ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。「FXリミテッド」はその特別仕様車である。本稿では3代目MH21S系に設定されたFXリミテッドを扱う。
概要
2003年9月フルモデルチェンジを受け、3代目となったスズキのワゴンR。先代同様にマツダには3代目AZワゴンとしてOEM供給される。MH系はプラットホームの刷新で先代よりも一回り大きく、より箱型に近くなったのが大きな特徴だ。
加えて屋根を長く広く、ドアの開口部も広げることで乗り降りのしやすさを向上。全体的なデザインも、角は丸みがあるものの直線を基調としており、初代のような雰囲気も。どの世代にも受け入れられやすいオーソドックスなものとなっている。
外観以外にメカニズムではスバルと共同開発のフロントサスを採用したり、スポーティーモデルのRRでは軽自動車初となる直噴ターボの搭載など、技術も大きく進歩した。また、車内の収納スペースを豊富に設定することで使い勝手も向上させた。
安全装備としてはそれまでのABSのみから積載重量に応じて後輪の制動力をコントロールし、リヤブレーキを最大限に機能させる「EBDシステム」(電子制御制動力配分システム)をABSにプラス。軽量衝撃吸収ボディーの「TECT」も一新しより安全性を向上させた。
3代目ワゴンR(MH21S)FXリミテッドの特徴と違い
そのワゴンRは2004年に累計販売台数200万台を記念する特別仕様車を追加した。それがこの3代目ワゴンRに設定された「FXリミテッド」である。
FXリミテッドは「FXグレード」をベースに外装では大型メッキフロントグリル、フロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リアアンダースポイラーでフルエアロ化。他にも14インチアルミホイール、10mmローダウンサスペンションを。
インテリアでは2DINサイズの上級タイプのオーディオセット(6スピーカーシステム+MC/CDステレオ)、ブラック&シルバーの本革巻ステアリングホイール、専用シート表皮、専用ドアトリム、インパネやドアトリムの一部をシルバー塗装とし、内外装で質感を高めた特別仕様車となっていた。
エクステリア
フロントデザイン。FXリミテッド専用として大型のメッキグリルを標準装備。これはベースモデルのグリルをメッキ化したものだが、面積がかなり大きいためメッキ化によるフロントの存在感は抜群だ。さらにスポーティーな外観を表現するためにアンダースポイラーを標準装備している。
サイドから。こちらもサイドアンダースポイラーを標準装備。足回りも10mmローダウンし14インチアルミホイールを標準装備することでスポーティー感を強めている。
リア。リアスポイラーにリアアンダースポイラーを装着し、全体ではフルエアロ化されている。コンビランプはノーマルと共通で、リミテッド専用のエンブレムが車名エンブレムの右下に付いている。
エンジン・機能
搭載されるエンジンはK6A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。自然吸気エンジンは最高出力54ps(40kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/3500rpmを発生。トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。
インテリア
インパネ。FXリミテッド専用としてインストルメントパネルやドアトリムの一部がシルバー塗装される。ステアリングは黒色と銀色のツートーンに革を貼り分けた専用の本革巻ステアリングホイールを採用。
フロントシートはベンチシートタイプ。FXリミテッド専用のシート表皮となる。ドアトリムも同様にリミテッド専用品だ。
リアシート。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
まとめ
3代目ワゴンRのFXリミテッドは専用の大型メッキグリルにフルエアロなど、ノーマル顔でありながらスポーティーな外観が特徴のモデルである。
個人的にはちょっとフロントグリルにコテコテ感を感じるが、ノーマルとはかなり差別化されており他人とは被りやすいベーシックモデルにおいては嬉しい装備である。
3代目ワゴンRを検討している人で、他人とは被りたくないと感じている人はこのFXリミテッドを検討してみると良いだろう。
中古市場では約20年落ちのモデルとなるのでかなり安価な価格となっている。ターボモデルが無いので、4代目以降の副変速機付きCVTのワゴンRと比べると加速等は苦手だが、街乗りオンリーで特にその点を気にしないのであれば問題無いだろう。
コメント