ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では6代目・2017年2月~2022年7月までのモデルを前期型とし、標準ワゴンRであるMH35S型/MH55S・FAグレードと同ハイブリッド仕様のMH55S型/MH95S型・ハイブリッドFXグレードを扱う。
出典:スズキ認定中古車
6代目 スズキ・ワゴンRとは?
2017年2月にフルモデルチェンジし、6代目となったスズキ・ワゴンR。
6代目の大きな特徴は大幅に変更されたデザインとマイルドハイブリッド(旧称:S-エネチャージ)の進化、デュアルカメラブレーキサポートに変る「デュアルセンサーブレーキサポート」や、「ヘッドアップディスプレイ」の軽初採用、さらに広くなった室内空間や利便性能の向上などがあげられる。
まずデザイン面ではそれまでの4代目~5代目にかけてのワゴンRのイメージを大幅刷新。デザインには初代ワゴンRのモチーフを取り入れかつそれまでのノーマルとカスタムモデルの2本構成からノーマルを1種類、カスタムを2種類の合計3種類の顔つきの異なるモデルを設定した。
これはワゴンR史上では初の試みで、先行するスペーシアシリーズ(スペーシア、スペーシアカスタム、スペーシアカスタムZ)に続く2例目の3モデル構成となった。なお、本稿で扱うのは一番ベーシックなFAとハイブリッドFXである。
インテリアでもワゴンRでは初となるセンターメーターを採用。インパネデザインも水平基調をベースに横長のインパネカラーパネルにより開放的な視界と室内空間を演出している。
先代までの「S-エネチャージ」は6代目で一般的な「マイルドハイブリッド」に名称変更。システムもISG(モーター機能付き発電機)を高出力化し、リチウムイオン電池も大容量化したことでモーターによるクリープ走行(アイドリングストップ後の発進時に最長10秒間)、発進から時速100kmまでのモーターアシストなどが可能となり、ハイブリッド機能の強化とさらなる低燃費(33.4km/L(JC08モード))を実現した。
出典:スズキ認定中古車
またボディも軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「ハーテクト」を採用。足回りやボディ、プラットフォームの軽量化により先代比20kgの軽量化を実現。
自動ブレーキはそれまでのレーザーレーダーを用いた「レーダーブレーキサポート」から、単眼カメラと赤外線レーザーセンサーを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポート」に変更。
先代のレーダーブレーキサポートでは非搭載だったハイビームアシスト機能を新たに盛り込み、従来どおりの誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能を搭載している。
さらに軽自動車としては初の「ヘッドアップディスプレイ」を新採用。走行中の視線移動を少なく、安全運転に配慮した。
室内空間は6代目で新プラットフォーム「ハーテクト」の採用により完全新設計。室内長は歴代最長の2450mmを実現(先代比で約300mmアップ)し、広々とした室内空間した。
また、リアコンビネーションランプを初代と同じバンパー下部に移動したことでラゲッジルームの開口部を100mm拡大。3代目エブリイワゴンのように商用車のような使い勝手を実現した。
6代目前期ワゴンRの一部改良、2型の違いなど
2018年7月・仕様変更
2018年7月の一部仕様では「全方位モニター用カメラパッケージ」にGPSアンテナとTV用ガラスアンテナを追加。
「ハイブリッド FZ」では「セーフティパッケージ」との同時装着時のみ、全方位モニター用カメラパッケージを設定可能に変更した。
2019年9月・仕様変更
2019年9月の仕様変更ではボディカラーを変更。
ワゴンR専用色「リフレクティブオレンジメタリック」、「ハイブリッド FZ」専用色の「ブレイブカーキパール」が廃止された。
2019年12月・2型改良(カタログ反映は2020年1月から)
2019年12月の2型改良では自動ブレーキの強化、エンジン改良、インパネ変更、ボディカラーの変更が実施された。
自動ブレーキの改良や機能装備の拡大装備
自動ブレーキはリアバンパーに超音波センサーを内蔵化。これにより「後退時ブレーキサポート」、「後方誤発進抑制機能」が追加された。
また、自動ブレーキのセット名称を「スズキセーフティパッケージ」から「スズキセーフティサポート」に名称変更し、FAやハイブリッドFX、ハイブリッドFZに標準装備化。
一部グレード(FAのCVTとハイブリッドFX)では「スズキ セーフティ サポート非装着車」を設定し、レス化して2型改良前のような価格に抑えた。
ハイブリッドFXではキーレスプッシュスタートシステムとオートライトシステムが標準装備化された。
また「全方位モニター用カメラパッケージ」の装備内容が一部変更となり、従来の「フロント2ツイーター&リア2スピーカー」から2型以降は「ヘッドアップディスプレイ」に変更された。
エンジンの改良
エンジンも新型R06Dエンジンに置換。
2代目ハスラーで先行採用していたデュアルインジェクションシステムやクールドEGRを搭載した改良型で、新開発CVTによる軽量化と高効率化も合わせて燃費を向上させた。
なお、ターボ仕様のマイルドハイブリッドでは2型改良でモーターによるクリープ走行が省かれた。
内装の変更
インパネカラーも2型で変更となり、「FA」、「ハイブリッド FX」・「FX」はブラウンインパネを採用。
「ハイブリッド FZ」と「FZ」はブルー加飾のブラックインパネを採用。
スティングレーはシルバー加飾を施したダークバイオレットパールとなった。
「FA」は内装色も変更となり、ベージュ内装からブラック内装。
ボディカラーの変更
ボディカラーは「ピュアレッド」を「フェニックスレッドパール」に入れ替え。
「FA」と「ハイブリッド FX」専用色の「サニーイエローメタリック」を「アクティブイエロー」へそれぞれ入れ替え。
「FA」と「ハイブリッド FX」専用色に「シフォンアイボリーメタリック」を追加。
「ハイブリッド FZ」専用色として「ノクターンブルーパール」、「クールカーキパールメタリック」を追加設定した。
6代目・前期ワゴンRのグレード FA、ハイブリッドFX、FZ、スズキセーフティパッケージ装着車/サポート非装着車の違いなど
6代目前期ワゴンRのグレード展開は廉価グレード「FA」、ミドルグレード「ハイブリッドFX」、ミドル+自動ブレーキ搭載「ハイブリッドFX セーフティパッケージ装着車」。
上級モデルは「ハイブリッドFZ」、上級+自動ブレーキ搭載「ハイブリッドFZ セーフティパッケージ装着車」で全5種類。
モデル中盤~終盤には全グレードに自動ブレーキが標準装備となり、自動ブレーキをレス化した「スズキセーフティサポート非装着車」が追加設定された。
特別仕様車はワゴンR生誕20周年を記念した「ハイブリッドFX リミテッド」と「ハイブリッドFZ リミテッド」が設定されていた。
FA
6代目ワゴンRの廉価グレード。
他のグレードよりも装備が簡略化され、その分価格が抑えられたグレード。6代目前期ワゴンRでは後に唯一の5MTも追加された。
エクステリアはベーシックで
- スチールホイール+ホイールキャップ
- エアロパーツレス
快適装備も
- マニュアル式エアコン
- 電波式キーレスエントリー
- タコメター無しの単眼式スピードメーター
など、必要最低限の装備となる。
さらにマイルドハイブリッドやアイドリングストップなども非搭載で、プッシュエンジンスタートも非装備。
その分新車価格は安く、一番安い2WDでは1,078,920円からだった。
2019年12月の2型改良では「前後の衝突被害軽減ブレーキ」、「後方誤発進抑制機能」、「リヤパーキングセンサー」と「タコメター」がCVT車に標準装備化された。
5MTモデルについてはこちらから。
FA スズキセーフティサポート非装着車
2019年12月の2型改良で追加されたグレード。
FAのCVT車に標準装備化した
- デュアルセンサーブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
- リヤパーキングセンサー
- タコメーター
をレス化したグレードで、その分新車価格が安くなっていた。
ハイブリッドFX
6代目前期ワゴンRのエントリーグレード。廉価グレードFAよりも装備が豪華になる。
ハイブリッドFXではマイルドハイブリッド仕様となり、加速や燃費が良くなる。
外観はFAとほぼ同じだが、マイルドハイブリッドを示す「HYBRIDエンブレム」がフェンダーとリアゲート右下に付いてさりげなく差別化される。
また快適装備や機能装備では
- フルオートエアコン
- タコメター付き2眼式スピードメーター
- マルチインフォメーションディスプレイ
- エコクール
- アイドリングストップ
などを標準装備し、機能性が向上する。
2019年12月の2型改良では下記「セーフティパッケージ装着車」にオプション設定となっていた自動ブレーキ関連の装備や「オートライトシステム」と「キーレスプッシュスタートシステム」が標準装備化された。
また2型改良ではリアバンパーに超音波センサーが追加されたことで
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
が追加された。
ハイブリッドFX セーフティパッケージ装着車
ハイブリッドFXに自動ブレーキや快適装備をプラスしたグレード。
デュアルセンサーブレーキサポートが装着され、衝突警報機能や衝突回避、衝突軽減ブレーキが備わる。また、先代の自動ブレーキではできなかった夜間の歩行者検知機能も可能となっている。
このほか
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
などの自動ブレーキ機能を標準装備。
機能装備では「キーレスプッシュスタートシステム」も追加で標準装備となる。
2019年12月の2型改良ではリアパーキングセンサーを追加し「セーフティパッケージ」が「セーフティサポート」に名称変更しハイブリッドFXに標準装備化。以後はカタログ落ちした。
ハイブリッドFZ
6代目前期ワゴンRの上級グレード。
カスタム風の専用デザインで顔つきが差別化され、装備も豪華。また、マイルドハイブリッド仕様で加速や燃費も良い。ただし、ターボは非設定。
エクステリアでは
- FZ専用ヘッドライト(LEDタイプ)
- FZ専用バンパー&グリル
- サイドアンダースポイラー
- リアスポイラー
- LEDターンランプ付きドアミラー
- 14インチアルミホイール
を標準装備。インテリアでは
- 本革巻きステアリング
- ベージュインテリア
機能装備では
- キーレスプッシュスタートシステム
- チルトステアリング
- 運転席シートリフター
- リアスタビライザー
- オートヘッドライト
- UV&IRカットガラス
など標準装備する。
2019年12月の2型改良では下記「セーフティパッケージ装着車」にオプション設定となっていた自動ブレーキ関連の装備や「オートライトシステム」と「キーレスプッシュスタートシステム」が標準装備化された。
さらに2型改良ではリアバンパーに超音波センサーが追加されたことで
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
が追加された。
FZについてはこちらから。
ハイブリッドFZ セーフティパッケージ装着車
ハイブリッドFXに自動ブレーキや快適装備をプラスしたグレード。
デュアルセンサーブレーキサポートが装着され、衝突警報機能や衝突回避、衝突軽減ブレーキが備わる。また、先代の自動ブレーキではできなかった夜間の歩行者検知機能も可能となっている。
このほか
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
などの自動ブレーキ機能を標準装備。
機能装備では「スマートキーレス」と「プッシュエンジンスタート」も追加で標準装備となる。
2019年12月の2型改良ではリアパーキングセンサーを追加。「セーフティパッケージ」を「セーフティサポート」に名称変更しハイブリッドFZに標準装備化。以後はカタログ落ちした。
ハイブリッドFZ スズキセーフティサポート非装着車
2019年12月の2型改良で追加されたグレード。
FXのCVT車に標準装備化した自動ブレーキ関連の
- デュアルセンサーブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
- リヤパーキングセンサー
- キーレスプッシュスタートシステム
をレス化したグレードで、その分新車価格が安くなっていた。
特別仕様車 ハイブリッドFX リミテッド
2018年9月に設定された特別仕様車。初代ワゴンRの発売から25年が経過したことを記念する特別モデル。
ハイブリッドFXリミテッドは「ハイブリッドFX」グレードがベース。
外装では
- スモークメッキとスチールシルバーのフロントグリル
- 14インチアルミホイール
- シルバードアハンドル
- IRカット機能付フロントガラス
- プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)
- 専用エンブレム
を。
内装では
- ネイビーとシルバーの専用インパネカラーパネル
- 専用ファブリックシート表皮
- チルトステアリング
- 運転席シートリフター
- シルバーインサイドドアハンドル
- 助手席シートヒーター(2WD)
を標準装備。
安全装備としては「スズキ セーフティ サポート」から衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」を標準採用とし、ベースモデルよりもワンポイントの上級感を高めた特別仕様車となっている。
特別仕様車 ハイブリッドFZ リミテッド
2018年9月に設定された特別仕様車。25年が経過したことを記念する特別モデル。
こちらはFZがベース。
ハイブリッドFZリミテッドでは外装に
- メッキドアバックドアガーニッシュ
- シルバードアハンドル
- 15インチアルミホイール専用エンブレム
を。
内装では
- マットブラックパール&シルバーの専用インパネカラーパネル
- 専用ファブリックシート表皮
- 2WD仕様車では助手席シートヒーター
を標準装備。
安全装備としては「スズキ セーフティ サポート」から衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」をベースモデルと同じく標準採用とし、ベースよりもワンポイントの上級感を高めた特別仕様車。
エクステリア
出典:スズキ認定中古車
フロントデザイン。ベーシックな「FAと」そのマイルドハイブリッド仕様である「ハイブリッドFX」では従来どおりのワゴンRのイメージを踏襲するデザインが採用されている。
出典:スズキ認定中古車
ヘッドライトは初代を彷彿とさせる縦長の長方形をベースにウィンカー部にかけてエッジを与えることでデザインにスタイリッシュ感を与えた。グリルは黒と控えめなメッキのアクセントを与えベーシック感を高めている。
初代ワゴンRを知るひとであればどこか懐かしいデザインで、これにアレンジが加わったような顔つきとなっている。
最近のスズキではこのように過去のデザインを取り入れつつ近代風にアレンジしたモデルが投入されているが、6代目ワゴンRでもその手法が用いられている。
出典:スズキ認定中古車
サイド。先代の5代目やその前の4代目ではスタイリッシュな箱型ボディフォルムとなっていたが、6代目ではその雰囲気が薄くなり、再び箱型のイメージが強くなった。
ボンネットのエッジは少しきつくなり、Aピラーをスリム化。ドアミラーは小型化し先代よりも下方へ移動。同時にクォーターガラスを広く取ることで右左折時の視界を向上させた。
リアガラスも特徴的な台形型とし、リアクォーターガラスを新設して後方視認性を高めている。リアクォーターガラスは3代目ワゴンR以来の復活となる。リクエストスイッチはハイブリッドFXにオプション設定。
出典:スズキ認定中古車
足元は14インチフルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。
出典:スズキ認定中古車
リア。このあたりも大きくデザイン変更され、コンビランプはそれまでの両サイド真ん中から初代ワゴンRのようなバンパー下部に移動した。
コンビランプが無くなったことによりリアハッチ開口部は軽商用ワンボックスのように拡大。利便性を向上させている。
またスタイリング的にも初代ワゴンRを彷彿とさせるもので、懐かしさと近代風がミックスしたリアビューとなっている。
コンビランプはノーマルモデルでもインナーメッキを用いて質感をアップ。ストップランプはLEDとなる。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:スズキ認定中古車
エンジンはR06A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は52ps(38kW)/6500rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpm。
2019年12月の2型改良ではエンジンを改良型・R06D型に置換。最高出力は49ps(36kW)/6500rpm、最大トルクは5.9kg・m(58N・m)/5000rpm。新開発CVTも採用し、燃費がさらに向上した。
マイルドハイブリッド仕様の「マイルドハイブリッドFX」ではこれにISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーがプラスされる。
モーターの最高出力は2.3kW、最大トルク50N・m。トランスミッションはデビュー当初は副変速機内蔵のCVTのみで、2017年8月には最廉価グレードのFAに5MTが追加され2種類となった。
駆動方式はFFまたは4WDとなる。
安全装備としてはエマージェンシーストップシグナルとEBD付4輪ABS+ブレーキアシスト、横滑り防止装置のESP(車両走行安定補助システム)を全グレードで標準装備。
自動ブレーキ関連ではハイブリッドFXグレードにオプションで「デュアルセンサーブレーキサポート」を設定。フロントガラスに設置した2つのセンサーで前方の歩行者や自動車を感知。
近距離や夜間の検知に強いレーザーレーダーと歩行者認識が可能な単眼カメラの組み合わせでコンパクトなシステムとした。
また、先代には無かったハイビームアシストも新たに追加されより魅力的なシステムとなっている。
デュアルセンサーブレーキサポートでは前方衝突警報機能、前方衝突軽減ブレーキアシスト機能、自動ブレーキ機能により衝突軽減をアシストするほか、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車お知らせ機能、ハイビームアシスト機能が備わる。
さらにデュアルセンサーブレーキサポートのオプション選択時は軽自動車としては初となるヘッドアップディスプレイを新設定。ステアリングの前方にスピードメーターとは別の専用ディスプレイを設けてそこに車速や前方衝突警報/自動ブレーキ作動状況、車線逸脱警報、シフトポジション、凍結警告などを表示することでドライバーの視線移動を少なくし安全運転に配慮した。
2019年12月にはCVT仕様車でリアバンパーに超音波センサーを内蔵化。これにより「後退時ブレーキサポート」、リアパーキングセンサーが追加となり、誤発進抑制装置が後方にも対応した。
また、ハイブリッドFXとハイブリッドFZグレードで従来オプション設定だったデュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能が標準装備化。
最廉価グレードのFAでもスズキセーフティーサポート関連の安全装備とCVT仕様ではタコメーターが標準装備となった。
6代目ワゴンR スティングレー MH35S/MH55S/MH85S/MH95S型との違い
6代目ワゴンRのMH35SとMH55S、MH85SとMH95S型の違いはエンジン形式とマイルドハイブリッド搭載仕様かの違い。
MH35Sはマイルドハイブリッドを搭載しない純ガソリン車で、2017年2月~2020年12月までのモデル。R06A型エンジンを搭載するFAグレードのワゴンRのこと。
MH55S型の6代目ワゴンRスティングレーはマイルドハイブリッドを搭載するR06A型エンジン車。ハイブリッドFXグレードが相当する。
MH85Sは2020年1月以降の一部仕様変更によりR06D型に置換された純ガソリンタイプのワゴンR。FAグレードがこれに相当する。
MH95S型は同じマイルドハイブリッド仕様だが、同じくエンジンが新型のR06D型エンジンに置換されたモデル。2020年1月以降の一部改良以降のハイブリッドFXがこれに該当する。
すなわち6代目前期ワゴンRのガソリン車がMH35S。マイルドハイブリッド仕様がMH55S。6代目後期ワゴンRのガソリン車はMH85Sで、後期マイルドハイブリッド仕様がMH95Sで覚えておくとわかりやすい。
ちなみにダイハツやホンダのように駆動方式によって型式の違いはない。
インテリア
出典:スズキ認定中古車
インパネ。6代目ワゴンRでは外装と共にインパネデザインも大幅刷新。直線基調をメインに収納スペースを効率的に配置。デザイン的にもスペースを感じるものとした。
スピードメーターはワゴンR初となるセンターメーターを採用。オーディオパネルも特徴的なセンター配置。
ハイブリッドFXではオプションでブラックインパネを設定。ブラックorノーマルにかかわずエアコンパネルはオートエアコンタイプとなる。
キーレスプッシュスタートシステムはハイブリッドFXにオプション設定。
2019年12月のマイナーチェンジではFAのインパネと内装色がそれまでのベージュからブラックに変更された。
さらにハイブリッドFXでは「全方位モニター」をオプション設定。フロントカメラ、サイドカメラ(左右)、バックカメラの軽4つのカメラでクルマを真上から見たような俯瞰(ふかん)の映像などを7インチの大画面モニターに映し出すもので、狭い場所での駐車や狭い道路でのすれ違い時に効果を発揮する。
スピードメーター。ベーシックなFAではタコメーター無しの1眼タイプ。
ハイブリッドFXではタコメーター付き。ただし2019年12月以降はFAでもCVT車はタコメーター付きに変更された。
スピードメーターとなりの液晶パネルは「マルチインフォメーションディスプレイ」で燃料計、外気温、シフトポジションのほかマイルドハイブリッドの状態も表示する。
FAの5MTのシフトノブ。ブーツが軽トラのようなゴムタイプなので見た目は若干貧相だが、ムーヴやN-WGNには存在しない希少な5MTで、特にMTしか乗れない年配層にとってはかなり良心的なグレード。
特に最近では新車で買えるMTの軽自動車がほとんど無くなる中、希少モデルとして一部マニアに人気が出ている。
なお、サイドブレーキも従来どおりのレバーによる手動式に変更される。
エアコンはFAがマニュアル式エアコン。ハイブリッドFXとハイブリッドFZがオートエアコンとなる。
出典:スズキ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。
出典:スズキ認定中古車
ハイブリッドFXのブラックインパネ選択時にはシートもブラックシートとなる。このブラックシートはFAグレードにおいて2019年12月のマイナーチェンジ以降、ブラック内装が標準化された。
出典:スズキ認定中古車
FAの5MT仕様のみ、フロントシートがセパレートタイプとなる(※2019年12月マイナーチェンジ以降はブラックシート化)。
出典:スズキ認定中古車
リアシート。写真はブラックインパネ選択時のもの。リアシートはスライド機構付き。
リアドア両側には軽自動車初となるアンブレラホルダーを標準装備とした。
出典:スズキ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:スズキ認定中古車
リアシートを倒した状態。
ラゲッジルーム開口部は上述のとおりコンビネーションランプがバンパー部に移動したことにより軽ワンボックスのような大開口部を実現。おおきな荷物を載せる際に重宝する。
まとめ
6代目ワゴンRのFAおよびハイブリッドFXは大幅変更された内外装にさらに広くなった室内長、大きくとられたリアゲート、グレード別ではあるがマイルドハイブリッドによるハイブリッド機能の強化、オプション設定のデュアルセンサーブレーキサポートなどフルモデルチェンジに相応しいデザインとメカニズムが与えられたモデルとなっている。
一番ベーシックなデザインのFAとハイブリッドFXでは初代ワゴンRのような外観にグレード別でマイルドハイブリッド機能や自動ブレーキを与えている点がポイントで、価格面でも一番安いモデルなら約108万円から。
マイルドハイブリッドは約118万円から。マイルドハイブリッド+自動ブレーキでも約127万円とフルモデルチェンジでアップデートされたにもかかわずベーシックモデルでは先代モデルよりも安くなっている点もスズキらしい。デザインに毛嫌いがなければ素直にオススメできる軽ワゴンである。
なお、後期モデルでは廉価グレードFAが廃止され、FXグレードを名称復活して入れ替えとなった。
価格も一番安いグレードで121万7,700円からとなったが、フルオートエアコンやタコメター付きスピードメーター、デュアルカメラブレーキサポートなどを標準装備し、機能や快適装備を充実させている。
また、MTモデルもFXグレード移行され、前期モデルよりも魅力がアップした。
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