、ボンネットよりも上に位置するライトだけが飛び出たような出目金のような顔つきだった。
それがVSで新たらに与えられたメッキガーニッシュによりその出目金感が無くなり、ムーヴカスタムまではいかないもののシンプルかつスポーティーな顔つきとなった。
出典:Goo-net
ヘッドライトはノーマルと同じでディスチャージライトの設定はなし。
出典:Goo-net
この他バンパー下部にはフロントアンダースポイラーも付いてスポーティーな外観となっている。
出典:Goo-net
サイド。VS仕様としてムーヴカスタム用の「サイドアンダースポイラー」を標準装備。
出典:Goo-net
VS仕様としてLEDターンランプ付きドアミラーも採用。
出典:Goo-net
足元も14インチアルミホイールとしサイドから見た目を向上させた。
出典:Goo-net
セキュリティーアラームベース同様に標準装備。
出典:ダイハツ認定中古車
リア。VS仕様としてリアアンダースポイラーにハイマウントストップランプ付きルーフスポイラーを標準装備とした。ムーヴカスタム用のコンビランプは付かないが、これはこれでスポーティーなリアビューとなっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはEF-VE型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力・58ps(43kW)/7600rpm、最大トルク・6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WD。
安全装備としてはLグレードベースのためABS&電子制動力配分装置がオプション設定となる。
ムーヴVSのインテリア(内装)
出典:Goo-net
インパネ。ムーヴカスタム用のブラックインパネを採用し、ノーマルムーヴでありながらスポーティーな内装とした。さらにCD/MDステレオを標準装備する。
出典:Goo-net
スピードメーター。3代目後期・ムーヴカスタム用の2眼スピードメーター(タコメーター付き)を採用。
出典:Goo-net
フロントシートはベンチシートタイプ。こちらもムーヴカスタム用のブラックシートの採用で外観と同じくスポーティーな雰囲気を与えた。
出典:Goo-net
リアシートも同様にブラックタイプ。スライド機構付きで足元の広さを調節可能だ。
出典:Goo-net
ラゲッジルーム。
出典:Goo-net
リアシートを倒した状態。
まとめ
3代目・後期型ムーヴに設定された「VS」はノーマルムーヴに専用のメッキガーニッシュとフルエアロ、アルミホイールやターンランプ付きドアミラーなどで外観にスポーティーなパーツを与えたモデルである。
内装にもムーヴカスタム用の流用となるがブラックインテリアを与えたことで、3代目ムーヴカスタムとも3代目ノーマルムーヴとも異なるちょっと個性的な1台に仕上がっている。
特に不細工だった顔の印象が少し和らいだため、「これなら3代目ノーマルムーヴのVSでも良いか」と思えるとデザインとなっている。この点は評価できるポイントだ。
中古市場では特別仕様車なので他のグレードと比べるとタマ数が少ないが、中古価格はノーマルグレードと変わらず割安なため街乗り用の足元として活躍が期待できそうだ。
特に人気だった3代目ムーヴカスタムに比べると絶対数が少ないため他人と被りづらいという部分もポイント。自動ブレーキや燃費、ターボが無いなど現行モデルや走行性能では劣る部分が多々あるが、その分安い中古価格に使い勝手のよい室内空間など、中古車としての魅力はまだまだ健在である。
この後の4代目ムーヴ、5代目ムーヴでもVSグレードは設定されつづけ、モデル末期に販売されるスタイリッシュかつお買い得な特別仕様車として登場する。
コメント
SECRET: 0
PASS: 4867b59036f403aa83155f1f0b470d00
ムーヴカスタムVSも是非お願いします!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
燃え太郎さん、こんばんは。
リクエスト了解しました。今週中には記事にできるかと思います。あまり期待せずにお待ち下さい(^_^;)