【5代目・後期型】スズキ ワゴンR FXリミテッド(MH44S型) | シン・軽自動車マニア

【5代目・後期型】スズキ ワゴンR FXリミテッド(MH44S型)

ワゴンR

ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。「FXリミテッド」はその特別仕様車である。本稿では5代目・MH44S(後期型)に設定されたFXリミテッドを扱う。

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画像参照元:スズキ認定中古車
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5代目 スズキ・ワゴンRとは?

2012年8月にフルモデルチェンジし、5代目となったワゴンR

5代目はライバルのムーブに競り勝つため、従来のモデルサイクルを前倒しするという異例のフルモデルチェンジだった。

5代目ワゴンRでは先代で採用されたスタイリッシュな箱ボディを継承し、そこからさらに丸みを与えたことでスタイリッシュ路線が洗練された外観に仕上がった。

また、ノーマルのワゴンRでは同年代の7代目アルトのような丸みをヘッドライトに与えることで、ヨーロピアンな雰囲気も演出した。

メカニズムではそれまでのK6A型に変るR06A型エンジンを新規に採用。

軽自動車としては初となる低燃費技術の「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全グレードに採用。

ハイテン鋼などで徹底的に軽量化(先代比-70kg)したことで自然吸気エンジンのFFモデルでは28.8km/L(JC0モード)、ターボ仕様のFFモデルでも26.8km/L(JC08モード)を実現。

5代目では燃費が飛躍的にアップした。

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モデル構成は先代と同じくノーマルモデルとカスタムモデル(スティングレー)の2種類。

ただし、先代(4代目)の前期に設定されていたノーマルモデルのターボ仕様は5代目では未設定で、カスタムモデルのスティングレーのみの設定となった。

また、4代目で好評だった特別仕様車の「FXリミテッド」を引き続きカタロググレードに設定。グレード構成もベーシックな「FX」または上級な「FXリミテッド」の2種類と、シンプルになった。

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5代目後期型ワゴンR(MH44S)の特徴と前期(MH34S)との違い

その5代目ワゴンRは2014年8月のマイナーチェンジでフロントデザインの変更等を行い後期型となった。

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後期型の大きな特徴はエクステリアの変更以外にエネチャージを進化させたS-エネチャージ専用車の追加設定だ(MH44S系)。

従来のエネチャージではバッテリーとは別の第2の蓄電池を設け、オルタネーターの代わりに蓄電池から電力を供給することで無駄なガソリン消費を抑えるものだったが、S-エネチャージではモーター機能付きのオルタネーターを採用。

発電の他、エンジンのアシスト源(スターターモーター機能とモーターアシスト機能)として使うことでマイルドハイブリッド仕様に進化した。

さらに蓄電池は高効率リチウムイオンバッテリーを採用したことで、充電や給電性能を向上。モータアシストに必要な大電流に対応させた。

これらS-エネチャージを採用したことで燃費性能はさらに向上し、自然吸気エンジンのFFモデルで32.4km/L(JC08モード)。同年代のライバルである5代目ムーヴを大きく引き離す大台を達成。

5代目の後期型では「マイルドハイブリッド」という大きな仕様変更がなされたマイナーチェンジとなっている。

なお、2014年8月マイナーチェンジではグレード体系が見直されデビュー当初のFXかFXリミテッドの2種類(※2013年には最廉価のFX-Eグレードが追加となるが)に対し、FXの下位グレードとなるFAグレード(※FX-Eの後継グレード)を新設定。

またそれまでの上級グレードであったFXリミテッドを廃止しマイルドハイブリッド仕様のFZに置き換え、ノーマル系ワゴンRでは低価格グレードと上級グレードの拡充をはかった。

ちなみに、MH34Sは5代目ワゴンRでS-エネチャージが搭載されない前期および後期モデル(5代目後期でもFXなど廉価グレードではS-エネチャージが非搭載)のこと。

MH44Sは5代目後期のS-エネチャージ搭載モデルのことで両者では型式が異なる。

5代目後期(MH44S)ワゴンR FXリミテッドとは?特徴とFXや前期リミテッドとの違い

その5代目後期ワゴンRに2015年12月。

ベーシックなFXグレードをベースとしてそれまでは上級のFZグレードやスティングレーのみに設定されいたマイルドハイブリッドを採用し、お手頃な価格とした特別仕様車を追加した。それが本稿で扱う「FXリミテッド」である。

FXリミテッドは伝統的に3代目4代目ワゴンRにも設定されていたが、5代目の後期型でマイルドハイブリッド仕様のFZグレードと入れ替わる形で一旦消滅していた。

が、今回はマイルドハイブリッドでありながら価格を抑えた上級グレードとして復活した。

5代目前期までのFXリミテッドはベーシックなFXを元にスタイリッシュな外観や内装を与えた特別仕様車だったのに対し、今回の5代目後期では専用メッキグリルを与えずにS-エネチャージを適用するなど歴代でも異なる1台となっている。

FXリミテッドでは外装はベースモデルの廉価グレードなFXとほぼ同じ。

追加装備として

  • LEDターンランプ付きドアミラー
  • ルーフエンドスポイラー
  • 14インチアルミホイール

を標準装備とし、若干スタイリッシュなエクステリアとした。

インテリアでは

  • ブラックインテリア
  • 専用ファブリックシート
  • ステアリングオーディオスイッチ
  • シルバーインサイドドアハンドル
  • シルバールーバーエアコンリング

を標準装備。

快適装備としては

  • 運転席シートリフター
  • チルトステアリング
  • キーレスプッシュスタートシステム

を標準装備。

後期FXリミテッドでは外装はほんのわずかにスタイリッシュに。内装は歴代のFXリミテッドの特別装備を踏襲し、特にS-エネチャージを適用しつつもベースモデルよりも約8万円アップの価格上昇に抑えたお買い得仕様となっていた。

5代目前期FXリミテッドと後期FXリミテッドとの違い

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5代目前期FXリミテッドとの違いはデザイン以外に追加装備の違いがある。

前期FXリミテッドにはフロントアンダースポイラーとサイドアンダースポイラーが付いてフルエアロ化されていたが、後期FXリミテッドでは価格を抑えるため省略。リアスポイラーのみとなる。

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また、グリルも前期は専用メッキグリルだったが、後期はFXグレードと同じ標準グリルの採用で、特別感が薄れている。

アルミホイールは後期モデルでデザインが変更され、よりスタイリッシュなデザインとなった。

一方、前期の設定のあった「純正ディスチャージヘッドランプ」のオプション設定が後期モデルでは消滅。

このほかインテリアでは前期が本革巻きステアリングに対し、後期がウレタンステアリング。

スピードメーターも前期がアナログ3眼式に対し、後期はS-エネチャージ化により右側がマルチインフォメーションディスプレイに変更される。

さらにS-エネチャージ化により燃費性能と加速性能は後期モデルの方が良くなるなど、コストカットにより後期モデルは前期より省略された部分がある。

【5代目・前期型】スズキ ワゴンR FXリミテッド(MH34S型)

エクステリア

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フロントデザイン。先代のFXリミテッドや3代目では専用のメッキグリルが与えられていたが今回の5代目後期FXリミテッドはそれがなく、ベースのFXグレードと同じとなっている。

角張った3代目とスタイリッシュ4代目ヘッドライトを足して二で割ったようなヘッドライトにベーシック感の強いグリルを装着。

ワンポイントのアクセントとして凹型のメッキパーツが加えられさりげないスタイリッシュ感を演出している。バンパーもベースと同じく前期とは開口部の形が上下反転したものが付いている。

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サイドから。このあたりはパッ見変更がないように見えるが…

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足元では専用デザインの14インチアルミホイールを標準装備。

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LEDターンランプ付ドアミラーもFXリミテッドとして標準装備し、スタイリッシュな外観とした。

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リア。コンビランプはノーマルタイプで、上部にはルーフエンドスポイラーを装着。

リアハッチ右下には「S-エネチャージ」エンブレムが付いている。ただしFXリミテッドを示すエンブレムは省略される。そのため外観で見分けるにはこの「S-エネチャージエンブレムが付いたFXグレードのワゴンR」がポイントとなる。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはR06A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。

最高出力52ps(38kW)/6000rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。

後期型ではこのエンジンに加えてオルタネーター機能付きのモーター(出力1.6kW)が加わるトランスミッションは副変速機付きのCVT。駆動方式はFFか4WDだ。

この他MH44系では減速時アイドリングストップシステム、エコクールが全グレードで標準装備となる。

S-エネチャージではハイブリッド化による走りのモーター感は皆無なものの、登坂時ではモーターのアシストで若干登坂能力が改善されており、特に自然吸気エンジンでは効果が期待できる。

さらに素晴らしいのはアイドリングストップ時の再始動音で、あの独特のエンジンスタート音がとても静かな点。これは確実に軽自動車の質感を向上させるポイントである。

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前述のとおり加速時にモーターでエンジンをアシストするS-エネチャージを搭載。

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回生ブレーキ時には助手席下のリチウムイオンバッテリーに蓄電。

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スターターモーター機能でエンジン再始動時に使用したりモーターをアシストしエンジンの負荷を減らすなどしてFFモデルは驚異的な33.0km/Lの低燃費を実現した。

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これ以外に安全装備としてはメーカーオプションでレーダブレーキサポート、エマージェンシーストップシグナル、誤発進抑制機能、ESPを設定。

運転席&助手席エアバッグやEBD付きABSは標準装備となる。

インテリア

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インパネ。ブラックカラーのインテリアに加え、ウレタンステアリングホイールを採用。

キーレスプッシュスタートシステムも標準装備し、エンジン始動はプッシュスタート式。ドアの開閉はリクエストスイッチで行う。

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スピードメーター。ノーマル同様に自発光式メーターとなり、

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フロントシートはベンチシートタイプ。FXリミテッド専用のファブリックシート表皮となっている。また、インサイドドアハンドルはシルバー塗装され、上級感を強調。

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リアシート。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

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5代目後期・ワゴンRのFXリミテッドはベーシックなFXグレードを元にS-エネチャージを搭載しお買い得とした特別仕様車である。

外観こそFXとほぼ同じだがS-エネチャージの搭載により燃費向上や坂道でのトルク改善など目に見えない部分での嬉しい装備内容が特徴である。

新車価格的にも安全装備のメーカーオプションを付けなければFZグレードに対して15万程度安く、ノーマルのFXに対しても8万程度のアップでS-エネチャージが搭載出来る点は魅力だ。

ただ、そこまでアシスト力は実感できなので平地メインであれば不要だが、坂道などではモーターよるアシストでノーマルよりも若干登坂能力がアップしておりその恩恵は受けられる。

これ以外にもアイドリングストップ機能で発進時のエンジンスタートによる振動がが非S-エネチャージに対して無音に近いくらい改善されておりこの点は優れるポイント。

中古市場では年式や走行距離割に安価に買える1台で、かなりお買い得なモデルとなっている。

外観はかなりオーソドックスだが個性や他との違いを求めない普通な軽自動車を探している人にはビシッと当てはまる1台。

燃費や走行性能もターボが無い割にかなり良いので、比較的安価で燃費が良く、実用性の高いモデルとしてもオススメである。

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