【6代目・前期型】ダイハツ ムーヴ(L150S/L160S型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【6代目・前期型】ダイハツ ムーヴ(L150S/L160S型) 概要解説

ムーヴ

ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。本稿では6代目のL150SおよびL160S型を扱う。

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6代目・前期型ムーヴとは?特徴など

2014年12月にフルモデルチェンジし、6代目となったダイハツ・ムーヴ。

初代は1995年に登場し、後追いという形となったもののライバルのスズキ・ワゴンRと切磋琢磨しながらフルモデルチェンジを繰り返し約19年目を迎えた平成の長寿モデルである。

6代目では軽自動車の本質である低燃費と低価格をベースに新開発となる軽量高剛性ボディ骨格構造や足回りの改良で基本性能を大幅向上。加えて軽自動車初の先進装備により軽自動車としての本流を追求。

またカスタムには上級感を極めた最上級グレードの「ハイパー」を新設定するなど普通車から軽自動車への乗り換えを意識したグレード展開も充実させている。

外観は先代までのベーシックな外観を踏襲するものの、厚みのある造形や大型ヘッドランプ、平面ラウンドを意識したバンパーを用い全体的に質感を向上。

サイドはシャープかつ流れる造形として上質感を追求。シリーズ初となる2トーンカラーもオプションで新設定した。

インテリアではダークグレー、ホワイト、グレージュの3トーンカラーで上質さと華やかさを演出。メーカーオプションではインパネはダークグレーとホワイト。

出典:ダイハツ認定中古車

ブラックシートに本革巻ステアリングホイールを組み合わせたブラックインテリアパックを設定しベーシックグレードにも上級思考の選択肢を与えた。また全グレードでタコメーターを標準装備とした。

エンジンは先代と同じKF型エンジンを採用。ミライースの低燃費技術を取り入れかつ軽量化と空力性能を大幅向上。

出典:ダイハツ認定中古車

ベーシックグレードでもフロントアンダースポイラー、リヤタイヤ前スパッツ、スポイラー一体型バックドアを標準装備とし、Cd値を従来モデル比で約10%低減したことでNAのFFモデルで31.0km/L(JC08モード)を達成した。

先進装備としては後方誤発進抑制制御機能を追加したスマートアシストを一部グレードを除いて標準装備。また、LEDヘッドランプをメーカーオプションとし、フォグランプやリヤコンビランプ、ルームランプに設定拡大して省電力化を強化した。

さらに坂道からの発信をサポートするヒルホールドシステムを全グレードで標準装備。バックカメラも機能を強化し、真上から見下ろした視点とステアリング連動ガイド線機能を追加した。

快適装備としては軽量高性能エアコンユニットやスクロールコンプレッサの新開発で性能を維持しつつ消費電力を大幅低減。

またアイドリングストップ中でも冷たい風を維持する「スマートクール」を採用。これによりエアコン使用時の燃費を向上させた。

安全装備には全グレードでSRSデュアルエアバッグ、EBD付きABSのほか横滑り防止装置とトラクションコントロール(VSC&TRC)、ヒルホールドコントロールを標準装備。

このほかエアロワイパーブレード、ワンタッチターンシグナル機能付き方向指示スイッチ、ボイスコントローナビゲーションシステム、

スーパーUV・IRカットガラス(フロントドア)、スパークリーンエアフィルター、ウォームパックなどグレード別やメーカーオプションなどで設定し軽自動車だからといって妥協しない快適装備を与えた。

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6代目前期型ムーヴの一部改良など

2015年4月・一部改良

2015年4月の一部改良ではそれまでのスマートアシストをバージョンアップ。単眼カメラとレーザーセンサー&ソナーセンサーを組み合わせた「スマートアシストⅡ」を新たに搭載。

衝突回避支援ブレーキは作動領域が向上し、「衝突警報機能」、「車線逸脱警報機能」を新たに搭載。そのほか誤発進抑制機能(前方&後方)と先行車お知らせ機能を搭載した。

これに伴いスマートアシスト搭載グレードは「SA」から「SAⅡ」 に変更となった。

2016年6月・一部改良

2016年6月の一部改良では全グレードにオートライトの点灯のタイミングを早期化するなどの改良を実施。

メーカーオプション設定の「ブラックインテリアパック」は内装色の一部を変更した。

6代目前期ムーヴのグレード一覧 L、X、Xターボ、SA、SAⅡ の違いなど

前期型・6代目ムーヴのグレード展開はエントリーグレードL、上級グレードX、上級ターボ仕様Xターボの3種類。

これに自動ブレーキを搭載した「L SA」、「X SA」、「Xターボ SA」を設定。

2015年4月の一部改良では自動ブレーキのスマートアシストがスマートアシストⅡにアップグレードされたことによりグレード名が変更。

それぞれ「L SAⅡ」、「X SAⅡ」、「X ターボSAⅡ」となった。

前期型・6代目ムーヴのカスタムモデルはこちらから。

【6代目・前期型】ダイハツ ムーヴ・カスタム(LA150S/LA160S型)

L

6代目前期ムーヴのエントリーグレード。Xグレードよりも内外装や装備が簡略され、価格を抑えたグレード。

出典:ダイハツ認定中古車

エクステリアでは電動格納ミラー(4WDはヒーテッドタイプ)、フロントドアにはUVカットガラス、14インチホイールキャップ、フロントスタビライザー(4WDは加えてリアスタビライザー)が標準装備となる。

Xグレードのオート格納式ミラー、スーパーUV&IRカットガラス、アルミホイールは非装備。

インテリアではチルトステアリング、メッキアコンレジスターノブ、が非装備。ステアリングはウレタンステアリング。

快適装備はマニュアル式エアコン、電波式キーレスエントリー、4WDにはリアヒーターダクト(2WDはオプション設定)が標準装備。

X

6代目前期ムーヴの上級グレード。Lグレードよりも内外装や装備が豪華になる。

エクステリアではオート格納式ドアミラー(4WDはヒーテッドドアミラー)、スーパーUV&IRカットガラス、14インチアルミホイールを標準装備。

インテリアではメッキエアコンレジスターノブが標準装備。

快適装備はフルオートエアコンにプッシュエンジンスタート、キーフリーシステム、オートライト、スマートクール、4WDにはリアヒーターダクト(2WDはオプション設定)が標準装備。

Xターボ

6代目前期ムーヴの上級ターボ仕様。Xグレードをベースにターボエンジンを搭載し、パワフルな走りが特徴。

このほかXターボでは本革巻きステアリングを標準装備。Xターボのみブラックインテリアのオプション価格が半額の1万800円となっていた。

LEDヘッドライトはオプション設定。

L SA

「L」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。

スマートアシストではレーザーレーダーを用い、「衝突警報機能」、「誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。

X SA

「X」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。

スマートアシストではレーザーレーダーを用い、「衝突警報機能」、「誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。

Xターボ SA

「Xターボ」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。

スマートアシストではレーザーレーダーを用い、「衝突警報機能」、「誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。

L SAⅡ

L SAの自動ブレーキ、「スマートアシスト」を「スマートアシストⅡ」にアップデートしたグレード。

スマートアシストⅡでは、それまで不可能だった歩行者検知を含めた衝突警報機能に、車線逸脱警報機能を追加。

さらに既存の衝突回避支援ブレーキ機能の作動速度が約4~50km/hに拡大した。

X SAⅡ

X SAの自動ブレーキ、「スマートアシスト」を「スマートアシストⅡ」にアップデートしたグレード。

スマートアシストⅡでは、それまで不可能だった歩行者検知を含めた衝突警報機能に、車線逸脱警報機能を追加。

さらに既存の衝突回避支援ブレーキ機能の作動速度が約4~50km/hに拡大した。

Xターボ SAⅡ

Xターボ SAの自動ブレーキ、「スマートアシスト」を「スマートアシストⅡ」にアップデートしたグレード。

スマートアシストⅡでは、それまで不可能だった歩行者検知を含めた衝突警報機能に、車線逸脱警報機能を追加。

さらに既存の衝突回避支援ブレーキ機能の作動速度が約4~50km/hに拡大した。

6代目ムーヴL150SとL160Sとの違い

6代目ムーヴのLA150SとLA160Sとの違いは駆動方式。FFモデルがLA150Sで、LA160SはFFベースの4WDとなる。

ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。

そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。

なお、このビスカスカップリングは消耗品で、寿命が来ると異音が出て、次第に大きくなり最後にはビスカスカップリングとして機能しなくなってしまう。そのため中古で過走行のLA160Sを購入する場合は必ず試走して交差点やカーブなどで異音がしないか確認することをオススメする。

エクステリア

出典:ホンダ認定中古車

フロントデザイン。先代の5代目では前期が冒険的なデザイン、後期がヴィッツのようなオーソドックスなデザインとかなりの違いがあったが、6代目では概ね5代目後期型のデザインをベースにヘッドライトを大型化。

そこに大型のグリルを備えることでベーシック感と存在感を増したデザインとなっている。

5代目後期では一癖あるデザインだったがこの6代目でその雰囲気が薄くなり、デザインの受け入れ安さとちょっと上質な感じもするバランスのとれた見た目になった。

なおオプションでLEDヘッドライト(一部廉価グレードを除く)も選択可能だ。

LA150S (5)

出典:ホンダ認定中古車

サイドから。4代目では卵型のボディラインが印象的だったが、6代目では5代目後期同様にボンネットエリアを少し立たせてそこにフロントガラスが流れ込む(ライバルと同じような)デザインを採用した。

出典:ホンダ認定中古車

足元はLグレードが14インチフルホイールキャップ。

出典:ホンダ認定中古車

XとXターボでは14インチのアルミホイールとなる。ともにタイヤサイズは155/65R14。

出典:ホンダ認定中古車

リア。コンビランプは歴代ムーヴのデザインを継承し縦長のデザインになっているが上部を細く、下部を太くとデザインに変化を与えることで新鮮味を出している。

ストップランプは先代同様LED仕様だ。またインナーの加工も先代まではコストのかからないシルバー塗装タイプだったが、6代目ではカジュアルムーヴでもインナーメッキ加工を採用。後ろからの見た目も良くなった。

さらにリアスポイラーを非カスタムムーヴでも標準装備。デザイン的にスポーティーになるだけでなく、後方に流れる空力にも影響を与え燃費に貢献している。

エンジン・機能装備・安全装備など

出典:ホンダ認定中古車

エンジンはKF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンとターボの2種類を設定。5代目では後期型からカジュアルムーヴにもターボモデルが追加されたが、6代目では最初から設定されている。

自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。

ターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/3200rpm。。

トランスミッションは全グレードでCVTのみの設定。駆動方式はFFまたは4WDとなる。

先代同様にスマートアシストではグレードに「SA」が付く。さらに6代目ムーヴでは前方だけでなく後方に対する自動ブレーキシステムも追加された。

2015年4月の一部改良では自動ブレーキをスマートアシストⅡにグレードアップ。

スマートアシストⅡではそれまで不可能だっ「た歩行者検知」を含めた衝突警報機能に、車線逸脱警報機能を追加。

さらに既存の衝突回避支援ブレーキ機能の作動速度が約4~50km/hに拡大した。

その他、安全装備については先代でスマートアシストなどと組み合わされたものだったが、これが独立し、全グレードでVSC(横滑り防止装置)とTRC(トラクションコントロール)が標準装備となる。

インテリア

出典:ホンダ認定中古車

インパネ。ステアリングにはDアシスト切り替えスイッチが備わり、エコ運転とパワー運転の2種類をスイッチにて切り替えることが出来る。

アクセルペダルの操作に自身のない人は強制的にエコモードで燃費運転がしやすくなるだろう。

ステアリングはLグレードがウレタンステアリングホイール。Xではオプション設定で本革巻ステアリングホイール。Xターボには本革巻ステアリングホイールを標準装備。

エアコンはLグレードがマニュアル式エアコン。Xグレード以上でオートエアコンとなる。

LA150S (9)

出典:ホンダ認定中古車

6代目ムーヴから全グレードでタコメーター付きのスピードメーターとなった。

出典:ホンダ認定中古車

ステアリングはXターボのみ本革巻きステアリング。LとXはウレタンステアリング。

廉価グレード=スピードメーターのみとうイメージだったのでこれはかなりのポイント。普通車からの乗り換えを視野に入れているのだろうか。

出典:ダイハツ認定中古車

Lグレードはマニュアル式エアコン。

出典:ホンダ認定中古車

XとXターボはフルオートエアコン。キーフリーシステムやプッシュエンジンスタートもXとXターボに標準装備。Lグレードは従来タイプとなる。

出典:ホンダ認定中古車

フロントシート。先代同様にベンチシートタイプだが、形状が見直され着座したときのフィット感が増した。画像からもわかるようにサポート部分が先代よりもしっかりしており、よくある安い軽自動車のシートとは違うシートへ生まれ変わった。

出典:ダイハツ認定中古車

オプション設定でブラックインテリアを設定。インパネやシート表皮がブラックカラーに変更される。

LA100_last (11)

出典:ダイハツ認定中古車

ちなみにこちらが5代目後期(先代モデル)のフロントシート。サイドのサポート部分が申し訳ない程度なのがわかる。

出典:ホンダ認定中古車

戻って6代目のリアシート。タントと同様にかなり快適な足元が広がっている。下手すると普通車のセダンより広い。

LA150S (4)

出典:ホンダ認定中古車

ラゲッジルーム。

LA150S (8)

出典:ホンダ認定中古車

リアシートを倒した状態。なお、リアゲートは6代目にて縦開きタイプへと変更された。

まとめ

6代目前期ムーヴの総評&売れないモデルに…

6代目ムーヴは5代目からの正統進化といったモデルで、より普通車からの乗り換え需要を意識したフルモデルチェンジとなった。

見た目はカスタムでないカジュアルムーヴでも十分シャープで受け入れ安いデザインをしており、それでいて先進技術(スマートアシスト等)が盛り込まれ、さらに燃費も2駆のFFモデルで31.0km/lと先代モデルよりもアップしまさに良いこと尽くしの軽自動車となった。

ダイハツの主力車種として申し分なしの内容となっている。旧モデルからの乗り換えから普通車からの乗り換えなど多様なニーズに答えるべくここまで進化してきたとも言える内容だ。

ただ、その一方で軽自動車の売れ筋モデルがN-BOXやムーヴキャンバスなどの背の高い+スライドドア付きのモデルにシフト。

モデル後半ではムーヴはかつてほど売れなくなり、登場から8年ほど経ってもフルモデルチェンジ(全面改良)しない、異例の長期モデルとなっている。

中古市場では6代目の初期モデルあたりが年数経過や人気があまりないこともあり比較的買いやすい価格帯に低下してきている。後期モデルではスタイリッシュなメッキグリルが標準装備となるなど、エクステリアが良くなるため、このあたりは見た目や予算との相談となるか。

【6代目・後期型】ダイハツ ムーヴ(LA150S/LA160S型)概要解説

OEMモデル・スバル3代目ステラ

なお、6代目ムーヴはスバルへ3代目ステラとしてもOEM供給された。

3代目ステラではスバル仕様のグリルが用いられデザインを差別化。エンブレム違いに終わらないOEMモデルとなっている。中古で探す場合はステラもオススメだ。

【3代目・前期/ムーヴOEM】スバル ステラ(LA150F/LA160F型)

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