【6代目・後期型】スズキ ワゴンR (MH55S/MH85S/MH95S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【6代目・後期型】スズキ ワゴンR (MH55S/MH85S/MH95S型)概要解説

ワゴンR

ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では6代目・MH85S型/MH95S型の2022年8月一部仕様変更以降のモデルを後期型とし、これを扱う。

出典:スズキ認定中古車

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6代目 スズキ・ワゴンRとは?

2017年2月にフルモデルチェンジし、6代目となったスズキ・ワゴンR

6代目の大きな特徴は大幅に変更されたデザインとマイルドハイブリッド(旧称:S-エネチャージ)の進化、デュアルカメラブレーキサポートに変る「デュアルセンサーブレーキサポート」や、「ヘッドアップディスプレイ」の軽初採用、さらに広くなった室内空間や利便性能の向上などがあげられる。

まずデザイン面ではそれまでの4代目5代目にかけてのワゴンRのイメージを大幅刷新。

デザインには初代ワゴンRのモチーフを取り入れかつそれまでのノーマルとカスタムモデルの2本構成からノーマルを1種類、カスタムを2種類の合計3種類の顔つきの異なるモデルを設定した。

これはワゴンR史上では初の試みで、先行するスペーシアシリーズ(スペーシア、スペーシアカスタム、スペーシアカスタムZ)に続く2例目の3モデル構成となった。

インテリアでもワゴンRでは初となるセンターメーターを採用。インパネデザインも水平基調をベースに横長のインパネカラーパネルにより開放的な視界と室内空間を演出している。

先代までの「S-エネチャージ」は6代目で一般的な「マイルドハイブリッド」に名称変更。システムもISG(モーター機能付き発電機)を高出力化。

リチウムイオン電池も大容量化したことでモーターによるクリープ走行(アイドリングストップ後の発進時に最長10秒間)、発進から時速100kmまでのモーターアシストなどが可能となり、ハイブリッド機能の強化とさらなる低燃費(33.4km/L(JC08モード))を実現した。

またボディも軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「ハーテクト」を採用。足回りやボディ、プラットフォームの軽量化により先代比20kgの軽量化を実現。

MH35S (30)

安全技術としてはそれまでのレーザーレーダーを用いた「レーダーブレーキサポート」から、単眼カメラと赤外線レーザーセンサーを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポート」に変更。

先代のレーダーブレーキサポートでは非搭載だったハイビームアシスト機能を新たに盛り込み、従来どおりの誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能を搭載している。

さらに軽自動車としては初の「ヘッドアップディスプレイ」を新採用。走行中の視線移動を少なく、安全運転に配慮した。

MH35S (29)

室内空間は6代目で新プラットフォーム「ハーテクト」の採用により完全新設計。室内長は歴代最長の2450mmを実現(先代比で約300mmアップ)し、広々とした室内空間した。

また、リアコンビネーションランプを初代と同じバンパー下部に移動したことでラゲッジルームの開口部を100mm拡大。3代目エブリイワゴンのように商用車のような使い勝手を実現した。

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6代目後期型ワゴンRとは? 改良点や前期型との違いなど

その6代目ワゴンRは2022年8月に一部仕様を実施した。本稿ではこれ以降の6代目ワゴンRを後期型とする。

6代目後期ではグレード体系が変更となり、標準ワゴンRの廉価グレード「FA」を廃止。かつてのミドルグレード「FX」を復活し名称変更した。

また標準ワゴンRのグレード構成も変更し、マイルドハイブリッド非搭載は「FX」、マイルドハイブリッド仕様は「ハイブリッド FX-S」とし、5MT仕様の廉価タイプはFXに継続設定となった。

カスタムモデルの「スティングレー」は自然吸気エンジン仕様を廃止し、ターボモデルのみに集約。

出典:スズキ認定中古車

また、新モデルとして既存のFZグレードを廃止し、「ワゴンR カスタムZ」を新設定。

カスタムZでは往年スティングレーでも見られた水平基調のヘッドライトやグリルを採用し先代スティングレーのような雰囲気とした。

またカスタムZではFZには非設定だったターボ仕様と自然吸気エンジンの2種類を設定。

エクステリアでは標準ワゴンRのフロントデザイン(グリルとバンパー)を変更。

一方で前期に搭載されていたモーターによるクリープ走行がR06Dエンジン搭載のMH95S型で削除。先行して2型改良時にMH55S型が非搭載となったが、後期モデルで全グレード非搭載となった。

自動ブレーキ関係では後期モデルで夜間の歩行者検知を可能とした「デュアルカメラブレーキサポート」に変更。

「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)」と「車線逸脱抑制機能」はFXグレード以外に新規追加し、標準装備とした。

安全装備ではエアバッグの数を増やし、フロントシートSRSサイドとSRSカーテンを加えた6エアバッグに変更。

オプション設定の全方位モニター付ディスプレイオーディオは後期モデルでスズキコネクト対応品が追加された。

快適装備は前期モデルのFAなどでで非装備だった

  • オートエアコン
  • キーレスプッシュスタートシステム
  • 運転席シートヒーター
  • タコメター付き自発光2眼式スピードメーター

をMTモデルを含めた全グレードに標準装備化。

「FX」以外の全グレードには「USB電源ソケット[Type-A / Type-C]」も標準装備とし使い勝手を向上した。

ボディカラーも変更となり、

標準ワゴンRは

  • 「ブリスクブルーメタリック」
  • 「アクティブイエロー」
  • 「フィズブルーパールメタリック」

を廃止し、入れ替えで新色

  • 「フォギーブルーパールメタリック」
  • 「テラコッタピンクメタリック」
  • 「ダスクブルーメタリック」

を追加。

スティングレーは「クールカーキパールメタリック」を廃止し、入れ替えで「デニムブルーメタリック」を追加。

カスタムZはスティングレーと共通の6色に、ハイブリッドFZの「ノクターンブルーパール」と「クールカーキパールメタリック」を含めた全8色を設定。

6代目後期ワゴンRのグレード FX、ハイブリッドFX-S、カスタムZ、スティングレーの違いなど

6代目後期ワゴンRのグレード構成は標準タイプが自然吸気エンジン・ベーシック「FX」、ベーシック・マイルドハイブリッド仕様「ハイブリッド FX-S」。

上級でカスタムターボ仕様の「スティングレー ハイブリッド T」。

そして後期モデルで追加されたカスタムZは自然吸気エンジン・ベーシック「ハイブリッドZX」、上級装備の「ハイブリッドFZ アップグレードパッケージ装着車」、カスタムZの上級ターボ仕様「ハイブリッド ZT」で全6種類。

前期の「FA」、「ハイブリッド FZ」、スティングレーの自然吸気エンジン仕様「ハイブリッドX」は後期で廃止された。

FX

6代目後期・標準ワゴンRのベーシックグレード。

前期のFAより名称変更し、装備がアップグレードされている。ただしマイルドハイブリッドは非搭載。

エクステリアでは

  • FX用メッキグリル
  • カラードアハンドル
  • 14インチスチールホイール+ホイールキャップ

などで簡素な仕様。インテリアではブラックインテリアのみで、

  • ウレタンステアリング
  • ブラック内装+ブラウンカラーインパネ
  • 自発光・2眼式スピードメーター(タコメター+マルチインフォメーションディスプレイ付き)

と、こちらも簡素。

快適装備は

  • フルオートエアコン
  • キーレスプッシュスタートシステム
  • 運転席シートヒーター(4WD仕様では助手席シートヒーターもプラス)
  • 電動格納式ドアミラー

を標準装備する。後期モデルでは自発光式・2眼式スピードメーターが標準装備となり、上級感がアップする。

トランスミッションはCVTのほか、FAから引き継いだ5MTを設定。駆動方式もそれぞれ2WDと4WDを設定する。

安全装備は

  • デュアルカメラブレーキサポート
  • 誤発進抑制機能 (※CVT車のみ)
  • 後退時ブレーキサポート (※CVT車のみ)
  • 後方誤発進抑制機能 (※CVT車のみ)
  • リヤパーキングセンサー
  • 車線逸脱警報機能
  • 先行車発進お知らせ機能
  • ハイビームアシスト
  • エマージェンシーストップシグナル
  • ヒルホールドコントロール (※CVT車のみ)
  • フロント間欠ワイパー
  • エンジンクラッチスタートシステム (※5MTのみ)
  • フロントスタビライザー(4WDのみ)

を標準装備。ただし5MTモデルでは自動ブレーキの装備が一部簡略化される。

【6代目・後期型5速マニュアル仕様】スズキ ワゴンR FX・5MT (MH85S型)概要解説
ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では6代目・後期モデルのエントリーグレード、MH85S型に設定されたマニュアルグレードの「FX 5MT」を扱う。出典:スズキ認定中古車6代目 スズキ・ワゴンRとは?2017年2月にフルモデルチェンジし...

また、FXでは「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」がオプション選択不可(※純正CDプレイヤーは選択できる)。

ハイブリッド FX-S

6代目後期・標準ワゴンRの自然吸気エンジン・上級モデル。マイルドハイブリッド仕様。

エクステリアではほぼ同じだが、「マイルドハイブリッド」エンブレムがリアゲートや左右フェンダーに付く。

インテリアでは「シルバー塗装のステアリングガーニッシュ」が追加され、内装も「ブラック内装」と「ベージュ内装」の2種類から選択可能となる。

ただし、MTの設定はなく、CVTのみ変更。駆動方式は2WDと4WD。

安全装備や快適装備ではFXに非装備だった

  • 車線逸脱抑制機能
  • アクティブクルーズコントロール
  • フロントSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグ
  • アイドリングストップ、
  • エコクール
  • チルトステアリング
  • USB電源ソケット
  • ステアリングオーディオスイッチ
  • リアヒーターダクト

などを追加で標準装備。「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」や「ヘッドアップディスプレイ」もオプション選択可能となる。

スティングレー ハイブリッドT

6代目・後期上級カスタムのターボ仕様車。ターボによる力強い走りが特徴の上級グレードで、マイルドハイブリッド搭載モデル。

外観も標準モデルとは異なるスティングレー専用フロントデザインやアルミホイール、クリアーテールランプやエアロパーツでスタイリッシュな外装に、ブラック基調のインテリア、本革巻きステアリングなど上質な内装を与えたモデル。

エクステリアでは

  • ススティングレー専用LEDヘッドライト&LEDポジションランプ&LEDフォグランプ
  • スティングレー専用エアロバンパー&グリル
  • 15インチアルミホイール(切削加工)
  • フロントスタビライザー(2WDにはリアスタビライザー付き)
  • フロントディスクブレーキ
  • スチールシルバーアウターハンドル&メッキバックドアガーニッシュ
  • エアロパーツ
    (サイドアンダースポイラー、リアバンパーガーニッシュ、フロントバンパーガーニッシュ、ルーフエンドスポイラー)
  • LEDサイドターンランプ付きドアミラー

インテリアではブラックインテリアのみで、

  • 本革巻きステアリングホイール
  • 本革巻きシフトノブ
  • カスタム用シート表皮
  • ピアノブラック調オーディオガーニッシュ
  • メッキインサイドドアハンドル
  • ダークバイオレットパールのフロントドアアームレストパネル
  • ダークバイオレットパール×シルバーのインパネ
  • 6スピーカーシステム
  • パドルシフト

などを標準装備する。

自動ブレーキなどの安全装備はハイブリッドFX-Sと同じ。「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」や「ヘッドアップディスプレイ」もオプション選択可能。

カスタムZ ハイブリッドZX

カスタムZは6代目後期ワゴンRで追加されたもうひとつのカスタムモデル。歴代スティングレーのデザインを踏襲した水平基調のヘッドライトやグリルが特徴。

「ハイブリッドZX」はその自然吸気エンジン仕様・エントリーグレードで、マイルドハイブリッドを搭載する。

「ZT」や「アップグレードパッケージ装着車」に比べると少し装備が簡略化され、価格が安くなる。

エクステリアでは

  • カスタムZ専用ヘッドライト(LEDタイプ)+LEDポジションランプ
  • LEDフォグランプ
  • カスタムZ専用グリル&フロントバンパー
  • 14インチアルミホイール
  • LEDサイドターンランプ付きドアミラー(リモート格納・電動格納式ドアミラー)
  • スチールシルバーアウタードアハンドル
  • エアロパーツ
    (サイドアンダースポイラー、リアバンパーガーニッシュ、フロントバンパーガーニッシュ、ルーフエンドスポイラー)

などを標準装備。メッキアウターハンドルはメッキバックドアガーニッシュは省略され、アルミホイールのデザインも標準タイプを採用。

インテリアではブラックインテリアのみとなり、

  • ピアノブラック調オーディオガーニッシュ
  • カスタム用シート表皮
  • シルバー塗装インサイドドアハンドル
  • ブラウンメタリックのフロントドアアームレストパネル
  • ブラウンメタリック×シルバーのインパネ

などを標準装備。本革巻きステアリングやメッキインナーハンドルなどは省略される。

自動ブレーキなどの安全装備はハイブリッドFX-Sと同じ。「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」や「ヘッドアップディスプレイ」もオプション選択可能。

【6代目・後期型】ワゴンR カスタムZ(MH55S/MH85S型)概要解説
ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では6代目・MH85S型/MH95S型の2022年8月一部仕様変更(後期型)で追加されたもうひとつカスタムモデル、「カスタムZ」を扱う。6代目 スズキ・ワゴンRとは?2017年2月にフルモデルチェンジ...

カスタムZ ハイブリッドZX アップグレードパッケージ装着車

カスタムZXにターボ仕様で最上級の「ハイブリッドZT」と同じ上級の内外装を与えたドレスアップ仕様。

エクステリアでは

  • カスタムZ専用・切削加工15インチアルミホイール
  • メッキアウターハンドル

を。インテリアでは

  • 本革巻きステアリング
  • 本革巻きシフトノブ
  • メッキインナーハンドル

などを追加で標準装備。

快適装備も

  • IRカット機能付きフロントガラス
  • プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)
  • 6スピーカーシステム

を標準装備しターボ仕様と同じ上級装備で質感や快適性、見た目が良くなる。

カスタムZ ハイブリッドZT

カスタムZの上級ターボ仕様。

スティングレーのターボ仕様と同じターボエンジンを搭載しパワフルな走りが特徴。こちらもマイルドハイブリッドを搭載する。

エクステリアではZXのアップグレードパッケージ装着車と同じく

  • カスタムZ専用・切削加工15インチアルミホイール
  • メッキアウターハンドル

を。インテリアではブラックインテリアのみで

  • 本革巻きステアリング
  • 本革巻きシフトノブ
  • メッキインナーハンドル
  • パドルシフト

などを標準装備。

快適装備も

  • IRカット機能付きフロントガラス
  • プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)
  • 6スピーカーシステム

など、スティングレーのターボ仕様と同じく、内外装が豪華になる。

自動ブレーキなどの安全装備はハイブリッドFX-Sと同じ。「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」や「ヘッドアップディスプレイ」もオプション選択可能。

コメント

  1. 六代目後期乗り より:

    6代目後期(FX-S)乗りです。重要なことが抜けているので書きます。
    後期はモーターによるクリープ走行ができません。
    マニュアルにもwebサイトの解説にも記載がなくなってます。
    後、燃費も若干変わっているようです。

  2. Yuya/ Custom Z より:

    6代目後期(カスタムZ HYBRID ZT)に乗っている者です。

    カスタムZに装備されているリモート格納ミラーに関してですが、HYBRID ZXはアップグレードパッケージ仕様のみ標準装備されています。通常のZXはリモート格納ミラーを装備する場合、別途オプションにて追加する必要があります(ワゴンRカタログ/ワゴンRアクセサリーカタログより)