ワゴンRはスズキのワゴン型軽自動車。20周年記念車は5代目・MH34S型(前期)にワゴンRの誕生20周年を記念して発売された特別モデルである。
出典:スズキ認定中古車
5代目 スズキ・ワゴンRとは?
2012年8月にフルモデルチェンジし、5代目となったワゴンR。
5代目はライバルのムーブに競り勝つため、従来のモデルサイクルを前倒しするという異例のフルモデルチェンジだった。
5代目ワゴンRでは先代で採用されたスタイリッシュな箱ボディを継承し、そこからさらに丸みを与えたことでスタイリッシュ路線が洗練された外観に仕上がった。
また、ノーマルのワゴンRでは同年代の7代目アルトのような丸みをヘッドライトに与えることで、ヨーロピアンな雰囲気も演出した。
メカニズムではそれまでのK6A型に変るR06A型エンジンを新規に採用。
軽自動車としては初となる低燃費技術の「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全グレードに採用。
ハイテン鋼などで徹底的に軽量化(先代比-70kg)したことで自然吸気エンジンのFFモデルでは28.8km/L(JC0モード)、ターボ仕様のFFモデルでも26.8km/L(JC08モード)を実現。
5代目では燃費が飛躍的にアップした。
モデル構成は先代と同じくノーマルモデルとカスタムモデル(スティングレー)の2種類。
ただし、先代(4代目)の前期に設定されていたノーマルモデルのターボ仕様は5代目では未設定で、カスタムモデルのスティングレーのみの設定となった。
また、4代目で好評だった特別仕様車の「FXリミテッド」を引き続きカタロググレードに設定。グレード構成もベーシックな「FX」または上級な「FXリミテッド」の2種類と、シンプルになった。
5代目ワゴンR20周年記念モデルとは?特徴とベースモデルとの違い
その5代目ワゴンRは2013年に1993年9月の初登場である初代ワゴンRから数えて20年が経過した。
当時のスタンダードだったアルトをベースに上方向へ室内空間を確保しワゴン型としたボディスタイルは、当時の「狭い」という軽自動車の常識を覆し、またたくまに大ヒットとなった。
そんな20年というロングセラーを記念して2013年7月に生誕20週年を記念して設定されたモデルがこの「20周年記念モデル」である。
出典:スズキ認定中古車
ベースはノーマルタイプのワゴンRで上級グレードである「FXリミテッド」。
これにエクステリアでは
- 専用のインナーブラック仕様ヘッドライト(ディスチャージヘッドランプ)
- 専用ブラックメッキグリル
- 専用15インチアルミホイール(※標準は13または14インチ)
- スチールシルバーメタリックのカラーハンドル
- 20th Aniversaryエンブレム
を。
出典:スズキ認定中古車
ボディカラーには20周年記念専用色の「スチールシルバーメタリック」や「フェニックスレッドパール」を含め全6色を設定。
インテリアでは
- ブラック基調内装(ドアトリムクロス&ドアトリム&インパネ)
- 専用ファブリックシート
- レッドステッチ入り専用本革巻ステアリングホイール
- メッキインサイドドアハンドル
- ステアリングベゼル加飾、
- サテンメッキエアコンルーバーリング
を。
安全装備として
- レーダーブレーキサポート[衝突被害軽減ブレーキ]
- 誤発進抑制機能
- エマージェンシーストップシグナル
- ESP
などを標準装備し、20周年を記念すべく自動ブレーキによる万が一の安全性向上と精悍で特別かつスポーティーな内外装とした。
エクステリア
フロントデザイン。20周年記念仕様車では上述の通り専用ブラックメッキヘッドライトとブラックメッキフロントグリルを採用した。
ノーマルタイプでは通常のメッキタイプのヘッドライトが採用されることが多く、ワゴンRもベーシック感がかなりあったため、インナーブラック仕様により目元がシャキッとした(ヘッドライトは標準でディスチャージ仕様)。
出典:スズキ認定中古車
これにノーマルよりも間隔の狭い格子状ブラックメッキグリルが組み合わさりスポーティーな印象を強めている。バンパーはノーマルと同じだ。
出典:スズキ認定中古車
サイドから。20周年記念仕様ではドアハンドルがシルバー化され、ノーマルと差別化している。セキュリティーアラームはFXリミテッド同様に標準装備。
足元はスティングレー(ターボ仕様)の15インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは165/55R15。
リア。スティングレー用のクリアーテール(LED仕様)を標準装備。リアスポイラーもノーマルでは装備されてないがFXリミテッドベースのため20周年記念でも標準装備される。
この他20周年記念のエンブレムがバックドア右下に付く。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはR06A型の3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は52ps(38kW)/6000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpmを発生。
トランスミッションは全グレードで副変速機付きのCVTのみ。
駆動方式はFFまたは4WDとなる。低燃費技術としては「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を標準装備とした。
2013年7月マイナーチェンジ(2型)ではエンジン制御の最適化やCVTプログラムの最適化、ディファレンシャルギアケースの軽量化にエンジンアンダーカバーの追加などでFFの自然吸気エンジンモデルはの燃費で30.0km/L(JC08モード)を達成。
さらに自動ブレーキとして
- レーダーブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- エマージェンシーストップシグナル
- 車両走行安定補助システム(ESP)
の4点をベースモデルではセットオプションとして設定されたが、20周年記念ではこれを標準装備とし、記念モデルに相応しい内容とした。
インテリア
インパネ。スポーティーな外観に合わせてインテリアもスティングレー用のブラックインテリアを適用。
ステアリングは標準で本皮巻ステアリング。ピアノブラック加飾やメッキ加飾、シルバー塗装など標準ワゴンRよりも上質な雰囲気となった。
このほかエンジンスタートはプッシュスタート式でエアコンはオートエアコンタイプを採用。
スピードメーター。タコメター付きの3眼式スピードメーターを採用。
こちらはベースと同じで燃費効率が良い運転状態になると、スピードメーター照明色が青色から緑色に変化。エコドライブに貢献する(エコドライブアシスト照明)。
フロントシートはベンチシートタイプ。20周年記念仕様として、スティングレー用と同じセンターとサイドで違う生地を使った上質なファブリックシート表皮が付く。
リアシート。初代から20年。後部座席はかなり成熟が進み足元やシート生地を含めてかなり快適に。
ラゲッジルーム。初代から2代目まではラゲッジルームを広く取る設計だったが3代目からは後部座席に重点を置いた設計に。
ただし後部座席のスライド機構を備えるので状況により広さを調節できるようになっている。4人乗りから荷物運びまで非常に実用性が高い部分だ。
フルフラット時の荷室の広さは健在。
まとめ
ワゴンRの20周年記念モデルはひとつのワゴンRの集大成ともいえる豪華なモデルである。
ベースのヨーロピアンなデザインは好き好きが別れることろだが、インナーブラックで差別化されたヘッドライトなど、スポーティー仕様のスティングレーとはまた違った個性が冴える粋なカスタムモデルとなっている。
前期型の5代目ワゴンRを検討しているのなら、このちょっと見た目がスポーティーな20周年記念モデルは考慮の価値があるだろう。
なお、ワゴンRはこのあとエネチャージを進化させたSエネチャージ(マイクロハイブリッド仕様)を追加し、さらなる燃費向上を果たすことになる。
中古市場では5代目前期ワゴンRの中でもタマ数が少なく、5代目前期のグレードの中では他よりも高値となりやすい。
その分特別な内外装やレーダーブレーキサポートなどの安全装備が標準装備となるため、このあたりは価格相応といったところ。
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