フレアはマツダのワゴン型軽自動車。スズキ・ワゴンR(5代目)のOEM車である。
出典:マツダ認定中古車
初代 マツダ・フレアとは?
2012年10月に登場したマツダ・フレア。それまでスズキ・ワゴンRのOEM供給で「AZワゴン」という名前で販売されれたいがこの代からは新たな名称「フレア」を採用した。
OEM車種としては珍しく力が入ったモデルで、タレントを起用して大体的にCM放映をするぐらい気合が入っていた。
エクステリア・インテリア・パッケージング概要
エクステリアはボリューム感のある縦型ヘッドライトにシンプルなメッキグリルを組合せ親しみやすい顔つきにスタイリッシュな箱型ボディを採用。
インテリアはグレー&ベージュの2トーンカラーインパネで暖かみや明るさを表現。
パッケージングは室内長2,165mm。前後乗員間距離は1,000mmを確保しAZワゴン時代よりもさらに拡大。最小回転半径も4.4mで取り回しの良さを両立。
機能装備
機能装備は「助手席前倒し機構」、「リアシートワンタッチチルトダウン(分割可倒式)」、「フルフラットシート」で、多彩なシートアレンジを可能とした。
収納スペースは伝統の「助手席シートアンダーボックス」のほか、手提げ袋などを掛ける「ショッピングフック」、箱型ティッシュも置ける「助手席インパネトレイ」豊富な収納スペースを設定。
このほか「アドバンストキーレスエントリー&キーレスプッシュボタンスタートシステム」はXGグレード以外で標準装備とした。
メカニズム概要
安全装備は「ヒルホールドコントロール」、「4W-ABS(4輪アンチロック・ブレーキ・システム)&EBD(電子制御制動力配分システム)&ブレーキアシスト」を全グレードに採用した。
メカニズムではそれまでのK6A型に変るR06A型エンジンを新規に採用。軽自動車としては初となる低燃費技術の「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全グレードに採用し、ハイテン鋼などで徹底的に軽量化(先代比-70kg)したことで自然吸気エンジンのFFモデルでは28.8km/L(JC0モード)を実現するなど燃費が飛躍的にアップした。
初代フレアMJ34Sと5代目ワゴンRMH34Sとの違い
初代フレアと5代目ワゴンRとではエクステリアデザインとグレードによる装備内装が異なる。
フロントデザインはフレアがマツダデザインの逆五角形(ペンタゴン)形状を採用した専用グリル&専用バンパーを採用し、マツダらしいシンプルかつスタイリッシュな顔つきとしている。
一方のスズキは全グレードでスタイリッシュなメッキグリルを採用し、バンパーも下方向に開口部が大きめかつ六角形デザインでよりベーシック感を高めている。
グレード構成もマツダがXGとXSの2グレードに対し、スズキは一体型オーディオレス仕様のFX、FX、FXリミテッドの3種類を設定。
内装はインパネは同じだが、シート表皮とドアトリムにはマツダ仕様としてブラウンシート表皮を採用し、上質感を与えている。
初代フレアのグレード XGとXS、カスタムとの違いなど
初代フレアのグレード構成はシンプルに2つ。エントリーグレードの「XG」と上級グレードの「XS」。
スズキ・ワゴンRスティングレーに相当するカスタムモデルは先代同様に「カスタム」の名称が付いた「フレアカスタムスタイル」として別設定。

XGグレード
XGグレードは初代フレアのベーシックグレードで、ワゴンRのFXに相当するグレード。
XSに対しベーシックな外観にスチールホイール+ホイールキャップ。ボディカラーもオプションカラー無しの4色のみの設定。
デビュー当初はATのみの設定だったが、後でスズキ版同様に5MTモデルも追加された(XSに5MTは非設定)。
XSグレード
XSは上級グレード。スズキ版のFXリミテッドに相当する。
外観はXGに対しエアロバンパー、サイドアンダースポイラー、リアスポイラー、アルミホイール、LEDターンランプ付きドアミラーなど見た目がスタイリッシュになる。
ボディカラーもFXは4色設定だったが、FXリミテッドではオプションのミステリックバイオレットパールとパールホワイト2色を追加した6色設定。
内装でもブラックインテリアに本革巻きステアリング、機能装備には「アドバンストキーレスエントリー&キーレスプッシュボタンスタートシステム」など豪華な装備が特徴だ。
初代・前期型フレアのエクステリア(外装)
フロントデザイン。初代フレアはシンプルな逆五角形形状のグリルに太い1本ラインのメッキラインを組合せたグリル、親しみやすい開口部のバンパーと組合せた愛嬌のある顔つきが特徴だ。
バンパー下部のグリルは同年代のマツダ・キャロルと同じくマツダのアイデンティティである五角形が用いられている。
OEM元のワゴンRとはグリルとバンパーがかなり差別化されており、ひと目でマツダとわかるデザインとなっている。
サイド。4代目AZワゴンと同じボディスタイルで、箱型だがスタイリッシュ形状で箱感が薄いデザイン。XGグレードはベーシックな外観だが、XSではサイドアンダースポイラーやLEDターンランプ付きドアミラーなどでよりスタイリッシュとなる。
足元はXGが14インチスチールホイール+ホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。
XSでは14インチアルミホイールを標準装備する。
リアは専用のフレアエンブレムとマツダエンブレムが付いている。コンビランプは共通でストップランプはLED仕様。
XSではルーフエンドスポイラー&リアバンパーアンダーガーニッシュなどが付いてフルエアロ化される。
エンジン・機能装備・自動ブレーキなど
エンジンはR06A型の3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。ターボエンジンは前述の通りカスタムモデルのカスタムスタイルのみの設定となった。
最高出力は52ps(38kW)/6000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpmを発生。トランスミッションは副変速機付きのCVTまたは5MT。
5MT仕様はデビュー当初設定がなかったが、2013年7月マイナーチェンジ(2型)でワゴンR・FXに追加され、マツダ版へはXGグレードに追加となった。
駆動方式はFFまたは4WDとなる。低燃費技術としては「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全グレードで標準装備とした。
2013年7月マイナーチェンジ(2型)ではエンジン制御の最適化やCVTプログラムの最適化、ディファレンシャルギアケースの軽量化にエンジンアンダーカバーの追加などでFFの自然吸気エンジンモデルはの燃費で30.0km/L(JC08モード)を達成。
さらに自動ブレーキとして「レーダーブレーキサポート」、「誤発進抑制機能」、「エマージェンシーストップシグナル」、「車両走行安定補助システム(ESP)」の4点をセットオプションとして設定した。
初代フレアでホットなのは、CMでも印象深い「エネチャージシステム」。これは今までのバッテリーの他、回生発電+オルタネーター制御のために別にリチウムイオンバッテリーを搭載し、不要な発電を抑え燃料消費を抑制し燃費を向上させるもの。
これは結果的に燃費向上以外にパワーロスを低減し、坂道でのトルク向上を果たした。さらに先代よりも最大70kg軽量化し、副変速機付きCVTとも相まってノンターボでも街乗りであれば十分な加速性能がある。
初代・前期型フレアのインテリア(内装)
インパネ(XGグレード)。マツダ仕様として、ステアリングのオーナメント以外はベースと同じ。初代フレアでは2トーンカラーのインパネを採用。
XSグレードのインパネ。XGに対してシルバー加飾が追加され質感がアップする。
さらにXSグレードでは本革巻きステアリングを採用しエンジンスタートもプッシュスタートボタン式となる。XGはウレタンステアリング。
XGグレード、5MTのインパネ。
エアコンは全グレードでフルオートエアコン。
スピードメーター。タコメーター付きの3眼式メーターを採用。
なお、XGの5MTモデルではこれが廉価な単眼式に変更される。
フロントシートはベンチシートタイプ。先代よりもシート形状が良くなり、質感がアップした。スズキ版ではベージュのモノトーン表皮だが、フレア仕様としてXGグレードはベージュ&ブラウンの2トーンカラーシートを採用。
5MTモデルではセパレートタイプを採用。
XSではシート表皮がブラックタイプ。インナードアハンドルがシルバー塗装となる。
リアの足元も広め。シートは左右分割式でスライド機構付き。
ラゲッジスペース。
荷室はシートを倒すとかなり広い。
初代・前期型フレアの評価
マツダの初代フレアは、マツダとわかるデフォルメされた専用デザインに質感の高いインテリア、エネチャージによる低燃費など新世代に相応しいフルモデルチェンジとなった。
後期モデルはエネチャージがS-エネチャージにパワーアップするものの、デザインがスズキ版とほぼ同じデザインとなる。個性という点では初代前期型に軍配があり、価格も手頃なのでこの点はアドバンテージである。
オーソドックスなワゴンRでなく、あえてマツダのフレアという選択肢も悪くないと思う。自動ブレーキや燃費、加速性能は後期型に劣るが安価な価格とレアな点はこのモデルの魅力でもある。
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