スズキ ワゴンR コラム(初代 CT51S型) | シン・軽自動車マニア

スズキ ワゴンR コラム(初代 CT51S型)

ワゴンR

ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。「ワゴンR コラム」は初代のCT51S系に設定された派生グレードで、コラムシフトを採用しかつ外観をレトロ調としたグレードである。

CT51S_colum (7)

画像参照元:Goo-net

概要

1993年9月登場のスズキ・ワゴンR。それまでの軽自動車というと普通車のボディスタイルをそのまま小さくしたような形が主流で、デザインこそ良いものの室内空間が圧倒的に狭いという欠点を持っていた。

そこでワゴンRではそれまでの常識を覆すスペース優先の箱型ボディを与え、男性の大人が乗っても窮屈に感じない室内空間を確保。それまでの窮屈な軽自動車のイメージを一転し、実用性と快適性を兼ね備えた軽自動車の全く新しいジャンルを築き上げたのだった。

CT21S_v2 (9)

それまで一般的だったハッチバック型のアルトをベースに、車高を大胆にも上げて室内空間を広く取ったパッケージングは「狭くて窮屈」な軽自動車のイメージを払拭し、またたくまに大ヒットした。その大ヒットぶりはライバルのダイハツが後追いでムーヴを登場させるほどだった。

ベースは同年代の4代目アルト。プラットフォームやエンジン、トランスミッションを流用するも床面は2重構造で80mmアップ。運転時の視線もアルトより高くした。

また、初代では特徴的な1+2枚ドアにリアハッチで異型4枚ドアを採用。運転時側から見ると2ドア車に見え、助手席側からは4ドア車にみえるという不思議なデザインとなっている。これは後部座席の子供が不用意に表に出ないように設けられた仕掛けだったが、2代目以降では5ドアが主流となり、3代目では完全消滅した。

初代ワゴンR(CT51S)コラムの特徴と違い

発売当初は自然吸気モデルのみだったが、後にF6AのSOHCターボを追加したりと年々のマイナーチェンジで少しづつ良くなっていった。そんなマイナーチェンジの中でも最も派手なグレード追加だったのがこの「ワゴンR コラム」というグレードである。

名前からも想像できるようにそれまでアルトなどと同じだったフロアシフトを撤去し、ステアリングまわりにシフトチェンジレバーを備えるコラムシフトとしたモデルである。さらにフロアシフトが無くなったことにより運転席と助手席の間にスペースが生まれ、ベンチシートも採用されたのが特徴だった。

また外観もワゴンRコラム専用にデフォルメ。外観ではレトロ調の丸目ヘッドライト&ウィンカーや専用グリル&バンパー、リアコンビランプガーニッシュ。インテリアでは木目調ガーニッシュやベンチシートなど内外装で質感の高いモデルとなっていた。

エクステリア

CT51S_colum (8)

さらにデザインはコラムグレード専用にレトロ調へデフォルメ。角形ヘッドライトはよくあるレトロ調手法で丸型ヘッドライトとなり、グリル周りも縦に刻みの入った特徴的なものへと変更された。

一方でレトロ調でありながらメッキパーツをほとんど使用しておらず、他車のレトロモデルとはひと味違った雰囲気も演出している。

CT51S_colum (9)

サイドから。専用のドラミラーを装備。写真のものは純正ではないが、本来であればレトロ感の強いホイールキャップも付いていた。

CT51S_colum (10)

リア。コンビランプは専用の物へ変更。このコンビランプのデザインは2代目ワゴンRのレトロモデル、「ワゴンR C2」へと受け継がれている。

エンジン・機能

エンジンは当初、3気筒の自然吸気のみの設定だったが、1998年1月のマイナーチェンジでターボ仕様の「コラムターボ」、次の1998年5月では「コラムFT」が追加された。ただし、当時の最上級スポーツグレードのRRとは違い、F6AのSOHCターボであった。トランスミッションは3ATのみで、駆動方式はFFまたは4WD。

CT51S_colum_turbo.jpg

コラムターボの外観。ボンネットにエアダクトが付いている。

インテリア

CT51S_colum (2)

インパネ。ノーマルとは違いコラムシフトで足元がすっきりに。

CT51S_colum (3)

ステアリング&スピードメーター。

CT51S_colum (1)

フロントシートはベンチシートタイプ。

CT51S_colum (4)

リアシートの足元は旧規格なので狭い。

CT51S_colum (5)

その分、この年代のラゲッジルームはかなり広く取られている。

CT51S_colum (6)

リアシートを倒すと広大な荷室が生まれるのは初代から健在だ。

まとめ

CT51S_colum (8)

初代ワゴンRのコラムというグレードは今では当たり前となったコラムシフトを備え、外観もベースとは違いオシャレにそして個性的なったモデルである。

当時は角目ヘッドライトが一般的だったので、思い切った丸目はインパクトが大きかったし、デザイン的にも角張った箱的なボディに丸目のヘッドライトとリアコンビランプはかなりの斬新なデザインであった。

中古市場では年数の経過からかなり割りやすいで購入できる1台であるが、登場からかなりの年数が経過しているので壊れてもいいもしくは故障を許容できる場合に足車的な1台として考えるのが無難だろう。

コメント