ステラはスバルのワゴン型軽自動車。ダイハツの6代目ムーヴのOEMモデルである。本稿では3代目のLA150FおよびLA160F型の2014年12月~2017年7月までを前期型とし、これを扱う。
出典:スバル認定中古車
3代目 スバル・ステラとは?
2014年12月にフルモデルチェンジを受け3代目となったステラ。
ベースとなった6代目ムーヴとほぼ同時期の発表でもあった。ステラとういう車種は先代からダイハツのOEM供給を受けて販売されているが、当初はエンブレムのみの変更でそれほど力の入ったモデルではなかった。
出典:スバル認定中古車
それが2代目後期モデルでバンパーを専用品にする施しを行い、今回のフルモデルチェンジではフロントグリルを専用品とし、スバルらしさを強調。
先代まではダイハツとの違いがよくわからないよくある微妙なOEMモデルであったが、3代目から一目でスバル版とわかるデザインになっている。
3代目ステラのキャッチフレーズは「Next Quality Small」。先進的かつ存在感や質何広さを感じるボディスタイルにクラスを越えた上質感を追求。走行性能も大幅向上させ商品力を向上させた。
外観は先代までのベーシックな外観を踏襲するものの、上質な表面処理を施した専用グリルと開口部にスバル車共通のヘキサゴンモチーフを継承した立体的な造形のバンパーの採用。これによりスバルらしいダイナミック感とソリッド感ある造形で「安心と愉しさ」を表現。
サイドはシャープかつ流れる造形として上質感を追求。シリーズ初となる2トーンカラーもオプションで新設定した。
インテリアでは立体感のあるインパネや先進的なスピードメーターにダークグレー、ホワイト、グレージュの3トーンカラーで上質さと華やかさを演出。オプションでシックで落ち着きのあるブラック×ホワイト×ダークグレーの「ブラックインテリアセレクション」を設定。
スピードメーターは全グレードでタコメーター付きを標準装備とした。
走行性能は軽量高剛性ボディを採用し、アンダーボディへの最適な補強により高剛性化を実現し、操縦安定性と乗り心地を両立。
サスペンションの特性見直しや剛性アップなどのチューニングを施すことで、スムーズなステアリング操作を可能とし、ステアリングにはパワーモードを備え、エコモードなどもワンタッチで操作可能とした。
自動ブレーキのスマートアシストは従来の低速域衝突回避支援ブレーキ、AT誤発進抑制制御、先行車発進お知らせ機能に加え、「AT誤後進抑制制御機能」を新規追加し、前方以外に後方のペダル踏み間違いによる急発進を防げるようにした。
安全装備ではデュアルSRSエアバッグの標準装備に加え、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)と、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)をオプションで設定し、VDC[ビークルダイナミクスコントロール]は全車標準とした。
快適装備は
- スーパーUVカット&IRカットガラス(フロントドア)
- 花粉除去機能、PM2.5に対応したスーパークリーンエアフィルター
- スマートクール
をLとLスマートアシスト以外に標準装備化。
寒冷地で役立つ
- 運転席シートヒーター
- フロントウインドゥトップシェード
- フロントワイパーデアイサー
- ヒーテッドドアミラー
- リヤヒーターダクト
をセットにした「ウォームパック」をオプション設定した。
3代目前期型ステラの一部改良など
2015年5月・一部改良
2015年5月の一部改良ではそれまでのスマートアシストを改良。単眼カメラを追加しレーザーセンサー&ソナーセンサーを組み合わせたことにより衝突警報機能(対車両)の作動速度域を約4km/h~30km/hから約4km/h~約100km/h(速度差約60km/h以内)。
衝突回避支援ブレーキ機能の作動速度域を約4km/h~約30km/hから約4km/h~50km/hに性能がアップ。
衝突回避支援ブレーキは作動領域が向上し、「衝突警報機能(対歩行者)」、「車線逸脱警報機能」を新たに搭載。そのほか誤発進抑制機能(前方&後方)と先行車お知らせ機能を搭載した。
2016年6月・一部改良
2016年6月の一部改良では全グレードにオートライトの点灯のタイミングを早期化するなどの改良を実施。
ターボ仕様の「GS」と「GSスマートアシスト」を廃止。
メーカーオプションの「ブラックインテリアセレクション」はインパネ下部やインナーリモートまわりのカラーリングを変更した。
3代目・前期ステラの特徴と6代目・前期ムーヴとの違い
3代目・前期型ステラと6代目・前期型ムーヴとではフロントデザインが大きく異なり、2代目ステラよりも差別化がなされている。
装備面では2代目と異なりムーヴと共通化された。ただし機能装備や一部メーカーオプションで設定に違いがあり、ムーヴではオプション設定可能なものがステラでは選択できないなど、異なる部分があった。
残りは同じ仕様でサイドやリアのデザイン、内装はエンブレムが異なる程度で同じ。自動ブレーキやターボ仕様車もムーヴ同様に標準ステラに設定されていた。
このほかステラにはムーヴ専用色の「ホワイト」が非設定で、白系ボディカラーはオプションの「パールホワイトⅢ」のみとなる。

3代目ステラ(LA150F/LA160F)のグレード一覧 L、L スマートアシスト、G、G スマートアシスト、GS、GS スマートアシスト違いなど
3代目前期ステラのグレード展開はベーシック「L」、上級グレード「G」、上級・ターボ搭載「GS」の3種類。
それぞれに自動ブレーキのスマートアシストを搭載した「L スマートアシスト」、「G スマートアシスト」、「GS スマートアシスト」が設定される。
特別仕様車の設定は無し。
カスタムモデルのステラカスタムについてはこちらから。



L
3代目ステラのエントリーグレード。6代目ムーヴの「L」グレードのOEMグレード。Gグレードよりも内外装や装備が簡略され、価格を抑えたグレード。
エクステリアでは電動格納ミラー(4WDはヒーテッドタイプ)、フロントドアにはUVカットガラス、14インチホイールキャップ、フロントスタビライザー(4WDは加えてリアスタビライザー)が標準装備となる。
Gグレードのオート格納式ミラー、スーパーUV&IRカットガラス、アルミホイールは非装備。
インテリアではメッキアコンレジスターノブが非装備だが、スバル仕様としてチルトステアリングは標準装備。ステアリングはウレタンステアリング。
快適装備はマニュアル式エアコン、電波式キーレスエントリー、4WDにはリアヒーターダクト(2WDはオプション設定)が標準装備。
L スマートアシスト
「L」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。
スマートアシストでは「衝突警報機能」、「AT誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。
2015年5月の一部改良以降はスマートアシストの性能が向上し、作動速度域が飛躍的に向上。
プラスして新機能として「車線逸脱警報機能」、衝突警報機能には「対歩行者」も追加された。
G
3代目前期ステラの上級グレード。ムーヴ「X」グレードのOEM。Lグレードよりも内外装や装備が豪華になる。
エクステリアではオート格納式ドアミラー(4WDはヒーテッドドアミラー)、スーパーUV&IRカットガラス、14インチアルミホイールを標準装備。
インテリアではメッキエアコンレジスターノブが標準装備。
快適装備はフルオートエアコンにプッシュエンジンスタート、キーフリーシステム、オートライト、スマートクール、4WDにはリアヒーターダクト(2WDはオプション設定)が標準装備。
G スマートアシスト
「G」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。ムーヴ「X SA」、「X SAⅡ」のOEM。
スマートアシストでは「衝突警報機能」、「AT誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。
2015年5月の一部改良以降はスマートアシストの性能が向上し、作動速度域が飛躍的に向上。
プラスして新機能として「車線逸脱警報機能」、衝突警報機能には「対歩行者」も追加された。
GS
3代目前期ステラの上級ターボ仕様。ムーヴ「Xターボ」のOEM。
Gグレードをベースにターボエンジンを搭載し、パワフルな走りが特徴。
このほかGSでは本革巻きステアリングを標準装備。LEDヘッドライトはオプション設定。
2016年6月の一部改良でグレード落ちし、廃止となっためムーヴの「Xターボ」よりもタマ数が少なく、3代目ステラの中でも希少グレード。
GS スマートアシスト
「GS」グレードにスマートアシストを搭載したグレード。ムーヴ「Xターボ SA」、「Xターボ SAⅡ」のOEM。
スマートアシストでは「衝突警報機能」、「AT誤発進抑制制御機能(前方+後方)」、「先行車発進お知らせ機能」が加わる。
2015年5月の一部改良以降はスマートアシストの性能が向上し、作動速度域が飛躍的に向上。
プラスして新機能として「車線逸脱警報機能」、衝突警報機能には「対歩行者」も追加された。
2016年6月の一部改良でグレード落ちし、廃止となっためムーヴの「Xターボ SA」よりもタマ数が少なく、3代目ステラの中でも希少グレード。
エクステリア(外装)
出典:スバル認定中古車
まずはフロントデザイン。ダイハツ版ではメッシュ状のような格子グリルだったが、スバル版ではこれを太い3本ラインのグリルへ変更。
カラーリングもダークグレー系とすることで高級感よりもスポーティ感を演出しており、スバルのイメージあるスポーティなフロントデザインを実現している。
先代と比較しても存在感のあるグリルは3代目ステラの大きな特徴といえるだろう。ヘッドライトはベースと共通。
こちらも先代より大きくなって押しのつよいデザインに。バンパー部もスバル専用で、先代から継承したヘキサゴンの開口部とダイナミックなカーブ形状を取り入れてベースと差別化している。
出典:スバル認定中古車
サイドから。スバル版での変更点は特にないが、先代の後期型同様なボディ形状をしている。ムーヴと同じく自然吸気モデルでもリアスポイラーを標準装備し、空力特性を高め燃費に貢献している。
出典:スバル認定中古車
足元はLグレードが14インチスチールホイール+ホイールキャップ。
出典:スバル認定中古車
Gとターボ仕様のGSで14インチアルミホイルとなる。
出典:スバル認定中古車
リア。コンビランプはムーヴと共通でエンブレム以外はベースと同じだ。なお、ステラカスタムではムーヴカスタムのコンビランプと差別化される。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:スバル認定中古車
エンジンは3気筒のNAとターボの種類を設定。先代は後期モデルからターボが追加されたが、今回は最初からターボモデル(グレード名:GS)を設定する。
自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。
ターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/6400rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/3200rpm。
トランスミッションは全グレードでCVTのみの設定。駆動方式はFFまたは4WDとなる。ダイハツと同じく、スマートアシストはグレード名に「スマートアシスト」が後ろにつく。
前方だけでなく後方に対する自動ブレーキシステムもムーヴと同様に追加された。安全装備についてはムーヴ同様全グレードでVSC(横滑り防止装置)とTRC(トラクションコントロール)が標準装備となる。
3代目ステラ LA150FとLA160F型との違い
3代目ステラのLA150FとLA160Fとの違いは駆動方式。
FF(2WD)モデルがLA150Fで、LA160FはFFベースの4WDとなる。ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。
そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。
それぞれ6代目ムーヴ、LA150SとLA160SのOEMモデルとなる。
インテリア(内装)
出典:スバル認定中古車
インパネ。基本的にはステアリングのオーナメント以外、ムーヴと同じ。
先代では全グレードでオートエアコンとなっていたが、3代目では廉価グレードのLとGグレードがマニュアル式エアコン。ターボ搭載のGSグレードがフルオートエアコンとなった。
ステアリングはウレタンステアリング。オプションで本革巻きステアリングが設定される。
出典:スバル認定中古車
タコメーター。ムーヴと同じく自然吸気モデルを含めた全グレードでタコメーター付きの2眼式。
廉価グレード=スピードメーターのみとうイメージだったのでこれはかなりのポイント。一番右はマルチインフォメーションディスプレイ。
出典:スバル認定中古車
エアコンはLとGグレードがマニュアル式エアコン。GSでフルオートエアコンとなる。シフトはインパネシフトを採用。
出典:スバル認定中古車
フロントシート。先代同様にベンチシートタイプだが、ダイハツ版と同じく形状が見直され着座したときのフィット感が増した。画像からもわかるようにサポート部分が先代よりもしっかりしており、よくある安い軽自動車のシートとは違うシートへ生まれ変わった。
出典:スバル認定中古車
リアシート。
出典:スバル認定中古車
ラゲッジルーム。リアシートはスライド機構付きで足元とラゲッジルームの広さを調節できる。
出典:スバル認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典:スバル認定中古車
3代目ステラは、先代とはうって変わってOEMでありながらスバルらしい1台に仕上がっている。
これならスバル版を買う理由もできたわけで、ムーヴよりもスポーティな印象は、ムーヴのオーソドックスな顔つきでは満足できず、かつカスタムは高すぎる…という人にに良いだろう。
初代のような個性こそはないものの、ダイハツからのOEMにしてはかなり優秀になってきた感じを受ける。ムーヴやワゴンR、N-WGNなど売れ筋の軽自動車を探している人は、今回の3代目ステラもチェックすべき1台といえよう。



コメント