ムーヴラテはダイハツのワゴン型軽自動車。ムーヴの派生車種である。
出典:ダイハツ認定中古車
ダイハツ ムーヴラテとは?
2005年6月に登場したダイハツのムーヴラテ。
同時期に販売されていた「3代目ムーヴ」の派生車種として可愛らしさを強調して作られたモデルである。
それまでのムーヴとは完全に異なる曲線ボディに丸目ヘッドライト&丸目コンビランプでムーヴと名前が付くもののまったく違うキャラクターが特徴であった。
ボディはショートノーズ・ロングキャビンのフォルムが与えられ、丸形ヘッドライト、コンビランプ、ドーム型キャビン、丸くくりぬいた窓でおおらかさや温かさを表現。
ボディカラーもハッピーフルーツカラーを含めた全10色を設定。
室内空間はムーヴゆずりの1,970mmの室内長を実現。室内高も1310mmと快適性を確保し、それ以前のセダンをベースとしたの可愛らしい軽自動車とも異なっていた。
インテリアデザインはシルバー塗装のインパネクラスター、丸形1眼式メーターなど、室内空間もまるを生かしたデザインを採用。
スマイルベンチシートや丸形インナードアハンドル、残照式ドームランプ、防眩ルームミラーなど雑貨感のある装備を採用している。
加えて女性に嬉しいプラズマクラスター、クリーンエアフィルター、UVカットガラスやキーレスエントリーの採用に加え吸音タイプの遮音材の採用で静粛性をアップ。
防音材にもムーヴ用をベースに吸音タイプ天井の採用や吸音プラス遮音の効果を発揮する「ダブルエフェクトサイレンサー」、「床上の防音制振」などの採用により静粛性を向上。
エンジンはツインカムDVVT(連続可変バルブタイミング機構)3気筒エンジン(EF-VE型)とツインカム3気筒ターボエンジン(EF-DET型)の2種類を設定。
トランスミッションには上級RSに電子制御式4ATのESATを採用。ボディ構造には衝突安全ボディ“TAF”を採用し、衝撃吸収性能の向上や強固なキャビンの実現と軽量化を両立。
足回りもスプリングやショックアブソーバーなどを最適にチューニングし快適な乗り心地を実現している。
安全装備はデュアルSRSエアバッグを全グレードに標準装備とし、プリテンショナー&フォースリミッター(運転席可変)機構付フロント3点式ELRシートベルトを標準装備。
運転席側は、シートベルト荷重を段階的に制御することにより乗員を保護する可変フォースリミッター機構を採用。ABSもLグレードを除いて全グレードに標準装備とし、より女性向けに特化した軽自動車であった。
ムーヴとムーヴラテの違い
3代目ムーヴ(L150S型)の派生ではあるものの、エクステリアやインテリアなどかなり異なるのがムーヴラテの特徴。
ボディはムーヴラテ専用設計で、かつシャーシーもムーヴラテ専用設計となる。ムーヴよりも丸みを帯びたボディのために剛性もあがり、3代目ムーヴよりもしっかりとした走りをみせる。
エクステリアでは丸目ヘッドライト、丸目テールランプ、専用ボディなどでムーヴと名前が付かなければ派生モデルとはわかないほど。
インテリアでもムーヴ用ではなく、レトロモダンな2代目ミラジーノの内装を流用することでポップな印象を持たせている。
メカニズムでもターボエンジンの設定やモモステ装備のRSリミテッドの設定、後に追加でカスタムモデルの「ムーヴラテ クール」を投入するなど、本家ムーヴ並の多様なグレード展開となっていた。
そしてモデル中盤では廉価グレード以外にプラズマクラスター付オートエアコンとクリーンエアフィルターを標準装備化するなど、かなり女性を意識したモデルとなっていた。
ムーヴラテのグレード L、X、Xリミテッド、RS、COOL(クール)、COOL TURBO(クールターボ)の違いなど
ムーヴラテのグレード展開は廉価グレード「L」、ミドルグレード「X」、上級「Xリミテッド」、上級ターボ仕様「RS」、最上級ターボ仕様「RSリミテッド」の5種類。
モデル途中からカスタムモデルに相当するクールシリーズが追加され、上級「クール」と上級ターボ仕様「クールターボ」を追加。標準グレードにも「VS」が追加された。
特別仕様車は「モユ」が設定されていた。
カスタムモデルのムーヴラテ クールはこちらから。
L
ムーヴラテの廉価グレード。装備を簡略化し、価格を抑えたグレード。
エクステリアは13インチスチールホイール+ホイールキャップ、LEDターンランプ付きドアミラーが非装備でベーシック。
インテリアではマニュアル式エアコンとなり、1眼式メーターを採用。
- チルトステアリング
- 照明付き大型バニティミラー(運転席・助手席)
が非装備。運転席のみバニティミラーとなる。電波式キーレスやパワステ、パワーウィンドウ、集中ドアロックは標準装備。
安全装備はLグレードのみEBD付きABSがオプション設定。
X
ムーヴラテのミドルグレード。Lグレードよりも装備が良くなる。
エクステリアではLEDターンランプ付きドアミラーを標準装備(※足元はLと同じホイールキャップ)
インテリアでは
- フルオートエアコン(シルバー塗装)
- チルトステアリング
- 照明付き大型バニティミラー(運転席・助手席)
- 前席カップホルダーにシンボル照明付き
- シートバックキッズポケット(助手席側)
- 16cm4ドアスピーカー+インテグレートCD/AM・FMラジオ付きステレオ
を標準装備。安全装備はEBD付きABSが標準装備となる。
Xリミテッド
ムーヴラテの上級グレード。Xグレードをベースに内外装や機能装備が豪華になる。
エクステリアではXに追加で
- ルーフエンドスポイラー
- サイドストーンガード
- フォグランプ
- エアロバンパー(フロント&リア)
- 14インチアルミホイール
を標準装備。インテリアではタコメーター付きの2眼式スピードメーターを採用し、内外装がスポーティになる。
VS
モデル終盤に「X」と「Xリミテッド」グレードとの入れ替えで設定されたグレード。
VSではエクステリアに
- LEDターンランプ付きドアミラー
- リアコンビランプにクール用のクリアータイプ
を採用。内装では
- キーフリーシステム(イモビライザー付き)
- 電子カードキー
- オートエアコン
- 消臭機能付きのデオドラントシート
- デオドラントシート表皮(新色ハニーベージュ/アプリコット)
- インテグレートCD/MD・AM/FM付ステレオ&16cm4ドアスピーカー
などを標準装備。ベースモデルよりも価格を抑えながら魅力をアップさせたグレード。
RS
ムーヴラテの上級ターボ仕様。Xリミテッドをベースにターボエンジンを搭載し、走りが良くなる。
このほかRSにはオプション設定でモモ革巻きステアリングが選択可能。
RSリミテッド
ムーヴラテの最上級ターボ仕様。
RSに対して追加でディスチャージヘッドランプとモモ革巻きステアリングなどを標準装備する。
クール
2005年6月に追加設定されたグレード。クールはムーヴカスタムに相当するカスタムグレードの自然吸気エンジン仕様。
出典:ガリバー
エクステリアでは専用の
- メッキグリル
- メッキモール付きエアロバンパー(フロント&リア)
- サイドストーンガード
- ルーフエンドスポイラー(リアスポイラー)
- フォグランプ
- LEDターンランプ付きドアミラー
- アルミホイール
- クリアーテールランプ
を標準装備。インテリアでは
- アルミヘアライン調インパネクラスター
- 本革&スエード調ファブリックシート(ムーンアイボリー色)
- インテグレートCD/MD・AM/FM付ステレオ&16cm4ドアスピーカー
など標準モデルよりも内外装が上質となる。
クールターボ
上記クールをベースにターボエンジンを搭載した最上級ターボ仕様。内外装や機能装備が豪華で、ターボエンジン搭載により走りが良くなる。
エクステリアではクールに追加で
- ディスチャージヘッドランプ
- ミニライト製15インチアルミホイール
- フロントスタビライザー
を標準装備。インテリアでも
- MOMO革巻きステアリングホイール
を標準装備しムーヴカスタムRSのようなスタイリッシュな内外装と機能装備なる。
なおクルーズターボの追加設定によりRSリミテッドが廃止された。
クール VS
モデル終盤に「クール」との入れ替えで設定されたグレード。
クールVSではクールの装備に追加で女性に人気の
- キーフリーシステム(イモビライザー付き)
- 電子カードキー
- オートエアコン
- 消臭機能付きのデオドラントシートなど
- デオドラントシート表皮(ドレスブラック)
- インテグレートCD/MD・AM/FM付ステレオ&16cm4ドアスピーカー
を標準装備。ベースモデルよりも価格を抑えながら魅力をアップさせたグレード。
特別仕様車 モユ
2006年1月設定の特別仕様車。
Xグレードをベースに女性に嬉しい機能装備の
- 専用シート表皮(ミストグリーン)
- 専用生地織込み成型ドアトリム(ミストグリーン)
- マット調インパネクラスター(グレイッシュウッド)
- アロマヒーリング(MOYU用アロマオイル[2種類]+ディフューザー)
- 運転席シートリフター
を特別装備し、お買い得としたモデル。
ムーヴラテの前期・後期の違い、仕様変更など
ムーヴラテはムーヴやタントなどとは異なり、大きな改良となるマイナーチェンジが実施されなかった。そのため前期・後期といった区別は一般的になく内外装は生産終了までほぼ同じだった。
ただし一部改良などによりグレードが整理されたり、2007年6月にはリアシート形状を変更し、シートのスライド量が増える仕様変更があった。
この2007年6月の仕様変更以降を後期モデルと呼ぶ場合がある。
2004年12月
ディスチャージヘッドランプとMOMO革巻きステアリングを標準装備した「RS リミテッド」を追加
2005年6月
エアロパーツを装着し、内外装を上質に仕立てたカスタムモデル「COOL(クール)」と「COOL TURBO(クール ターボ)」を追加。
入れ替えで「RS リミテッド」を廃止。
2006年1月
特別仕様車のモユを発売。モユは
- 専用シート表皮
- 生地織込み成型ドアトリム
- マット調インパネクラスター
- アロマヒーリング(ディフューザー+アロマオイル2種類)
- 運転席シートリフター
を標準装備し、より女性に嬉しい装備を与えた特別モデル。
2007年6月・仕様変更(後期モデル)
リアシートの形状変更を行い、リアシートのスライド量を増加させた。
グレード体系も整理され、「X」、「Xリミテッド」、「COOLを廃止」。入れ替えで「VS」と「COOL VS」を新設定した。
エクステリア
出典:ガリバー
フロントデザインは特徴的な丸目ヘッドライトが目につく。グリルも自然な感じでボンネットの角やバンパーの角全てが丸みをおびており、デザインに統一性をもたせている。ベーシックグレードのLを除いてUVカットガラスを標準装備。
出典:ダイハツ認定中古車
なお、ターボを装備したRSグレードではバンパー形状(フォグランプ付き)とグリルが異なる。
出典:ガリバー
横から。形こそムーヴタイプのワゴンだがボンネット、フロントからリアにかけて全てが丸みをおびておりフロントの丸目が引き立つデザインだ。
丸みを帯びたことで3代目ムーヴよりも剛性が増し、乗り心地や走りに良い影響を与えている。なお派生車種にあるシャーシーの流用はせず、ムーヴラテ専用設計のものを採用している。
XリミテッドやRSではサイドストーンガードが標準装備となる。全車電波式キーレスエントリーとセキュリティーアラーム付き。
出典:ガリバー
足元は13インチホイールキャップ。
XリミテッドやRSでは14インチアルミホイールとなる。
出典:ガリバー
リア。丸目ヘッドライトと共通の丸目コンビランプを採用。こちらも非常に可愛らしいデザインとなっている。
コンビランプが曇っているためデザインが古臭く感じるが、ムーヴラテクール用の純正クリアーテール(ユーロタイプ)や社外品があるので交換は可能だ。
XリミテッドやRSにはルーフエンドスポイラーとエアロバンパーが標準装備となる。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3気筒のNAとターボの2種類。デビュー当初はノーマルタイプでの設定だったが、後にカスタムモデルである「ムーヴラテクール」を追加したことを受けてターボモデルをこちらに移行。
最終型では、ノーマルタイプはNAのみとなっている。
自然吸気エンジンは最高出力は58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。
ターボエンジンでは最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3200rpm。
トランスミッションは4ATのみの設定。駆動方式はFFまたは4WDとなる。
このほか安全装備としてはEBD付きABSが廉価グレードのLグレードを除き全グレードで標準装備。運転席&助手席エアバッグは全グレードに標準装備となる。
ムーヴラテ L550SとL560Sとの違い
ムーヴラテのL550SとL560Sとの違いは駆動方式。L550Sは前輪を駆動するFFのムーヴラテ。L560SはL550Sをベースに全部のタイヤを駆動する4WDのムーヴラテ。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるビスカスカップリングを用いたパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。
パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
ムーヴラテ ターボ車の見分け方
ムーヴラテのターボ車は一昔前のようなボンネットにエアダクトが無いため、見分ける場合はグレードの特徴から内外装で判断する必要がある。
ターボを搭載するグレードは標準ラテの「RS」、「RSリミテッド」、カスタムの「クールターボ」の3種類。
外装で判断する場合は、クールターボのみ特徴的なミニライト製15インチアルミホイールが標準なのでこのあたりがポイント(※デザインは2代目ミラジーノ・ミニライトと同じ)。
標準ラテのターボの場合は、XリミテッドとRSとで内外装が同じなので判断が難しい。RSリミテッドの場合はディスチャージヘッドランプが付くので、マルチリフレクター内部を確認してハロゲンでなければターボの可能性が高い。
内装ではRSリミテッドとクールターボでMOMO革巻きステアリングが付く。自然吸気エンジンでは基本ウレタンステアリングなのでこのたりもポイント(RSはオプション設定でモモステが選べた)。
インテリア
出典:ガリバー
インパネ。スピードメーターやエアコンの通風口がヘッドライトと同じ丸型になっている。こちらも外観のデザインを意識した内装だ。Lグレードを除いてプラズマクラスターとクリーンエアフィルターを標準装備。
出典:ガリバー
スピードメーターはタコメーター無しの1眼式。
出典:ガリバー
なお、Xリミテッドやターボモデルではタコメーターが付きの2眼式となる。ダイハツおなじみのモモステはRSにオプション設定。RSリミテッドやクールターボでは標準装備となる。
出典:ガリバー
エアコンはLグレードがマニュアル式エアコン。Xグレード以上でフルオートエアコンを採用する。
出典:ガリバー
フロントシートはベンチシートタイプ。
出典:ガリバー
リアシート。250mmロングスライド機構を備える。ワンモーション荷室フラット機構を採用し、多彩なシートアレンジを実現している。
出典:ダイハツ認定中古車
ラゲッジルームも十分な広さ。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートを倒すとこんな感じ。ココらへんの使い勝手はムーヴと同じと考えて良い。ただしリアゲートの開き方は左右(ムーヴ※一部グレードを除く)と上下(ムーヴラテ)で異なる。
まとめ
出典:ダイハツ認定中古車
ムーヴラテは可愛らしいデザインがウリの軽自動車で、現行モデルではムーヴキャンバスあたりがこれに該当する。とことん可愛らしいデザインがいいという人にはうってつけの軽自動車である。
自然吸気エンジン以外にターボモデル(RSリミテッドやムーブラテクール・ターボ等)も設定され、可愛らしい車にありがちな「踏んでもスピードが出ない」という性能面でも心配はないものの、タマ数が少ないため探しづらいのが難点。
近年では年数経過から流通量が減ってきており、全国で300台を切るモデルとなってきた。
特に現在人気のムーヴキャンバスやワゴンRスマイルなどに見られる丸目を全面に出したデザインは、今でも通用するものを持っている。スライドドアこそ無いが室内空間も広く使い勝手がいいのでかなり安価に乗れる可愛いワゴンタイプの軽自動車として需要もありそうなモデルである。
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