ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。ムーブカスタムはそのカスタムモデルである。本稿では6代目(LA150SおよびLA160S型)の2017年8月マイナーチェンジ以降を後期型とし、これを扱う。
出典:ダイハツ認定中古車
- 6代目 ダイハツ・ムーヴとは?
- 6代目・ムーヴカスタムとは?標準ムーヴとの違いなど
- 6代目・後期型ムーヴカスタムの特徴と前期との違い
- 6代目後期ムーヴカスタムのグレード カスタムX、カスタムXリミテッドSAⅢ 、カスタムRS ハイパーSⅢ、リミテッドⅡSAⅢ の違いなど
- 6代目後期ムーヴカスタムのエクステリア(外装)
- エンジン・機能装備・安全装備など
- ムーヴカスタムLA150SとLA160Sとの違い
- 6代目ムーヴカスタム(LA150S/LA160S)ターボ車と自然吸気エンジンとの見分け方
- 6代目後期ムーヴカスタムのインテリア(内装)
- 6代目後期ムーヴカスタムの総評
- 7代目モデルはまもなく登場 パワースライドドアを装備するがカスタムの名称は廃止?
- ムーヴカスタムのリコールについて(燃料ポンプ不具合):届出番号 5321
6代目 ダイハツ・ムーヴとは?
2014年12月にフルモデルチェンジし、6代目となったダイハツ・ムーヴ。
初代は1995年に登場し、後追いという形となったもののライバルのスズキ・ワゴンRと切磋琢磨しながらフルモデルチェンジを繰り返し約19年目を迎えた平成の長寿モデルである。
6代目では軽自動車の本質である低燃費と低価格をベースに新開発となる軽量高剛性ボディ骨格構造や足回りの改良で基本性能を大幅向上。
加えて軽自動車初の先進装備により軽自動車としての本流を追求。またカスタムには上級感を極めた最上級グレードの「ハイパー」を新設定するなど普通車から軽自動車への乗り換えを意識したグレード展開も充実させている。
外観は先代までのベーシックな外観を踏襲するものの、厚みのある造形や大型ヘッドランプ、平面ラウンドを意識したバンパーを用い全体的に質感を向上。サイドはシャープかつ流れる造形として上質感を追求した。
インテリアではダークグレー、ホワイト、グレージュの3トーンカラーで上質さと華やかさを演出。メーカーオプションではインパネはダークグレーとホワイト。
ブラックシートに本革巻ステアリングホイールを組み合わせたブラックインテリアパックを設定しベーシックグレードにも上級思考の選択肢を与えた。また全グレードでタコメーターを標準装備とした。
エンジンは先代と同じKF型エンジンを採用。ミライースの低燃費技術を取り入れかつ軽量化と空力性能を大幅向上。
ベーシックグレードでもフロントアンダースポイラー、リヤタイヤ前スパッツ、スポイラー一体型バックドアを標準装備とし、Cd値を従来モデル比で約10%低減したことでNAのFFモデルで31.0km/L(JC08モード)を達成した。
先進装備としては後方誤発進抑制制御機能を追加したスマートアシストⅡを一部グレードを除いて標準装備。
LEDヘッドランプはメーカーオプションとし、フォグランプやリヤコンビランプ、ルームランプに設定拡大して省電力化を強化した。
さらに坂道からの発信をサポートするヒルホールドシステムを全グレードで標準装備。バックカメラも機能を強化し、真上から見下ろした視点とステアリング連動ガイド線機能を追加した。
快適装備としては軽量高性能エアコンユニットやスクロールコンプレッサの新開発で性能を維持しつつ消費電力を大幅低減。
またアイドリングストップ中でも冷たい風を維持する「スマートクール」を採用。これによりエアコン使用時の燃費を向上させた。
このほかエアロワイパーブレード、ワンタッチターンシグナル機能付き方向指示スイッチ、ボイスコントローナビゲーションシステム、スーパーUV・IRカットガラス(フロントドア)、スパークリーンエアフィルター、ウォームパックなどグレード別やメーカーオプションなどで設定し軽自動車だからといって妥協しない快適装備を与えた。
6代目・ムーヴカスタムとは?標準ムーヴとの違いなど
ムーヴカスタムとはムーヴをベースに
- 専用ヘッドライト
- 専用グリル
- 前後エアロバンパー
- サイドアンダースポイラーやルーフエンドスポイラー
- アルミホイール
- クリアーテールランプ
- ブラックインテリア
などを採用しスタイリッシュに仕立てたカスタムモデル。
6代目ムーヴカスタムでは歴代初となるLEDヘッドライトを初採用し、独特のカスタム顔が最大の特徴だ。
このほか新プラットフォーム、エコモードとパワーモードを切り替えるD assist切替スイッチの採用で自然吸気エンジンでも力強い走りが特徴となっている。
6代目・後期型ムーヴカスタムの特徴と前期との違い
6代目・後期マイナーチェンジ(2017年8月)の内容
出典:ダイハツ認定中古車
その6代目ムーヴは2017年8月にフロントデザインの変更を伴い後期型となった。
後期型カスタムでは外装に新開発となる多灯薄型LEDヘッドランプを採用。
6代目後期ムーヴカスタムのフロント
6代目前期ムーヴカスタムのフロント
出典:ダイハツ認定中古車
ほかにも新意匠のメッキフロントグリル、フロントバンパーを採用しフロントデザインを大幅変更。前期モデルよりも万人受けしやすいスタイリッシュな顔つきとした。
このほかスモーククリアのインナーレンズを採用したリヤコンビネーションランプ、新デザインの15インチアルミホイール、新意匠のフロントLEDイルミネーションランプを採用し洗練されたエクステリアとした。
内装では新意匠のインパネガーニッシュ&ドアオーナメントパネルを採用し、上級グレードではディープマルーン(幾何学柄)を設定。
さらにオーディオパネル(プレミアムシャインブラック/ブラック)の幅を左右1cmずつ縮小し、スマート化。ドアアームレストとドアトリム表皮の色と柄の変更、シート表皮の変更、エアコンレジスターガーニッシュにプレミアムシャインブラックを設定した。
さらに新ボディカラーとしてレーザーブルークリスタルシャイン、レーザーブルークリスタルシャイン×ブラックのツートーンの2色を新設定し上級感と洗練さを極めたマイナーチェンジとなっている。
2018年8月・特別仕様車追加
特別仕様車として「Xリミテッド」、「カスタム XリミテッドII SA III」、「カスタムRS ハイパーリミテッド SA III」を追加。
2018年12月・ボディカラー変更
標準ムーヴは「コットンアイボリー」を廃止。ボディカラーの入れ替えが行われ
- 「ホワイト〈W09〉」→「ホワイト〈W19〉」
- 「ライトローズマイカメタリックII」→「ライトローズマイカメタリック」
- 「シルキーブルーパール(メーカーオプション)」→「スカイブルーメタリック」
にそれぞれ変更。
ムーヴカスタムは
- メテオライトグレーイリュージョナルパール ※オプション色
- ナイトシャドーパープルクリスタルメタリック ※オプション色
の2色を廃止。
これによりムーヴは9色、カスタムはモノトーンが6色・2トーンが5パターンの設定に変更した。
2019年7月・特別仕様車追加
特別仕様車「X リミテッドII SA III」を発売。
2020年2月・ボディカラー変更
2020年2月のボディカラー変更では「ディープブルークリスタルマイカ(※オプション色)」を廃止。
従来はカスタム専用色だった「レーザーブルークリスタルシャイン(※オプション色)」がムーヴでも設定が可能となる。
ムーヴカスタムは専用色として新色「スプラッシュブルーメタリック」を追加。
2トーンカラー(メーカーオプション)の「ブラックマイカメタリック×ディープブルークリスタルマイカ」を「ブラックマイカメタリック×スプラッシュブルーメタリック」に変更。
2020年8月・仕様変更
WLTCモードによる燃料消費率(NA車はJC08モード走行時の数値も併記)及び排出ガスに対応。
NA車は「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得したが、JC08モードによる燃料消費率が低下したため、駆動方式を問わず2020年度燃費基準達成に格下げとなった。
ターボ車は平成30年排出ガス規制適合及び燃料消費率のWLTCモードへの移行に伴い、従来リアウィンドウ右下に装着されていた「低排出ガス車」と「燃費基準達成車」のステッカーが非装着となった。
同時にボディカラーの設定が変更。「パールホワイトIII(※オプション色)」を「シャイニングホワイトパール(メーカーオプション)」に変更。
新色としてムーヴに
- ダークエメラルドマイカ
カスタムに
- コンパーノレッド(※オプション色)
をそれぞれ追加。
カスタム専用の2トーンに
- ブラックマイカメタリック×コンパーノレッド ※オプション色
を追加した。
これによりムーヴは全10色、カスタムはモノトーンが全7色・2トーンが6パターンの設定となった。
2021年9月・一部改良
2021年9月の一部改良では、福祉車両の乗降シート車「フロントシートリフト」を含む全車にオートライトが装備。
カタロググレードはグレード体系が整理され、「スマアシIII」非装備グレードの「X」と「カスタムX」を廃止。ムーヴカスタムは全グレードで「スマアシIII」が全車標準装備となった。
「フロントシートリフト」は一部グレードの装備内容が拡充され、「X”SA III”」は純正ナビ装着用アップグレードパックを標準装備化して「X”Limited II SA III”」に。
「カスタムX”Limited SA III”」はパノラマモニター対応カメラを標準装備化して「カスタムX”Limited II SA III”」にそれぞれ改名。
加えて特別仕様車の「カスタムX”VS SA III”」を新発売。「カスタムX”Limited SA III”」をベースにパノラマモニター対応カメラを特別装備した。
6代目後期ムーヴカスタムのグレード カスタムX、カスタムXリミテッドSAⅢ 、カスタムRS ハイパーSⅢ、リミテッドⅡSAⅢ の違いなど
前期型・6代目ムーヴのグレード展開はエントリーグレード「カスタムX」、自然吸気エンジン上級グレード「カスタムXリミテッド SAⅢ」、最上級ターボ仕様「カスタムRS ハイパーSAⅢ 」の3種類。
特別仕様車には「カスタムX リミテッドⅡ SAⅢ 」と「カスタムX VS SAⅢ 」が設定されている。
なお、前期の廉価グレードは「カスタムXスペシャル」は後期モデルで廃止。
後期型・6代目ムーヴの標準モデルはこちらから。

カスタムX
6代目後期ムーヴカスタムのエントリーグレード。
エクステリアでは
- メッキフロントグリル
- オート可能式ドアミラー
- 14インチアルミホイール
- トップシェイドガラスフロントウインドウ
- LEDヘッドライト&フォグランプ
- LEDクリアーテールランプ
- リアスポイラー(ハイマウントストップランプ付き)
を標準装備。
インテリアでは
- ブラックインテリア
- ファブリックシート表皮
- メッキメーターリング付き2眼自発光式メーター
- ブラックオーディオパネル
- ヘアライン調のインパネガーニッシュ&ドアオーナメントパネル
快適装備では
- チルトステアリング
- 運転席シートリフター
- アジャスタブルショルダーベルトアンカー
- フルオートエアコン
- キーフリーシステム
- プッシュエンジンスタート
- スマートクール
- ワンタッチターンシグナル機能付方向指示スイッチ
などを標準装備する。
2021年9月一部改良でカタログ落ちし、廃止。「カスタムX VS SAⅢ 」グレードに移行。
カスタムX リミテッド SAⅢ
6代目後期ムーヴの上級グレード。
カスタムXに追加で「リミテッド専用14インチアルミホイール(切削加工)」を標準装備し、自動ブレーキのスマートアシストⅢを搭載するグレード。
カスタムRS ハイパーSAⅢ
6代目後期ムーヴカスタムの最上級ターボ仕様。カスタムXに豪華な装備がプラスされ、内外装でスタイリッシュ感がアップする。
エクステリアでは
- メッキアウタードアハンドル
- スポーツサスペンション
- RSハイパー専用デザインの切削加工15インチアルミホイール
- フロントLEDイルミネーションランプ
- ハイパー専用クリアーテールランプ(クリアクリスタル仕様)
インテリアでは
- ディープマルーンのインパネガーニッシュ&ドアオーナメントパネル
- レザー調×ファブリックの専用シート表皮(シルバーステッチ入り)
- 本革巻きインパネセンターシフト
- 本革巻きステアリングプレミアムシャインブラックのドアアームレスト&オーディオパネル
を標準装備。
自動ブレーキのスマートアシストⅢも標準装備し、最上級にふさわしい豪華装備となる。
特別仕様車 カスタムX リミテッドⅡSAⅢ
2018年8月設定の特別仕様車。上記「リミテッド」のバージョンアップ版。
カスタムXリミテッドの装備(リミテッド専用アルミホイール)に加えて、追加で「パノラマモニター対応カメラ」を標準装備しつつ、ベースモデルと同じ価格設定で使い勝手とお買い得を与えた特別モデル。
特別仕様車 カスタムX VS SAⅢ
2021年9月設定の特別仕様車。
カスタムXリミテッドSAⅢをベースに装備を厳選しつつ、「パノラマモニター対応カメラ」などを標準装備とし、お買い得したグレード。
「パノラマモニター対応カメラ」とは
フロントカメラ、サイドカメラ(トップ&フロントビュー/フロントワイドビュー/レフト&ライトサイドビュー/トップ&リヤビュー/レフトサイド&リヤビュー/リヤワイドビュー)をセットにしたオプション。
対応ナビを取り付けることでパノラマモニターが使えるようになる機能装備が特別装備となる。
その一方でカスタムXリミテッドSAⅢ と比較して、LEDイルミネーションランプ、スマートクールなど一部快適装備などを省略。その分価格を抑え、新車価格を10万円ほど安く設定していた。
このほかVS仕様として「リミテッド専用切削加工アルミホイール」なども標準装備し、前期カスタムXよりもお買い得感を高めた特別モデル。
同時にグレード構成が見直され廃止となった「カスタムX」の後継グレードとしても設定された。

6代目後期ムーヴカスタムのエクステリア(外装)
出典:ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。6代目後期型マイナーチェンジの大きな変更点はここ。それまでの個性的な(悪く言えばダサい)顔つきからパット見はシンプルよく見ると細部に拘りが垣間見える洗練されたデザインへと変更された。
6代目前期と比べるとかなり万人受けしやすいデザインに変更され、前期の顔つきに抵抗があった人もこれなら受け入れられそうなデザインとなった。
出典:ダイハツ認定中古車
ヘッドライトは新開発となる多灯薄型LEDヘッドランプ(マニュアルレベリング機能・LEDクリアランスランプ付)を採用。
後期型ではプロジェクターレンズは使わず、マルチリフレクターを小分けにして複数配置したLEDヘッドライトとなる。
このほかメッキフロントグリル、フロントバンパー、フロントLEDイルミネーションランプ(※RSハイパーSAⅢグレードのみ)も新デザインとし大幅なデザイン変更となっている(※フォグランプはLEDタイプ)。
どこか5代目後期型ムーヴカスタムや4代目後期型ムーヴカスタムのデザインに近いものがあり、先代回帰にも感じる。
出典:ダイハツ認定中古車
サイド。このあたりは特に変更点はなし。後期型の新ボディカラーとしてレーザーブルークリスタルシャインとレーザーブルークリスタルシャイン×ブラックのツートーンの2色が追加された。
足元は自然吸気エンジンが14インチアルミホイール。タイヤサイズは155/65R14。
アルミホイールはターボ仕様の15インチアルミホイールのデザインが変更され、エアロ風のスタイリッシュなものとなった。RS用のタイヤサイズは165/55R15。
出典:ダイハツ認定中古車
リア。後期型ではスモーククリアのインナーレンズを採用したリヤコンビネーションランプ(クリアータイプ)を採用し、リアビューも洗練されたデザインとした。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはKF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。自然吸気エンジンは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。
ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/3200rpm。5代目では後期型からカジュアルムーヴにもターボモデルが追加されたが、6代目では最初から設定されている。
トランスミッションは全グレードでCVTのみの設定。駆動方式はFFまたは4WD。安全装置として全グレードでVSC(横滑り防止装置)とTRC(トラクションコントロール)が標準装備となる。
先進装備のスマートアシストⅡは後期型でスマートアシストⅢにバージョンアップ。
小型ステレオカメラにコーナーセンサーをプラスした第3段バージョンとなり、初代のスマートアシストと比べて新機能の追加や作動領域の拡大が図られた。
一番の機能は衝突警報機能と衝突回避支援ブレーキ機能。この機能そのものは初代と同じだが、新型では歩行者に対しても動作可能となり、かつ対車両でも作動条件(時速/走行時)が大幅に拡大された。
この手の技術ではいちはやくステレオカメラを導入したスズキ(デュアルカメラブレーキサポートなど)が先行していたが、ダイハツもスマートアシスト3でほぼ追いついた形だ。
このほかは車線逸脱警報、誤発進抑制制御機能(前方・後方)、先行車発進お知らせ機能などは他モデルで採用のスマートアシストⅡと同じ機能がプラスされる。
さらにスマートアシストⅢではオートハイビーム機能にコーナーセンサーによる接近お知らせ表示機能が備わった。
オートハイビームは夜間走行に。コーナーセンサーは街中での縦列駐車などで効果を発揮する。
ムーヴカスタムLA150SとLA160Sとの違い
6代目ムーヴカスタムのLA150SとLA160Sとの違いは駆動方式。
FFモデルがLA150Sで、LA160SはFFベースの4WDとなる。ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。
そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。
なお、このビスカスカップリングは消耗品で、寿命が来ると異音が出て、次第に大きくなり最後にはビスカスカップリングとして機能しなくなってしまう。
そのため中古で過走行のLA160Sを購入する場合は必ず試走して交差点やカーブなどで異音がしないか確認することをオススメする。
6代目ムーヴカスタム(LA150S/LA160S)ターボ車と自然吸気エンジンとの見分け方
6代目ムーヴカスタムでターボ車かターボなし(自然吸気エンジン)かを見分けるポイントは外装の専用アルミホイールと、内装の革巻きステアリング。

6代目後期ムーヴ・ターボエンジン用15インチアルミホイール(切削加工+エアロ形状)
6代目ムーヴカスタムのRS(ターボ仕様)ではエアロ形状の切削加工15インチアルミホイールが標準装備となる。
自然吸気エンジンでは切削加工だがエアロタイプでサイズも14インチとなるため、ここが一番わかり易い。
このほかターボ仕様では革巻きステアリングも標準装備となるため、内装ではこのあたりがポイント。
一昔前のターボ車はボンネットに穴が空いていて判断しやすかったが、近年ではエアダクトが廃止され、バンパーや前面部から空気を取り込む仕組みが一般的になったためターボがNAかの判断がつきづらくなった。
6代目後期ムーヴカスタムのインテリア(内装)
インパネ。後期型では新意匠のインパネガーニッシュ&ドアオーナメントパネルを採用し、上級グレードではディープマルーン(幾何学柄)を設定した。
このほか・オーディオパネル(プレミアムシャインブラック/ブラック)の幅を左右1cmずつ縮小し、スマート化している。ステアリングは本革巻ステアリングホイールでチルトステアリング機構付き。
スピードメーターは前期と同じ。
収納スペースはインパネ付近に多数設定(※一部はイルミネーション付き)。
出典:ダイハツ認定中古車
エアコンは全グレードでフルオートエアコンを採用。
フロントシートはベンチシートタイプ。後期型ではシート表皮を変更しより上級感を高めた。このほかドアアームレストを変更し、ドアトリム表皮の色と柄も変更している。
最上級ハイパーRSではシルバースティッチ入のレザー調×ファブリックの採用で質感がさらにアップする。
リアシート。
スライド機構は240mmを確保。
出典:ダイハツ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートを倒した状態。
6代目後期ムーヴカスタムの総評
6代目後期型のムーヴカスタムは強化された自動ブレーキのスマートアシスト3に外装では大幅変更されたフロントデザインに新デザインのアルミホイール、ブラックタイプのインナーメッキを用いたコンビランプ。
内装では新デザインのインパネにアームレストとドアトリム表皮、シート表皮の変更など内外装で大幅なテコ入れが行われたマイナーチェンジとなった。
一般的にマイナーチェンジでデザインを大きく変更する場合は、旧モデルの評判(デザイン)が良くない場合や他車種とデザインを統一化させるケース、イメージを刷新してさらなる販売拡大を狙うケースがある。
今回マイナーチェンジを実施した同年の2月(半年前)にはライバル、スズキ・ワゴンRがフルモデルチェンジをしておりその影響もあるのかもしれない。
実際のところデザインは前期型よりもより万人受けしやすいデザインに変更され、前期型を毛嫌いしていた人にも受け入れやすいものとなっており、デザイン面でのアプローチといったところだろうか。

クルマ自体のデキは非常に良いためこれに刷新された新デザインでより魅力が高まった6代目後期ムーヴカスタムである。
残念なのは軽自動車の人気がN-BOXなどのスーパーハイトワゴンにシフトし、ムーヴカスタムはそれほど売れていない点。
かつては人気モデルの一角でスズキ・ワゴンRと熾烈な競争を繰り広げいてたが、近年では影を潜めてしまい、あまり人気のないモデルとなってしまった。これも時代の流れか。
7代目モデルはまもなく登場 パワースライドドアを装備するがカスタムの名称は廃止?
次の7代目モデルでは大変好調なムーヴキャンバスと同じくスライドドア搭載車となることがリークされ、新世代モデルとして大幅改良となる予定だが、一部筋の話ではムーヴカスタムを廃止し、ムーヴ一本化されるとの話もある。

現在の売れ筋はスライドドア+スーパーハイトワゴンなのでそこに注力するのはごく当然のことなのだが、長年続いたロングモデルの名称が終わるというのは感慨深い物があり、時代の変化を表しているのかもしれない。
個人的にはスーパーハイトワゴンは使い勝手や室内空間が最も広いのと引き換えに車重が増えすぎてターボなしではムーヴなどのハイトワゴンよりもモッサリ感や燃費が良くないといったデメリットがあると感じている。
ムーヴ程度の全高にスライドドアで使い勝手をプラスすればスーパーハイトワゴンでなくとも充分魅力的なパッケージングとなり、かつてまではいかないもののユーザーがムーヴを選択するようになるかもしれない。
ムーヴカスタムのリコールについて(燃料ポンプ不具合):届出番号 5321
ダイハツは令和5年5月26日付でムーヴカスタムに関するリコールを届けを国土交通省に提出した。
不具合の内容
この不具合では燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)において、成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなって、燃料により膨潤して変形することがある。
そのため、インペラがポンプケースと接触して燃料ポンプが作動不良となり最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがある。
改善の内容
全車両、燃料ポンプを対策品と交換。
自動車使用者等に周知させるための措置
使用者:ダイレクトメール等で通知。
自動車特定整備事業者:日整連発行の機関誌へ掲載
対象となるムーヴカスタムの車台番号とリコール手続きについて
対象となるムーヴカスタムは6代目の後期モデルで、その中でもモデル中盤、2020年5月9日から2020年9月2日までに生産された2WD、および2020年5月9日から2020年8月30日までに生産された4WDモデルの両方が対象。
同じ6代目ムーヴカスタムでも前期モデルは完全に対象外。
所有者には家にリコールに関する郵便物(ハガキ)が届くので、これを持って近くのダイハツディーラーでリコール対応(無償交換)してもらうことになる。
ちなみに同年代のミライースやムーヴ、ハイゼットトラック、ムーヴキャンバスなどでも同様のリコールが出ているが、この中でもハイゼットトラック、ミライース、ムーヴキャンバス、タントカスタムの次にぐらいにムーヴ/ムーヴカスタムのリコール台数が多い。
中古車で6代目後期ムーヴカスタムを買う場合も、リコール対策済みか確認したり未対策の場合は納車前に対策品へ交換してもらうなど、納車後のトラブルの要因ともなるため対応をオススメする。
DBA-LA150S | ムーヴ | LA150S-2016628~LA150S-2029515 令和元年5月9日~令和元年9月2日 | 12,888台 | |
DBA-LA160S | LA160S-2003965~LA160S-2007119 令和元年5月9日~令和元年8月30日 | 3,155台 |
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