ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。本稿では３代目・L150および160系の後期型（2004年12月マイナーチェンジ～2006年5月）に設定された特別仕様車、「Happy Day Style」を扱う。
３代目 ダイハツ・ムーヴとは？
2002年10月にフルモデルチェンジ、３代目となったダイハツ・ムーヴおよびムーヴカスタム。
ノーマルムーヴ(カジュアルムーヴ)ではそれまでのイタルデザインによるエレガントなエクステリアから一転。カジュアルな印象を強めより上質感あふれる外観に変化した。
ボディも先代までの初代ベースとは異なり完全新設計。プラットフォームも一新し居住空間においては室内長が1730mmから1920mmに大幅拡大。室内幅も1220mmから1305mmに拡大したことで乗り込んだときの広さは格段にアップした。
また、DVDナビゲーションシステムやクルーズコントロールなど快適＆豪華装備もオプションで設定するなどより高級路線をも強めるモデルへと変化していった。
先代と同じくスポーティーなカスタムと同時設定のノーマル(カジュアル)ムーヴは、カスタムに対してオーソドックスやベーシック感を強くし万人受けしやすいデザインとした外観が特徴で、スズキでいうところの「ワゴンR」に相当するモデル。
先代(２代目)ではイタルデザインによるスタイリッシュな外観となっていたが、３代目ではそのイメージを一新。よりカジュアル路線を追求したデザインとなっている。
また、内装においては２代目より専用設計となりベースとなったミラとは差別化されたが、３代目ではそれを発展。インテリアのデザインが２代目よりも洗練され軽自動車とは思えないような上質なものへと変化した。
この点は広くなった室内空間とあわせて３代目ムーヴで評価が高いポイント。このあたりからそれまでの「我慢グルマ」という軽自動車のイメージを一新し、快適性や実用性を兼ね備えた付加価値の高いモデルへとシフトしていくことになる。
３代目・後期型ムーヴとは？改良点や前期との違いなど
出典：Goo-net
その３代目ムーヴはムーヴカスタムと同じく2004年12月のマイナーチェンジで内外装の変更を伴い後期型となった。
外装ではフロントバンパーとリアバンパー。フロントグリルとリアコンビネーションランプのデザインを一新したほか、内装ではメッキ付きの新スピードメーターを採用。インパネをツートンカラーとし、紺色のボリューム感のある新シート表皮を採用し内外装でリフレッシュをはかったマイナーチェンジとなっている。
なお、前期ではカスタムモデルのみターボ仕様車が設定されていたが、このマイナーチェンジでノーマルムーヴにもターボ仕様車が設定された。
３代目・後期型ムーヴ(L150S/L160S)ハッピーデイスタイルとは？特徴と違い
そして後期型マイナーチェンジ（2004年12月）と同時に設定された特別仕様車がこの「Happy Day Style」である。
ハッピーデイスタイルでは内外装を女性に嬉しい装備でコーディネートし、女性向けに魅力をアップさせた特別仕様車である。外装では特に変更はないが、ボディカラーを女性向けに専用内装にあわせた３色に限定。
外装では特に変更はなくベースモデルと同じだが、ボディカラーを女性向けに専用内装にあわせ、ポップで明るい
- ライトローズメタリック
- カーディナルレッドマイカメタリック
- シャンパンメタリックオパール
のハッピーデイスタイル専用３色に限定。
内装では特別装備として
- ハッピーデイスタイル専用ベージュ色内装
- プラズマクラスター付きフルオートエアコン
- クリーンエアフィルター
- 照明付き大型バニティーミラー(運転席＆助手席)
- チケットホルダー
- チルトステアリング
- 運転席シートリフター
などを標準装備し、ノーマルモデルよりも機能的かつ快適性をアップさせたモデル。
ハッピーデイスタイルのエクステリア（外装）
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フロントデザイン。上述のとおり外装においては専用パーツは特になくノーマルと同じ。2004年12月のマイナーチェンジ(後期型)以降モデルのため、フロントグリルやバンパーのデザインが刷新されている。
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サイド。このあたりも変更は特になし。ボディカラーはノーマルモデルでは９色の設定だが、ハッピーデイスタイルでは内装色にあわせてマゼンタ系の「ライトローズメタリック」、赤系の「カーディナルレッドマイカメタリック」、ゴールド系の「シャンパンメタリックオパール」の３色のみ設定。
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足元は１３インチアルミホイール。オプションでアルミホイールを設定。
セキュリティアラームは全グレードで標準装備。
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リア。このあたりもベースと同じ。後期型ではコンビランプのデザインが変更され、よりスタイリッシュ感が強くなった。ちょうど２代目後期ムーヴのコンビランプに似たデザインだ。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはEF-VE型３気筒DOHC自然吸気エンジン。
最高出力は58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。ターボエンジンの設定はなし。トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WD。
安全装備としてはABS＆電子制動力配分装置がオプション設定となっていた。
ハッピーデイスタイルのインテリア（内装）
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インパネ。後期型ではエアコンパネル付近のデザインが変更されたが、ハッピーデイスタイルではこれに加えて専用カラーのベージュが与えられた。インパネでは下半分がベージュ色に変更され、ツートン独特の雰囲気となっている。このほか運転席と助手席の両方に照明付きの大型バニティーミラーを標準装備。
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ステアリング＆スピードメーターはノーマルと同じ。シフトノブはコラムシフト。ハッピーデイスタイル仕様としてチルトステアリング機構が備わった。さらに運転席側のみチケットホルダーも追加装備。
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ハッピーデイスタイルでは快適装備としてプラズマクラスター付きオートエアコンを標準装備。インパネ右側にその切替えスイッチが備わる。
ハッピーデイスタイルでは上級グレードのみ搭載のオートエアコンを適用し、かつプラズマクラスターも付加するこで魅力的な装備とした。
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フロントシートはベンチシートタイプ。ハッピーデイスタイル仕様としてベージュ色のシート表皮＆ドアトリム表皮が与えられた。さらに運転席シートリフターも追加装備される。
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リアシート。スライド機構付き。
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ラゲッジルーム。
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リアシートを倒した状態。
まとめ
３代目・後期型ムーヴに設定された特別仕様車の「ハッピーデイスタイル」は、外観は同じながら内装にベージュ色のシート表皮＆ドアトリムクロス、２トーンインパネの採用や便利な照明付きバニティーミラー、チルトステアリング、運転席シートリフター、プラズマクラスター付きオートエアコンなど女性に魅力的な専用装備を与えたモデルである。
パット見の印象で内装がノーマルよりも雰囲気が良いのに加えて機能的な追加装備でコスト重視のノーマルモデルでは省略されがちな部分が補完されている点がポイントだ。
中古市場では年数経過もあるが、元々特別仕様車だったためタマ数は極端に少なくなっている。ただしプレミアム価格などは付いていないため運良く見つければ「安価に乗れる快適な足車」的なモデルとして嬉しい１台かもしれない。
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