【初代・後期 マイルドハイブリッド】マツダ フレア HS (MJ44S型) 

フレア

フレアはマツダのワゴン型軽自動車。スズキ・ワゴンRのOEMモデルである。本稿では初代 後期型の簡易ハイブリッドモデルである「HS」を扱う。

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概要

2012年10月に登場したマツダ・フレア。それまでスズキ・ワゴンRのOEM供給で「AZワゴン」という名前で販売されれたいがこの代からは新たな名称「フレア」を採用した。

OEM車種としては珍しく力が入ったモデルで、タレントを起用して大体的にCM放映をするぐらい気合が入っていた。

エクステリア・インテリア・パッケージング概要

エクステリアはボリューム感のある縦型ヘッドライトにシンプルなメッキグリルを組合せ親しみやすい顔つきにスタイリッシュな箱型ボディを採用。

インテリアはグレー&ベージュの2トーンカラーインパネで暖かみや明るさを表現。

パッケージングは室内長2,165mm。前後乗員間距離は1,000mmを確保しAZワゴン時代よりもさらに拡大。最小回転半径も4.4mで取り回しの良さを両立。

機能装備

機能装備は「助手席前倒し機構」、「リアシートワンタッチチルトダウン(分割可倒式)」、「フルフラットシート」で、多彩なシートアレンジを可能とした。

収納スペースは伝統の「助手席シートアンダーボックス」のほか、手提げ袋などを掛ける「ショッピングフック」、箱型ティッシュも置ける「助手席インパネトレイ」豊富な収納スペースを設定。

このほか「アドバンストキーレスエントリー&キーレスプッシュボタンスタートシステム」はXGグレード以外で標準装備とした。

メカニズム概要

安全装備は「ヒルホールドコントロール」、「4W-ABS(4輪アンチロック・ブレーキ・システム)&EBD(電子制御制動力配分システム)&ブレーキアシスト」を全グレードに採用した。

メカニズムではそれまでのK6A型に変るR06A型エンジンを新規に採用。軽自動車としては初となる低燃費技術の「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全グレードに採用し、ハイテン鋼などで徹底的に軽量化(先代比-70kg)したことで自然吸気エンジンのFFモデルでは28.8km/L(JC0モード)を実現するなど燃費が飛躍的にアップした。

初代フレア 後期型の改良点と前期型との違い

初代フレアは2014年8月にマイナーチェンジを実施。

それまでのエネチャージを進化させたマイルドハイブリッド仕様のS-エネチャージを新搭載したHSグレードをXSに置換する形で追加設定した。

初代フレア S-エネチャージの特徴

従来のエネチャージではバッテリーとは別の第2の蓄電池を設け、オルタネーターの代わりに蓄電池から電力を供給することで無駄なガソリン消費を抑えるものだったが、S-エネチャージではモーター機能付きのオルタネーターを採用。

発電の他、エンジンのアシスト源(スターターモーター機能とモーターアシスト機能)として使うことでマイルドハイブリッド仕様に進化した。さらに蓄電池は高効率リチウムイオンバッテリーを採用したことで、充電や給電性能を向上。モータアシストに必要な大電流に対応させた。

これらS-エネチャージを採用したことで燃費性能はさらに向上し、自然吸気エンジンのFFモデルで32.4km/L(JC08モード)。

同年代のライバルである5代目ムーヴを大きく引き離す大台を達成。5代目の後期型では「マイルドハイブリッド」という大きな仕様変更がなされたマイナーチェンジとなった。

後期型・初代フレア 外装・内装・自動ブレーキなどの変更点

後期モデルで追加のHSグレードではフロントデザインが大幅変更された。OEM元のワゴンR・FZと同じ大型メッキグリルに形状変更したヘッドライト、バンパー&クリアーテールランプで上級ハイブリッドモデルらしい洗練された外観に変更。

内装でもS-エネチャージ導入に伴いスピードメーターにマルチインフォメーションディスプレイを追加。シート表皮をブラックシートからグレー表皮に変更。

ボディカラーではオプションの「パールホワイト」を廃止。入れ替えでオプションカラー「クリスタルホワイトパール」を新規追加。

自動ブレーキはそれまでオプション扱いだったレーダーブレーキサポートをHSグレードに標準装備化。さらにXGでもオプション選択可能とした。

なお、ワゴンRは全グレードで新デザインのなったのに対し、フレアのXGグレードではデザイン変更が適用されず、前期型とまったく同じ外観だった。

初代フレア MJ44SとMJ34S型の違い

初代フレアのMJ44SとMJ34S型の違いはマイルドハイブリッドのS-エネチャージ搭載モデルか、通常のピュアガソリンエンジン仕様かの違い。

MJ44Sはグレード名、「HS」が該当し、FFと4WDの2種類を設定。MJ34Sは前期と同じXGグレードが該当する(FFと4WDを両設定)。

なお、トランスミッションがMJ44SはCVTのみに対し、MJ34SはCVTと5MTの2種類を設定する。

エクステリア(外装)

フロントデザイン

今回のマイナーチェンジでの大きなポイントはベースのワゴンRと同じ簡易ハイブリッドシステムである「S-エネチャージ」の搭載である。これによりワゴン型でも燃費はFFモデルで32.4km/lを達成し、ライバルの6代目(LA150系)ムーヴ(31.0km/l)を追い越す低燃費となった。

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フロントデザイン。今回のS-エネチャージ搭載に伴い、フロントデザインもがらりとデザイン変更した。

前期型ではヨーロピアンな雰囲気漂う曲線&直線のエッジが効いたヘッドライトだったが、後期型では往年のAZワゴン(ワゴンR)を彷彿とさせる角目&斜めのエッジが効いたヘッドライトとなった。

グリルもかなり大型化され同時にメッキ仕様とすることで存在感もアップしている。ハイブリッドモデルであることを象徴するようなインパクトあるデザインだ。

前期ではクセの強いデザインだったが後期ではどちらかというと保守的なデザインとなり、前期のデザインでためらっていたユーザー層にアピールできる内容だ。

なお、ワゴンR同様にフロントグリルにはLEDイルミネーションが内蔵されるが前期型で見られたマツダ専用のデフォルメは無くなり、エンブレムのみの変更となっている。

サイド

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サイドから。このあたりは特に変更なし。XSと同じくLEDターンランプ付きドアミラー、サイドアンダースポイラー、セキュリティーアラームを標準装備する。

タイヤサイズと純正アルミホイール

HSグレードでは上級モデルゆえに14インチアルミホイールを標準装備。後期モデルでデザインが変更されている。タイヤサイズは155/65R14。

リア

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リア。マツダエンブレムと車名のフレアエンブレムを装着している以外はベースと同じ。

ハイブリッド仕様ということでカスタムスタイルと同じクリアーテールに青みがかったものが付く。

エンジン・機能装備・自動ブレーキなど

エンジン・モーター機能付き発電機など

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エンジンはR06A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみで、ターボエンジンはカスタムモデルのカスタムスタイルのみに設定。

自然吸気エンジンは最高出力52ps(38kW)/6000rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。

後期型ではこのエンジンに加えてSエネチャージを採用した上級の「HSグレード」では小型のモーターに回生発電とアシストのマイルドハイブリッド仕様となる。HSグレードでは従来型のオルタネーターに加えてアシスト用のオルタネーター機能付きのモーター(出力1.6kW)が加わる。

トランスミッションは副変速機付きのCVTもしくはXGグレードで5MTも設定される。駆動方式はFFか4WDだ。この他減速時アイドリングストップシステム、エコクールが全グレードで標準装備となる。

自動ブレーキ(レーダーブレーキサポート)

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自動ブレーキ等に関しては上級のFZグレードで「レーダーブレーキサポート」、「誤発進抑制機能」、「エマージェンシーストップシグナル」、「車両走行安定補助システム(ESP)」の4点をHSグレードに標準装備。

XGグレードではこの4点がセットオプションで選択可能となった。この他「ヒルホールドコントロール」(CVT仕様のみ)とABSは全グレード標準装備。

S-エネチャージではハイブリッド化による走りのモーター感は皆無なものの、登坂時ではモーターのアシストで若干登坂能力が改善されており、特に自然吸気エンジンでは効果が期待できる。

さらに素晴らしいのはアイドリングストップ時の再始動音で、あの独特のエンジンスタート音がとても静かな点。これは確実に軽自動車の質感を向上させるポイントである。

インテリア(内装)

インパネ

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インパネ。後期モデルでは大きな変更はなく、前記同様上級モデルのHSは本革巻きステアリングやプッシュスタート式エンジンスタート、フルオートエアコンが標準装備となる。

スピードメーター

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スピードメーター。パネルに刻まれたイルミネーション(ブルーからグリーン)でエコ運転を表示する。後期モデルではS-エネチャージ搭載により、燃料残量計がデジタル化&マルチインフォメーションディスプレイとして右側に統合して追加された。

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追加された液晶パネルによりマイルドハイブリッドの回生発電やモーターアシストなどの状態を表示する。

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なお、XGグレードの5MTではタコメーターをカット。シンプルなスピードメーター(※エコドライブインジケーター付き)となる。

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XGのCVTモデルは従来通り(前期)のエコドライブアシスト照明で、効率が良い運転状態になるとスピードメーター照明色が青色から緑色に変化する。

フロントシート

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フロントシートはベンチシートタイプ。後期モデルではブラックシートからグレーシートに表皮が変更された。

リアシート

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リアシート。左右分割式でスライド機構付き。

ラゲッジスペース

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ラゲッジルーム&片方のみシートを倒した状態。AZワゴンシリーズ歴代の分割可倒式となっている。

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全てシートを倒すとかなり広くなる。

まとめ

初代フレアの後期モデルは5代目ワゴンRの後期モデル同様にマイクロハイブリッドのS-エネチャージを搭載し、他社ライバルより最も燃費の良いモデルとなっている。

残念ながら前期型に見られたマツダ専用デフォルメが無くなってしまったためスズキ版との差別化が無いのだが(国内では)軽のイメージが強い貧相なスズキエンブレムよりも普通車とヨーロッパ車のイメージがあるマツダエンブレムの方が高級感があり、ワゴンRで迷ったらブランドイメージで選ぶというのも一つの選択肢だろう。

なお、前期型のデザインは異例ながらS-エネチャージ非搭載のベーシックグレード(XG)で残されており、デフォルメがない分こちらで差別化が残されている。

中古市場ではワゴンRと比較するとタマ数が少なく、探す場合は見つけづらい。価格もまだまだ新しいモデルで、かつS-エネチャージ搭載のため隠れた人気車種ゆえに中古価格は高め。ただし自動ブレーキがさほど必要なく、6代目の個性的なデザインが苦手な人には魅力的なモデルでもある。

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