モコは日産のワゴン型軽自動車。スズキ・MRワゴンのOEMモデルで、「エアロスタイル」はオーテックジャパンが手がけた特別仕様のカスタムモデルである。
３代目 日産モコとは？
2011年2月に登場した3代目モコ。初代モコの時代からスズキMRワゴンのOEM供給車として販売されていたモデルである。
ただし、エンブレムや車名だけを変更するOEMとは異なり、日産オリジナルのデフォルメが与えられているのがモコの特徴で、スズキ版よりもスタイリッシュなエクステリア、上質な内装など日産らしい仕様となる。
３代目のエクステリアは、初代や２代目のイメージを引き続きつつ、シャープさと可愛らしいを兼ね備えたヘッドライト、安定感のあるバンパー、質感の高いスモークテールランプ、面積拡大で開放感を高めたフロントガラスなど２代目よりも箱型でかつスタイリッシュとした。
インテリアではピアノブラック調フィニッシャーの採用で、上質感を演出。メーターには自発光式メーターを採用し、シート表皮は千鳥格子柄の採用でモダンな雰囲気も持たせた。
パッケージングは先代よりもロングホイールベースとし、室内長を最大180mm拡大。頭上空間や後席ニールームも大幅拡大することでより快適でゆったりとした室内空間とした。
エンジンは新世代のR06A型エンジンを採用。自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定し、これに副変速機を内蔵したCVTの採用でパワフルな加速と静粛性、低燃費を両立させた。
さらに高張力鋼板の採用で先代比30kgの軽量化も実現。低燃費や加速性能に貢献している。また、エコドライブをサポートするため、スピードメーター内に「ECOインジター」を搭載するなど、環境性能にも対応させた。
３代目モコ エアロスタイルとは？その特徴とノーマルモコとの違い
「モコ エアロスタイル」は先代の２代目(MG22S)モコより設定されたオーテックジャパンによるカスタムモデル。
外装にエアロ感漂う専用パーツと、専用ボディカラーによりノーマルモデルよりもスタイリッシュに仕立てたモコとなる。
エクステリアではフロントプロテクター、サイドシルプロテクター、ホワイトリングイルミネーション付き専用フォグランプ、LED発光の専用キッキングプレート、シルバー塗装の専用フロントグリル、リアアンダープロテクター、ルーフスポイラーを。
ボディカラーではエアロスタイル専用のスノーパープルホワイトを含めた全４色を設定し、MRワゴンWitのようなカスタムモデルとしつつもオーテックジャパンによる専用デザインで差別化がなされた特別仕様である。
なお、ドルチェとエアロスタイルでも明確に異なり、エアロスタイルはモコをベースにエアロパーツでスタイリッシュに仕立てたカスタムモデル。
ドルチェは専用ヘッドライトや専用グリルなどでフロントデザインを差別化。内装も専用品としより上級感を強めたカスタムモデルとなる。
３代目モコ エアロスタイルのグレード一覧 S エアロスタイル、S アイドリングストップ エアロスタイル、X エアロスタイル、G エアロスタイルの違いなど
３代目モコのエアロスタイルは、それぞれベースモデルが存在し、それぞれをベースとしたオーテックジャパンによる架装仕様としていた。
デビュー当初は上級グレードベースの「X エアロスタイル」、「X FOUR エアロスタイル」、「X アイドリングストップ エアロスタイル」「G エアロスタイル」「G FORU エアロスタイル」の５種類。
モデル中盤ではエコ仕様の「S アイドリングストップ」がベースモデルに追加され、これをベースとした「S アイドリングストップ エアロスタイル」が追加された。
モデル後半ではベースモデルにアイドリングストップグレードが統合され、ターボのGグレードが廃止されたことによりエアロスタイルのグレードも若干変更。
「S エアロスタイル」、「X エアロスタイル」、「X FOUR エアロスタイル」の３種類となった。
S アイドリングストップ エアロスタイル
エントリー・エコ仕様のモコをベースにエアロスタイル化したグレード。2012年5月に追加設定。
エントリーグレードながらキーフリーシステムやプッシュエンジンスタートが標準装備化される。
ただしマニュアル式エアコンや、チルトステアリングや運転席シートリフター、LEDサイドターンランプ付きドアミラーが非装備。
2WDのみの設定で4WDは非設定。
S エアロスタイル
2013年7月のマイナーチェンジ以降に設定されたエントリーグレードをベースとしたエアロスタイル。
ベースグレードではマイナーチェンジ時に「S アイドリングストップ」を廃止して「Sグレード」に統合しており、上記「S アイドリングストップ エアロスタイル」の後継グレードともなる。
X アイドリングストップ エアロスタイル
Xグレードをベースにアイドリングストップ機能を追加したグレードをエアロスタイル化したグレード。2012年5月・一部改良以降はエコ仕様となり、燃費性能が大幅アップした。
S アイドリングストップ エアロスタイルよりも上級グレードの位置づけで、フルオートエアコンやLEDターンランプ付きドアミラー、ステアリングチルト機構などが標準装備になる。
2WDのみの設定で4WDは非設定。
X エアロスタイル
上級Xグレードのエアロスタイルバージョン。
快適装備としてLEDターンランプ付きドアミラーやフルオートエアコンやチルトステアリング機構、プッシュ式エンジンスタートを標準装備する。
2013年7月のマイナーチェンジ以降は「X アイドリングストップ」と統合され燃費性能が大幅に向上。アルミホイールも標準装備化された。
X FOUR エアロスタイル
上記「X エアロスタイル」の4WD仕様。追加で寒冷地仕様(運転席シートヒーターなど)が標準装備となる。
G エアロスタイル
ターボ搭載最上級Gグレードをベースとしたエアロスタイル仕様。ターボエンジンを搭載しパワフルな走りとアルミホイールで見た目が良くなる。
Xグレードと同じLEDターンランプ付きドアミラーやフルオートエアコンやチルトステアリング機構、プッシュ式エンジンスタートに加え、スピーカーが標準で６スピーカー仕様となるが、オーディオレス仕様となる。
2013年7月のマイナーチェンジで廃止。モコ エアロスタイルの中でもタマ数がさらに少なく超希少グレード。
G FOUR エアロスタイル
上記「G エアロスタイル」の4WD仕様。追加で寒冷地仕様(運転席シートヒーターなど)が標準装備となる。
３代目モコ エアロスタイルのエクステリア（外装）
フロントデザイン。ノーマルのモコをベースにヘッドライトやグリルまわりは同じだがシルバー色を加えた専用アンダースポイラーを装備。これによりさりげないカスタム感を出している。
先代と同様にグリルもシルバー色とし、さらにモコドルチェのみだったフォグランプも標準装備することでノーマルとは違う存在感を出した。先代のエアロスタイルと同様の手法でノーマルモデルをフルエアロでカスタムした１台となっている。
なお、自然吸気モデルではグリルはノーマルのブラック色だ。ターボかNAかを見分けるにはここがポイントとなる。
サイドから。こちらも先代同様にサイドスカートを装備している。
エアロスタイルの足元は廉価グレードのSエアロスタイルが13インチスチールホイール＋ホイールキャップ。Xエアロスタイルでは１４インチアルミホイールを標準装備する。
リア。フロント同様にシルバーのラインが入ったバンパーを装備。これ以外にリアスポイラーはオプション設定。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはR06A自然吸気エンジンとターボエンジンの２種類を設定。
自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
ターボエンジンは最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.7kg・m(95N・m)/3000rpm。
ターボエンジンは先代ではMターボという60馬力仕様だったが、３代目では６４馬力ターボとなる。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。変速機が先代の４ATからCVTに置換され、ボディも軽量化されたことで自然吸気エンジンでも加速や燃費がよくなり、かつターボ仕様ではよりパワフルな走行性能となっている。
なおターボ仕様は2013年10月のドルチェ追加時に廃止。以降はドルチェ専用となった。
安全装備としてはABS＋EBD（電子制御制動力配分システム）＋ブレーキアシスト、運転席･助手席SRSエアバッグシステムを標準装備。
ターボ仕様のGとG FOURにはタイヤ空気圧警告灯も標準装備とした。なお自動ブレーキ類はこの世代には設定がなく、すべて非装備となる。
３代目モコ エアロスタイルのインテリア（内装）
インパネ。このあたりはベースモデルと同じ。
ステアリングはウレタンステアリング。
エアコンはオートエアコンとなる。
スピードメーター。タコメーター無しのシンプルな1眼式。ここらへんもノーマルと同じだ。
フロントシートはベンチシートタイプ。スズキ版とは異なる日産専用シート表皮で、千鳥格子のデザインを取り入れたモダンなシートとなる。ただし、エアロスタイル専用とはならず、ベースモデルと同じ。
リアシート。スライド機構付き。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
３代目モコ エアロスタイルの評価
３代目モコのエアロスタイルは、可愛らしさを残しつつもワンランク上品さが増したベースモデルにアンダースポイラーなどでフルエアロ化し、若干のスポーティさを追加したモデルである。
ターゲットとしては可愛らしさだけでなく見た目のカッコよさをも少し併せ持ったデザインを好む人向けといった感じだ。ノーマルでは可愛らしさのみだったが、このエアロスタイルでは一味違うテイスティングとなっているのでマーケティング的にもターゲット層を広げた感じだ。
ただ、前述のとおりモデル後半のマイナーチェンジでターボモデルが消滅したため、ターボが欲しい人は間違って自然吸気を選ばないように注意したいところである。
中古市場でこの「エアロスタイル」は滅多に見かけない希少モデルで、かなり入手困難なグレードとなる。
特にモデル終盤ではMRワゴン同様にもモコ販売が失速し、カスタムモデルの「モコドルチェ」が追加投入され価格的にもキャラクター的にも立ち位置が被ったことが大きいか。
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